第84回 アメリカワインの歴史とワイン法

   

さて、ヨーロッパをほぼ終えて一息つく間もなく新世界へと進みます。最初はアメリカです。

カリフォルニア、ワシントン、オレゴン以外あまりイメージできないアメリカワインですが、現在アメリカ50州ほとんどでワインが造られています。→あっ、心配しなくても試験対策として50州も確認することはありません。

このアメリカを終えると、あとちょっと大変なのはオーストラリアくらいです。皆さんここまでたどり着いたのです。本当に本当によく頑張っていると思います。

また、今が一番辛い時期であることはよくわかります。不安、迷い、焦り、憤り…、真剣にやっているからこそ直面することです。

今、ここを乗り越えれば必ず先が見えてきます。自分を信じてとにかく前進しましょう。

努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る by 井上靖

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第84回 アメリカワインの歴史とワイン法

アメリカは必ず出題されるソムリエ試験的にも非常に重要な国です。毎年5問前後の出題が続いております。→2016年は例年通りでしたが、2015年はなんとソムリエ呼称で8問、アドバイザー・エキスパート呼称で11問の出題がありました。

ワイン生産量の90%をカリフォルニア州が占めており、出題されるのもカリフォルニア州とワシントン州、オレゴン州とあと少しくらいです。

加えて繰り返し出題されてきたのはワイン法の細かな数字です。これが少々やっかいですが、あとはそれほど恐れることはないように思えます。

A アメリカワインについて
●生産量
約2900万hl(国内消費量は3000万hlで増加傾向)

→国内ワイン消費量世界一!国内の消費量が生産量を超えています。

また、州別生産量も問われます。
第2位はワシントン州

第3位くらいまでは覚えておきましょう。

●歴史
・1769年 カリフォルニアでフランシスコ修道会がミサ用のワインを造り始める。
・1849年 ゴールドラッシュによる人口増加でワインの需要も増える。
→アメリカンフットボールのSan Francisco 49ersのチーム名はここから来ています。
・1873年 フィロキセラがソノマで発見される。
1920~1933年 禁酒法施行

・1978年 ワイン法制定

あと、教本の1976年のパリテイスティング、ワイン・アドヴォケイトに関するところは読んでおきましょう。→ワイン業界では半ば常識です。

●気候
太平洋岸地域(カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州)では、北から南へ流れる寒流の影響で、 海に近いほど冷涼で、内陸に入るほど暑くなり乾燥するのが基本。雨は冬期に集中して降り、 夏から秋にかけてのブドウ生育期間の雨量は少ないかほとんど降らないため樅概を行う必要があります。→灌漑という言葉が新世界ではちょこちょこ出てきます。

西洋岸(ニューヨーク州)は、夏は蒸し暑く冬の寒さが厳しい。ハドソン川からカナダ国境沿いの五大湖地方は、冬は寒さが厳しく内陸は積雪が最も多い。一方で、大きな湖の保温効果によって、夏はある程度温暖です。

B アメリカのワイン法
→とにかくこれまで何度も繰り返し出題されています。  
・AVA=American Viticultural Areas
・1978年 ワイン法制定
・1983年 ワイン法改正 / AVA制定

・2003年よりアルコール・タバコ課税及び商業取引管理局(TTB)の管理下に置かれるようになりました。

※AVAは、一定の地理的・気候的なブドウ栽培条件を持つとみなされるエリアの境界線を規定するもので、フランス やイタリアのワイン法のような、ブドウ品種、栽培・醸造方法等を規定するものではありません。また、アメリカのワイン法に格付けは存在しないので、AVA間の優劣もありません。

●エチケット表示まとめ

産地名表示
・国名・州名・カウンティ名表示の場合は75%以上(カリフォルニア州は100%、オレゴン州は95%以上)
・AVA名表示で85%以上畑名表示は95%以上です。

→範囲が狭くなるにつれて、条件も厳しくなります。

ブドウ品種表示

・75%以上

収穫年表示
・AVA名表示の場合は95%以上
・AVA名以外の原産地表示の場合は85%以上
です。

※これらの微妙な細かさを覚えることにどれだけの意味があるのだろうかと思ってしまいます。

さらに
・規定アルコール度7以上14度未満(ただし、±1.5%は許容)14度を超える場合は明示しなければならない。
・Estate Bottledは生産者元詰めを意味し、瓶詰めをするところとブドウ栽培地が同じAVA内にあることが条件です。

・ボルドータイプのワインをメリテージと呼ぶことがある。

C 各州の生産量とブドウ品種について

●州別ブドウ栽培面積とワイン生産量

カリフォルニア州
ブドウ栽培面積:約199,391ha ワイン生産量:24,157,493hl

ワシントン州
ブドウ栽培面積20,234ha ワイン生産量:1,466,102hl

オレゴン州
ブドウ栽培面積:約11,345ha ワイン生産量:506,471hl

ニューヨーク州
ブドウ栽培面積:約11,000ha ワイン生産量:1,162,412hl

ヴァージニア州
ブドウ栽培面積:約1,555ha ワイン生産量:74,273hl

覚えなくてもいいのでなんとなく眺めておきましょう。昔はどこが一番だの二番だの聞かれたものですから。

●ブドウ品種に関して

特にカリフォルニア州の白ブドウ、黒ブドウそれぞれの生産量ベスト3は確認しておいてください。

交配品種、シノニム
・エメラルド・リースリング=ミュスカデル×リースリング
ソーヴィニヨン・ブラン=ブラン・ヒュメ
・ジンファンデル=プリミティーヴォ(イタリア)

・ルビー・カベルネ=カベルネ・ソーヴィニヨン×カリニャン

ひとまず、こんなもので。それでは【過去問】です!

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
次のアメリカ合衆国のワインに関連する(A)〜(D)の語句とつながりの深いものを 1 〜 4 の中から 1 つ選び、解答欄にマークしてください。ただし同じものを2度選ばない事。

(A) TTB
(B) パリ・テイスティング
(C) Pinot Noir
(D) White Riesling

1. Oregon
2. AVA
3. Washington
4. 1976 年

【過去問】
アメリカのワイン法が制定された年を 1 つ選んでください。

1. 1970 年
2. 1975 年
3. 1978 年
4. 1882 年

【過去問】

アメリカで生産されるワインでブドウ品種をラベル表示する場合、そのブドウ品種の最低使用比率を 1 つ選んでください。

1. 100%
2. 95%
3. 85%
4. 75%

【過去問】
A.V.A. 名を表示しているワインで収穫年を表示する場合、その収穫年のブドウの最低使用比率を 1 つ選んでください。

1. 75%
2. 85%
3. 95%
4. 100%

【過去問】
アメリカにおいて1849 年から起きたワイン需要拡大の要因ともなった出来事を 1つ選んでください。

1. 禁酒法施行
2. フィロキセラ
3. 大航海時代
4. ゴールド・ラッシュ

【過去問】

カリフォルニアで開発された Cabernet Sauvignon と Carignan の交配品種を 1 つ選んでください。

1. Zinfandel
2. Rubired
3. Ruby Cabernet
4. Pinotage

【過去問】

アメリカのワイン法を所管する機関の略称を 1 つ選んでください。

1. TTB
2. BATF
3. VQA
4. GIC

【解説】
日本語の選択肢が並んでも大丈夫ですか?

【過去問】
次のオレゴン州のラベル表示法に関する記述中(    )に該当する使用比率を 1つ選んでください。

「オレゴン州において、産地名表記にはその産地のブドウを最低(    )使用することが義務づけられている。」

1. 100%
2. 95%
3. 85%
4. 75%

【過去問】

アメリカワインに関する記述のうち、正しいものを 1 つ選んでください。

1. アメリカのワイン生産量は世界第 5 位である
2. 国内のワイン消費量が生産量よりも多い
3. ワイン生産量では、カリフォルニア州が全体の約 70% を占めている

4. ブティック・ワイナリーと呼ばれるワイナリーが生産量の 90%を占める

【解説】
ブティック・ワイナリーの意味がわかれば。反対に大手ワイン企業が90%です。

【過去問】

アメリカの政府認定の栽培地域、A.V.A. の正式名称を 1 つ選んでください。

1. American Vineyards Alliance
2. American Viticultural Areas
3. Apperation Viticultural Areas

4. Americas Vitcultural Area

【解説】
この手の問題に惑わされないように。選ぶことができればいいんです。

【過去問】

アメリカのワイン生産量は世界第何位か1つ選んでくださ い。

1. 3位
2. 4位
3. 5位

4. 6位

【過去問】

アメリカにおいて1849年から起きたワイン需要拡大の要因 ともなった出来事を1つ選んでください。

1. 禁酒法施行
2. フィロキセラ
3. 大航海時代

4. ゴールド・ラッシュ

【過去問】
次のアメリカの記述に該当するワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。

「イタリア南部プーリア州のプリミティーヴォと同一品種であり、ルーツはクロアチアの土着品種と報告されている。」

1. プティット・シラー
2. ジンファンデル
3. ルビー・カベルネ

4. ラビレッド

【過去問】

アメリカでは通常のテーブルワインではアルコール度数が何度以上の場合、表示しなければならないのかを次の1~4 の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 8.5%以上
2. 9.0%以上
3. 14.0%以上

4. 14.5%以上

【過去問】

カリフォルニア州では、AVA名をラベルに表示するためには、AVA 内で収穫されたぶどうの使用率が決められています。次の1~4の中から正しい使用率を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 65%以上
2. 75%以上
3. 85%以上

4. 95%以上

【過去問】

アメリカでのワイン生産量が最も多いのはカリフォルニア州ですが、2 番目に生産量が多い州を 次の 1-4 の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. オレゴン州
2. ワシントン州
3. テキサス州

4. ニューヨーク州

【過去問】

次の中からアメリカでワインに収穫年を表示する場合の、その年のぶどう使用率として正しいものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 75 %以上
2. 85 %以上
3. 95 %以上

4. 98 %以上

【解説】

収穫年の表示に関して、2006年より郡名、州名表示の場合は85%以上に変更になりました。AVA名表示の場合のみ95%以上です。よって、今後は上記と同じ文面の問題は出題されないはずです。

【過去問】

アメリカでは禁酒法によりワイン造りも沈黙せざるを得ない不幸な時代があったが、次の中からその施行期間として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 1861 年 ~ 1865 年
2. 1914 年 ~ 1918 年
3. 1917 年 ~ 1940 年

4. 1920 年 ~ 1933 年

【過去問】

次のアメリカのワイン法についての記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ワインの産地名を表示する場合は、その産地が郡名(カウンティー)の場合はその郡内で収穫されたぶどうが75 %以上、AVAの場合は95 %以上でなければならない。
2. ぶどうの品種名を表示する場合は、表示されたぶどう品種を75 %以上使用しなければならない。
3. 収穫年を表示する場合は、2006 年6 月1 日よりAVA 名以外の原産地を表示しているワイン(郡名、州名)については、85 %以上がその年に収穫されたぶどうでなければならないこととなった。

4. ワインのアルコール含有量でアルコール度数が14%を超える場合はその旨を明示しなければならない。

【過去問】

次の中からカリフォルニアで開発された交配品種 Ruby Cabernetの交配として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cabernet Franc × Gamay
2. Cabernet Franc × Carignan
3. Cabernet Sauvignon × Carignan

4. Cabernet Sauvignon × Zinfandel

【過去問】

次のカリフォルニアワインの歴史に関する記述中の( )に該当する語句を下記の中から 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「カリフォルニアワインは、1769 年にローマカトリック教会の( )修道会の修道士たちがミサ用にワイン造りを始めた事が歴史の始まりとなった。」

1. サンパウロ
2. サンベネディクト
3. フランシスコ

4. ドミニコ

【解説】
カリフォルニアにはサンフランシスコがありますからね。えっ?

【過去問】

次のアメリカのワイン法に関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. AVA 名を表示し、収穫年を表示する場合は、95%以上その年のぶどうを使用していなければならない。
2. ぶどう品種を表示する場合は、表示されているぶどう品種を75%以上使用していなければならない。
3. テーブルワインは醗酵の過程での糖分添加が許されており、添加した場合はアルコール含有量を14%以上にしなければならない。

4. 元詰めにあたるエステイト・ボトルド(Estate Bottled)は、ボトリングするワイナリーとすべてのぶどうを栽培するぶどう園が同一のブドウ栽培エリアに位置していなければならない。

【解説】

3.テーブルワインは醗酵の過程での糖分添加が許されていません。

【過去問】

次の中からカリフォルニアワインを国際的に認知させた、パリで開催されたフランスワインとの比較テイスティングが行われた年号に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 1973 年
2. 1976 年
3. 1978 年

4. 1979 年

【解説】

今年の教本にはバッチリ書かれています。これまではソムリエ試験的にはそれほど重要視されていなかったのですが。ただ、ソムリエ業をしていますと、ワイン好きなお客様とお話することも大切な仕事ですから、アメリカのワイン法を覚えるよりもこのような知識の方がより重要かなとも思えます。

【過去問】

次の中からAVA 名を表示しているワインの場合、収穫年表示に必要なその年に収穫されたぶどうの最低使用規定として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 75%
2. 85%
3. 95%

4. 100%

【過去問】

次の中からアメリカのAVAの略語として正しいものを1つ選び解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. American Viticultural Areas
2. American Vitis Aestivalis
3. American Vigne Areas

4. American Vine Acre

【過去問】

次のアメリカのワインに関する記述中、下線部A およびB に該当する語句として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「アメリカのワイン生産量の約(A)___がカリフォルニア州で生産され、そのうち約(B)___は大規模なワイン生産者数十社が生産している」

1. (A)80% (B)半分
2. (A)90% (B)90%
3. (A)半分 (B)75%

4. (A)半分(B)半分

【解説】

これは90、90です。覚えておきましょう。

【過去問】

次の記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「アメリカのワイン法による表示で、産地が州であれば州名が記載されるが、州内で収穫されたぶどうが85%以上使用されていることが義務付けられ、さらにカリフォルニア州では100%、オレゴン州では90%以上使用されていることが義務付けられている。」

1. 正    2. 誤

【過去問】

次のアメリカに関する記述中、下線部(a)~(d)の中で誤っている箇所を1つ選んでください。

「アメリカは(a)1848年にメキシコ戦争に勝利し、カリフォルニアはアメリカの一部となった。19世紀後半には(b)ジャン・ルイ・ヴィーニュによって、(c )ラブルスカ系のぶどうが持ち込まれ、東部よりもぶどう栽培に適した気候の恩恵を受けて、ワイン産業が大きな発展を遂げたが、(d)1920年から1933年までの禁酒法の施行により、アメリカのワイン産業は壊滅的な打撃を受けた。」

1.(a)
2.(b)
3.(c)

4.(d)

【解説】
今年の教本には記載が無いような気がしますが。でも、ここまで勉強した方は常識的にわかると思います。

【過去問】

次の記述中、( )に該当する出来事を1つ選んでください。

「カリフォルニアは、1849年からの( )で、ワインの需要も拡大する。」

1. ミサ用ワインの普及
2. 禁酒法の反動
3. デイヴィス校の功績

4. ゴールドラッシュによる人口の急増

【過去問】

次の記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「アメリカにおいてフィロキセラは、1873年に最初にソノマで発見され、またたくまに多くのぶどう畑に侵入して危機に陥ったが、ラブルスカ系を台木にした接木苗が東部経由で輸入されたことで、被害を克服することができた。」

1. 正

2. 誤

【過去問】

次の記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「2007年のO.I.V(. 国際ぶどう・ぶどう酒機構)の資料による国別ワイン生産量で、アメリカはイタリア、フランス、スペインについで第4位である。」

1. 正

2. 誤

ここはちょっと気合が必要です。
そして、次もアメリカです。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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