第10回 メドックの格付け 1

   

この絵、誰が描いたものかわかりますか?

ついこの前、お正月でまったりしたなぁと思ったらもう一月も後半、間もなく二月です。この時期はぼんやりしていると本当にアっという間に過ぎてしまいます。 そして、三月、四月は何かと忙しない時期です。比較的時間の取れるであろう二月末までに試験対策を組み入れた生活リズムの確立を目指してください。

さて、前回から一次試験対策が始まりました。いきなり沢山のAOCが出てきて先行きが不安な方もいらっしゃるでしょう。誰もがすんなり覚えられないものです。そして実際、一生お目にかからないワインも多々あるわけです。

私は7年ほどフランスに住んでいましたので、フランスワインだけはかなり飲んでいるほうだと思います。それでも、いまだに見たことも飲んだこともないAOCがいくつか存在します。 また、ワインは世界各国で造られています。ここ数年で生産量を急増させ、世界のトップ5に入ろうかという勢いの中国のワインを私は飲んだ事がありません。

ボルドーには10,000ほどのシャトーがあり、シャンパーニュには6,000を超える生産者がいます。私自身、シャンパーニュの生産者を何軒知っているだろうかとぼんやり考えてみましたが、おそらく一割も知らないのではという感じです。十数年この業界にいますが、まだまだ知らぬことばかりです。

私は一生のうちにどれだけのワイン(人)と出会い、そして味わう(交流を持つ)ことができるのかと、ふと考えることがあります。 そして、世界のいたるところで誰かがワインを造っている(人が存在している)という事実に対して不思議な気持ちになります。

世界で500万種以上とも言われるワインの最初の61種が皆さんの前に並びます。もしかすると今日はワインの世界への扉を開けた素晴らしい瞬間と言えるのかもしれません。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。 疲れているのは皆同じです!

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第10回 メドックの格付け 1

ソムリエ試験対策最初の難関、メドックの格付けに進む前に、ボルドーのブドウ品種をちらっと見ておきます。

C ボルドーの主要ブドウ品種

・黒ブドウ 
 カベルネ・ソーヴィニヨン
 カベルネ・フラン
 メルロ  マルベック
 プティ・ヴェルド

・白ブドウ
 セミヨン
 ソーヴィニヨン・ブラン
 ミュスカデル

前回もふれたように、ジロンド川とガロンヌ川の左岸地域ではカベルネ・ソーヴィニヨンが、ドルドーニュ川の右岸地域ではメルロが主体で栽培されています。
※ボルドーに関してはブドウ品種は何となくでいいんです。 

もちろん、例外は多数あります。 有名どころとしては、サンテミリオンの格付けプルミエ・グラン・クリュ・クラッセACh.Cheval Blancカベルネ・フラン主体です。
また、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセBCh.Figeacは赤主要三品種をほぼ均等に使用します。
→Ch.Cheval Blancの主要品種は出題されたことがありますが、基本セパージュ比率などは全く覚える必要ありません(そもそも年によって違います)。

D メドックの格付け

1855年のパリ万博の時にナポレオン三世が云々というどの参考書にも書かれているこの格付け、ここがソムリエ試験対策最初の関門です。
→いつの時代の話かというと、日本はまだ江戸時代。第13代将軍・徳川家定の時代からこの格付けはほとんど変わっていません。こう考えるとすごいですよね。

この格付けの中でも、Ch. Mouton Rothschildが150年以上の歴史で唯一、二級から一級に昇格しました。ピカソの絵がエチケットに採用された1973年のことです。 mouton1973
Ch. d’Armailhacが1989年にCh. Mouton Baronne Philippeから名称を変更しています。 →これらも出題されたことがあります。

この61シャトーをいかに覚えるのか、あるいは全て覚えずにポイントをおさえて先に進むのか、本当に悩ましいところです。いろんな意味で最終的には全61シャトーすべてを暗記したほうがよいと私は思います。試験にも比較的満遍なく出題されていますから。
→まぁ、誰もが通る道なので、最初に少しばかり苦労してみましょう。一度で全てを覚えることは難しいものです。 

どこから手を付ければいいのかと悩まれた方へ、はじめにAOC MargauxAOC Haut-Medocのシャトー名と格付けだけを気合を入れて覚えてみてください。そして、過去問に挑戦してみるんです。これだけでけっこうイケるはずです。
→この二つは少々やっかいですが、そこが試験に狙われるのです。また、この二つを押さえると後はわりと楽チンです。

※このメドックの格付けに限らず、一般呼称の一次試験対策において、原語で書けるようになる必要はありません。今後も絶対に変わらないとは言い切れませんが、受験者数から考えて、万が一出題されても一問程度でしょうから選択肢として認識できるレベルでの暗記で問題ありません。
→ここ十数年、一般呼称の一次試験において選択肢以外で答えさせたことは一度もありません。ただ、私が受験した時代には書かせる問題が数問ありました。 一方で、シニア呼称受験の方は原語で書けるようにした方が良いかもしれません。

さらに、各AOCのワインの特徴、例えばサンテステフはちょっと土っぽいニュアンスがある、ポイヤックは溌剌として…など実践で必要であろうことも全く覚える必要はありません。本当は格付けを覚えるよりも重要だと私は思っておりますが。

・第一級

こちらはワインの世界では常識です。
Ch. Lafite-Rothschild(Pauillac)
Ch. Latour(Pauillac)
Ch. Mouton-Rothschild(Pauillac)
Ch. Margaux(Margaux)
Ch. Haut-Brion(Pessac-Leognan)
→ポイヤックを3つを固める関係で、上記の順番にしましたが、この一級の中でも純然たる順位があります。

・第二級

一級、二級はワイン愛好家にとって憧れのワインです。苦労して覚えるというよりは、まだ飲んだことのないものはどんなに素晴らしい味わいだろうというイメージで自然に頭に入るように意識できるばよいとすら思っています。

とはいえ、すべての二級が素晴らしいとは言いがたいことも事実です。私個人的に二級という格付けに見合わないと思うものを勝手にあげてみます。だからといって試験に出る出ないは全く関係ありません。

私の中で、二級という意味では残念なシャトー…。←ごめんよ。
Ch. Lascombes (Margaux)→最近、大改革の末、まぁまぁになったかも。
Ch. Durfort-Vivens(Margaux)
Ch. Rauzan-Gassies(Margaux)→本当に残念。二級なのに機械収穫…。
Ch. Brane-Cantenac(Margaux)→AOC Margauxですがコミューン(村と考えてよい)はCantenacです。
→二級に限らず、AOC名とコミューン名が違うものは狙われます。

Ch. Brane-Cantenacが二級で、似たような名前のCh. Cantenac Brownは三級、同じAOC Margaux、コミューンはCantenacです。
→私は前者がBから始まるから二級、後者はCから始まるので三級と覚えました。

AOC Margauxから二級がたくさん選ばれていますが、いまいちときめかない感じです。もちろん天下の二級ですから、まったくダメってことはありませんが…。
たとえばどこかのお屋敷の晩餐会に招待されて(してほしい!)、これらのワインが提供されたときに「(この贅沢な晩餐にこのワインは)ちょっと残念だなぁ」と思う感じです。ヴィンテージにもよりますが。→もちろん口に出しては言いません。
反対にCh. Cos d’Estournel(Saint-Estephe)やCh. Pichon Longueville Comtesse de Lalande(Pauillac)などがでてくるとテンションが上がります。

AOC MargauxにはそれはそれはすばらしいCh. Margauxがあります。偉大なCh. Margauxと同じマルゴーというAOC名なので良いイメージを持つのですが、他の近隣のAOCに比べて認められている範囲が広いことや80年代以前の鉄道問題などで、近年まで低迷し続けているシャトーが存在することは否定できません。

Ch. Rauzan-Seglaは90年代にシャネルがオーナーとなり大変身を遂げ、現在は素晴らしいワインを造っています。

三級以下もAOC Margauxは格付けに対してどうも良い印象をもてないところが多いと思うのは私だけではないと思います。

という私の個人的な感想をお読みいただいてから、そして、AOC Margauxを意識して二級の格付けを見てみましょう。

Ch. Lascombes(Margaux)
Ch. Durfort-Vivens(Margaux)
Ch. Rauzan-Segla(Margaux)
Ch. Rauzan-Gassies(Margaux)
Ch. Brane-Cantenac(Margaux)
Cantenac
Ch. Cos-d’Estournel(Saint-Estephe)
Ch. Montrose(Saint-Estephe)
Ch. Pichon-Longueville-Baron(Pauillac)
Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(Pauillac)
Ch. Ducru-Beaucaillou(Saint-Julien)
Ch. Gruaud-Larose(Saint-Julien)
Ch. Leoville-Barton(Saint-Julien)
Ch. Leoville-Las-Cases(Saint-Julien)
Ch. Leoville-Poyferre(Saint-Julien)

ただ単にこの一覧を眺めて暗記するのは至難の技です。これまで全く接点のなかった方にはただのアルファベットの羅列にすぎません。
みんな、げっと思うのですが、一般呼称の一次試験はマークシートです。まず、AOC Margauxを見てわかるようにしましょう。

あと、Saint-Julienにレオヴィルなんとかという三兄弟みたいなのがいて、Pauillacにもピション・ロングヴィルの兄弟がいる。マルゴーはローザン兄弟がいますね。
この兄弟だかグループだかをなんとなく判別できれば、二級に関してはなんとかなりそうですよね。

試験的には上記でよいのですが、ワインの世界に足を踏み入れたならCos-d’EstournelやDucru-Beaucaillou、Montroseは是非経験してほしい素晴らしいワインです。
→レオヴィル兄弟のラスカーズは非常に評価が高く、大好き!!という方がたくさんいらっしゃるのです。私は結構様々なヴィンテージを飲んでいますが、未だに一度も当たったことがありません…。

・第三級

14シャトーのうち、AOC Margauxから10シャトーも選ばれています。
ひとまずAOC MargauxコミューンCantenacからの6シャトー、コミューンLabardeCh. Giscoursはしっかり覚えましょう。

Ch. Ferriere(Margaux)
Ch. Malescot-Saint-Exupery(Margaux)
Ch. Marquis-d’Alesme(Margaux)
Ch. Palmer(Margaux)Cantenac
Ch. Boyd-Cantenac(Margaux)Cantenac
Ch. Cantenac-Brown(Margaux)Cantenac
Ch. d’Issan(Margaux)Cantenac
Ch. Kirwan(Margaux)Cantenac
Ch. Desmirail(Margaux)
Cantenac
Ch. Giscours(Margaux)
Labarde
Ch. Calon Segur(Saint-Estephe)
Ch. Langoa-Barton(Saint-Julien)
Ch. Lagrange(Saint-Julien)
Ch. La Lagune(Haut-Medoc)Ludon

AOC AOC Haut-MedocからCh. La Lagune(コミューンはLudon)が選ばれています。AOCがHaut-Medocであり、コミューンがLudonなので、試験的には狙われやすいといえます。
→AOC Haut-Medocは上記のAOC MargauxやAOC Pauillacを含む広域アペラシオンであるためか、地域的にやや劣るイメージがあります。このAOC Haut-Medocから5つのシャトーが三級から五級の間で選ばれています。ここは意識して覚えましょう。

AOC Saint-EstepheのCh. Calon Segurハートのマークのエチケットで有名ですし、AOC Saint-JulienのCh. Lagrange はサントリーの経営、Ch. Langoa-Bartonは二級のLeoville-Bartonの親戚みたいなものです。

三級はAOC Pauillacからは選ばれていません!!

なんとなく覚えたところで、【過去問】でどのように出題されているか見てみたいところですが、五級まで一通り終えてからにします。 ここを乗り切るかどうかが最初のポイントです。みんな苦労するんですから。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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