第93回 南アフリカのワイン

   

いただいた質問にお答えします。

一次試験において”最も多いブドウ品種”や”国別の生産量”などが問われた場合、その数字は何年のものを基準とすればいいのでしょうか。

教本を見ているとデータによって調査年が違っていたり、さらに古いデータが記載されている箇所などあり、どれを主軸に見ればよいのかがよくわかりませんでした。

基本的には最新のものをそれぞれチェックしておけばいいのでしょうか。

ブドウは農産物ですから、さまざまな要因で毎年生産量が変わります。また、栽培されているブドウ品種も時代の流れや流行がありますから、毎年同じではありません。

ソムリエ試験ではこのような出題が時折見られます。

【過去問】

日本において最も仕込み量が多い赤ワイン用ぶどう品種を 1 つ選んでください。

1. カベルネ・ソーヴィニヨン
2. メルロ
3. マスカット・ベーリー A

4. ヤマ・ソーヴィニヨン

【過去問】

イタリアにおいて2010年度ワイン生産量1位のD.O.C.G./D.O.C.を1つ選んでください。

1.  Asti
2.  Chianti
3.  Prosecco

4.  Montepulciano d’Abruzzo

結論から言いますと、ソムリエ教本に記載がなければ覚える必要はありません

さまざまな数字に関してソムリエ協会側も把握していないことがちょくちょくあります。←数字に限らないのですが。そのような場合は教本に記載がないか、曖昧になっておりますから気にせず無視して先を急ぎましょう。

私はここ6年間、教本と睨めっこしながらこの講座を更新しております。ソムリエ教本においても、毎年正しく更新されている箇所、全く更新されない箇所、さらにはいきなり記載が消え落ちて去年までの記載は間違っていたんじゃない?と思わせる箇所などさまざまございます。

あまり大きな声ではいえませんが、ソムリエ教本ってちらほら誤った記載まで存在するのです。←筆記試験はたとえ記載が間違っていようとソムリエ教本を主体に出題されるので、教本を基準に暗記です。

ですから、ご質問のように一律にどの年を基準にしてというわけにはいきません。国や生産地によって集計のやり方やペースが違いますし、それらの情報をソムリエ協会が集められるかどうかということも関係します。

これらのブドウ品種別生産量や国別生産量、栽培面積ランキングなどの数字は教本に記載のある最新の数字を確認することが大切です。

ちなみに、近年までの教本では、ニュージーランドにおいてピノ・グリがシャルドネより生産量が多いとされていましたし、昨年度ある方から『最新の発表では、生産量でカベルネ・ソービニヨンがシラーを超えました。教本の内容は情報がちょっと遅いみたいですね』というメッセージをいただきました。このようなことがあるということです。

世界中のワイン情報を全て正確にまとめるというのは難しいことなのだと思います。

ですから、そんなに深く考えずに、今年のソムリエ教本の数字が正しいというスタイルで進めましょう。

もう一つ、

オーストラリアの過去問で質問です。

【過去問】
次の 1-4 の中からオーストラリアで海洋性気候の影響を受けていないワイン産地を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.  クナワラ
2.  ジロング
3.  マーガレット・リヴァー
4.  スワン・ディストリクト

教本には
1.クナワラ 海洋性気候
2.ジロング 海洋性気候
3.マーガレット・リヴァー 地中海性気候
4.スワン・ディストリクト 地中海性気候

となっており、協会発表の模範解答は 4.スワン・ディストリクト。

???あれ?どうなんでしょう。

こちらは2005年の問題で、おそらく教本の記載が今とは違ったのでしょう。←このようなことはよくあります。そして、今年の教本は(森さんがかなり気合を入れて作り直したそうですが)かなり改定されましたので、これまでの模範解答が当てはまらない可能性は多々あると思います。

一つ言えることはスワン・ディストリクトはやや内陸の産地です。さらに、以前マーガレットリヴァーは海洋性気候と言われておりました。←今年の教本は地中海性気候です。

ただ、今年の教本には、スワン・ディストリクトの項目に「有名なフリーマントル・ドクターと呼ばれる海風によって…」という記載があるので、海の影響を受けていないとは言い切れない感じですね。

地中海性気候も海洋性気候もケッペンの気候区分によって定義された気候ですが、その決定は気温と降水量の二変数の単純な計算によってなされます。地中海性気候と海の名前がついておりますが、これは地中海沿岸地域に見られることから名付けられたものであり、海の影響を受けているとは限りません。

と、このようなこともあり、【過去問】がまたは、選択肢が、模範解答が間違っていることは多々あります。ですから、ご自身でしっかり調べてもわからないことは、「おそらく状況が変わったんだなぁ」と思ってスルーすべきで、このような問題は出題されないと考えてもよいと思います。

でも、こうして悩んでしっかり調べたことは記憶に残るもので、いざという時に役にたちます。

運命とは命を運ぶと書く。誰が運ぶのか、それは他でもないあなただ。そして、どこへ運ぶかは、あなたが考えればいい。 by 林正孝

※表紙は山に囲まれた渓谷の産地、Stellenboschのブドウ畑

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第93回 南アフリカのワイン

南アフリカです。これまでそれほど出題が見られませんでしたが、2010年から昨年まで7年連続で数問出題されています。さらに近年、市場でよく見かけるようになってきました。←フランスワインの私が月に一回くらい出会うということは、かなりのものだと思います。数年前までは一年に一本も飲みませんでしたから。頑張ったほうが良いかもしれないですね。

それでも時間の無い方に、キーワードだけでやり過ごす、ワンポイント講座です。

南アフリカワインのkeyword!
・シュナン・ブラン=スティーン
・ピノタージュ=ピノ・ノワール × サンソー
・コースタル・リジョンのステレンボッシュとパール
・ヤン・ファン・リーベックの後にユグノー派

・KWVとW.O.そして85%、100%

A 南アフリカのワインについて
●気候

東がインド洋、西が大西洋に面しており、国土の大部分が温暖で日照時間の長い地中海性気候です。冬に雨が降りますが、夏は乾燥し灌漑が必要な地域もあります。
春から夏にかけて「ケープドクター」と呼ばれる強い乾燥した風が吹き、防虫剤や防カビ剤の使用が最小限に抑えられます。
→世界で最も環境に配慮したワイン生産国 として「自然環境保護とワイン産業の共栄」をコンセプトに掲げています。

●歴史
1655年 ブドウ栽培開始。
1659年 オランダのヤン・ファン・リーベックが「ケープのブドウから最初のワインが造られた」と記録。
1685年 フランスでナントの勅令が廃止され、宗教迫害を受けたユグノー派のフランス人たちが入植。ワイン造りの技術を向上させる。
1918年 南アフリカワイン醸造者共同組合連合KWV設立

1925年 ピノ・タージュ誕生
1994年 アパルトヘイト全廃後、先進国からの投資が進み、品質向上、輸出量が大幅に増えました

●ワイン法
1918年 南アフリカ醸造者共同組合連合KWV設立

1973年 原産地呼称制度 W.O.(Wine of Origin)

・ラベル表示は基本的に85%以上ですが、W.O.表示のみ100%でなければならない。

・瓶内二次醗酵のスパークリングワインにCap Classiqueの文字

●ブドウ品種
白ブドウ
①シュナン・ブラン(=スティーン)→栽培面積世界一!!
②コロンバール
⑤ソーヴィニヨン・ブラン

シャルドネ

黒ブドウ
③カベルネ・ソーヴィニヨン
④シラー
⑥ピノタージュ=ピノ・ノワール × サンソー
メルロ

→白赤比率では白の方が多いのですが、近年赤ワインの比率が上昇し、また白ワインへの回帰がみられるようになりました。

※南アフリカのワイン生産量が世界で何番目か確認しておいてください。(このあたりは年によって順位が変動します)

B 南アフリカのワイン産地

生産量の9割が西ケープ州です。

西ケープ州

●沿岸地域(コースタル・リジョン)
降水量が多く、太陽の光と海から涼風に恵まれています。

ステレンボッシュ

南アフリカ最大の産地。ケープタウンの東。高級ワイン、ブティックワイナリーが多い。カベルネ・ソーヴィニヨン。ワイナリー急増。ステレンボッシュ大学。←南ア唯一の栽培・醸造学科。

パール

ユグノー派が開拓。シャルドネ、シラー。

・スワートランド
西ケープ州最大の「地区」

・ケープ・ペニンシュラ地区(アフリカ大陸の最南西コンスタンシア小地区)
ナポレオンが愛したという甘口ワイン、クレイン・コンスタンシア(ミュスカ・ド・フロンティニャン種)→1986年、伝説のコンスタンシア復活。

●ブレード・リヴァー・ヴァレー
灌漑。栽培面積は南アフリカの1/3を占めます。

・ロバートソン
石灰質土壌のシャルドネ。最近ではソーヴィニヨン・プラン、瓶内二次発酵のスパークリングワイン 「キャップクラシック」が評価されています。

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
2014 年の南アフリカにおいて、最も栽培面積が広いブドウ品種を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Cabernet Sauvignon
2. Pinotage
3. Chenin Blanc
4. Chardonnay

【過去問 2016】
南アフリカ西ケープ州最大の地区で、近年は SIP と呼ばれるテロワールを尊重した高品質なワイン造りを目指すアライアンスを結成した地区を 1 つ選び、解答欄 にマークしてください。

1. Robertson
2. Stellenbosch
3. Paarl
4. Swartland       

【解説】
確かにちょっと難しい問題です。ただ、西ケープ州最大の地区のところでわかった方も多いのではないでしょうか。SIPとは「
スワートランド・インデペンデント・プロデューサーズ」の略です。
 

【過去問 2016】
18
19世紀にヨーロッパで一世を風靡した南アフリカ産甘口デザートワインを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. キャップ・クラシック
2. 
コンスタンシア
3. ボーバーグ
4. ケープブレンド

【過去問】

南アフリカの原産地呼称「W.O」の原産地名をラベルに表記する場合の規定として正しいものを1つ選んでください。

1. 75%以上その産地のブドウを使用しなければならない
2. 85%以上その産地のブドウを使用しなければならない
3. 95%以上その産地のブドウを使用しなければならない
4. 100%その産地のブドウを使用しなければならない

【過去問】

1918 年に設立された南アフリカワイン醸造協同組合連合の略称を 1 つ選んでください。

1. VDP
2. KWV
3. VQA
4. INAO

【過去問】
ブドウを腐敗やウドンコ病から守る、南アフリカに吹く南東の強風の名称を 1 つ選んでください。

1. Autan
2. Scirocco
3. Mistral
4. Cape Doctor

【過去問】
南アフリカにおいて Chenin Blanc の別名を 1 つ選んでください。

1. Hanepoot
2. Auxerrois
3. Palomino
4. Steen

【過去問】
南アフリカ全体のブドウ栽培面積の約 33%を占めるウェスタン・ケープのリージョンを 1 つ選んでください。

1. Breede River Valley
2. Cape South Coast
3. Coastal Region
4. Olifants River

【過去問】

南アフリカ共和国のワイン産地の気候を 1 つ選んでください。

1. 地中海性気候
2. 海洋性気候

3. 大陸性気候

【過去問】

南アフリカにおいてワイン用ぶどう品種「Steen」の別名を 1 つ選んでください。

1. Chenin Blanc
2. Sauvignon Blanc
3. Colombard

4. Chardonnay

【過去問】
南アフリカにおいて「シュナン・ブラン」の別名を1つ選んでく ださい。

1. アネプート
2. ルーレンダー
3. パロミノ

4. スティーン

【過去問】

南アフリカ独自の品種ピノタージュは、ピノ・ノワールと何のワイン用ぶどう品種を交配しているか1つ選んでください。

1. シラー
2. カベルネ・フラン
3. ルビー・カベルネ

4. サンソー

【過去問】

次の1~4 の中から南アフリカワイン産地のDistrictでコースタル・リジョンでないものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Tygerberg
2. Stellenbosch
3. Robertson
4. Paarl

【過去問】
次の中から南アフリカ独自のワイン用ぶどう品種Pinotageの交配として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Pinot Blanc × Chardonnay
2. Pinot Noir × Gamay
3. Pinot Noir × Cinsaut
4. Pinot Gris × Shiraz

【過去問】
次の南アフリカワインの起源に関する記述の( )に該当する人物名を下記の中から1名選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「1652 年にオランダ東インド会社の(  )がケープに入植し、1655 年にぶどうを植え、1659 年に初めてこの地でワインを造った」

1. サムエル・マースデン
2. アーサー・フィリップ
3. シルヴェストーレ・オチャガビア
4. ヤン・ファン・リーベック

【解説】
それぞれ同じような役割を果たした人たちです。せっかくですからどこの国の人か確認してみましょう。

【過去問】
次の中から2005 年度の実績で南アフリカで最も栽培面積が多かったワイン用黒ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cabernet Franc
2. Merlot
3. Cabernet Sauvignon
4. Pinot Noir

【過去問】
次の中から南アフリカにおける原産地呼称の略称に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. D.O.C.
2. C.O.
3. D.O.
4. W.O.

【過去問】
次の中から、南アフリカのワイン生産地域 Stellenboschに該当する地方を1つ選んでください。

1. Breede River Valley
2. Coastal
3. Olifants River
4. Klein Karoo

【過去問】
次の南アフリカのワイン法に関する記述に関して正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「原産地呼称(W.O)は、1918年に制定され、品種名の表示は、85%以上が表示する品種であること、収穫年度の表示も85%以上、さらにW.Oの産地名を表示する場合は、100%その産地のものでなけらばならない。」

1. 正    2. 誤

【過去問】
次の南アフリカのワイン用ぶどう品種と別名の組み合わせの中から誤っているものを1つ選んでください。

1. Cinsaut = Hermitage
2. Chenin Blanc = Steen
3. Colombard = Cruchen
4. Weisser Riesling = Rhein Riesling

【過去問】
過去には量の国といわれたが、1970 年代後半を転換期として品種の植替え、さらに大幅な減反、そして海外からの資本の投入や技術の改新により急激な進歩をとげ、現在はMalbec 種などにより国際レベルのワインも生産されている国を次の1~4 の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 南アフリカ
2. ニュージーランド
3. アルゼンチン
4. チリ

【過去問】
次の南アフリカのワインに関する記述の中から、正しいものを1つ選んでください。

1. オリファンツ・リヴァー地方の栽培面積は南アフリカ最大である。
2. Steenは南アフリカの最大の栽培面積を誇るぶどう品種である。
3. Cap Classiqueの表記は伝統的なコルク打栓方法を意味する。
4. 南アフリカのワインはアパルトヘイトが続き輸出が減少している。

【過去問】
南アフリカの主要なワイン用黒ぶどう品種で、南アフリカ独自の交配品種を1つ選んでください。

1. Cabernet Sauvignon
2. Shiraz
3. Hermitage
4. Pinotage

【シニア過去問】
次の中から南アフリカにおいて18~19世紀ヨーロッパ王侯貴族にソーテルヌやマデイラと並んで愛されたワインに該当するものを1つ選んでください。

1. ヴァン・ド・コンスタンシア
2. ミュスカ・ド・フロンティニャン
3. スティーン
4. キャップ・クラシック

ここはこんなものです。一次試験対策は終わりが見えてきました!

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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