第9回 ボルドーの基本

   

ついこの前、お正月でまったりしたなぁと思ったらもう一月も半ば、間もなく二月です。この時期はぼんやりしていると本当にアっという間に過ぎてしまいます。 そして、三月、四月は何かと忙しない時期です。比較的時間の取れるであろう二月末までにソムリエ試験対策を組み入れた生活リズムの確立を目指していただくために、この講座のモットーについて熱く語ります。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

後回しにせず、明日からと自分を誤魔化さず、今日、今から少しでもいいから試験対策に取り組みましょうということです。この時期ですから、まだほんの少しずつでもイイ。でも、明日から頑張る」じゃダメなんですよ。

ソムリエ呼称の受験資格は飲食サービス業・酒類関連業界に三年以上の経験があることに加えて、現在も従事していることです。
合格を目指す多くの方が夜遅くまで働いており、疲れて家に帰って慣れない試験対策を行う事はかなり辛いものです。エキスパート呼称の方も受験資格が年齢のみとはいえ、仕事をしながらの試験対策ということにおいては条件は同じです。

試験対策の大半は辛い暗記作業です。誰もが見たことも聞いたこともない、もしかすると一生お目にかかることがないであろうワインの名前や産地を覚えなくてはなりません。はっきり言って一部のワインオタクの方以外、このような横文字の暗記が楽しいわけはないんです。そして、この単調な横文字の羅列の暗記は思いっきり眠気を誘います。

ソムリエ試験は半年くらいの努力で合格できるレベルで、決して難関資格ではありません。また、特別な能力を必要とするわけでもありません。それでも、一見この意味のないように思える横文字の暗記をこなさなくては合格を手にすることはできないのです。

もしかするとどこかに近道があるのかもしれませんが、私は知りません。毎日少しでも良いので試験対策に取り組む、これが一次試験突破に関して最も大切なことだと信じております。

今日できない人はたぶん明日もできません。今日疲れている人は明日も間違いなく疲れています。

「明日でいいや」「明日から頑張る!」ということを繰り返す方は試験対策に限らず、人生において大きく遅れを取っています。だって、今日頑張っている人(前進している人)がいるんですから。そして、試験対策的には合格からどんどん遠ざかるタイプの方です。

古い言葉ですか”千里の道も一歩から”、前に進まなければ絶対にたどり着きません。

多くの方が若いころに比べて記憶力が落ちたと実感するはずです。こんなに頑張ったのにもうほとんど覚えていない…と。辛い現実ですが誰もがこれから経験することになるでしょう。
それでも、今日少しだけでも頑張って前進する、これを繰り返すしか方法はありません。
→楽して簡単に合格できる素晴らしい方法論を知っている方は私にこっそり教えてください(笑)。”簡単ラクチン!ちょっといい加減に…”というサイトを開設します。

合格するためになによりも大切なことは合格するという強い気持ちを持ち続けること今日頑張ることです。

ふ〜。

さて、今日から試験対策講座らしいことを始めます。表題通りボルドーからです。

というのも、酒類飲料概論は教本やどの参考書にも最初に書かれており、誰もがそこから目を通します。うまく読み進められればよいですが、なかなかそうはいかないものです。ちょっと進むとつまずいて、またしばらくして読み始めようと思うけど、どこまで読んだっけ?いいや、また最初から読もう…という繰り返し。そしてまたつまずいて…。←それ私でした…。

だからとりあえず後回しにします!

また、2014年の教本より”日本”の項目が一番最初に記載されるようになりました。それでも私はフランスから始めます。
この時期はまだ今年度のソムリエ教本が発行されておりません。ただ、フランスの項目はAOCやワイン法の変更が圧倒的に少ないことからも、比較的ソムリエ教本に頼らずに勉強できるんです。

時代は移ろい、一次試験がCBT方式になり、いまだボルドーの格付けから勉強するのかという思いがないわけではありません。それでも、やっぱりこの格付けを覚えることがソムリエ試験対策らしいと思うわけで、ここを最初に超えることでソムリエ試験対策に対する一つの覚悟ができるのではと思うのです。

このような理由もあり、この講座ではフランスの項目から一次試験対策を始めます。

※冒頭の写真は、仮装して所々でワインを飲みながら走るメドックマラソンの光景です。

もう一度この講座のテーマです。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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第9回 ボルドーの基本

ボルドーの語源は「水のほとり(au bord de l’eau)」、港町として栄えたこともあり、大きく蛇行したその形状から「月の港」と呼ばれていました。

ボルドーに流れる三つの川と大まかなイメージ

これからあげる三つの川の流れを理解するところから始めましょう。

地図を見ながら大まかにイメージしてくださいね。

●上流の森林地帯からやわらかい土を運んできたドルドーニュ川
→やわらかい土が堆積し、石灰粘土質土壌を形成しました。

●スペインとの国境に連なるピレネー山脈から固い岩盤のかけらを運び続けたガロンヌ川
→固い岩盤が石となり流されて削られて、どんどん小さくなって砂利になりました。

●二つの川がボルドー市の北部で合流しジロンド川となり大西洋に注いでいます。
→土と石のどちらもさらに下流まで運ばれましたが、粒子の小さな土はより下に沈みます。ですから、ジロンド川左岸地域も表土は砂利が基本です。

以上より、ドルドーニュ川流域には粘土(やわらかい土)の土壌が広がり、表土の温度が低く保水性が高い粘土質土壌に適したメルロ種が多く栽培されています。
一方で、ガロンヌ川流域の砂利の土壌は水捌けがよく、砂利が熱を蓄えます。ここではこの土壌に適した晩熟型のカベルネ・ソーヴィニヨン種が主に栽培されています。
こうして二つの川によって運ばれたやわらかい土と砂利が合わさりジロンド川流域に堆積しています。この地域は2つの土壌が合わさりますが、表土の砂利の特徴がより強く見られるためこちらでもカベルネ・ソーヴィニヨン種が主に栽培されています。

【ボルドー攻略のためのポイント】

・ボルドーの地図とAOC
まず、大まかに地図を思い浮かべられるようになりましょう。ボルドーに限らず近年は地図を使った問題が増えています。AOCはボチボチ暗記です。

・メドックをはじめとする格付け
ここが最初の難関です。言い換えればここを乗り切れば少し先が見えるということです。大丈夫、あなただけでなく誰もがまずここで苦労します

ですから、今はぼんやり、なんとなく覚えればよいでしょう。で、どうしても駄目な方は今はあきらめることも一つの選択です。ここでつまづいて先に進めなければなんにもなりません。時間を作ってまた戻って来ればよいだけです。

・栽培面積や生産量などの数字は一通り試験対策を終えた後に、他の産地と比較しながら暗記しましょう。ある程度産地のイメージが頭に入った方がわかりやすいと思います。→こちらはいつか、国別・フランスは産地別にまとめます。

さて、改めてまして、

A ボルドーの地図

冒頭でもふれましたが三つの川がとても重要です。ですから、ボルドーの地図をもう一度。

地図上のAOC名の前の”●”は生産が認められているワインの色を表しております。
は赤ワイン、は辛口白ワイン、は甘口白ワインです。
例えば、Pessac-LeognanはAOC Pessac-Leognanとして赤ワインと白ワインの両方の生産が認められていると言う意味です。

また、右岸か左岸かという言い回しで問われます。
※右岸、左岸とは川の上流から見てどちら側かということです。

・最初は下線を引いたAOCが地図上でどこにあるのかを答えられるように、そして生産可能色(白ワインか赤ワインかなど)までしっかりと覚えてください。これが基本です。

特に覚えづらいところですが、Sauternes近辺のAOCが川のどちらにあるのか、どの順番で並んでいるのかをよく確認してください。
→2014年度はバルザック、2015年度はマルゴー、グラーヴ、2017年はソーテルヌの位置を地図上で問われました。

B ボルドーのAOC

メドック地区
ボルドー左岸ともいわれ、すべて赤ワインカベルネ・ソーヴィニョンが主体です。たとばCh.Margauxは有名な白ワインを造っていますがAOCはBordeauxです。
Medoc
Haut-Medoc
Saint-Estephe
Pauillac
Saint-Julien
Margaux
Moulis
Listrac Medoc

・グラーヴ地区
こちらは格付けも含めいろいろと注意が必要です。
まずAOCとしては
Pessac-LeognanGraves ともにですが、
Graves Superieures が白半甘口のみとなります。→Bordeaux Superieurは赤も可です。

こちらも黒ブドウはカベルネ・ソーヴィニョン、白ブドウはソーヴィニョン・ブランが主体です。

※メドックやグラーヴの格付けは次回以降で勉強します。

・サン・テミリオン、ポムロール地区
Saint-Emilion、Pomerol、Fronsacと付けばすべて赤ワインです。→なんとかサンテミリオン、なんとかポムロールってたくさんありますが、ぜんぶ赤ワイン。まずはこれだけでいいでしょう。

ブドウはメルロ主体、カベルネ・フランなどです。

ソーテルヌ地区
甘口白ワインのAOCで、そのほとんどで貴腐ワインを産します。ブドウはセミヨン主体です。

ガロンヌ川左岸
Sauternes
Barsac
Cerons

ガロンヌ川右岸
Sainte-Croix du Mont
Loupiac
Cadillac

※このようにフランスのワイン法ではAOCによってブドウ品種はもちろん、栽培法から醸造法、そして造られるワインのタイプまで明確な取り決めがなされています。

その後、余裕が出てきたころに甘口、半甘口を造っている上記以外のAOCは確認しておきましょう。
※困った時の消去法に役立つんです。時間がない人は無視して問題ありません!

その他のボルドーのAOCに関しては今後、過去問等で出てきたものを一つ一つチェックする程度で十分です。なんといっても格付けの問題が伝統的に幅を利かせており、細かい各AOCの生産可能色等に関する問題はあんまり見られません。→2018年度のCBT方式の一次試験でも、変わらず格付け系の出題が見られました。

ここボルドーに関してはブドウ品種をAOCごとに細かく覚える必要はありません。

ひとまず今回はこれくらいで。

今後、毎回【過去問】で確認を行います。一番大切なことは勉強した内容がどのような形で出題されたかを知ることです。全て勉強してから過去問・試験問題で力試しをするという考え方は基礎トレーニングばかりで実践形式での練習をしていないのと同様、あるいは、相手を研究せずにいきなり試合に出るようなもので全くお勧めできません。

さて、もう一踏ん張りです。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問】
地図中のA〜Eの中からSauternesを示す所を次の中から1つ選び、解答欄に マークしてください。

【過去問】
次のA.O.C.の中でボルドー市街に最も近いものを1つ選び、解答欄にマークし てください。

1. Margaux
2. Moulis
3. Pomerol
4. Pessac-Leognan

【過去問】
次の A.O.C. ワインの中でボルドー地方のドルドーニュ川右岸に位置するものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1.  Fronsac
2.  Cadillac
3.  Barsac
4.  Entre-Deux-Mers

【過去問】
次の地図中 1 ~ 6 の中から(A)、(B)に該当する A.O.C. を 1 つ選んでください。

(A)Margaux
(B)Graves

bordeauxmap2

【過去問】
ボルドー地方において、ジロンド河の最も上流に位置するA.O.C.を1つ選んでください。

1. Margaux
2. Saint-Estephe
3. Medoc
4. Pauillac

【解説】
地図のイメージが頭にあれば簡単な問題です。

【過去問】
次の1~5 の中からボルドー地方のドルドーニュ川とガロンヌ川の間の地域で生産される、辛口白ワインだけが認められているA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cadillac
2. Entre-deux-Mers
3. Sainte-Foy Bordeaux
4. Castillon-Cotes de Bordeaux
5. Sainte-Croix-du-Mont

【解説】
辛口白ワインのみのですよ。

【過去問】
次の 1-4 のボルドー地方のワイン産地の中からドルドーニュ川の右岸に位置するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Sainte-Foy Bordeaux
2. Castillon-Cotes de Bordeaux
3. Cadillac
4. Sainte-Croix-du-Mont

【過去問】
下記の地図A~Dの中からA.O.C. Barsacの場所を1つ選んでください。

【過去問】
次のボルドー地方の A.O.C.ワインの中から赤ワインだけが認められているA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Graves
2. Ceron
3. Blaye
4. Pomerol

【解説】
あれっ、おかしいなと思った方、その通りです。でも、こうして悩んだりすることが記憶に残るのです。

【過去問】
次のボルドー地方の A.O.C.ワインの中から甘口白ワインだけが認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Loupiac
2. Premieres Cotes de Bordeaux
3. Sainte-Foy Bordeaux
4. Graves

【解説】
ここも一つ前と同じです。ソムリエ試験ってたまにこんなことがあるんです。

【過去問】
次のBordeaux 地方のA.O.C. の中から赤ワインだけの生産が認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Entre-Deux-Mers-Haut-Benauge
2. Cotes de Bordeaux Saint-Macaire
3. Cotes de Bourg
4. Castillon-Cotes de Bordeaux

【過去問】
次のボルドー地方の地図のA~Dの中でPessac -Leognan地区を示している場所を1つ選んでください。

【過去問】
次のボルドー地方のA.O.C.の中から赤だけの生産が認められているものを1つ選んでください。

1. Graves Superieures
2. Loupiac
3. Blaye
4. Bordeaux-Haut-Benauge

【過去問】
次のボルドー地方のA.O.C.の中から赤・白ともに生産が認められているものを1つ選んでください。

1. Entre-Deux-Mers
2. Fronsac
3. Graves Superieures
4. Cotes de Bourg

ワイン法やワイン市場も年々変化するため、過去の問題の模範解答が現在も正解であるとは言い切れない場合があります。反対に言えばこのようなポイントが出題されやすいとも言えます。気をつけましょう。

次回は誰もが苦労するメドックの格付けに進みます。

お疲れ様でした。本当に疲れたと思います。ボチボチやりましょう。
誰も一度では覚えられません。コツコツ頑張った人が最後に笑います。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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