第40回 コニャック・アルマニャック

   

パリには大きな駅がいくつかあります。その一つにノルマンディー、ブルターニュ地方に向かう特急が発着するモンパルナス駅があり、駅周辺にはクレープ屋さんが立ち並ぶ一角があります。

この駅には昔の上野発の夜行列車♫といった風情があるように思います。→あっ、古すぎました?冬の厳しい寒さといい日本の東北地方とノルマンディー地方、ブルターニュ地方はどこか通じるものを感じるからかもしれません。

ノルマンディー地方やブルターニュ地方は土地がやせており気候も冷涼であるため、小麦の栽培が困難で、さらにはブドウも栽培できませんでした。代わりにそばを栽培し、そば粉を焼いてパンの代用食としたものがクレープの始まりのようです。日本では甘いデザートとして定着していますが、フランスでクレープは主菜としても一般的に食されています。

crepe
ベーコンとチーズ、タマゴのクレープ

また、ブドウができない代わりにリンゴからお酒が造られます。

リンゴの醸造酒、これがシードルです。素朴で垢抜けない味わいですが、リンゴの風味と泡の口当たりが心地よく、クレープと一緒に飲むことが多いのですが、とても楽しい組み合わせです。→ちなみに日本の”サイダー”という清涼飲料水はこのcidreの英語読みが由来です。

そして、このシードルを蒸留したものがカルヴァドスです。

さて、ここで少しお勉強です。

フランスで最も栽培面積の広いブドウ品種は?

という問題が出題されたことがあります。

生産高などの数値は今年の教本を確認していただきたいのですが、黒ブドウのトップはメルロそして、白ブドウはユニ・ブラン(=サンテミリオン)です。

えっ、ユニ・ブランがフランスで一番って、今までこの講座に出てこなかったじゃないですかという声が聞こえてきそうですが、今日登場します。

コニャック・アルマニャックの主要ブドウ品種なんです。

このユニ・ブランはイタリアではトレッビアーノと呼ばれ、イタリアのブドウ品種別生産高でも上位に入る品種です。このブドウからできるワインは比較的軽めで酸がしっかりとしたワインになります。
→実はこのユニ・ブラン、ちょっとだけここに出てきてるんです。

このしっかりした酸がコニャック・アルマニャック造りに向いているんです。

※表紙はコニャックの単式蒸留器です。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第40回 コニャック・アルマニャック

ソムリエ教本では酒類飲料概論に分類されており、分類方法にもよりますが、これらを扱った問題が年に一問程度出題されています。それぞれつっこんだ問題は出題されませんから基本事項をしっかり理解するように努めましょう。

A コニャック

地理的にはロワール川下流地域とボルドーの間に位置します。

主要ブドウ品種
・ユニ・ブラン(=サン・テミリオン・デ・シャラント)
・フォル・ブランシュ
・コロンバール
など。↑この三つくらいで十分です。

6つの地区のうち石灰質土壌である、
・Grande Champagne

・Petite Champagne
が優良で特に前者が最高級となります。→この二地区は地図上でも確認してください。

・Borderies:粘土質土壌。丸みがあり特にクパージュに使用。
・Fins Bois:粘土含む石灰質。柔和、熟成早い。
・Bpns Bois:砂質。軽く粗い。特色少ない。
・Bois Ordinaires:砂質。並。

・栽培面積最大はFins Bois 最小がBois Ordinairesです。
単式蒸留器で二回蒸留、主に300リットルの樽(バリック)で貯蔵。
・Fine ChampagneとはGrande Champagneを50%以上とPetite Champagneのブレンドです。

B アルマニャック

地理的には南西地方にあたります。

主要ブドウ品種はほぼコニャックと同じです。→余裕のある方はブラン・ダム(クレレット・ド・ガスコーニュ)という品種も覚えましょう。

三つの地域にわけられます。コニャックと違い砂質土壌の
・Bas Armagnac
が面積最大にして、最高品質です。←こちらも地図上で確認。

・Armagnac-Tenareze:粘土石灰質。
・Haut-Armagnac:石灰質の多い土壌。

※例えばHaut-Medocのように、Hautという文字をたまに見かけます。「高い」という意味なのですが、ブドウはどちらかといえば高いところを好むようです。

Bas ArmagnacのBasはHautの反対で「低い」という意味なのですが、アルマニャックではHaut ArmagnacよりもBas Armagnacのほうが、さらに石灰質ではなく砂質土壌である方が良いとされていることが興味深いと言えます。

連続式蒸留器で一回蒸留、主に400リットルの樽(ピエス)で貯蔵。

C カルヴァドス

ノルマンディー地方のリンゴと洋ナシの蒸留酒です。
48種のリンゴと数種類の洋梨から造られます。コニャックと同様に単式蒸留器で二回蒸留。

ーーー

こんなものでよいでしょう。あとは過去問で気になったところを随時覚えるくらいで。
→私は面倒な熟成年数表示を覚えなくてもいいと思っています。

さて、

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
コニャックの Grande Champagne 地区において主体となる土壌を 1 つ選んでください。

1. 石灰岩
2. 粘土
3. 砂
4. 珪土

【過去問】
アルマニャック向けのブドウ栽培面積において Bas-Armagnac 地区が占める割合を 1 つ選んでください。

1. 約 20%
2. 約 40%
3. 約 60%
4. 約 80%

【解説】
おお、教本にはちゃんと書いてあるんですけどね、知らなくていい問題。最大で…3.が正解です。ちなみにコニャックのGrande Champagneは二割弱です。

【過去問】
認められた 48 種のリンゴおよび数種の梨から造られるブランデーを 1 つ選んでください。

1. Cognac
2. Eaux-de-vie de Marc
3. Grappa
4. Calvados

【過去問】
最高品質のアルマニャックを生む生産地区を 1 つ選んでください。

1. Grande Champagne
2. Bas-Armagnac
3. Haut-Armagnac
4. Fins Bois

【過去問】
コニャックにおいてワイン用ぶどう品種「St-Emilion des Charentes」の別名を1 つ選んでください。

1. Folle blanche
2. Colombard
3. Ugni blanc
4. Semillon

【過去問】
カルヴァドスの主な生産地はどこか 1 つ選んでください。

1. ヴォワロン
2. ストラスブール
3. ノルマンディー
4. ブルターニュ

【過去問】
コニャック地方において最も品質の高いとされる生産地区を1つ選んでください。

1. Grande Champagne
2. Petite Champagne
3. Borderies
4. Fins Bois

【過去問】
コニャックのぶどう品種「サン・テミリオン・デ・シャラント」の別名を1つ選んでください。

1. ユニ・ブラン
2. フォル・ブランシュ
3. コロンバール
4. セミヨン

【過去問】
アルマニャックのBas-Armagnac地区において主体となる土壌を1つ選んでください。

1. 石灰
2. 粘土
3. 砂土
4. 泥土

【過去問】
次のCognacの生産地区に関する記述に該当するものを1つ選んでください。

「Cognacの地区の中で、ぶどう作付け面積が最大で、土壌は粘土を含む石灰質。酒質は柔和で熟成が早い」

1. Petite Champagne
2. Borderies
3. Fins Bois
4. Bons Bois

【過去問】
次の中から A.O.C. Armagnac に認められていないブドウ品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ugni Blanc
2. Folle Blanche
3. Colombard
4. Chenin Blanc

【解説】
もし知らなくても、4.がちょっと違うなという感じになればよいのですが。

【過去問】
次のA.O.C. Cognac の生産地区の中から最も栽培面積の小さい地区に該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Grande Champagne
2. Fins Bois
3. Borderies
4. Bons Bois

【解説】
いやらしい問題ですね。“この中から”最も栽培面積の小さい地区を選ばなくてはならないなんて。答えは3なのですが、できなくてもいいと思います。

【過去問】
次の中からArmagnac の伝統的蒸留方法に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 連続式蒸留
2. 単式蒸留を2 度繰り返す
3. 単式蒸留を3 度繰り返す
4. 単式蒸留を4 度繰り返す

【過去問】
Calvados に使用されるりんごは 4つのタイプに分けらているが、次の中から 4つのタイプに該当しないものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Acidules (酸味)
2. Douces (甘味)
3. Douces-Ameres (甘味・苦味)
4. Sec (辛味)

【解説】
もちろん教本にはちゃんと書いてあります。そういえば書いてあったなぁなんて試験中に苦虫を噛み潰すことになるのですが、できなくても問題ないと思います。

でも、リンゴのタイプわけで違和感を感じるなら苦味か辛味ですよね。で、どちらかといえば辛味の方がリンゴのイメージからは遠いような気がしませんか。

現在の仕様書(フランス)ではカルヴァドス/シードル共に、このカテゴリー分けではなくなったそうです。←教本の記載が古い…。

【過去問】
次のアルマニャックの地区の特徴に関する記述に該当する地区を1つ選んでください。

「砂の最も多い土壌。最高品質。フィネス、芳香性に富み、干しすももの香味を有する。」

1. Bas-Armagnac
2. Armagnac-Tenareze
3. Haut-Armagnac
4. Bons Bois

【過去問】
次の1~4のCognac 地方の各地区についての説明で正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Grande Champagne は石灰質土壌、最高品質、繊細で力強くボリューム感があり余韻が長い。熟成してさらに良いブーケを形成する。
2. Petite Champagne は砂土主体の土壌、骨組が厚く力強さを持ち、Grande Champagne とのブレンドで質がさらに向上する。
3. Borderies は石灰質土壌、丸みがあり特にクーパージュに使用する。
4. Fins Bois は粘土質土壌、柔和な味わいで熟成がきわめて遅い。

【解説】
なんだか無駄にわかりにくくしているような選択肢ですが、クーパージュやFins Boisが粘土質土壌であるかどうかわからなくても、落ち着いて考えれば問題ありませんね。

そして、今、クーパージュについて調べてください。このひと手間が大切です。ここまで覚えなくても良いですが、今こうして調べたことが試験中に何かの役に立つかもしれません。

【過去問】
次の1~4のぶどう品種の中からArmagnac地方で使用が認められていないものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ugni Blanc
2. Sauvignon Blanc
3. Folle Blanche
4. Blanc Dame

【過去問】
コニャックのぶどう生産地区の中で、最高品質といわれるものを1つ選んでください。

1. Bois Ordinaires
2. Petite Champagne
3. Grande Champagne
4. Fins Bois

【過去問】
次の1~5 の中からフランスでラベルにFine Champagneと表示する場合、Grande Champagne を混合する法定割合として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 50%以上
2. 60%以上
3. 70%以上
4. 80%以上
5. 90%以上

時おり、厄介な問題も見受けられますが、ざっとこんなものです。あと少しでフランスもおしまいです。けっこう進んだんですよ、一次試験対策。この調子で頑張りましょう。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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 - ●フランス, ・コニャック、ラム、フランス概論