第12回 グラーヴの格付け

   

この場を借りまして、ワインディナーの告知をいたします。
【おかげさまで満席になりました。ありがとうございました】

パーカー100点!ペトリュスの伝説〜1947年の夕べ
~Q.E.D.CLUBオープン以前(1990年)からこの地のセラーに眠っていたボルドーの古酒達。数十年の時を経て、今、皆様のグラスにお注ぎいたします~

この春、東京・恵比寿のQ.E.D.CLUBにおいて、ボルドーの古酒を楽しむ会の第三回目を開催いたします。

今回のテーマは“ペトリュスの伝説”

まだ、現在ほど “ペトリュス”という地位を確立していなかった時代に、伝説となったヴィンテージがございます。シュヴァル・ブランの伝説と同じ1947年です。奇しくもこの1947年にジャン・ピエール・ムエックスがこのペトリュスと関わりを持ち始めたようです。

また、パーカーポイントが全てではないと思いますが、それでも、ラフィットでもロマネ・コンティでもなく、ペトリュスがこれまで最も多くのヴィンテージで100点満点を獲得しております。(ペトリュス100点満点ヴィンテージ:1921年、1929年、1947年、1961年、1989年、1990年、2000年、2009年、2010年)

唯一無二の存在感、このペトリュス 1947の晩餐を下記の日時で開催いたします。

この伝説のChâteau Petrus 1947の他のアイテムは、その伝説から10年後の1957年と20年後の1967年のChâteau Petrus、さらに同じヴィンテージ、1957年と1967年のChâteau Mouton Rothschildを。加えて、デザートワインには“黄金の滴”Château d’Yquem 1957を準備。

イケムは50年以上熟成させてはじめて本領発揮すると言われます。1957年は今から約60年前、ヴィンテージ的には評価の高い年です。この完璧な黄金の液体が熟成によって「口の中でホロホロと崩れ、旨みに変わる瞬間の感動」を皆様と共有できるのではと考えております。

日時:3月3日(土)19:00スタート
場所:東京・恵比寿 レストラン「Q.E.D.CLUB
定員:10名様(最小催行人数に満たない場合は開催を見送ることがございます)
会費:19万8千円(サービス料・税込)
予約:QEDクラブまでお問合せくださいませ。Tel 03-3711-0006

ワインリスト
・シャンパーニュ
・白ワイン 
・Château Mouton Rothschild 1957、1967
・Château Petrus 1947、1957、1967
・Château d’Yquem 1957
・食後酒 
・ミネラルウォーター

ソムリエ 松岡 正浩
フランス料理 Q.E.D.CLUB料理長 大村龍一郎

このQ.E.D.CLUBに眠っているワインですが、1990年に(株)ワールド・インポート・マート((株)ウイム・マーケティングを経て現株式会社スマイル)がボルドーから輸入した1945年から1987年まで(イケムは1921年から1973年)の全ヴィンテージのコレクションです。投機目的で転売されたことも、オークションに出品されたこともありません。また、過去二回開催されたこの会の経験からも今回のアイテムが正真正銘の本物であることを保証します。

特に第一回のムートン・ロートシルト1945年の素晴らしさは今でも夢に見るくらいです。1945年のワインから熟成感でなく清涼感を感じたのですから。私にとって間違いなく人生で一番の赤ワインだと断言できます。(最後にそのムートンのテイスティングコメントを添付しておきます)

この状態のペトリュス1947を日本で飲める機会は、おそらく、もうないのではと思っております。

ご確認事項

今回提供予定のワインはQ.E.D.CLUBのセラーにおいて、長年静かに丁寧に寝かせておいた非常に希少なワインです。しかし、在庫が限られているため、ブショネ等の劣化時の交換対応が難しいことを事前にお伝えしなくてはなりません。

これまで万全の状態で管理してきたとはいえ、古酒ですから状態に関しては開けてみないとわからないことも多く、全てのワインが完全な状態ではないかもしれません。また、ブショネに関しては対応させていただきますが、在庫事情により同じヴィンテージで対応することができません。代替ワインとして近いヴィンテージ(クラス)のペトリュス/ムートン/イケムを準備いたします。この二点についてご承知いただくための上記の会費設定で、本来であればこの価格ではお出しできないワインのラインナップであることをご理解いただければ幸いです。

なお、ワインの劣化等の判断に関してはソムリエの松岡に一任させていただきます。

参考までに第一回 Château Mouton Rothschild 1945のテイスティングコメントを添付しておきます。
~~~

伝説のムートン1945は「化け物」でした。

70年という時間を微塵も感じさせないほど若々しく、突き抜けているミネラル感と品のある果実味、そして複雑さは完全に想像を超えておりました。言うなれば、70歳現役のイチローを見るかのように。化け物…でした。

驚いたのはこのワインの清涼感です。本当に突き抜けていました。これ以上ないほど洗練されたエキゾチックなチェリーコーラの清涼感。その清涼感を何層にも重なる綺麗で艶やかな果実味が取り巻いております。
何よりも、古酒的なくすんだ感じ、カビっぽさ、焼けたニュアンスなどが全く一ミリも感じられませんでした。驚愕のワイン、まさに化け物です。

女性に例えると、少女のような初心な一面を見せたかと思えば、妖艶な美熟女に早変わりするような”しおらしさ”と”したたかさ”を持ち合わせているイメージ。

純真さとエロス、軽やかさと重厚感の驚くべき共演。

その後、私は経験していませんが、お集まりいただいた皆さんのお話を伺うと、一番最後まで完全な状態で、いや、さらにふくよかさとミネラル感を増していたのはこのワインだというのです。グラスに注がれて一時間半後に“乾燥したミント”を感じると。
信じられないであろう余韻をサービス中の私が感じる余裕はありませんでしたが、皆さま口々に余韻が全く消えないとおっしゃっておりました。

もう、生きているうちにこれだけの赤ワインに出会えることは無いであろうと思える素晴らしい夜でした。
いつもはほとんど思ったことがないのですが、この日ばかりは座って楽しまれる“お客様”に本気で嫉妬しておりました。私がちゃんと座ってこのワインを飲んでいたなら人生最高のボルドーとなったであろうことは想像に難くありません。

高額会費ワイン会ですが、人生でそう出会うことのあるワインではありません。もし、もし興味がございましたら、ご連絡をお待ちしております。

——-

前々回、メドックの格付けに対して思うがままに言わせていただきましたが←まぁ、ネットですから、このような意見をいただきました。

第10回のAOC Margauxに関する意見、とても面白かったです。
特に「第2級」の格付けから考えて残念という意見を読んで、私も同じように思っていたので、ちょっと嬉しくなりました。味音痴でなくて良かった!って…。と言うのは、「Margauxで2級格付」けというと、私の周りのワイン好きな人達は、「美味しいよ~」と言います。「AOC Margauxはやっぱり美味しい」と…。私も頑張って買って飲んだのですが、その美味しさがわかりませんでした。もちろん、飲み頃とかいろいろあるのでしょうが…。

松岡様の残念!の感想を読んで何か共感できるものがありました。

”味わい”というものが純粋に五感で感じることだけではないことはご存じだと思います。

ブラインドテイスティングを繰り返すとよくわかりますが、先入観のあるなしで確実に味わいが変わります。最初はわからなかったソービニヨン・ブランの”青さ”をブドウ品種がわかってから感じるようになるなど、私たちは自分がイメージした何かを探してしまうようです。

また、特にシャンパーニュは”味わい”よりも完全にイメージ先行です。

大きな声では言えませんが、世界一の販売量を誇る超有名シャンパーニュのスタンダードキュベが純粋に味わいだけであれば、シェアナンバーワンである理由が全くわかりません。完全にマーケティングワインに成り下がっています。←私は絶対に選びません。

ワインに限らず、テレビやCM等で目にするから良いものという刷り込みも同様でしょう。

ただ、イメージ先行が全て悪いとはいいません。それも含めて”味わい”と考えることもあるからです。高級レストランでの食事は料理だけでなく空間と時間、イメージも提供していますから。

さて、マルゴーのワインは女性的と言われることがあります。あの素晴らしいシャトー・マルゴーがあるからでしょう。

私のAOCマルゴー全体のイメージはボルドー左岸の中ではちょっと田舎っぽくてくすんだ感じです。さらに、他の三つの村(ポイヤックなど)に比べいまいちなワインが多いと感じます。知らないAOCマルゴーのワインは当たらないことが多いですし…。

マルゴーという名前勝ちの部分に便乗しているシャトーがあるのでしょう。また、鉄道を通す際の土地の分断など、土壌的にも他の三つのAOCに劣っているところがあるようです。とはいえ、78年以降のシャトー・マルゴーは本当に素晴らしい。世界を代表する赤ワインだと断言できます。また、他にも素晴らしいシャトーがいくつもあります。

(プロとして)ワインを選ぶ際に最も大切な最後のポイントは”誰が造ったか”です。いまいちな生産者のAOCマルゴーやシャンベルタン(ブルゴーニュのグランクリュ、世界最高の赤ワインの一つ)よりも、優秀な生産者のAOCオー・メドックやAOCフロンサック、またはAOCジュヴレ・シャンベルタン(村名)を私は躊躇なく選びます。

ただ、ソムリエ試験では生産者レベルの問いはほとんど見られませんから、試験的には全く知る必要はありません。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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第12回 グラーヴの格付け

F Gravesの格付け

・1953年に最初の格付けが行われ、1959年に現在の16シャトーが認定されました。
・1987年にAOC GravesからAOC Pessac-Leognanが独立しました。
・格付けシャトーのAOCは全てPessac-Leognanです。
シャトーにより格付けされているワインのタイプ(ワインの色、赤・白・赤白)が違います。このタイプ分けを覚えなくてはなりません。コミューンは余裕のある人以外は覚えなくてもよいです。
→私は長くワインの世界にいますが、レストランの現場でこの赤白タイプ別の格付けが役立ったことはたったの一度もありません。しかし試験では好んで出題されるようです。Ch. Haut Brionをはじめとする赤のみが格付けされたシャトーも素晴らしい白ワインを造っています。

【赤のみが格付けされた7シャトー】
Ch. de Fieuzal
Ch. Smith Haut Lafitte(コミューン:Martilac)
Ch. Haut Bailly
Ch. La Tour Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
Ch. La Mission Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
Ch. Pape Clement(Pessacは二つだけ)
Ch. Haut Brion(Pessacは二つだけ)
→La Tour Haut Brionは2005年で生産終了、La Mission Haut Brionに併合されました。

【白のみが格付けされた3シャトー】
Ch. Couhins(Villenave-d’Ornon)
Ch. Couhins Lurton(Villenave-d’Ornon)
Ch. Laville Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
→Laville Haut Brionは2009年よりLa Mission Haut Brionの白として販売されるようになりましたが…。世界最高の白ワインの一つが名を失いました…。

共に格付けされた6シャトー】
Ch. Olivier
Ch. Carbonnieux
Ch. Malartic Lagraviere
Domaine de Chevalier
Ch. Bouscaut(Cadaujac ここのみ)
Ch. Latour Martilac(Martilac)
※上記コミューン記載なしはコミューンLeognanです。
→アカデミー・デュ・ヴァンの矢野先生のゴロ合わせで赤白共には「軽母乳のブスっ娘・オリビエがシュヴァリエになんたら…」って書いてあったような。

※シャトー名にHaut や Brion の文字があれば基本のみです。”マル”なんとかは白赤両方
→Ch. La Mission Haut Brionの白がリリースされ始めました…。格付け的には考えなくても良いと思うのですが…。

・最初は赤・白・赤白のどのタイプが格付けされているかを覚えてください。コミューン名(村の名前)は無視して進みましょう。本当に余裕があるときに眺める程度で問題ありません。

G その他

・クリュ・ブルジョワ
出題される可能性はかなり低いと思います。ものすご~く余裕があれば教本の記載をなんとなく読む程度でよいと思います。

・セカンドワイン
各シャトーがセカンドワインをリリースしています。手ごろな価格で(そうでないものもありますが)有名シャトーの雰囲気を味わえることが人気のようです。ただ、最近試験にはほとんど出なくなりました。ですから、余裕ができた頃にメドックの一級のセカンドワインを覚えて、さらにどうしても頑張りたい方は下記のシャトーまで手を広げる感じでいきましょう。
→レストランの現場にいるものとしては知っていた方が良いと思います。

Ch. Cos d’Estournel(Saint-Estephe)
Ch. Montrose(Saint-Estephe)
Ch. Pichon-Longueville Baron(Pauillac)
Ch. Pichon Longueville Comtesse de Lalande(Pauillac)
Ch. Ducru Beaucaillou(Saint-Julien)
Ch. Leoville Las Cases(Saint-Julien)
Ch. Palmer(Margaux)
→覚える人は調べてくださいな。

だから今回は無視しましょう!

※Ch.Haut Brionは2007年からセカンドワインの名称を
Ch. Bahans Haut-Brion からLe Clarence de Haut Brion
に変更しました。
→狙われるならこのあたりかも…。

さて、

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ソムリエ試験 過去問

【過去問】
グラーヴ地区で白・赤共に格付けに入っているシャトーを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Ch. Olivier
2. Ch. de Fieuzal
3. Ch. Pape Clement
4. Ch. Smith-Haut-Lafitte

【解説】
こちら2016年度の問題です。ずっと出題され続けています。

【過去問】
グラーブの格付で白のみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau Olivier
2. Chateau de Fieuzal
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Couhins

【過去問】
グラーヴの格付けで赤ワインのみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでくだ
さい。

1. Chateau Couhins
2. Chateau La Mission-Haut-Brion
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Bouscaut

【過去問】
グラーヴの格付けで白のみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau Olivier
2. Chateau de Fieuzal
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Couhins

【過去問】
グラーヴの格付けにおいて、赤ワインだけが認められているシャトーを1つ選んでください。

1. Chateau Carbonnieux
2. Chateau Olivier
3. Chateau de Fieuzal
4. Chateau Laville Haut-Brion

【過去問】
次の記述の中からボルドー地方 Graves 地区の特徴に該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ボルドー市の南東にあり、ミクロクリマに恵まれ収穫を遅らせるとボトリティス・シネレア菌が繁殖する地域である。
2. ドルドーニュ川の右岸にあり石灰岩の台地に石灰質、砂、粘土質等バリエーションにとんだ地質である。
3. ガロンヌ川とドルドーニュ川のふたつの川にはさまれたぶどう畑は、きわめて変化に富み辛口白ワインの一大名産地である。
4. ボルドー市のはずれから南に位置し、ぶどう畑は小石、砂利で形成されている。

【解説】
上記の1.~4.のそれぞれの記述がどこの産地を指しているか考えてみてください。

【過去問】
次のシャトーの中から Graves 地区に属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau de Fieuzal
2. Chateau Gazin
3. Chateau Suduiraut
4. Chateau Haut-Batailley

【解説】
ちなみに2.はポムロールのワインです。3.はソーテルヌで出てきます。

【過去問】
グラーヴの格付けにおいて、赤だけが認定されているシャトーを1つ選んでください。

1. Chateau Latour Martillac
2. Chateau Haut-Brion
3. Domaine de Chevalier
4. Chateau Carbonnieux

【過去問】
次の中から Graves の格付けで赤ワインだけが認められているシャトー数に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.  3 シャトー
2.  4 シャトー
3.  6 シャトー
4.  7 シャトー

【過去問】
次の中から Graves の格付けで白ワインだけが認められているシャトー数に該当するものを 1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 2 シャトー
2. 3 シャトー
3. 4 シャトー
4. 5 シャトー

【解説】
しかし、いくら試験とはいえ、こんなこと(いくつあるかなんて)を覚えても意味がないと個人的には思うのですが…。しかも、La Tour Haut Brion、Ch. Laville Haut Brionあたりは微妙だし…。

【過去問】
次の1~5 の中から( )内にSecond Vin の名称として適当なものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

Carruades de(    )

1. Mouton Rothschild
2. Lafite Rothschild
3. Cheval Blanc
4. La Mission-Haut-Brion
5. Haut-Brion

本日もまさに試験のための勉強という感じで大変でした。一度ですべてを覚えることは不可能ですから何度も繰り返し確認することが大切です。まだまだボルドーが続きます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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