第13回 サンテミリオンの格付け、ポムロール

   

さて、今度は右岸に移りまして、サンテミリオンとポムロールに進みます。

あいかわらず教本や参考書には無味乾燥なシャトー名がずらりと並んでいます。でも、ご安心ください。ソムリエ試験対策としてはサンテミリオンのシャトー名はプルミエ・グラン・クリュ・クラッセまで覚えれば十分です。

でも、それでもけっこう大変ですよね。

教本や参考書以上の理解を求める方、または暗記のちょっとしたとっかかりが欲しい方は下記の記事を読んでみてください。サンテミリオンの格付けについての認識が深まります。元ボルドー在住のdeuxbordeauxさんのブログの記事です。
「サンテミリオンの格付け、2012年の最新リストが発表」
「また訴えられてしまったサンテミリオンの格付け」

サンテミリオンのお家騒動。たしかに生産者としては格付けされるかどうかは死活問題なのでしょう。ただ、ゴネた者勝ちという風潮がなきにしもあらずなフランス。ここまで泥沼化してしまうことはフランスワイン全体のイメージに響くようにも思ったものです。

2012年に、サンテミリオンの格付けが更新され、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA聖域に、Ch.PavieCh. Angelusが昇格しました。長年この格付けを見てきた私としては衝撃のニュースでした。メドックの格付け第一級にどこかのシャトーが昇格した!というくらいの強烈なインパクトです。

いえ、ここで私が愚痴ったところでどうなる問題でもないことはわかっています。でも、少しだけ言わせてください。
Ch. Cheval Blancはですね、別格なんですよ。美味しいとか、果実味がどうとか、そんなことではなく、他のワインでは見られない圧倒的な”品”があるんです。

Ch. Ausoneは数ヴィンテージしか経験がないので大きなことは言えませんが、Cheval Blancの品を「剛」とするとAusoneは「柔」。ともにいわゆるわかりやすいワインではありませんが、他のワインとは完全に一線を画した完成度を持ちます。

Ch. PavieCh. Angelusは比較的飲んでいると思います。共に素晴らしいワインです。特に、近年のCh. Angelusは凝縮した果実味とこなれたタンニンが心地よく、一気にトップシャトーまで駆け上がりました。

でもね、でもね、Ch. Cheval Blancと肩を並べることはないだろうと思うわけですよ。
確かにCh. PavieとCh. Angelusの方が果実味がいっぱいで凝縮感がありわかりやすく、若いうちはこの二つの方が美味しいと感じる可能性が高いと言えます。

私はしばしばワインを比べて(偉そうに←すいません)どうのこうの言いうことがあります。この前の私が残念に思うメドック二級のワインもそうですが、それらのワインが悪いとか美味しくないと言いたいだけではありません。二級という格付けや今回のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAというカテゴリーにおいて、これらのワインはそのレベルにありますか?という問いかけであり、そこからそれぞれの方に何かを感じていただきたいと思っているんです。

価格や評判に対するワインの品質をしっかりと見極めることもソムリエとして大切な仕事の一つになります。
→前回の残念な二級達とCh. PavieやCh. Angelusの間には大きな隔たりがあります。今回昇格した二つのワインは本当に素晴らしいワインで、例の晩餐会にPavie、Angelusのどちらが出てきても私はニコニコです。

Ch. PavieとCh. Angelus。間違いなくグランヴァンです。世界中のワイン愛好家垂涎の的であることは言うまでもありません。
けれど、Ch. Cheval Blancはそれ以上の存在で、ワインとしての格が違うんです。質実剛健という言葉がピッタリの輝く名刀のような印象。凛とした存在感の中に妖艶さを兼ね備えていると言ってもいいでしょう。
ここまで完成度の高いワインは世にそれほど存在しないと私は思うのです。

長い与太話にお付き合いいただきありがとうございました。これだけしつこく繰り返しましたから、サンテミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに関しては、覚えていただけたのではと思っております。笑

※表紙はサンテミリオンの街を守るかのように鎮座するシャトー・オーゾンヌの畑です。街の入り口の一番日当たりが良さそうな斜面に畑があります。まさに街の顔という感じです。ボルドーとしては生産量が少なく、市場でもあまり見かけません。
→覚える必要ありませんが、セパージュはカベルネ・フランとメルロが半々くらいです。

一方、Ch. Cheval Blancはサンテミリオンの外れ、ポムロールとの境にあります。この地域としては珍しいカベルネ・フラン主体です。
→稀にメルロ比率がフランを越える年があります。

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明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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第13回 サンテミリオンの格付け、ポムロール

H サンテミリオンの格付け

1954年にSaint-Emilion Grand Cruを対象に公布されました。
※AOC Saint-Emilion Grand Cru についてはAOC名に Grand Cruとあるために誤解しがちなのですが、他の地域の Grand Cruとは異なり、ほぼ一般AOC扱いです。
→たまたまGrand Cruという名前にしましたという感じなので、”Classes”と付くか付かないかは非常に大きなポイントです。
以前、格付けされて いないAOC Saint-Emilion Grand Cruの販売コピーで『サンテミリオンのGrand Cruがこの価格で!!』というような文面をワインショップのサイトやメルマガで見かけることがありました。ひどい書き方をするものだとガッカリしたものです。

このAOC Saint-Emilion Grand Cruの中で格付けされた生産者(Classes付き)が下記の選ばれしものということです。

AOC Saint-Emilion Grand Cruの格付け

●Premier Grand Cru Classes A

Ch. Ausone
Ch. Cheval Blanc
長年、この二つは別格でしたが、2012年
Ch. Angelus
Ch. Pavie
が昇格しました。 ←祝!(涙)

●Premier Grand Cru Classes B
→これら14シャトーも必須です。ただ、シャトー名を見て、Premier Grand Cru Classes Bであるかどうかがわかればよいです。

特に、2006年に昇格が決まった、
Ch.Troplong-Mondot
Ch. Pavie-Macquin

さらに2012年の新格付け法以降に昇格が決まった、
Ch. Larcis Ducasse
La Mondotte
Ch. Canon la Gaffeliere
Ch. Valandraud →賛否ありましたが、いきなりPremierです!
は要注意と言えます。

こちらが一覧です。
Ch. Beausejour
Ch. Beau-Sejour Becot
Ch. Belair-Monange
Ch. Canon
Ch. Canon La Gaffeliere
Ch. Figeac
Clos Fourtet
Ch. La Gaffeliere
Ch. Larcis Ducasse
La Mondotte

Ch. Pavie Macquin
Ch. Troplong Mondot
Ch. Trottevieille
Ch. Valandraud

・Grand Cru Classes
無視しましょう。出題されません。出されても誰も答えられません。ちなみに私は半分も覚えていません。いまだに見たことのないワインがたくさんあります。

I ポムロール

ポムロールには格付けこそありませんが、Ch. Petrus をはじめとする他の地域の格付けワインに勝るとも劣らない素晴らしいワインがたくさん造られています。
試験対策としては特定のシャトー名を覚える必要はありません。過去にCh. de Salesなどが出題されていますが、きりがありません。今後、何らかの機会に目にするものを随時覚えていく程度でよいでしょう。ただ、生産者も少なく素晴らしいワインが多いので、比較的頭に入りやすいと思います。

それでは【過去問】です。

【過去問】
Chateau Pavie がサン・テミリオンの格付けで、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ「A」に昇格した年を 1 つ選んでください。

1. 1973 年
2. 1996 年
3. 2006 年
4. 2012 年

【過去問】
Chateau Angelus がサン・テミリオンの格付けで、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ「A」に昇格した年を 1 つ選んでください。

1. 1973 年
2. 1996 年
3. 2006 年
4. 2012 年

【過去問】
2012 年ヴィンテージから適用の、サン・テミリオンの格付けで、新たに Premiers Grands Crus Classes A に入るシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau Ausone
2. Chateau Angelus
3. Chateau Figeac
4. Chateau Belair-Monange

【過去問】
次の中から A.O.C. Pomerol のシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau la Conseillante
2. Chateau Grand-Pontet
3. Chateau Pape Clément
4. Chateau de Camensac

【過去問】
サン・テミリオンの格付け(2012年ヴィンテージ以降に適用 される)Premiers Grands Crus Classe(A)のシャトー を1つ選んでください。

1. Chateau Pavie
2. Chateau Trottevieille
3. Chateau Figeac
4. Chateau Troplong Mondot

【過去問】
次の1~5 のワインの中から1996 年にSaint-Emilion Premiers Grands Crus Classe に昇格したものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau Angelus
2. Chateau Valandraud
3. Chateau Trotanoy
4. Chateau La Gaffeliele
5. Chateau Beausejour Duffau-Lagarrosse

【解説】
これは私が受験した頃の話ですね。1996年に昇格したのは
Ch. Angelus
Ch. Beau-sejour Becot
です。このように、2006年に昇格したまたは、2012年に昇格したものを選びなさいという問題が想定されるわけです。

【過去問】
次のシャトーの中から2006年度にSaint-Emillion の格付けでPremiers Grands Crus Classes( B )に昇格したシャトーを1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ch. Trottevieille
2. Ch. Pavie
3. Ch. Troplong-Mondot
4. Ch. La Gaffeliere

【過去問】
次の 1-4のワインの中からボルドー地方のポムロール地区で生産されるものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau Cap de Mourlin
2. Chateau Bouscaut
3. Chateau de Sales
4. Chateau de Fieuzal

【解説】
これはわからなくてもしかたがないですね。過去問の傾向から見てポムロールの生産者を”暗記”する必要はありません。

【過去問】
次の Bordeaux 地方の Pomerol 地区に関する記述の下線部 a~dの中から誤っているものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「aサン・テミリオンのb北西部に位置し、cドルドーニュ川の右岸地区。ここではd粘土質と石灰質が混じりあった酸化鉄の土壌でメルロ種を主体とした赤ワインの産地で、独特の風味を生み出している。」

【解説】
石灰質の土壌が見られないわけではないのですが、一般的には粘土と砂利ですね。これがわからなくても、地図をしっかり理解していればなんとかクリアできる問題です。

【過去問】
次のシャトーの中から、ボルドー地方サン・テミリオンの格付けでPremiers Grands Crus Classes(B)以外のものを1つ選んでください。

1. Chateau Angelus
2. Chateau Canon
3. Chateau Pavie Decesse
4. Chateau Pavie Macquin

【解説】
この問題は、数年前のものですが、今なら答えが二つですね。

ここはひとまずこんなものです。
ときにはサラッと?行きましょう。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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