第34回 ルーシヨン

   

東日本大震災から6年が過ぎました。いまだに不自由な生活を強いられている方がいる一方で、原発をはじめとするさまざまな問題が山積みとなっています。

一昨年の今頃、震災後初めて仙台を訪れました。

仙台空港に降り立ち、海岸沿いを通って仙台市内に向かいました。迎えに来てくれた仙台在住の友人から「あそこに走っている高速道路(海岸線から2キロくらい内陸でしょうか)の手前まで津波で全て流されたんだよ」と説明された一帯は見渡す限りの荒れ地です。そして、ぽつんぽつんと残された廃屋。廃校になった校舎もまだそのままの状態で残っていました。日本において、これほどまでに何もない平地を北海道以外で見ることはありません。

強烈でした。

胸が締め付けられ、いたたまれない気持ちになりました。震災から数年が過ぎようとしている今のこの日本で、未だにその爪跡がはっきりと生々しく残っていたのです。
それでも、この現実をしっかりと目に焼き付けてきました。

私自身が二十二年前の阪神大震災の被災者で、倒壊した家屋から何とか逃げ出し、その後、生き埋めになった祖母を掘り起こした経験があります。何とか一命をとりとめた祖母でしたが、しばらくして建て直した自宅を見ることなく亡くなってしまいました。
今でも、あの寒い冬のことを時折思い出すことがあります。

また、東北に数年間住んでいた時期があり、私がソムリエ資格を取得した時の一次試験は仙台でした。
あの震災で知り合いのご家族が亡くなりました。仙台空港に三日間閉じ込められ車を流された友人がいます。他人事ではないこの現実に対して改めて自分自身の無力さを思い知ることになりました。

日に日に薄れつつある復興への意識。強く生きている被災者の方に私もできるだけのことをしていきたいと思っております。

最後になりますが、犠牲になられた方々に対し、深くお悔やみを申し上げます。また、一日も早く安心して生活できる日が来ることを心よりお祈りいたします。

〜〜〜

先日、ようやく2017年度のソムリエ教本を手に入れました。そして、目次を見てびっくり。

日本が最初であることにはもう慣れました。次です、次、なんと南アフリカ。そして、なぜこの順番かわかりませんが、その次がドイツ。その後、アルゼンチンオーストラリアオーストリアと続きます。

フランスは日本から数えて13番目、アメリカの次になります。

この並び、何かの暗号だろうかと、思って目次をまじまじ見ていると、上段に「各国の並べ方は、日本を最初にして、A,S.l. (国際ソムリエ協会) の表記に準じて、ABC順に並べました」とありました。

なるほどね。まぁ、いいか。

順番が変わったからと言って、ワインの基本がかわるわけではありません。これまでどおり、しっかりと試験対策に取り組みましょう。

さて、フランスも終盤に差し掛かりました。

今回のテーマ、ルーシヨンにはチョコレートと相性の良いワインが登場します。チョコレートにワイン?と思われた方、ちょいと前に連載していたコラムですが、ご一読ください。

チョコレートとワインのハーモニー ~甘みと渋みと刺激
基本的に甘いモノはワインの大敵です。でも、チョコレートにピッタリの甘口ワインがあるんです。

松岡 正浩著
”ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ”管理人/ 柏屋グループ エグゼクティヴ・シェフソムリエ 兼 柏屋大阪千里山支配人

みんな大好きチョコレート。ワインとチョコを一緒に楽しもうというお話です。

チョコレートに普通のワインは全く合いません。チョコレートを食べた後に”みかん”を食べても酸っぱいだけですよね。それに近い感じです。
ワインの果実味はチョコレートの強烈な甘さに太刀打ちできないんです。ワインが酸っぱいだけのアルコールに変わってしまいます。

でも、チョコレートの甘みと苦味をしっかりと受け止め、最高のハーモニーを奏でる甘口赤ワインがあります。

その前に私の苦い思い出

以前、カリフォルニアのワイナリーを巡った時です。ホテルの朝食で出されたチョコレートたっぷりのパンを食べてしまいました。いや、とっても美味しかったのです。その日は午前中から楽しみにしていたワイナリーに行くことになっていたにもかかわらずです。

しかし、食べてから数時間たっても全くワインの味がわからず、テイスティングになりませんでした。ただただスッぱいワインを味わう私…。

ですから、今は仕事やワインテイスティングの前には甘いものを一切口にしません!

良い教訓になりました。

それでもチョコレートとワインを合わせるのですか?という話ですが、面白いワインもあるんです。

さて、チョコレートは”強い甘み”と”苦味”そして”刺激”が特徴のかなり個性の強い食べ物です。この個性にワインを合わせようと考えるなら、

・しっかりとした”甘み”がある方がよい。
・チョコレートの苦味には白ワインよりも赤ワインの”渋味”が合う。
・チョコレートの刺激に合わせるためにアルコール度数は高い方がよい。

以上を考慮します。

見方を変えれば、チョコレートの甘みも渋みも刺激も強いアルコールであれば対応できるので蒸留酒、特に焦がした樽を使うバーボンやウィスキーなどと合わせることもステキな選択です。

一方で、アメリカでは濃厚で樽のしっかり効いたカベルネ・ソービニヨンとチョコレートを合わせる方もいらっしゃいます。

樽の香ばしさ、カベルネ・ソービニヨンの渋みは悪くありません。しかし、チョコレートの強い甘みと刺激が果実味をかき消し、どうしてもワインを薄っぺらい液体に変えてしまいます。合わせるということが両者を高めあうという意味であれば、私はこの組み合わせを疑問に思います。

さて、先ほどの条件を満たし、チョコレートと最高のハーモニーを奏でるワインがあります。

南フランスの”バニュルス”という甘口ワインとポルトガルで造られるヴィンテージポートです。これらのワインはチョコレートと抜群の相性を見せてくれます。

ところで、この”バニュルス”や”ヴィンテージポート”とはなんぞや、ということですね。

ワインはブドウ果汁を醗酵させる過程で、果汁中の糖分がアルコールに変わるのですが、その糖分がまだ残っている段階でブランデーを添加して醗酵を止めてしまい、甘口に仕上げた『酒精強化ワイン』と呼ばれるワインの一種です。

スペインのシェリー(辛口もあります)、ポルトガルのマディラなども同じ酒精強化ワインの仲間です。

このバニュルスやヴィンテージポートは酒精強化ワインとして<やや高めのアルコール度数>、<甘さと強さ>、そして赤ワインとしての<渋み>を特徴とするなど、チョコレートにあわせる為の理由に則しています。

※酒精強化ワインには白ワインも存在します。

チョコレートとこれらのワイン、まさにハーモニー、どちらも高め合う素晴らしい関係なんです。

機会がありましたら是非、お試しください。

こちらのコラムは一般の方向けなので、バニュルスとヴィンテージポートに限定していますが、他にもチョコレートと楽しいワインは存在します。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第34回 ルーシヨン

Roussillon
C 主要ブドウ品種

こちらもラングドックと同じ雰囲気なのですが、スペイン国境付近であるため、白ブドウではマカブーというスペインの主要品種が見られるようになります。ここもなんとなくでいいんです。

D AOCについて

少しだけしかありませんね。しっかり覚えましょう。

Collioure(赤・白・ロゼ)がルーシヨンであることと。
→後述のバニュルスと同じ地域です。

Mauryのスティルワインは赤のみ。

Cotes du Roussillon(赤・白・ロゼ)の後ろに何かがつけば赤ワインのみになること。Cotes du Roussillon Villagesなど。
→上記以外は全てラングドックのAOCということです。

E Vin Doux Naturels、Vin de Liqueursについて

まず、この二つの違いについて理解しましょう。

VDN=Vin Doux NaturelsとVdL=Vin de Liqueurs、一言でいえばアルコールの添加のタイミングの違いです。前者は醗酵途中、後者は醗酵させていないブドウ果汁に添加です。→ですから厳密に言えば、VdLはワインではなくリキュールということになります。

●LanguedocのVDN、VdL
→とにかく、AOC名を見てどの地方のどのタイプのワイン(VDN、VdL)かがわかればよいのです。

・ラングドックのVDN、VdLはすべて白、ブドウはミュスカです。
・AOC名にFrontignanがつくとVDN、VdLの両方が認められます。
・VdLはFrontignan系とClairette du Languedocのみです。

●RoussillonのVDN
→ルーシヨンにはVdLがありません。

・黒ブドウはおおよそグルナッシュです。概ね赤・白・ロゼが認められています。
Banyuls Grand Cruのみ、グルナッシュ75%以上、最低30ヶ月間の熟成義務。
・Mauryにロゼがない。
・RivesaltesとGrand Roussillonはなんとなく。

※以前、どこかでRancioという言葉が出てきましたが、覚えていますか?←このように時折問いかけますが、忘れちゃった人、わからない人は今このタイミングで調べるんですよ。このように調べたことは忘れにくいものです。ちなみに表紙の写真はBanyuls Rancioです。

※hors d’ageというのは大まかに五年以上の熟成を必要とします。

ふー。
やっと終わりました。ラングドックと合わせて【過去問】で確認してみましょう。

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
A.O.C. Limouxの赤ワインの主要ブドウ品種を1つ選び、解答欄にマークしてく ださい。

1. Merlot
2. Grenache
3. Syrah
4. Côt

【解説】
Limouxって、ブドウ品種がこの地域としては特殊だからねらわれるんですねぇ。

【過去問 2016】
A.O.C. の Faugeres, Minervois La Liviniere, Corbieres Boutenac などは、ラングドック地方の階層では何と呼ばれているか、正しいものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Grands Vins du Languedoc
2. Grands Crus du Languedoc
3. Crus du Languedoc
4. Vins du Languedoc

【解説】
ある意味難問に分類されると思います。これまで問われませんでしたから。私もあまり聞いたことないし。一応出題されたので教本で確認しておいていください。

【過去問】
ラングドック・ルーション地方において、スペインからの交通の要所であり、欧州最大規模の堅固な城壁で知られる街を 1 つ選んでください。

1. カルカッソンヌ
2. ナルボンヌ
3. モンペリエ
4. ニーム

【過去問】
残糖で自然に二次発酵を行うため、リキュール・ド・ティラージュの添加を行わないワインを 1 つ選んでください。

1. Limoux
2. Limoux methode ancestrale
3. Blanquette de Limoux
4. Cremant de Limoux

【解説】
スパークリングワインに関して、methode ancestraleの意味がわかれば問題ないはずです。

【過去問】
ラングドック・ルーション地方において白ワインのみが認められている A.O.C. を1 つ選んでください。

1. Minervois
2. Saint-Chinian
3. Picpoul-de-Pinet
4. Corbieres

【過去問】
発泡性の白ワインのみが認められている A.O.C. を 1 つ選んでください。

1. Champagne
2. Saint-Chinian
3. Cremant de Loire
4. Blanquette de Limoux

【過去問】
コート・デュ・ローヌ地方で造られる V.D.N. を 1 つ選んでください。

1. Muscat de Beaumes de Venise
2. Maury
3. Banyuls
4. Muscat de Rivesaltes

【過去問】
ラングドック・ルーシヨン地方において、地中海地方独自の石灰岩の灌木林地帯の名称を1つ選んでください。

1. カップ
2. ガリッグ
3. シスト
4. サーブル

【過去問】
ラングドック・ルーシヨン地方において、スペインからの交通の要所であり、欧州最大規模の堅固な城壁で知られる街 を1つ選んでください。

1. カルカッソンヌ
2. ナルボンヌ
3. モンペリエ
4. ニーム

【過去問】
ラングドック・ルーシヨン地方のA.O.C. Blanquette de Limouxの主要ぶどう品種を1つ選んでください。

1. モーザック
2. ピクプール
3. カリニャン
4. サンソー

【解説】
ソムリエ協会もこの地方に関してちょっと掘り下げてきたなって感じですねLimoux系のブドウは特殊なので試験向きなのかもしれません。

【過去問】
次のフランスのA.O.C.の中から、ラングドック地方で生産されているV.D.N.を1つ選んでください。

1. Muscat de Beaumes de Venise
2. Maury
3. Banyuls
4. Muscat de Lunel

【過去問】
次のA.O.C.の中からルーション地方に属しているものを1つ選んでください。

1. Saint-Chinian
2. Minervois
3. Collioure
4. Fitou

【過去問】
次のV.D.N.およびV.D.L.に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. V.D.N.は、未醗酵のぶどう果汁にアルコールを添加し、醗酵を停止させて造る。
2. V.D.L.は、ぶどう果汁の醗酵中にアルコールを添加し、醗酵を停止させて造る。
3. Muscat de Lunel およびMuscat de Mireval はラングドックのV.D.N.である。
4. Muscat de Beaumes de Venise およびRasteau は、ルーション地方のV.D.L.である。

【過去問】
次のBanyuls Grand Cru に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Banyuls Grand Cru はRoussillon 地方で生産されているA.O.C. Vins de Liqueurで、主要品種はSyrah であり、最低24 ヶ月熟成させなければならない。
2. Banyuls Grand Cru はLanguedoc 地方で生産されているA.O.C. Vins de Liqueur で、主要品種はCot であり、最低24 ヶ月熟成させなければならない。
3. Banyuls Grand Cru はRoussillon 地方で生産されているA.O.C. Vins Doux Naturelsで、主要品種はGrenache Noirであり、最低30 ヶ月熟成させなければならない。
4. Banyuls Grand Cru はLanguedoc 地方で生産されているA.O.C. Vins Doux Naturelsで、主要品種はTannat であり、最低30 ヶ月熟成させなければならない。

【解説】
読み間違えさえなければ、なんてことはない問題です。

【過去問】
次の1~4の中からVins Doux Naturels、Vin de Liquer 両方を生産しているA.O.C.を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Muscat de Lunel
2. Muscat de Mireval
3. Muscat de Frontignan
4. Muscat de Saint-Jean-de-Minervois

【過去問】
次の1~5 の中から赤ワインだけが認められているA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Corbieres
2. Cotes du Roussillon
3. Banyuls
4. Costieres de Nime
5. Cotes du Roussillon Villages

【過去問】
ラングドック地方のA.O.C. Limouxの赤の主要ぶどう品種を1つ選んでください。

1. Merlot
2. Grenache
3. Syrah
4. Cabernet Sauvignon

【解説】
またLimouxですね。狙われやすいということですね。

【過去問】
次のフランスのA.O.C.の中から、ラングドック地方で生産されているV.D.N.を1つ選んでください。

1. Muscat de Beaumes de Venise
2. Maury
3. Banyuls
4. Muscat de Lunel

【過去問】
次の1-4のLanguedoc-Roussillon地方で生産されているA.O.C.ワインの中からLanguedoc 地区に属しているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Fitou
2. Maury
3. Collioure
4. Rivesaltes

【過去問】
次の 1-4 の中からLanguedoc-Roussillon地方のRoussillon地区で最も多く栽培されているワイン用白ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Grenache Blanc
2. Muscat a Petits Grains
3. Rolle
4. Macabeu

【解説】
近年の教本には記載がないので、知らなくていいんじゃないですかね。←というかソムリエ協会も把握していないのかも。

いかがでしたか?ここは誰もすんなり進まないと思います。
まだ三月です。あせらなくてよいので、また戻って確認しましょう。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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 - ●フランス, ・ラングドック=ルーシヨン