第95回 ルクセンブルク

   

サッカー日本代表、負けてしまいましたが、素晴らしい試合だったようですね。

今日はルクセンブルク、その日本代表に勝ったベルギーのお隣の国です。

その前に、いただいた質問にお答えします。

一次試験において”最も多いブドウ品種”や”国別の生産量”などが問われた場合、その数字は何年のものを基準とすればいいのでしょうか。

教本を見ているとデータによって調査年が違っていたり、さらに古いデータが記載されている箇所などあり、どれを主軸に見ればよいのかがよくわかりませんでした。

基本的には最新のものをそれぞれチェックしておけばいいのでしょうか。

ブドウは農産物ですから、さまざまな要因で毎年生産量が変わります。また、栽培されているブドウ品種も時代の流れや流行がありますから、毎年同じではありません。

ソムリエ試験ではこのような出題が時折見られます。

【過去問】

日本において最も仕込み量が多い赤ワイン用ぶどう品種を 1 つ選んでください。

1. カベルネ・ソーヴィニヨン
2. メルロ
3. マスカット・ベーリー A

4. ヤマ・ソーヴィニヨン

【過去問】

イタリアにおいて2010年度ワイン生産量1位のD.O.C.G./D.O.C.を1つ選んでください。

1.  Asti
2.  Chianti
3.  Prosecco

4.  Montepulciano d’Abruzzo

結論から言いますと、ソムリエ教本に記載がなければ覚える必要はありません

さまざまな数字に関してソムリエ協会側も把握していないことがちょくちょくあります。←数字に限らないのですが。そのような場合は教本に記載がないか、曖昧になっておりますから気にせず無視して先を急ぎましょう。

私はここ7年間、教本と睨めっこしながらこの講座を更新しております。ソムリエ教本においても、毎年正しく更新されている箇所、全く更新されない箇所、さらにはいきなり記載が消え落ちて去年までの記載はなんだったの?と思わせる箇所などさまざまございます。

あまり大きな声ではいえませんが、ソムリエ教本ってちらほら誤った記載が存在するのです。
→筆記試験はたとえ記載が間違っていようとソムリエ教本を主体に出題されるので、教本を基準に暗記です。

ですから、ご質問のように一律にどの年を基準にしてというわけにはいきません。国や生産地によって集計のやり方やペースが違いますし、それらの情報をソムリエ協会が集められるかどうかということも関係します。

これらのブドウ品種別生産量や国別生産量、栽培面積ランキングなどの数字は教本に記載のある最新の数字を確認することが大切です。
→ちなみに、数年前までの教本では、ニュージーランドにおいてピノ・グリがシャルドネより生産量が多いとされていました。また、『最新の発表では、生産量でカベルネ・ソービニヨンがシラーを超えました。教本の内容は情報がちょっと遅いみたいですね』というメッセージをいただいたこともあります。このようなことがあるということです。

世界中のワイン情報を全て正確にまとめるというのは難しいことなのだと思います。

ですから、そんなに深く考えずに、今年のソムリエ教本の数字が正しいというスタイルで進めましょう。

もう一つ、

オーストラリアの過去問で質問です。

【過去問】
次の 1-4 の中からオーストラリアで海洋性気候の影響を受けていないワイン産地を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. クナワラ
2. ジロング
3. マーガレット・リヴァー
4. スワン・ディストリクト

教本には
1. クナワラ 海洋性気候
2. ジロング 海洋性気候
3. マーガレット・リヴァー 地中海性気候
4. スワン・ディストリクト 地中海性気候

となっており、協会発表の模範解答は 4.スワン・ディストリクト。

???あれ?どうなんでしょう。

こちらは2005年の問題で、おそらく教本の記載が今とは違ったのでしょう。←このようなことはよくあります。そして、近年の教本は(森さんがかなり気合を入れて作り直したそうで)かなり改定されましたので、これまでの模範解答が当てはまらない可能性は多々あると思います。

一つ言えることはスワン・ディストリクトはやや内陸の産地です。さらに、以前マーガレットリヴァーは海洋性気候と言われておりました。←今年の教本は地中海性気候です。

地中海性気候も海洋性気候もケッペンの気候区分によって定義された気候ですが、その決定は気温と降水量の二変数の単純な計算によってなされます。地中海性気候と海の名前がついておりますが、これは地中海沿岸地域に見られることから名付けられたものであり、海の影響を受けているとは限りません。

と、このようなこともあり、【過去問】がまたは、選択肢が、模範解答が間違っていることは多々あります。ですから、ご自身でしっかり調べてもわからないことは、「おそらく状況が変わったんだなぁ」と思ってスルーすべきで、このような問題は出題されないと考えてもよいと思います。

でも、こうして悩んでしっかり調べたことは記憶に残るもので、いざという時に役にたちます。

壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。by イチロー

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第95回 ルクセンブルク

隣国のベルギーとともに美食にの国であるルクセンブルクはワイン造りにおいても2000年の伝統を誇り、政府自ら5haのブドウ畑を所有。”政府ドメーヌ”としてオリジナルワインの生産を行っています。

A ルクセンブルクのワインに関して

ワイン産地はドイツとの国境に流れるモーゼル川左岸、シェンゲン条約で知られるシェンゲン村から北に42キロ続きます。標高はそれほど高くない(150m〜250mはそんなに高くない)ものの最大傾斜60度と急斜面にブドウ畑が連なります。

気候は大陸性気候の影響を含んだ海洋性気候。夏暑すぎず、冬寒すぎず非常に穏やかな気候。

生産まれるワインの9割が白ワインで、スパークリングワインの歴史も長い。←クレマン・ド・ルクセンブルク

B ワイン法と主要ブドウ品種

ワイン法
・2014年まで、1932年に施行されたワイン法に基づき、ワインごとに科学検査と専門家による官能試験で4等級に格付けし毎年更新してきました。

・2015年より新AOPを導入し、これまでの官能試験にポイント評価制から、生産地と収穫高による格付けに移行しました。
「Cotes de」→「Coteaux de」→「Lieu-dit」(プルミエ・クリュ、グランドの併記可)に上級になります。
→”Cotes”も”Coteaux”ほぼ同じ意味で、”丘”を指しますが、ニュアンス的に”Coteaux”の方が小さなイメージで、小さな丘、小さな区画的なイメージなのだと思います。”Lieu-dit”はここ最近シャンパーニュ地方でよく聞く言葉で、土地の最小区画を表します。一般的にワインは小さな区画を指すほど上級です。

・クレマン・ド・ルクセンブルク
瓶内二次発酵・9ヶ月の瓶内熟成、ミレジメは24ヶ月以上

・主なブドウ品種
リヴァネール←過去4割のシェア。現在25%。
ピノ・グリ
オーセロワ←珍しく単一で仕込まれます。
他、リースリング、シャルドネなど。地球温暖化の影響もありピノ・ノワールが増えています。

C ワイン産地

モーゼル川流域に南北に連なります。以下は北から順に。

●北部→土壌はムッシェルカルク(貝殻石灰質)ワインは酸とミネラル
・Wasserbilling(ヴァッセルビリグ)
・Grevenmacher(グレーヴェンマッハ)
・Ahn(アーン)
・Wormeldange(ヴォーメルダンジュ)
Stadtbredimus(スタッドブレディムス)

●南部→土壌はコイパー(泥土岩)ワインはフルボディ
・Remich(レーミッヒ)
・Wellenstein(ヴェレンシュタイン)
Schengen(シェンゲン)

ここもそんなに気合を入れる必要はないと思います。

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ソムリエ試験 過去問

まだ出題されておりませんので、シニア呼称から。

【過去問 シニア2017】
ルクセンブルグのワイン産地を北から南へ並べた際、組み合わせとして正しいも のを1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Ahn – Grevenmacher – Remich – Schengen
2. Wasserbillig – Wormeldange – Wellenstein – Stadtbredimus
3. Grevenmacher – Wormeldange – Remich – Wellenstein
4. Ahn- Wasserbillig – Stadtbredimus – Schengen

【解説】
シニアでもまだこのレベルの出題です。頭文字Wの産地が三つ、Wa、Wo、Weの順ですね。

どんどん行きますよ。次回は最後の山場、日本です。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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