第17回 ロワール地方 トゥーレーヌ サントル・ニヴェルネ

   

ところで、皆さんはナチュラルチーズがお好きですか?6Pチーズもとろけるチーズもチーズには違いありませんが、今お伺いしているのはプロセスチーズではなくナチュラルチーズです。

ここロワール地方は特に山羊(シェーブル)のチーズが有名です。AOCに指定されているものだけでもいくつかあり、その中から超有名どころ、ソムリエ試験に出る可能性のあるものを紹介いたします。→これらはすべてナチュラルチーズです。

・Sainte-Maure-de-Touraine サントモール・ド・トゥーレーヌ
Sainte-maure-de-touraine

・Valencay ヴァランセ
Valencay

・Crottin de Chavignol クロタン・ド・シャヴィニョル
Crottin de Chavignol

上記は全て木炭粉(灰)をまぶし自然のカビを付着させるため、表面は黒またはグレーっぽく見えます。木炭粉の働きで、山羊乳独特の酸味が和らいでマイルドな味わいになります。でも、これらは後付けの理由のようで、「昔から灰をまぶしてきたから今も」というのが本音のようです。もちろん、灰付きのまま全て食べます。

私はシェーブルのフレッシュさも好きですが、熟成を経て水分が飛び固くなって栗のようにホクホクした状態(セックと言います)のものが大好きです。特にクロタン・ド・シャヴィニョルをその”セック”な状態まで熟成させたものが。→フランスのチーズ屋さんには売ってます。

日本でチーズといえばプロセスチーズを指すことの方が多いのですが、ソムリエ試験ではナチュラルチーズの知識が出題されます。→ソムリエ試験においてチーズはそれほど大きなウエイトを占めているわけではありません。ですからこのような機会にお伝えしたいわけです。

私はもともとプロセスチーズが大嫌いで→今は食べますが、やっぱりあまり好きではありません。さらにソムリエ試験受験当時、ナチュラルチーズを食べたことがありませんでしたから、チーズは全く勉強せずに試験に挑みました。出題されても一問程度だと思い、あきらめて鉛筆を転がすつもりでいたのです。

今はチーズが大好きなのでご心配なく。

ーーー

ソムリエ試験的にはここまで必要ないかもしれませんが、業界として知っておきたいチーズの分類(出典:CPAチーズプロフェッショナル協会HPより抜粋、一部加筆修正)

【ナチュラルチーズ】
チーズはミルクから作られる…ってことは皆さんご存知ですよね。母牛(または山羊や羊)から絞ったミルクを乳酸菌や酵素の働きによって固めたものがいわゆる「ナチュラルチーズ」。これは大きく分けて、さらに乳酸菌や酵素に働いてもらって熟成させる「熟成タイプ」や、あえて熟成させずに食べる「フレッシュタイプ」があります。 つまり「乳酸菌(酵素)が生きている」状態が「ナチュラルチーズ」ってこと。生きているわけだから、微生物君たちも人間と同じで「食べたり」「出したり」「つくったり」しながらチーズのたんぱく質や脂肪をアミノ酸や脂肪酸に分解していく…これが時間の経過で「熟成」という変化をしていくナチュラルチーズの特徴でもあるの。

【ロングライフチーズ】
ナチュラルチーズの中にちょっとした例外?もあって、ロングライフタイプの「缶入り(又は充填パック」カマンベール」などは、食べごろに密閉容器に入れて殺菌にかけるため、ほぼ変わらない状態で長期間保持できます。でも「殺菌」とは言っても微生物君たちは大幅に減少するだけであって、全て死滅しているわけではないらしい。 ただ、どちらにしてもご家庭でのチーズの居場所は「冷蔵庫」にてお願い!

【プロセスチーズ】
「ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いって?」よくある疑問ですよね。プロセスチーズとは、簡単に言うとナチュラルチーズをいったん溶かして固めたもの。つまり加熱溶解しているため、微生物は死滅し、「熟成」という変化をもたないチーズ。その分、品質は安定して保存性に優れています。 「チーズって溶かすと脂が分離しちゃうのでは?」と考えちゃうけど、チーズフォンデュに入れるコーンスターチと同じように、「乳化剤」を用いているため脂肪分が分離することなく固めることができるのです。(ちなみにフランスでは「プロセスチーズ」のことを「パート・フォンデュ(Les Pates Fondues)」と言います) いつでも味が安定して美味しいチーズがプロセスチーズ。とはいえ、保存は10℃以下(10〜0℃)が適切で、開封後はなるべく早めに使用すること。6Pチーズやスライスチーズなど、日本の家庭での消費量が多いのもプロセスチーズ。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。 疲れているのは皆同じです!

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第17回 ロワール地方 トゥーレーヌ サントル・ニヴェルネ

C トゥーレーヌ地区

●主要ブドウ品種
白:シュナン・ブラン(ピノー・ド・ラ・ロワール)、ソーヴィニヨン・ブラン
赤:カベルネ・フラン(ブルトン)、グロロー、ガメイ、カベルネ・ソーヴィニヨン

●気候
このあたりから海洋性気候と大陸性気候が入り混じります。←まぁ、なんとなくで。試験には出ないでしょう。

●主要AOC
Bourgueil ロゼ:カベルネ・フラン主体
St-Nicolas-de-Bourgueil ロゼ:カベルネ・フラン主体
Chinon 赤・白・ロゼ:カベルネ・フラン主体、シュナン・ブラン
Cheverny 赤・白・ロゼ:ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ、ガメイ

※各AOCのブドウ品種をすべて覚える必要はありません。赤はカベルネ・フラン主体、白はシュナン・ブランなのかソーヴィニヨン・ブランが識別できることが基本で、余裕がある方のみ、これらのブドウ品種以外が主体となるところをチェックするくらいで十分です。

白ワインのみのAOC
Vouvray 白(甘口~辛口):シュナン・ブラン
→Vouvrayなんとかはシュナン・ブランの白か発泡のみ。
Montlouis sur Loire 白(甘口~辛口):シュナン・ブラン
→Montlouisなんとかもシュナン・ブランの白か発泡のみ。
Cour-Cheverny 白:クールが付いたらブドウはロモランタン←これブドウの名前。酸が強い品種だけど、味は知らなくてもいい。
↑↑ここまではしっかり覚えてください!

●もう少し頑張ることができる人は覚えたほうがいいAOC

Touraineと書かれていれば基本的に赤・白・ロゼ(辛口~半甘口)
カベルネ、ガメイ、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン
下記5つが例外。→ムスーも赤がないのですが。
・Touraine Azey-le-Rideau 白・ロゼ
・Touraine Oisly 白:ソーヴィニヨン・ブラン
・Touraine Chenonceaux ロゼなし!
・Touraine Gamay 赤のみ
・Touraine Noble Joue ロゼ(グリ):ピノ・ムニエ主体
→ピノ・ムニエ主体というAOCはあまり存在しません。

グリ【ヴァン・グリ】とは
黒ブドウを使って、白ワインと同様に造った薄いロゼワイン。搾っただけで果皮の色素が少しだけ果汁に移ります。→一般的なロゼワインの造り方は?

●その他のAOC
Jasnieres  白:シュナン・ブラン
・Valencay 赤・ロゼ・白:ガメイ主体、ソーヴィニヨン・ブラン主体
・Orleans 赤・ロゼ・白:ピノ・ムニエ主体、シャルドネ主体
Orleans-Clery 赤:カベルネ・フラン
→前回お伝えしたアンジュ・ソーミュール地区の赤のみのAOC5つを覚えていますか?赤のみのAOCはTouraine Gamay、Orleans-Cleryを加えて7つにしましょう。

D サントル・ニヴェルネ地区

●主要ブドウ品種←ここからガラッと変わります。
白:ソーヴィニヨン・ブラン(ブラン・ヒュメ)、シャスラ
赤:ピノ・ノワール

●気候
ここまで内陸になれば大陸性気候

●主要AOC
白のみのAOC
・Pouilly Fume(Blanc Fume de Pouilly) ソーヴィニヨン・ブラン
→ブルゴーニュで出てくるPouilly-Fuisseと混同しないように。
・Pouilly-Sur-Loire シャスラ
・Quincy ソーヴィニヨン・ブラン

ロゼが認められるAOC
ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール
・Sancerre
・Menetou-salon
・Reuilly
→こちらもブルゴーニュのAOC Rully と混同しないように。

赤・ロゼ(グリ)のみ
Chateaumeillant ガメイ、ピノ・ノワール
→白は認められていません。

おまけに
Coteaux du Giennois ピノ・ノワール、ガメイ、ソーヴィニヨン・ブラン

※こうして学ぶことは大切だと思いますが、どこのAOCが赤・白…なんて、やっぱりつまんないですよね。こんな文字で書かれている以上に素晴らしいワインがたくさん造られているんです。試験が終わったらいろいろ経験してください!

AOC名表記の色に関して、
青色は白ワイン赤色は赤ワインピンク色はロゼワインが生産可能であることを表し、三色で表現されているものは白・赤・ロゼの全てが認められていることを表します。
また、Menetou-salonのように青・赤・ピンクの割合はその色のワインがどれだけ占めているかのイメージです。例えばこのメヌトー・サロンは白赤ロゼの生産が認められていますが、半分以上が白ワイン、ほんの少量のロゼワインが造られているというイメージです。

E シノニム

今はさっと眺めて、今後練習問題で出てくるたびに確認しましょう。

・Meron de Bourgogne=Muscadet
・Pineau de la Loire=Chenin Blanc
・Blanc Fume=Sauvignon Blanc
・Breton=Cabernet Flanc=Bouchet
・Menu Pineau=Arbois
→TouraineやChevernyの補助品種として使われる白ブドウ
・Chasselas=Gutedel(独)

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ソムリエ試験 過去問

【過去問】
ロワール地方のA.O.Cで白だけが認められているものを次の中から1つ選び、 解答欄にマークしてください。

1. Bourgueil
2. Sancerre
3. Pouilly-Fume
4. Saumur Champigny

【過去問】
A.O.C. Bourgueil を産出するロワール地方の地区を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Pays Nantais
2. Anjou & Saumur
3. Touraine
4. Centre Nivernais

【過去問】
次の A.O.C. ワインの中で辛口のものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Coteaux du Layon
2. Bonnezeaux
3. Quarts de Chaume
4. Touraine

【過去問】
ロワール地方で Sauvignon Blanc から造られる白ワインのみが認められている A.O.C. を 1 つ選んでください。

1. Sancerre
2. Pouilly Fume
3. Pouilly sur Loire
4. Vouvray

【過去問】
Chasselasを100%使用して造られるロワール地方のA.O.C.を1つ選んでください。

1. Pouilly Fume
2. Quincy
3. Pouilly sur Loire
4. Vouvray

【過去問】
次のロワール地方の記述について正しい場合は 1 を、誤っている場合は 2 を選んでください。

「北緯 47 度前後の温暖な地域なので全般的に軽やかで爽やかなワインが多い」

1. 正
2. 誤

【過去問】
次のロワール地方トゥーレーヌ地区のA.O.C.の中からSauvignon Blancの使用が認められていないものを1つ選んでください。

1. Cheverny
2. Touraine
3. Montlouis-sur-Loire
4. Valencay

【解説】
それぞれのAOCについて細かい規定があり、すべてを覚える必要はありませんが、トゥーレーヌ地区においてソーヴィニヨン・ブランは主要品種または補助品種として使用が認められていることがあります。シュナン・ブランとそれ以外の白品種の二つにわけてイメージしてみてください。

【過去問】
次のロワール地方のA.O.C.の中から最も西に位置しているものを1つ選んでください。

1. Savennieres
2. Saumur
3. Saint-Nicolas-de-Bourgueil
4. Chinon

【解説】
このような問題が出題されます。なんとなくでよいので地図を頭に入れておきましょう。

【過去問】
次の Val de Loire 地方の A.O.C. の中から赤、ロゼ、白が認められているものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Coteaux du Loir
2. Orleans-Clery
3. Menetou-Salon
4. Bourgueil

【解説】
答えが二つあります。実際の試験であればちょっと混乱するかもしれませんが、たまにあることです。迷わず3.を選べばいいと思います。このようなことにも慣れておきましょう。

【過去問】
次のVal de Loire 地方のA.O.C. の中から白、ロゼが認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Touraine Mousseux
2. Cheverny
3. Cremant de Loire
4. Valencay

【解説】
1.か3.か悩むところですね。まずはそれでよいのではないでしょうか?
→Cremantとつけば赤はありません。

【過去問】
次のVal de Loire 地方のワイン用ぶどう品種の別名の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chenin Blanc = Pineau de la Loire
2. Breton = Cabernet Franc
3. Menu Pineau = Grolleau
4. Sauvignon = Blanc Fumé

【解説】
困った時は消去法で考えましょう。

【過去問】
次のロワ-ル地方の A.O.C. ワインの中から Touraine 地区以外に属するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bourgueil
2. Cheverny
3. Coteaux du Giennois
4. Vouvray

【解説】
3.は知らなくてもいいんです。
1.2.4.がTouraine地区とわかればいいんです。

【過去問】
ロワール地方に関する記述の中から正しいものを1つ選んでください。

1. ロワール川は1,500kmあまりのフランス第2の河川である。
2. トゥーレーヌ地区の土壌は花崗岩土壌や火山性土壌で構成されている。
3. サントル・ニヴェルネ地区にはロワール川を挟んで下流に向かって左岸にプイイ・シュル・ロワール、右岸にサンセールの村が向い合っている。
4. アンジュー&ソーミュール地区の石灰質の岩は「テュフォー」と呼ばれている。

【解説】
これは難しい。2.か4.で迷うところまでいけば上出来です。ちなみに
1. 第1の河川です。ちなみに1000km。
2. 覚えなくてもよいですが、石灰と粘土が多いです。
3. 地図を見るとわかります。
4. 「テュフォー」は比較的有名です。

正解は4.です。

【過去問】
次の中からA.O.C. Valencay Blancの主要ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Arbois
2. Chenin Blanc
3. Chasselas
4. Sauvignon Blanc

【解説】
余裕のある方は、トゥーレーヌ地区のソーヴィニヨン・ブランを使用可能なAOCに関してまとめてみることも良いと思います。

【過去問】
次のVal de Loire地方のA.O.C.の中から白の辛口タイプおよび甘口タイプが生産されているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Quincy
2. Coteaux du Layon
3. Saumur
4. Vouvray

【過去問】
次のVal de Loire 地方のA.O.C.の中から赤ワインだけが認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Saint-Nicolas-de-Bourgueil
2. Saumur-Champigny
3. Chinon
4. Touraine Azay-le-Rideau

【過去問】
次のVal de Loire 地方のA.O.C.の中からChenin Blanc以外のぶどう品種から白ワインの生産が認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cour-Cheverny
2. Jasnieres
3. Montlouis-sur-Loire
4. Coteaux du Layon

【過去問】
ロワール地方の白ワインで辛口から甘口まで生産し、甘口は特に寿命が長くMousseux、Petillantも存在するA.O.C.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bonnezeaux
2. Quarts de Chaume
3. Saumur-Champigny
4. Vouvray

【過去問】
次の1~5 のワインの中からChasselas種を使用できるものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.Pouilly-sur-Loire
2.Pouilly Fume
3.Sancerre Blanc
4.Touraine Noble Joue
5.Bonnezeaux

【過去問】
次の中からフランス産チーズ「Crottin de Chavignol」に最も相性の良いワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Sancerre Blanc
2. Beaujolais Villages
3. Chateauneuf-du-Pape Rouge
4. Chateau Climens

【解説】
今日は簡単ですね。

これでロワールを終わります。教本にはたくさん項目が並んでいますが、ひとまずこの程度で十分です。恐れるに足りません。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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