第29回 コート・シャロネーズからボージョレ

   

さて、前回のオスピス・ド・ボーヌのオークションの続きです。

ホスピス・ド・ボーヌのオークション 2

当日の朝、オークションに出品される醸造し終えたばかりのワインを樽から試飲することになっていました。

オークションが行われるのは11月半ばですから、ブドウがワインになって一ヶ月程度ということになります。経験のある方はおわかりだと思いますが、醸造が終わってすぐのワインは渋みや苦味が強く、ギスギスしていて到底美味しいと思えるものではありません。それでも、この段階のテイスティングで、その年のワインの出来を占うというわけです。

前夜も遅くまでワイン三昧であった私たちは、二日酔いの体に鞭を打って朝早くからテイスティングに望みました。しかし、はっきり言ってワインの記憶はありません。カーヴに入場するためにものすごく寒い中しばらく並んだことと、薄暗いカーヴの中をグラス片手に進んだことを思い出す程度です。

午後になり体調も戻り始めた頃、私たちもオークション会場に入りました。

2005年よりこのオークションを大手のクリスティーズが取り仕切ることになったようで、『ワインテースティング』で有名なマイケル・ブロードベントの姿も見えます。

MKBWT

私の友人はマイケル・ブロードベントがいることをあらかじめ知っていたようで、持参したこの本にサインをもらっていました。

参加者の熱気と興奮の中、オークションが始まりました。私の友人が狙っている樽はBeauneのキュヴェで、およそ3000ユーロ前後(当時のレートで約45万円)での落札を考えていました。

参加者それぞれの思惑が渦巻く中、私たちは冷静に各ロットの落札価格を記録し、過去のデータと照らし合わせていました。2005年が非常に評判の良い年であった為、この年の2006年の価格はやや抑え気味といったところで推移していました。

そして、開始から数時間後、私の友人が落札を目指すBeauneのキュヴェがコールされ、ビットが始まりました。

「2200」、「2300」、「2500」…と皆相手の出方を伺いながらビットが繰り返されます。私の友人が3000ユーロ手前でビットを終えた後、しばしの静寂が訪れました。

・・・

そして、とうとう進行者が手にしたハンマーを打ち鳴らしたのです。

見事落札です。

なんともいえない高揚感の中、まだなお熱気につつまれた会場を後にした私たちは、勝利の美酒を求めてなじみのビストロへと向かったのでした。

さて、落札したワインをどうするのかという疑問についてです。

Beauneはネゴシアンの街とも言われています。これらの樽の管理・熟成を代行しているネゴシアン(ワイン商)がいくつもあり、最終的に二年後にビンに詰められた状態で落札者の手に戻るというわけです。←当然お金がかかります。一樽がおおよそ300本弱のボトルになります。

私はこのときのワインをまだ一本手元に残しています。いつになるかわかりませんが、この日の興奮を思い出しながらこのワインを楽しみたいと思っています。

さて、今日でブルゴーニュもおしまいです。ここはさらっと行きますよ。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
にほんブログ村 酒ブログ ソムリエへ


第29回 コート・シャロネーズからボージョレ

G コート・シャロネーズ

・北から順に主要AOCを確認してください。順番を問われる可能性があります。
Bouzeron
Rully
Mercurey
Givry
Montagny

・主要AOC5つの中で、BouzeronMontagnyは白ワインのみが認められており、その他は赤・白が生産可能です。
→北と南の両端のAOCが白ワインのみなんです。
・Bouzeronはアリゴテ種のみのAOCです。
・Mercureyが栽培面積最大です。
・プルミエ・クリュが認められている場合もありますが、一切覚える必要なし!グラン・クリュはありません。
・ブドウは主にシャルドネピノ・ノワールです。

H マコネ

主要AOC一覧

Macon マコン
Macon Superieur マコン・シュペリュール
Macon-Village マコン・ヴィラージュ
Macon+コミューン名
Pinot-Chardonnay-Macon ピノ・シャルドネ・マコン
Vire-Clesse ヴィレ・クレッセ
Pouilly-Fuisse プイィ・フュイッセ
Pouilly-Loche プイィ・ロシェ
Pouilly-Vinzelles プイィ・ヴァンセル
Saint-Veran サン・ヴェラン

・AOC名にMaconがつくものは、さらにロゼワインまで認められていますが、唯一、Macon-Villages白ワインのみのAOCになります。
・上記AOCの赤、ロゼはピノ・ノワール以外にガメイも認められています。
Vire ClessePouilly-Fuisseなど主要コミュナルAOC5つはすべて、白・シャルドネのみが認められています。
→ロワール地方のAOC Pouilly FumeAOC Pouilly Sur Loire(共に白ワインのみ)と混同しないように注意してください。
・コミュナルのAOCの中でPouilly-Fuisseが最大です。
・同Vire Clesseが最北のAOCとなります。→微妙なので、北からの順は等は問われないと思います。
・マコネにプルミエ・クリュ、グラン・クリュはありません。

I ボージョレ

※日本ではボジョレーという表記をよく目にしますが、ここではソムリエ協会にならってみました。フランスでは”ボジョレ”が最も近いように思います。

・この地域のAOCで認められているブドウは
赤:ガメイ
白:シャルドネ
になります。土壌は主に花崗岩

Beaujolais ボージョレ
Beaujolais Superieur ボージョレ・シュペリュール
Beaujolais Villages ボージョレ・ヴィラージュ
Beaujolais+コミューン名 ボジョレー+コミューン

・Cru du Beaujolais
Saint-Amour サン・タムール
Julienas ジュリナス
Chenas シェナス
Moulin-a-vent ムーラン・ナ・ヴァン
Fleurie フルーリー
Chiroubles シルーブル
Morgon モルゴン
Regnie レニエ
Brouilly ブルイィ
Cote de Brouilly コート・ド・ブルイィ→Brouillyの中にあります。

・AOC名にBeaujolaisがつけば、、さらにロゼインまで認められていますが、こちらはMaconと違い、Superieurがつくと赤のみになります。
Cru du Beaujolais(すべて)が10ありますが、できれば北から順に覚えたほうがよいと思います。→最初はパスしてもかまいません。
・Cru du Beaujolaisの中で、栽培面積が最大のAOCはBrouilly、その次がMorgon、同最小がChenasになります。
Saint-Amourで造られるシャルドネの白はAOC Saint-Veranの名前で出荷されます。

あとこの地域で出題されるとすれば、プリムールの問題ですが、こちらは後日まとめたいと思います。
※ボージョレ・ヌーヴォーはロゼが認められています。

J ブルゴーニュのその他のAOC

※このような試験対策的な細々した事柄は、ある程度フランスワインの基本を理解した後でまとめて覚えたほうが効率的だと私は思います。ですからなんとなく目を通して【過去問】に進みましょう。

ブルゴーニュはかなり広い地域で、これまでに紹介した以外にもAOCが存在します。その中から試験対策として取り上げたほうがよさそうなものに絞って紹介しようと思います。

・単一品種で造られるブルゴーニュでは珍しいピノ・ノワールとガメイの混醸タイプのAOCがあります。
Bourgogne Passe Tout Grains
ロゼが認められています。

~~~
ちょっとだけ与太話です。

Passe Tout Grainsの最後の”rains”が日本語に無い発音なので、カタカナで記載するには少々無理がありますが、「グレン」でいいと思います。(協会の教本にもそのように記載されています)→実際は”グハェァン”って感じです。

先日のラトリシエール・シャンベルタンの時にもお伝えしましたが、フランス語のRの発音は日本人には理解しがたい、ハ行に近い(近くもないかな?)感じの音です。

ワインと関係がありませんが、フランス語で牡蠣をHuitreといいます。この位置のRの発音は本当に、本当に難しい。あえて無理やりカタカナで書くと”ユィッ・トゥル”になりますが、一般の日本人が発音してもフランス人には絶対に通じません。最初の”ユィッ”と”トゥル”のどちらも日本語には全く無い音だからです。さらにカタカナでは”ユィッ・トゥ・ル”と三音節になりますが、フランス語では二音節であることも理解してもらえない理由のひとつです。

レストランでお客様に料理の説明中、卓上に牡蠣を提供しているにも関わらず、私のHuitreの発音が悪い為『ん!?』という顔をされたことがたまにありました。あぁ、情けない…。
~~~

・下記は赤か白かを見ておきましょう。

Cotes de Nuits Villages→赤・白
Cotes de Beaune Villages →赤のみ
Cotes de Beaune→赤・白
Hautes-Cotes de Nuits  →赤・白そして、ロゼまで可。
Hautes-Cotes de Beaune →赤・白そして、ロゼまで可。
→この5つはなんとなくNuitsとBeauneが違うだけのように見えますが、ある特定の村名ワインであったり、かたやちょっと外れの地域を指したりと性格もレヴェルも全く異なるAOCです。でも、試験では何色のワインかということしか問われませんから、それだけ見てればいいのです。

ワインを知る上で本当に大事なのは、それぞれのAOCが持つ意味なので、試験合格後興味のある方は調べてみて下さい。

その他、赤ワインだけ、白ワインだけが認められているAOCがいくつかあります。そのあたりも、な~んとなく眺めておきましょう。

赤ワインのみ/Cotes du Couchois
白ワインのみ/Bourgogne Vezlayなど。

クレマンはブルゴーニュに限らず、全て↓です。
Cremant de Bourgogne ロゼ、瓶内二次発酵

・AOC Coteaux BourguignonsやAOC Bourgogne Gamayなど近年新しく定められたAOCがいくつかありますが、こちらもさらになんとなく見ておくくらいでいいと思います。
→上記以外は赤・白・ロゼ全てが認められている!くらいの感覚でいいです。たいして重要ではありません。

この最後のところは頑張って覚える必要ありませんからね。

さてと、

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
Cote Chalonnaise 地区の A.O.C. で白のみが認められているものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Rully
2. Pouilly-Fuissee
3. Montagny
4. Mercuray

【過去問 2016】
ブルゴーニュ地方の A.O.C. 数をフランス全体と比較した際の比率として正しいものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 約 1/3
2. 約 1/4
3. 約 1/5
4. 約 1/6

【解説】
こんな”重箱の隅”問題は捨てましょう。なかなか各地方のAOCの数まで把握するのは難しいです。ブルゴーニュにはフランス最多のおよそ100ほどのAOCがあるのですが、そのことを知っていた人はなんとか正解にたどり着いたかもしれません。

【過去問 2016】
白ワイン・ロゼワイン・赤ワイン全てを生産する事が可能なA.O.C.を 1 つ選び、 解答欄にマークしてください。

1. Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits
2. Cote de Nuits-Villages
3. Nuits-Saint-Georges
4. Cote de Beaune-Villages

【過去問】
ボージョレ地区北部の基盤となる土壌を 1 つ選んでください。

1. 粘板岩
2. 花崗岩
3. 火山岩
4. 泥灰岩

【解説】
ここの土壌はかなり有名です。この花崗岩土壌はボージョレより以南、コート・デュ・ローヌなどでも良く見られます。ガメイ種との相性がよいとも言われています。

【過去問】
白ワイン・ロゼワイン・赤ワイン全てを生産する事が可能な A.O.C. を 1 つ選んでください。

1. Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits
2. Cote de Nuits-Villages
3. Nuits-Saint-Georges
4. Cote de Beaune-Villages

【過去問】
ワイン用ぶどう品種Aligoteを100%使用して造られるA.O.C.を1つ選んでください。

1. Maranges
2. Rully
3. Bouzeron
4. Montagny

【過去問】
ボージョレ・ヌーヴォーの最大の輸出先を1つ選んでください。

1. 日本
2. 中国
3. アメリカ
4. イギリス

【解説】
素直に答えれば大丈夫な気もしますが。日本は”いいカモ”なのかもしれません。

【過去問】
次の1~5 のブルゴーニュ地方のA.O.C.ワインの中からSauvignon Blanc種のぶどうから造られているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bouzeron
2. Irancy
3. Vire-Clesse
4. Saint Bris
5. Maranges

【過去問】
次の中からブルゴーニュ地方のA.O.C.を北から南の順序で正しく並べたものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Vougeot →Blagny →Givry →Montagny
2. Nuits-Saint-Georges →Chambolle-Musigny →Puligny-Montrachet →Mercurey
3. Volnay →Meursault →Saint-Amour →Pouilly-Fuisse
4. Aloxe-Corton →Chassagne-Montrachet →Montagny →Rully

【過去問】
次の 1-4 の中から A.O.C. Beaujolais を最も多く生産する県を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cote d’Or
2. Rhone
3. Yonne
4. Saone-et-Loire

【解説】
フランスの産地・AOCに関して、ときおり県名を問われることがあります。全ての県名を覚える必要など全くありませんが、なぜかボージョレは問われることが多いと感じます。無視してもよいと思いますが、ボージョレと今後出てくるあと一つか二つの県名は覚えておく方がよいかもしれません。
正解はちょっと意外な2.Rhone県になります。

【過去問】
次の1~5 の中から赤ワインだけが認められているA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bouzeron
2. Montagny
3. Macon Superieur
4. Beaujolais Villages
5. Regnie

【過去問】
次の1~5の中から白ワインだけが認められているA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Macon-Villages
2. Macon Superieur
3. Rully
4. Mercurey
5. Bourgogne Ordinaire

【過去問】
次の 1-4 のブルゴーニュ地方の A.O.C. ワインの中から最も早くA.O.C.ワインに認定されたものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bouzeron
2. Saint-Bris
3. Bourgogne Aligote
4. Irancy

【解説】
これは知らなくてよい問題です。正解は3.ですが。

【過去問】
次のブルゴーニュワインに関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Beaujolaisワインのほとんどが Saone-et-Loire県で生産されている。
2. Romanee Contiの畑の面積は、La Romaneeと比較すると小さい。
3. Beaune村にあるClos de la Mousseの畑はFaiveley社によって単独所有されている。
4. ラベルに A.O.C. 名が Blagnyと表示されているワインはすべて赤ワインである。

【解説】
これは一見難問のように見えます。皆さんはBlagnyのことをしっかり理解されているでしょうから、心配ありませんが、もしBlagnyのことを忘れているとどうなるでしょうか?

2.のLa Romaneeが最小特級畑であることはお伝えしましたから、2.は外します。あとは1.と3.が正しいかどうかを判断するのですが、ボージョレのことを知っていれば、1.がRhone県で間違っていることがわかります。Clos de la Mousseはそれなりに有名なワインですが、覚える必要はありません。ですから、あとに残る3.と4.を50%の確率にかけてマークするしかありません。

ここで思うことはボージョレがRhone県であることを知らなければ二つか三つの中から一つの正解を鉛筆を転がして選らばなくてはならなかったことです。

試験に出題されることのすべてを覚える必要はありません。七割取れれば合格です。覚えるべき事柄と覚えたほうがよい事柄、そして稀に出題されるけど覚えなくてもよいであろう事柄が皆さんの中で判断できるようになれば合格も近いと言えます。

【過去問】
次の Cru Beaujolaisの中から最も生産量の多いものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Brouilly
2. Morgon
3. Moulin-a-Vent
4. Saint-Amour

【過去問】
次のBourgogne地方 Beaujolais地区のA.O.C.についての記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Beaujolais Villages は白、赤、ロゼともに生産が認められている。
2. Beaujolais は白、赤だけの生産が認められている。
3. Chiroubles は白、赤ともに生産が認められている。
4. Saint-Amour は赤とロゼの生産が認められている。

【過去問】
次のブルゴーニュ地方のA.O.C.に関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chevalier-Montrachet はPuligny-Montrachet 村のGrand Cru である。
2. Nuits-Saint-Georges 村にはGrand Cru の畑が存在しない。
3. Saint-Veran は白のみA.O.C.である。
4. Mercurey は赤、ロゼ、白の全てのタイプが認められている。

【過去問】
次のブルゴーニュ地方 Maconnais地区のA.O.C.の中から存在しないものを1つ選んでください。

1. Pouilly-Loche
2. Pouilly-Fuisse
3. Pouilly-Clesse
4. Pouilly-Vinzelles

【過去問】
次のクリュ・ボージョレの中から最も栽培面積が広いものを1つ選んでください。

1. Fleurie
2. Saint-Amour
3. Brouilly
4. Moulin-a-Vent

【過去問】
北部のクリュ・ボージョレに大きな影響を与えている土壌を1つ選んでください。

1. 花崗岩質
2. 火山岩質
3. 石灰岩質
4. 粘板岩質

お疲れ様でした。ブルゴーニュまで終えることができました。

意外とすんなり…、とはいかないでしょうが、フランスを半分以上を終えたのですからちょっとした充実感があるのではないでしょうか?

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
スポンサードリンク

 - ●フランス, ・ブルゴーニュ