第52回 ドイツのワイン産地

   

前回に引き続き、ベルンハルト・フーバー醸造所VSフランスワインのお話です。

4:シャルドネ対決
A:フーバー・シャルドネ 2014
B:エチエンヌ・ソゼ・ピュリニー・モンラッシェ 2014

このフーバーのシャルドネ、私が一昨年に知ったワインの中でナンバーワンでした。その時もブラインドテイスティングだったのですが、私は「本当に素晴らしい。コシュ・デュリのような還元的でシュル・リーのスタイル。ただ、ムルソーでもピュリニーでもシャサーニュでもない…。こんなに還元的でかつ旨味と品のあるシャルドネを誰がどこで造っているのだろう…。納得いかないけど、あえて近いといえばムルソーで、こんなワインを造っている人がいるのかもしれない」と答えたことを今でもはっきりと覚えています。まさか、ドイツのシャルドネにここまで悩まされるとは。フーバーは大好きでしたが、その時までシャルドネが造られていることすら知りませんでした。→私は個人的に世界最高の白ワイン生産者はムルソーのコシュ・デュリだと思っています。

ここまで感動したシャルドネにはブルゴーニュの白のトップ生産者の一人、エチエンヌ・ソゼのピュリニー・モンラッシェを当ててみました。

どちらが好きかという第一印象では7割のソムリエがAに手をあげました。おっと、私はもっと圧倒的にAに手があがるものと思っていたのに(Aがフーバーだと決めつけている)。

ここで、このシャルドネに限らず、フーバーのワインを飲んだことがありますか?という質問をしてみました。そして、一人だけ、ある二つ星フレンチのシェフソムリエが「うちはフランスワインしか扱わないので、飲んだことがありません」と答えました。では、今日これまでテイスティングしてみてどう思われましたかと聞いてみると彼は「正直、驚いています。ワインはフランスだと思っていますし、これからも変わらないと思いますが、今日目の前に並んだワインがドイツワインであることに衝撃を受けています」と答えました。私もフランスサイドの人間、彼の気持ちはよくわかります。

また、このAのワインに関して、例の重鎮ソムリエが「これまでのフーバーのシャルドネはもっと還元的なニュアンスが特徴的でしたが、このワインからはそこをそれほど感じず、ちょっと戸惑いました」とコメントしました。確かに言われた通りで、私も以前に感じた圧倒的なシュル・リーの特徴はあまりなかったように思いました。

最終的に6割ほどのソムリエがAのワインをフーバーと解答。ドイツのシャルドネがブルゴーニュのトップドメーヌのピュリニーに並んだ(私としては完全に超えてましたけどね)瞬間でした。ただ、ブルゴーニュにはもっと上の生産者がいることも事実です。

5:ピノ・ノワール対決 2
A:コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ ボンヌ・マール 2013
B:フーバー”アルテ・レーベン”シュペートブルグンダー  2013

言わずと知れたシャンボール・ミュジニーのトップ生産者ヴォギュエ。フーバー一家と仲が良いこともあり、ユリアン氏本人がドイツから持ってきたこのボンヌ・マールは、フーバー”アルテ・レーベン”シュペートブルグンダーと価格差ということでいえば数万円の差がつくはずです。→”アルテ・レーベン”2013は参考上代10,000円、ヴォギュエ ボンヌ・マール 2013は70,000円オーバー…。本当はボギュエのミュジニーもあったけど、さすがにやめようという話に。

対決前、ユリアン氏が「本当にヴォギュエのボンヌ・マールと飲み比べをするのか」と恐れおののいておりました。

こちらも最初にどちらが好みか挙手をお願いしました。そして、片方のワインに一人を除く全員が手を上げました。

一方は明るくピノらしい赤から紫の香り・ミネラル感がふわっと宙を舞い私たちを優しく包み込みます。もう一方は、硬く閉じこもっており、香りもほとんど取れないほどでしたが、口当たりは非常になめらかで、独特の存在感がありました。

そして、この明るく開いている方に一人を除くほぼ全員が手を上げたんです。

そのワインはB:フーバー”アルテ・レーベン”シュペートブルグンダー  2013でした。

もう一度言いますが、私も含めてブラインドテイスティングでした。その上で、参加者全員がヴォギュエのボンヌ・マールを意識しながらも、Bのフーバーのワインを好みだとほぼ全員が選ぶ結果となりました。

確かに、ボンヌ・マールはガチガチでした。香りも全くといっていいほど出ておらず、ただただなめらかで強い。それでも、ワインの資質はというとAの方がより細やかな粒子を感じるかのごとく、私たちに訴えかける何かがあるように感じました。より高貴なんです。だから、いつか花開けばこのボンヌ・マールはフーバーのアルテ・レーベンの上をいくことでしょう。それがいつになるのかはわかりませんが。

それでも、大阪の第一線で活躍するソムリエさんたちが、どちらが好みですかという質問にボンヌ・マールを差し置いて、(フーバーの)Bと答えたわけです。

私も今どちらが飲みたいかといわれれば、間違いなくフーバーです。これだけ綺麗にエレガントに開いたピノ・ノワールはブルゴーニュでもそうあるものではありません。

フーバー恐るべし。

始まる前からイイ勝負になると思っていました。ただ、ここまで完勝するとは…実は私はこっそりこうなるだろうと思っておりました。フランスワインのソムリエとしてはちょっと複雑な気持ちでもありましたが。

一方でフーバーがドイツワインとしてこのようにわかりやすく評価されたことには意味があると思っております。

そして、何よりもこのセミナー、とっても楽しかったんです。ですから、この五つの対決が終わって時間を見ると16:30。あれ、13時から始めたんだよね?私とユリアン氏はこのあと柏屋でメーカーズディナーのはず…。私は、この対決の余韻に浸る暇もなく、大慌てで職場に戻りました。

※表紙はFrankenのBocksbeutelです。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第52回 ドイツのワイン産地

ソムリエ試験対策としてドイツは私が受験した当時から避けて通りたい分野の代表格であり、ほとんど何も手をつけずに合格したという”つわもの”も数人知っております。

数年前には一部の呼称において試験範囲を外れたり、出題が激減した時期もありました。しかし、ここで気合を入れて(と私自身に言い聞かせているのですが)少なくとも平均的な知識は身につけようではありませんか。

B ワイン産地の特徴

今日はいつもと違い、いきなり【過去問】から見ていきます。教本の全てを勉強するのは大変ですから、だったら試験に出るところだけをちょいちょい見て、それでいけそうならという作戦です。どのような出題があるのかを確認しながらサラッと【過去問】を眺めて、その感覚を持ってドイツ対策を進めましょう。

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
ドイツワインの特定栽培地域のうち最も北に位置する地域を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Mittelrhein
2. Saale-Unstrut
3. Hessische Bergstraße
4. Franken

【解説】
昨年度も定番の問題が出題されました。ドイツはこのレベルを押さえればイイんです。

【過去問】
ドイツのワイン産地 Rheinhessen に隣接しているワイン産地を 1 つ選んでください。

1. Ahr
2. Mosel
3.. Nahe
4. Baden

【解説】
隣接まで確認しておくのはちょっと難しいですが、地図が頭にあればなんとかなるものです。

【過去問】
次のドイツのワイン産地の中で最もブドウ栽培面積の大きい産地を 1 つ選んでください。

1. Mosel
2. Mittelrhein
3. Rheinhessen
4. Rheingau

【過去問】
次のドイツのワイン産地の中でマイン川に接している産地を 1 つ選んでください。

1. Pfalz
2. Franken
3. Nahe
4. Baden

【解説】
ドイツは川がポイントになります。生産地と一緒に主要な河川も確認しておきましょう。

【過去問】
フルーティーで豊かな芳香をもつワインが造られる、モーゼル川中流のベルンカステル地区の特徴的な土壌を 1 つ選んでください。

1. スレート粘板岩土壌
2. 湿性火山性土壌
3. 白亜質土壌
4. 砂礫質土壌

【解説】
超有名なんですよね。ドイツで土壌を聞かれるならここかなという気がします。

【過去問】
次のドイツワイン生産地の中で最も東に位置するものを 1 つ選んでください。

1. Ahr
2. Baden
3. Saale-Unstrut
4. Sachsen

【過去問】
ドイツのワイン産地 Baden で最も多く栽培されているブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Spatburgunder
2. Riesling
3. Trollinger
4. Silvaner

【解説】
前説のフーバーさんの話、ちょっとだけ役立ったでしょ。

【過去問】

ドイツワインの 13 の特定栽培地域のうち最も北に位置し旧東ドイツであった地域を 1 つ選んでください。

1. Mittelrhein
2. Hessische Bergstrase
3. Wurttemberg

4. Saale-Unstrut

【過去問】

次の記述に該当する産地を 1 つ選んでください。

「ドイツ最大の栽培地でワイン用ぶどう品種 Silvaner の栽培面積は世界最大である」

1. Mosel
2. Rheingau
3. Baden

4. Rheinhessen

【過去問】

ドイツのワイン産地Frankenの説明として正しいものを1つ選んでください。

1. Q.b.A.以上のワインはボックスボテイルという扁平瓶で販売される
2. ドイツでは最南端のワイン生産地
3. ライン川支流の小さな地域で、赤ワインの生産比率が非常に高い

4. ハイデルベルクの北に位置し、主にリースリングが栽培されている

【過去問】

次のドイツワイン生産地域の中からワイン生産量の一番多い地域を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Rheingau
2. Rheinhessen
3. Pfalz

4. Mosel

【過去問】

次の1~5のドイツの生産地域の中から栽培面積が最も大きい地域と最も小さい地域を1つずつ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ahr
2. Mosel-Saar-Ruwer
3. Nahe
4. Rheinhessen

5. Sachsen

【過去問】

次のドイツワイン生産地域の中からQ.m.P.の生産比率(%)が一番高い地域(2007年度統計)を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Franken
2. Mosel
3. Rheingau

4. Baden

【過去問】

次の中から Q.b.A. 以上のワインを、ボックスボイテル(Bocksbeutel)と呼ばれる独自の袋状の丸い扁平ボトルで販売している地域を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Rheingau
2. Franken
3. Wurttemberg

4. Salle-Unstrut

【過去問】

次のドイツの特定ワイン産地の中から2005年度実績でワインの生産量が一番少ない地域を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ahr
2. Franken
3. Nahe

4. Sachsen

【過去問】

次の中から 2005 年度のドイツワイン Q.m.P. 生産量実績を多い地域から少ない地域の順序で正しく並べたものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Rheinhessen →Mosel → Baden → Pfalz
2. Mosel → Pfalz → Rheinhessen → Baden
3. Rheinhessen → Pfalz → Baden →Mosel

4. Pfalz → Rheinhessen → Baden →Mosel

【過去問】

次の記述に該当するドイツワイン生産地域を下記の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「ネッカー川とその支流にある栽培地域でドイツ最大の赤ワイン産地。主にトロリンガーを中心に、シュヴァルツリースリング、レンベルガ-、シュペートブルグンダーから造られる赤ワインは高い品質を持っている」

1. Ahr
2. Sachsen
3. Wurttemberg

4. Mittelrhein

【解説】

川はポイントです。

【過去問】

次のドイツワイン産地の中から最も南に位置するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Pfalz
2. Saale-Unstrut
3. Sachsen

4. Baden

【過去問】

次の中から Badenで最も多く栽培されているぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Muller-Thurgau
2. Riesling
3. Spatburgunder

4. Grauburgunder

【過去問】

次の中からドイツワイン生産地域を、栽培面積の大きいものから小さいものの順序で正しく並べたものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Rheinhessen → Pfalz → Wurttemberg → Baden
2. Pfalz → Rheinhessen → Baden → Mosel-Saar-Ruwer
3. Rheinhessen → Pfalz → Baden → Wurttemberg

4. Mosel-Saar-Ruwer → Pfalz → Baden → Rheingau

【過去問】

ドイツワイン 13の限定生産地域の中で栽培面積が3番目に広い地域を、次の1-4の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Baden
2. Rheinhessen
3. Pfalz

4. Wurttemberg

【過去問】

次の 1-4 のドイツワイン生産地域の中からFranken地域を流れる川の名前を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Main 川
2. Elbe 川
3. Neckar 川

4. Donau 川

【過去問】

次の1~4のドイツワイン生産地域のうち、一番南にある産地と一番東にある産地を下記の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Pfalz とFranken
2. Baden とSaale-Unstrut
3. Baden とSachsen

4. Baden とFranken

【過去問】

次のドイツワイン産地の地図のA~Dの中で、生産地域Frankenの場所に該当するものを1つ選んでください。

1. A    2. B    3. C    4. D

【地図は省略】

さて、どんな感想を持たれたでしょうか?

同じような問題ばかりが目に付きます。これらがおよそここ10年のうちに出題された産地に関する問題です。この程度しか問われないということです。

いくつかの設問は生産地域の特徴を理解しておく必要がありますが、それほどつっこんだ出題も見られません。これくらいならサラッと暗記してみようという気になりますよね。

まずは13地域の位置を地図上で確認しましょう。川も重要です。
→ドイツでも地図を見て答えさせる問題が見られます。 

そして【過去問】でも見たように最北から最南の地域は確実に暗記してしまいましょう。

続いて、
・生産量・栽培面積の多い・広い地域上位三つ
・生産量・栽培面積の最も少ない・狭い地域

は今年の教本で確認して自分なりにまとめることをお勧めします。

さらに傾向と対策として、下記はここ10数年の問題から生産地域の名前を拾ったものです。

●問題文に名前が出てきた生産地域(後ろの数字は出題回数)
・Mosel 3
・Franken 2
・Rheinhessen 3
・Baden 3

・Rheingau 1

問題文に地域名が出てくるということは、その産地の特徴に関する問題であったり、有名な畑があったりということになります。問題文には出てきませんでしたが、説明文を読ませて、Wurttembergを選ばせる出題がありました。

●選択肢に名前が出てきた生産地域
・Mosel 18
・Rheingau 17
・Barden 18
・Pfalz 14
・Rheinhessen 13
・Franken 11
・Wurttemberg 9 
・Ahr 8 (赤ワイン比率が最高)
・Sachsen 6 (最も東の地域)
・Nahe 5
・Mittelrhein 5
・Saale-Unstrut 5 (最北の地域)

・Hessische Bergstrase 2

正解であるかどうかは別にして、選択肢に登場した回数です。

ある程度想像できる感じですね。Mosel、Rheingauは知名度がありますし、Rheinhessenは栽培面積、生産量がドイツ一です。Bardenは最も南の生産地で栽培面積も第三位、次のPfalzが第二位です。

これだけで終われなさそうなので、これだけで十分じゃないってとこまでまとめてみました。

●13の特定栽培地域のそれぞれの特徴

→13地域すべての特徴を理解していることが望ましいのですが、それほど出題されませんから、ポイントだけ抑えておこうと思います。

Mosel
・ワイン生産量第三位
・世界的に有名なリースリングの産地(9割以上白ワイン)

・スレート粘板岩土壌がリースリングに適している。急斜面。

Rheingau
・こちらも世界的なリースリングの産地

・ライン川からマイン川

Barden
・最南の生産地域で、栽培面積第三位

・シュペートブルグンダー

Pfalz
・栽培面積、ワイン生産量共に第二位

・リースリングが主体ですが、近年赤のドルフェンダー、シュペートブルグンダーの栽培が増えています。
・ドイツで最も温暖

Rheinhessen
・栽培面積最大、ワイン生産量最多
・ナーエ川とライン川に接している産地
・リースリング・ミュラー・トゥルガウ、ドルフェンダー
Franken
・マイン川、ミュラー・トゥルガウ、シルヴァーナー

・ボックスボイテル(Q.b.A.以上)

Wurttemberg
・赤ワインの生産量が7割。トロリンガー。

・ネッカー川

過去の出題を見てもこれくらいで十分だと思いませんか?100点取る必要はありませんからね。

→もちろん興味のある方、もっと勉強しようと思う方はどんどん掘り下げてください。試験が終わった後にでも。

ここはなんとかなりそうですね。残念ながらまだまだドイツが続きます。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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