第16回 ロワール地方 ペイ・ナンテ、アンジュー・ソーミュール

   

先日、無事ボルドーを終えました。いかがでしたでしょうか?
「楽しくてワクワクしました!(*゚▽゚*)」
と答えていただければ一番よいのですが、なかなかそうは言えませんよね。

正直、慣れない方には辛い暗記作業になったことでしょう。しかし、こうして覚えたワインに出会い、それらが素晴らしい味わいであった時には感動もひとしおです。今はソムリエ試験のための勉強ですが、真の目的は素晴らしいワインに出会うことであり、その喜びを人とわかち合うことです。

少し遠い道のりですが、見えない山頂ではありません。一歩ずつ前進すれば必ずたどり着くことができます。

さて、ボルドーを海沿いに北上したところにナントという街があります。フランス最大の河川、ロワール川の河口の街であり、ナント周辺にはキリっと引き締まった白ワイン、ミュスカデが造られるワイン産地が広がります。この街からロワール河上流に向けてワイン産地が点在します。

ということで、今回からロワール地方です。

〜〜〜

15世紀、百年戦争も終盤の頃、フランスがイギリスの侵略を受けて国内が混乱している中、フランスの王都・パリもイギリスの支配下にありました。

ロワールに逃れたシャルル7世は1427年、シノン城に宮廷を置きました。そこへ神のお告げを聞いたというジャンヌ・ダルクがシャルル7世を訪ねます。その後、ジャンヌ・ダルクの活躍でイングランド軍はオルレアンの包囲を解いて撤退せざるを得なくなり、シャルル7世率いるフランス軍が一気に形勢を逆転させていきました。快進撃を続けるシャルル7世はランスへ赴き、ノートルダム大聖堂で正式にフランス王として戴冠式を挙行しました。

フランス最長のロワール川。その流域には田園風景が広がり、森のかなたには古城の優雅な姿が見え隠れしています。時が止まっているのかと錯覚してしまうほど美しい景色が広がっているのです。←2000年にユネスコの世界遺産に登録されています。

この地方はフランスらしいという言葉がぴったりのこの地はフランスの庭と呼ばれています。
私もこの地域のお城のいくつかを訪ねたことがありますが、歴史好きの方にはお薦めの観光地です。

その中のお城をいくつか紹介いたします!ただ、ソムリエ試験対策講座なので、AOC名にちなんだお城をご覧いただこうと思います。

おおよそ、西から順に並べてみました。

・アンジェ城 (アンジェ城はAngersと書きますが同地域です)
→AOC Anjou Gamay、Anjou Villages、Anjou Villages Brissac
Angers2016

・ソーミュール城
→AOC Saumur、Saumur-Champigny、Saumur Puy-Notre-Dame
Saumur

・シノン城
→AOC Chinon
Chinon

・アゼ・ル・リドー城
→AOC Touraine Azey-le-Rideau
Azey-le-Rideau

・シュノンソー城
→AOC Touraine Chenonceaux
chateau-chenonceau-1

・ロシュ城
→AOC Savennieres Roche-aux-Moines
Roche
(紹介してから言うのもなんですが、AOC Roche-aux-Moinesとこのロシュ城の場所も違えばつながりもありません)

・シュヴェルニー城
→AOC ChevernyCour-Cheverny
Cheverny

・ヴァランセ城
→AOC Valencay
Valencay

素晴らしい中世の世界です。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第16回 ロワール地方 ペイ・ナンテ、アンジュー・ソーミュール

Val de Loire ロワール

【ポイント】
例年一問から二問程度の出題ながら、ロワール川が非常に長い為、地域としても東西に長く、項目が多岐にわたります。ここは効率よく乗り切りましょう。

・四つにわかれた各地区のブドウ品種の大まかなイメージ主要AOCを押さえましょう。地図を見ておおよその位置関係をイメージできるとよいと思います。
・いろいろなブドウ品種が出てきますが、シノニムを合わせて確認しましょう。
→ロワールは最初、色つき太字のAOCを覚えるくらいでよいと思います。

A ペイ・ナンテ地区

●気候
・海洋性気候←ロワール河河口付近、海沿いですからね。

●主要ブドウ品種
白:ミュスカデ(ムロン・ド・ブルゴーニュ)

●主要AOC
・Muscadet系の四つの中でMuscadet-Sevre et Maineが栽培面積最大。←ミュスカデなので、当然白ワインのみ。
・ミュスカデの多くがSUR LIE(シュル・リー)という製法で造られます。SUR LIEとはフランス語で”澱(LIE)の上(SUR)”という意味です。SUR LIEと表記するには醸造過程で発生した澱をそのまま底に残した状態で最短でも翌年の3月1日まで保存しなければなりません。

新AOC
・Gros Plant du Pays Nantais
→以前はその一つ下のクラスでした。フォル・ブランシュというブドウです。
・Fiefs Vendeens と Coteaux d’Ancenis
→そんなに意識しなくてもよいと思います。覚えようと思う方はまとめて、なんとなく赤・白・ロゼがミュスカデではないロワール品種で造られているって感じで。

B アンジュ・ソーミュール地区

●気候・土壌
・海洋性気候←まだこの辺りは海の影響を受けます。
・白亜質の石灰岩→テュフォー(この地域ではTuffeauと呼ばれます)←この土壌は有名です。

●主要ブドウ品種
白:シュナン・ブラン(ピノー・ド・ラ・ロワール)
赤:カベルネ・フラン(ブルトン)、カベルネ・ソーヴィニヨン、グロロー
→この地区のブドウの基本は白:シュナン・ブラン、赤:カベルネ・フランで、おとなりのトゥー・レーヌまで迷った時はこの二つです。

●主要AOC
ロワール四大ロゼワイン←全てロゼのみのAOC
・Cabernet d’Anjou (半甘口) カベルネ主体
・Cabernet de Saumur (辛口) カベルネ主体
→Cabernet+なんとかはすべてロゼ!
・Rose de Loire (辛口) カベルネ主体
・Rose d’Anjou (半甘口) グロロー主体
→ブドウ品種はなんとなくカベルネ主体、Rose d’Anjouだけ違う、あとはなんとかAnjouは半甘口、というくらいの認識でいいです。

赤ワインのみが認められているAOC
(Anjou+なんとかとSaumur+なんとかの5つのみ)
・Anjou Gamay ガメイ
・Anjou Villages
・Anjou Villages Brissac
・Saumur-Champigny
・Saumur Puy-Notre-Dame 新AOC
→Anjou Gamay以外はすべてカベルネ主体

貴腐および過熟による甘口白ワイン
・Coteaux du Layon
・Quarts de Chaume
・Bonnezeaux
・Coteaux du Layon 1er cru Chaume
・Coteaux de Saumur
・Coteaux de l’Aubance
・Anjou Coteaux de la Loire
ブドウはすべてシュナン・ブランです。
→まずは上の三つを覚えましょう。あと、ここ(アンジュ・ソーミュール)ではCoteauxなんとかは全て甘口と思っていいのですが、次のトゥーレーヌで甘くないやつが出てくるんです。

その他白ワインのみのAOC
・Savennieres 辛口から甘口まで作られます。
・Savennieres Roche-aux-Moines
・Savennieres Coulee-de-Serrant→ビオディナミの伝道師ニコラ・ジョリーがこのAOCを単独所有しています。
こちらもブドウは全てシュナン・ブランです。

その他の気をつけたいAOC
・Saumur 赤・白(辛口)カベルネ主体、シュナン・ブラン主体
・Cremant はどこの地方も同じ。ロゼ瓶内二次醗酵←この製法はシャンパーニュで勉強します。

けっこう大変ですね。過去問で確認してみましょう。

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
フランスの庭園として知られ、バラエティ豊かなタイプのワインが生産される地方を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Jura
2. Val de Loire
3. Bourgogne
4. Cotes du Rhone

【解説】
先ほど勉強しましたから、今日は誰でもわかるはずです。「フランスの庭園」といえばロワール地方と覚えておきましょう。

【過去問 2016】
ジャンヌ・ダルクがフランス王太子シャルル7世に謁見をした場所と同じ名前のワインを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Chambord
2. Chinon
3. Touraine
4. Vouvray

【解説】
2016年度もたまたま前説でジャンヌ・ダルクにふれていましたが、まさか出題されるとは思っておりませんでした。歴史の問題で、ソムリエ試験的には難問に分類されます。ただ、この同じレベルまで掘り下げて勉強する必要はありませんが、過去問として登場した箇所だけは覚えてみましょう。

【過去問】
ワイン用ブドウ品種 Cabernet Franc のロワール地方における別名を 1 つ選んでください。

1. Gros-Plant
2. Melon de Bourgogne
3. Pineau de la Loire
4. Breton

【過去問】
ロワール地方のトゥール市を中心にソーミュールの東側からオルレアンまで広がるワイン産地を1つ選んでください。

1.  アンジュー&ソーミュール地区
2.  トゥーレーヌ地区
3.  ペイ・ナンテ地区
4.  サントル・ニヴェルネ地区

【過去問】
ロワール地方はその風光明媚な景観から何と呼ばれているか1つ選んでください。

1.    古城の都
2.    フランスの庭
3.    オルレアンの聖騎士
4.    ラブレーの生誕地

【過去問】
次のロワール地方Anjou & Saumur地区に関する記述の中から正しいものを1つ選んでください。

1. Cabernet d’ Anjouは、Cabernet Franc, Cabernet Sauvignonから造られる赤ワインのA.O.C.である。
2. Anjou Villagesは、Cabernet Franc, Cabernet Sauvignonから造られる赤ワインとChenin Blancから造られる甘口白ワインのA.O.C.である。
3. Coteaux de Saumurは、Chenin Blancから造られるスパークリングワインのA.O.C.である。
4. Bonnezeauxは、Chenin Blancの貴腐または過熟による甘口白ワインのA.O.C.である。

【解説】
たとえ、3.の選択肢がわからなくても正解にたどり着きますよね。それでも、選択肢3のCoteaux de Saumurって何かな?と調べてみる。こんな勉強法をお勧めします。

【過去問】
次のロワール地方のA.O.C.に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.A.O.C. Anjou Gamay、A.O.C. Anjou Villages は赤、ロゼを造ることが認められている。
2.A.O.C. Bonnezeaux は辛口白ワインを造ることが認められている。
3.A.O.C. Anjou は、ロゼのみ造ることが認められている。
4.A.O.C. Cabernet de Saumur は、ロゼのみ造ることが認められている。

【過去問】
次のVal de Loire 地方Pays Nantais 地区で生産されているA.O.C. の中から最も生産量の多いものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Muscadet
2. Muscadet-de Sevre et Maine
3. Muscadet-Coteaux de la Loire
4. Muscadet-Cotes de Grandlieu

【過去問】
次のVal de Loire 地方のA.O.C. の中から辛口のワインを生産しているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bonnezeaux
2. Chaume
3. Cabernet d’Anjou
4. Rose de Loire

【解説】
d’Anjouってつくと甘い感じです。

なかなかとっつきにくくて頭に入りませんよね。最初ですから、ロワール川を思い浮かべて主なAOC(色付き)がおおよそどのあたりにあるかをイメージできるようになれば十分です。

何かございましたらこちらまで。
koza★majime2.com 松岡 正浩

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