第57回 オーストリアのワイン産地

   

先日、ワールドカップ直前のこのタイミングでサッカー日本代表の監督が交代したニュースが世間を騒がせましたが、以前、サッカー好きとして知られる明石家さんま氏がサッカー日本代表の試合を見て感じたコメントが新聞に掲載されており、面白いなと思ったことがあります。

日本人サッカー選手の欠点を「想像力が乏しい」と指摘した。

明石家さんま氏は、ブラジルやスペインのサッカーを「ひらめきがすごい」と賞賛。さらに、メンバー同士で「ここにパスをする」「ここにパスがくる」というイメージの連携がとれていると語った。そして、「日本人はイマジネーションが足りないんですよ。元々国民性がね」と主張。日本人は頭が良い代わりに想像力が乏しいと持論を展開させた。

私はさんま氏のコメントの意味がよくわかります。日本人の国民性として、

”イメージ”
”ひらめき”

ここが本当に日本の弱いところの一つです。

日本人も幼少期にはさまざまな発想・ひらめきをイメージとして思い浮かべていたに違いありません。しかし、間違えることが恥ずかしいという日本の文化、大人の感覚の元、自由な発想・イメージを持つことはダメだと教わってしまいます。なんと言っても日本は”出る杭は打たれる”文化で、協調性、横並び、平等、正解を好みます。
→出る杭になっても打たれないためには、打たれないくらい圧倒的に高くそびえる杭になることで、ただ、誰もが簡単になれるものではありません。

例えば、幼稚園でリンゴの絵を描かせるとします。日本ではリンゴは赤色か薄い緑色に塗られた絵が評価されることが多く、黒や青、オレンジ色等、大人がリンゴから想像しえない色を使うと”間違っている”と指導されることが多いと聞きます。一方で例えば、個人主義の国フランスでは実際のリンゴが何色であろうと、幼児の絵の色彩感覚や自由な発想を褒め称えます。

諸外国には自由な発想を正しい、もしくは受け入れる文化が存在するように感じます。この幼少期からの枠にハマらない発想、イメージが人の感性を豊かにします。自由に発想できることは勉強ができること、頭が良いこととはまた別の能力です。

日本人が勤勉である理由の一つは、枠からはみ出すことがいけないとされる土壌に由来するような気がします。はみ出さずに協調性、恥を重んじるため皆一様に行動します。もともと農耕民族であったことも関係しているのでしょう。

まじめで与えられた物事はしっかりこなします。存在するものを改良して素晴らしい品質に作り替えます。海外にいるとメイド・イン・ジャパンがいかに素晴らしいかが本当によくわかります。

一方で日本人は皆おおよそ平均的で、飛び抜けた天才が生まれにくい環境です。また、芸術的発想・センスに乏しい国民性と言われます。音楽、絵画など芸術を志す方が海外に飛び出す理由もこのあたりにあるのでしょう。

勤勉で平均的、大人しい国民性に、成熟した経済、(国家として)管理する側にとって日本ほど統治しやすい国はないでしょう。

さんま氏が言う「想像力が乏しい」

間違ってはいけないと思う思考、人と違うことが恥ずかしいと思う感覚、正解を探し求める習慣。自由な発想を良しとしない日本で育ち、それゆえに良くも悪くも遊びから学べない。マニュアル通りの解答しか持てない。極論すれば自分自身で考えることができない…。

平均的であることが良しとされているため、自由の部分が少なく、想像する習慣があまりない為、型にハマった時はいいのですが、崩されると弱い。勝負どころ、強弱を読みきれないという意味まで含んでいるようにも思います。

技術面、精神面、体力面、全てにおいて日本男子サッカーはまだ世界のトップレベルではないのかもしれませんが、それ以上にこの想像力、イメージする力の欠如が足枷になっていると私も思います。

試験対策に話を戻せば、特にテイスティングは”イメージ”だと言えます。映像として数値として言葉として頭の中にパッと広がる、浮かび上がるものを持てるようになれば強いのです。イメージすることに慣れていない方はおそらく苦労します。さらに、テイスティングには絶対に正解と言うものがありませんから余計にです。反対にスムーズにイメージできる人はそのイメージ通りにさまざまな事柄が展開される経験をお持ちでしょうから、テイスティング対策も順調に進むものと思われます。

全ての事柄はある程度イメージ通りに進むものです。強いイメージによって導かれるといっても良いかもしれません。

メッシやイチローはおそらく(会ったことも話したこともありませんが)試合中の全ての事象が完璧にイメージ出来ているんだと思います。そして、そのイメージをどこまで具現化できるか、彼らの戦いはそこにあるのでしょう。まさに天才です。

イメージする、イメージトレーニング。そして、あなたが合格するという強いイメージ。

私は合格するためにテイスティングについても”イメージ”することが良い結果をもたらしてくれると信じております。

※表紙は居酒屋”ホイリゲ”。自家製ワイン”ホイリゲ”と料理を自宅の庭等で提供し始めたことが始まり。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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第57回 オーストリアのワイン産地

D オーストリアの主な生産地域

ほぼ全ての生産地域が、オーストリアの東側、チェコ、スロバキア、ハンガリーの国境沿いにあり、3つの栽培地方、9つの包括的生産地域、さらに16の限定的生産地域に細分化されています。

・DACとは?

オーストリアのワイン法はドイツ式分類を採用していますが、2002年にフランスやイタリアのような原産地呼称制度を取り入れ始めました。クヴァリテーツヴァイン以上。Districtus Austriae Controllatusの略です。

●ニーダーエスタライヒ州
→チェコ、スロバキアとの国境付近

オーストリア東北部、全栽培面積の6を占めます。
ブドウはグリューナー・ヴェルトリーナー、リースリングが有名です。

さらに8つの生産地域にわけられており、現在そのうちの4つがDACに認定されています。

・ヴァッハウ
ほぼ白ワイングリューナー・ヴェルトリーナーが半分以上、リースリングその半分以下
オーストリアのワイン法とは別に独自の品質基準を設定しています。
—–
シュタインフェーダー(きゃしゃな野草)
→最も軽い白、クヴァリテーツヴァインクラス
フェーダーシュピール(鷹狩り)
→カビネットクラス 
スマラクト(エメラルドのとかげ)

最高位の辛口白ワイン、シュペトレーゼクラス

※オーストリアにとって新しい概念である原産地呼称制度 DACはいまだそれほど機能していないように思います。その一番の理由としてこの国一番のワイン産地と言っても過言ではないヴァッハウがDACに入っていないことがあげられます。

・クレムスタールDAC→ヴァインフィアテルの冷風とパノニア平原から暖風
・カンプタールDAC→ヴァインフィアテルの冷風とパノニア平原から暖風
・トライゼンタールDAC→グリューナー・ヴェルトリーナー比率最多。
・ヴァインフィアテルDAC→オーストリア最大の産地 

※上記の産地は概ねグリューナー・ヴェルトリーナー主体、その次にリースリングと考えて良い。

●ブルゲンラント州(ハンガリーとの国境付近)

全栽培面積の約3割を占めます。オーストリアの赤ワインの半分がこの地域で生産されており、ブラウフレンキッシュ、ツヴァイゲルト主体です。→こちらはパノニア平原に位置するため温暖で、力強くリッチな赤ワインが造られます。

・ノイジードラーゼーDAC 赤ワインの産地、ツヴァイゲルト
・ライタベルクDAC ブラウフレンキッシュルスター・アウスブルッフが有名←前回出てきました。
・ミッテルブルゲンラントDAC→ブラウフレンキッシュ、ブルゲンランド州最初のDAC

・アイゼンベルクDAC←もっとも栽培面積の小さいDAC

●ウィーン
ホイリゲ=ワイン酒場、新酒
ゲミシュター・サッツ=混植混醸ワイン:複数品種が同じ畑に植えられており、同時に収穫され醸造されます。

・ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDAC←2013年

●シュタイヤーマルク州(スロベニアとの国境付近)

ソーヴィニヨン・ブランなどの白ワインが7割を占める。この地方ではホイリゲ(ワイン酒場)がブッシェンシャンクと呼ばれます。シルヒャーという酸の強いロゼワイン。

※オーストリアに限らず、教本には各国別に”ワインと料理”の項目があります。ワインを学ぶ上でその土地の料理を知ることはとても大切ですが、これまでに出題されていないのでこの講座では無視することにします。フランスとイタリアに関しては、これまでに出題された範囲については勉強しようと思っています。

【過去問】で確認しましょう。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問 2017】
ヴァッハウの属する包括的生産地域を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ニーダーエスタライヒ州
2. ウィーン州
3. ブルゲンラント州
4. シュタイヤーマルク州

【過去問】
次の地図中 1 〜 8 の中からA、Bに該当するオーストリアワインの産地を それぞれ 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

A Wachau
B Weinviertel DAC

【過去問】
2013 年にヴィーナー・ゲミシュター・サッツ DAC が認定された包括的生産地域 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ブルゲンラント州
2.
シュタイヤーマルク州
3.
ウィーン州
4.
ニーダーエスタライヒ州

【過去問】
ミッテルブルゲンラント
DAC の主要ブドウ品種を 1 つ選び、解答欄にマークし てください。

1. Blauer Zweigelt
2. Blaufrankisch
3. Neuburger
4. St. Laurent

【過去問】
オーストリアワインを生産する限定的生産地域 Neusiedlersee DAC が属する包括的生産地域を 1 つ選んでください。

1. Wien
2. Steiermark
3. Burgenland
4. Niedero

【過去問】
オーストリア東北部にあり、オーストリアの全生産地域面積の約 61%を占める州名を 1 つ選んでください。

1. Niederosterreich
2. Burgenland
3. Steiermark
4. Salzburg

【過去問】
次の記述に該当するオーストリアのワイン産地名を 1 つ選んでください。
「冷たく湿気を帯びたヴァインフィアテルからの風と、暖かく乾燥したパノニア平原からの風の影響を受ける。主な品種はグリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングであり、DAC を名乗るためにはこれらの品種のどちらかを使用しなければならない。」

1. Eisenberg DAC
2. Mittelburgenland DAC
3. Kremstal DAC
4. Neusiedlersee DAC

【解説】
グリューナー・ヴェルトリーナー、冷風・温風ときて思い浮かべるべきは二つ。

【過去問】

オーストリアのWachauにおいて、最高のワインに与えられ る名称を1つ選んでください。

1. スマラクト
2. フェーダーシュピール

3. シュタインフェーダー

【過去問】

オーストリアでソーヴィニヨン・ブランが主要品種として栽培されているエリアを1つ選んでください。

1. ウイーン
2. ズュートシュタイヤーマルク
3. ミッテルブルゲンラント

4. クレムスタール

【過去問】

次の中からグリューナー・ヴェルトリーナー、ヴァイスブルグンダー、リースリング、ノイブルガー等が混植、混醸されたオーストリアの伝統的ワイン「ゲミッシュター・サッツ」を生産する地方を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ウィーン
2. シュタイヤーマルク
3. ブルゲンラント

4. ニーダーエスタライヒ

【過去問】

次のオーストリアワインに関する記述に該当する格付け名称を下記の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「ヴァッハウで最高のワインに与えられる名称。日当りのよいぶどう樹の下でまどろむエメラルドのとかげに由来する。シュペートレーゼ級のぶどうから造られ、豊かな果実味とバランスのよい酸味の調和したワイン」

1. Steinfeder
2. Federspiel
3. Smaragd

4. Lieblich

【過去問】

次のオーストリアワインに関する記述中(A)~(D)の中で誤っている箇所を1つ選んでください。

「オーストリア(A)東北部に位置する包括的生産地域ニーダーエスタライヒ州には、法的に定められた(B)20の限定的生産地域のうち、(C)ヴァッハウ、クレムスタールDAC、ヴァグラム、カンプタールDACなど(D)8つの限定的生産地域が存在する」

1.(A)
2.(B)
3.(C)

4.(D)

【過去問】
次のオーストリアワインの記述に該当する産地名を 1 つ選んでください。

「典型的なパノニア気候の、温暖な産地でツヴァイゲルト単一もしくはツヴァイゲルト主体のブレンドのワインを造っている」

1. Neusiedlersee DAC
2. Kamptal DAC
3. Eisenberg DAC

4. Sudsteiermark

【解説】

1.~4.の主要ブドウ品種のイメージは持てるようにしましょう。パノニア気候、ツヴァイゲルトとくればここしかありません。

【過去問】

次の中から、オーストリアワインで有名な「ホイリゲ」の意味として適切なものを1つ選んでください。

1. 酒精強化ワイン
2. 貴腐ワイン
3. スパークリングワイン

4. 新酒

【過去問】

オーストリアワインを生産する限定的生産地域「Neusiedlerseeノイジードラーゼー」が属する包括的生産地域を1つ選んでください。

1. Wien
2. Steiermark
3. Burgenland

4. Niederosterreich

【過去問】

オーストリアワインを生産する限定的生産地域「Wachau(ヴァッハウ)」の格付けにおける「スマラクト」の説明に該当するものを1つ選んでください。

1. 鷹狩りの道具にちなんで命名されたもので、豊かな果実味をもつエレガントなワイン。KMW糖度は17~18.2度で、アルコール度数は11.5~12.5度。
2. ヴァッハウで最高のワインに与えられる名称で、日あたりのよいぶどうの樹の下でまどろむ、エメラルド色のとかげに由来する。シュペートレーゼ級のぶどうから造り、最低糖度は18.2KMWで、アルコール度数は12.5度以上。
3. オーストリアワインに伝統的に認められてきた表記で、傾斜が26度を超える段丘や急斜面に植えられたぶどう樹から収穫したぶどうを原料としたワイン。

4. きゃしゃな野草、スティパ・ペンナータになぞらえて命名された。最も軽いタイプの白ワインで、KMW糖度は15~17度。ワインは軽くフルーティで、残糖4グラム以下の辛口、アルコール度数は11.5度以下。

【解説】

3.の選択肢は何を指しますか?

【過去問】

次の中からオーストリアのブルゲンラント州でオーストリア最高の貴腐ワイン、ルスター・アウスブルッフが産出される生産地域に該当するものを1つ選んでください。

1. Neusiedlersee
2. Neusiedlersee-Hugelland
3. Mittelburgenland

4. Eisenberg

おおまかに理解したところで次に進みましょう。そしてまた戻って確認です。私もどんどん進みます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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