第55回 ドイツワインまとめ

   

人を見る習慣から安いワインを勧めてはいけない話を続けます。

とはいえ、パリ時代にこんなことがありました。

ある日、パリ「あい田」に夕食の買い物に行くようなラフな格好に化粧っけのない短髪の日本人女性が来店されました。「あい田」にドレスコードはありませんが、正直”えっ”と思う服装だったのです。←私も服装には無頓着な方ですが、それでも仕事柄いろいろと思ってしまいます。

日本人観光客の方に多いのですが、あまりにもレストランにそぐわない姿でお越しにられる方がいらっしゃいます。買い物袋をたくさん下げて運動靴でレストランに来られるなどは最悪です。ここでも日本人ってマナーがないなとフランス人に思われているんです。

さて、この夕食の買い物帰り女性、一種独特の雰囲気を持っており芸人さんか芸術家の方かもと一瞬よぎりました。それでも私の中の第一印象は情熱大陸を見てパリ観光のついでに来られた方だろうということに落ち着きました。

その後、最初に食前酒をお伺いするのですが、たいていここまでのやり取りや言い回しでお客様のなんと言いますか経験値が測れます。

そして、その女性はかなりスマートに”じゃぁ、グラスでシャンパーニュを”とおっしゃったのです。本当に意外でした。もしかして”オレンジジュース”って言われるのではと思ったくらいでしたから。→本当にごめんなさい。

当時の「あい田」ではグラスのシャンパーニュにアンボネイ←覚えてますか?のエグリ・ウーリエ・ブリュット・トラディション・グラン・クリュを出していました。

そして、シャンパーニュをサービスしている途中でその女性は”あっ、ウーリエ使ってるんだ”とつぶやかれたのです。私はビックリして彼女をまじまじと見てしまったように思います。

シャンパーニュのサービスの途中でエチケットを確認し”エグリ・ウーリエ”だと認識された。

この瞬間から彼女に対する見方が180度変わりました。確かに、最初に一風変わった独特の雰囲気を持っているなと思ったんです。ただ、ここはフランス、独特の空気を持っている人はゴマンといらっしゃいます。

エグリ・ウーリエを知っているということはワインの経験値がかなり高いということです。まず、知らない人はEgly Ourietって簡単に読めません。さらに当時日本のレストランでこのエグリ・ウーリエをオンリストしているレストランはそう多くはなかったはずです。エグリ・ウーリエに対する私の長年の想いを話すと長くなるのでやめますが、私と相田は自信を持ってこのシャンパーニュをお出しておりました。

最近でこそ大人気のようですが、当時は知る人ぞ知る、あい田に来るフランス人ですら10人に1人くらいしか反応しない生産者でした。←日本料理に日本円で30000円前後出そうという人達です。(多くのフランス人にとって日本料理はある意味ファーストフード的なイメージです)いわゆるお金持ちの食通、ワイン好きばかりが来店されます。もちろん、わかっていても反応しない方もいらっしゃったでしょう。

この方から”お勧めは”と聞かれた私はとっておきのスペシャルをお持ちしました。ワインのクラス、造り手、ヴィンテージ、そして許容されるであろう価格、全てにおいて満足いただけるような在庫の中で私が最高だと思うワインを。

大変申し訳ないのですが、全てのお客様に自分が完璧だと思えるワインを準備することはなかなか難しいものです。そして、そこまでの必要性がないとも言えます。もともとリストに載せているワインは基本的に自分が美味しいと思っているワインばかりなのですから。また、ワインの名前を聞いただけで興味、好奇心をくすぐる”全てが最高だと思うとっておきワイン”はそれらを求めているだろうなという方の分くらいしか手に入りません。

”お客様を見る”ということについて考える時は時折上記の買い物帰りの女性のことを思い出します。

ちなみにこの方はある地域ではとても有名な料理人の方だそうで、その後私は彼女の経営するお店に伺いました。

※表紙は現在のクロスター・エーベルバッハ

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第55回 ドイツワインまとめ

あと少しだけです。

F ドイツワインの歴史

それほど出題されませんが、ポイントとなりそうな言葉だけ拾ってみます。

・8~9世紀 カール大帝、ワイン造り発展
・1136年 シトー会派の修道院/クロスター・エーベルバッハ
・1720年 ヨハニスベルク修道院でリースリング大量植樹
・1775年よりヨハニスベルグ城で毎年貴腐ブドウの収穫
・1830年 エクスレ/ドイツの物理学者

・1874年 フィロキセラ

G ドイツワイン概論
・白ブドウ(65%)と黒ブドウ(35%)の生産量比率も重要です。想像以上に赤ワインが造られており年々増加しておりましたが、ここにきてリースリング人気から白ワインが再び増加傾向のようです。→80年代初頭は黒ブドウは10%程度。
・辛口ワインの方が多く生産されています。
・生産されるワインのほとんどが上級ワインに分類されることも確認しておきましょう。

・北緯47度から52度の数字もなんとなく。

何となく参考書を眺めて、過去問等に出てくるたびに確認する程度で十分です。また、今年の教本に記載のない過去問は捨ててもよいでしょう。

あと一息です。【過去問】を確認してドイツを終わらせてしまいましょう。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問 2017】
ドイツワインの歴史に関する記述のうち正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 12 世紀ドイツ南部ではワインは高級品として取引され日常的には地元のビールが飲まれていた
2. 1720 年ラインガウのヨハニスベルク修道院でリースリングの樹が大量に引き抜かれた
3. 1860 年代ラインガウとモーゼルではブドウ畑の格付けが行われた
4. 1960 年代〜 1970 年代にかけて甘口ワインから辛口ワインへ生産がシフトしていった

【解説】
これまでのソムリエ試験を鑑みるとちょっと難しいですね。ここに出てきた事柄くらいは覚えておきましょう。

【過去問】
ヨハニスベルク城において、ブドウの遅摘み法が発見された年を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 1775 年
2. 1783 年
3. 1870 年
4. 1876 年

【過去問】

次の1~4の文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ライン川の源流であるボーデン湖は、フランス、ドイツ、スイスの国境にある。
2. ぶどうの遅摘み法の発見は、1775 年ラインガウ地域にあるクロスター・エーベルバッハ修道院である。
3. 2000年ヴィンテージから導入されたSELECTION は、単一畑のぶどうから造られる上級辛口ワインである。

4. Ahr 地域はドイツ最大の赤ワインの産地で、Wurttemberg地域より多い。

【解説】

今年の教本からSELECTIONの記載がなくなりました。だから、知らなくていいはずです。ちなみに1.ボーデン湖はスイスとドイツの国境です。

【過去問】

次の1-4 の文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 2003年では、ドイツの赤ワイン用ぶどう品種の栽培比率は66%である。
2. ドイツと国境を接している国は全部で8カ国である。
3.「SELECTION」 のぶどう収穫量は、60hL / ha 以下で、収穫は全て手摘みである。

4. 品質等級 Auslese の最低アルコール度(% vol)は、5.5%なければならない。

【解説】

2. 9カ国もあるようですが偶然覚えていればくらいの感じでよいです。

【過去問】

次の中からドイツワインを辛口タイプと甘口タイプに分類した場合、辛口タイプが全体に占める割合に該当するものを1つ選んでください。

1. 約36%
2. 約45%
3. 約53%

4. 約64%

【過去問】

次のドイツワイン産地の区画に関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ドイツワイン産地の区画は13の限定生産地域ベシュティムテ・アンバウゲビーテ(Bestimmtes Anbaugebiet)に分類されている。
2. ベシュティムテ・アンバウゲビーテ(Bestimmtes Anbaugebiet)はベライヒ(Bereich)と呼ばれる地区に分割されている。
3. ベライヒ(Bereich)はグロースラーゲ(Grosslage)と呼ばれる統合畑に分けられ、さらにアインツェルラーゲ(Einzellage)と呼ばれる単一畑に分かれている。

4. 13 の限定生産地域のうち、Mosel のみが、アインツェルラーゲ(Einzellage)を呼称することができる。

【解説】

一瞬、混乱しそうな選択肢が並んでいますが、よく読めば悩むことはありません。このような言い回しにも慣れましょう。正解は4.です。

【過去問】

次の1-3の中から2002年に生産されたドイツワインの赤ワイン用ぶどう品種の栽培割合として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 31.5%
2. 45.2%

3. 54.8%

【解説】

近年の数字に直して理解してください。

【過去問】

次のドイツワインの歴史に関する記述の中から19世紀の出来事に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ヨハニスベルグ城において、ぶどうの遅摘み法の発見
2. 物理学者 Ferdinand Oechsle 氏が果汁の糖度を調べる比重計を発明
3. ドイツ高級ワイン生産者連盟(VDP)の設立

4. シトー派の修道院クロスター・エーベルバッハの設立

【解説】

覚えなくてもいいと思いますが、3.は1910年設立です。

【過去問】

次の中からドイツで、ぶどうの遅摘み法の発見やアウスレーゼの開発が行われた場所を1つ選んでください。

1. ヨハニスブルグ城
2. フォルラーツ城
3. シトー派修道院

4. クロスター・エーベルバッハ

【過去問】

ドイツワインの生産地域の記述について、正しいものを1つ選んでください。

1. 13の特定栽培地域がある
2. 北緯37~42度の範囲内にある
3. 特定栽培地域は西部(旧西ドイツ)のみである

4. 白ワインの生産が80%を超える

お疲れ様でした。これでドイツも終わりです。でも、皆さんはしばらくしてからまた戻ってきてちゃんと復習してくださいね。ドイツはポイントだけ押さえて、あとはどこまで覚えるかを自分で決めること。100点取る必要はないんですから。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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