第64回 ハンガリー

   

今日、5月1日はミュゲ(すずらん)の日です。
フランスでは大切な人やお世話になった人、愛する人にミュゲを贈る習慣があります。ミュゲを手にした人に幸運が訪れるのです。

”幸せ”って自分で掴むもの、呼び込むもの、維持するもの、そして、与えるものだと私は思っております。人の幸せを望み、自らも幸せになる。幸せな人の周りには幸せな人が集まるものです。

この講座をお読みいただいている全ての方に小さな幸せのおすそわけです。

テイスティングについてのメッセージをいただいたので、こちらで紹介させていただきます。

シラーの黒コショウっぽさがさっぱりわかりません。

松岡さんがおっしゃる「オリーブのちょっと緑っぽい酸味」はなるほどと思ったので、フランス・シラーは大丈夫かなと思ったのですが、先日ブラインドテイスティングした南仏のシラーが全然わかりませんでした。サンジョヴェーゼはものによってなんとなくわかったり全然わからなかったりです。通っているワイン教室の先生の説明では「オレンジビール、ドライトマト、土の乾いた感じ」だそうです。なんとなく甘い感じの香りがわかる程度で私には???なのです。
ど素人が今年に入ってから勉強している程度ですから仕方ないと思いつつも飲んだワインの感想も書いてるし、もうちょっとわかってもいいんじゃないと思ったりもします。

人によって感覚が違うもので、感じやすい香り・ニュアンスというものがあるようです。世の中にはブショネがどうしてもわからない人も少数ですがいるくらいですから。→ボルドーの某トップシャトーの元総支配人はブショネがわからないことで有名でした。

ですから、万人がシラーの黒コショウっぽさを認識できなくても不思議ではありません。ずっとわからないままかもしれませんし、何かのきっかけで気づくようになるのかもしれません。

私はシラーをテイスティングして黒コショウっぽいなと感じることはありますが、シラー=黒コショウという図式ではないので、それほど黒コショウに強くないのかもしれません。

シラーに限らずワインの特徴をとらえる時は自分の感じやすいポイントを見つけようと常に意識してください。何かを掴んだ後は、その得意な香り、ニュアンスを感じ取ることに意識を集中してほしいのです。全てを理解する時間はありません。

そして、二次試験において、なんとかブドウ品種を特定できたとしましょう。多少間違っていてもいいんです。そして、その後、埋めるべき模範テイスティングコメントは暗記です。主要ブドウ品種の模範テイスティングコメントを暗記してそれらを当てはめるのです。←この件に関しては夏にご案内いたします。

多くの皆さんにとって、試験会場で香りを一つ一つテイスティングして感じ取っている時間はないと思っております。そして、過去6年間このやり方で多くの方より”合格しました”という連絡をいただいております。もちろん、絶対という方法論ではありませんが、私としてはそれほど経験のない方が、テイスティングを始めて一年くらいの方が、独学の方が、合格するための一番近道であると信じております。ちゃんとしたテイスティング方法なんて合格してから学べばいいんです。合格してしまえばこっちのものですから。

ですから今は主要ブドウ品種から造られたワインを感じて、各ブドウ品種のなんらかの特徴を掴んでいただきたいのです。→だからしつこく感じて書いてって言ってるんです。

>「オリーブのちょっと緑っぽい酸味」とおっしゃっているのはわかる…

この感覚を共有できて私もとてもうれしいです。このオリーブの感じがわからないという方もいらっしゃいます。

このオリーブ感は南仏のシラーにもっとも感じるニュアンスなので、テイスティングされたワインがたまたま少し特異なものだったのかもしれません。何度も言いますが、同じ品種同じ地方でもさまざまなワインが存在します。そして、全てのシラーに通じる特徴などありません。

>サンジョヴェーゼはものによってなんとなくわかったり全然わからなかったりです。

これもある意味当たり前のことで、世界最優秀ソムリエでも100%ということはありません。特にサンジョヴェーゼはものすごく幅広く、軽いものからボルドー的な高級感あふれるものまでさまざななタイプが造られています。

今後、何年、何十年テイスティングを続けようと精度は上がるでしょうが100%わかるようには絶対になりません。そして、キツイ言い方をすればワインは数年程度の経験で簡単にわかるようになるものではないんです。おそらく、このまま”いまいちよくわからない”と思っているうちに二次試験当日を迎えるものです。それでも合格することができますから大丈夫です。ワインがわかることと合格することは別の話だからです。

※表紙はPuttonyosを背負う農夫

あきらめたらそこで試合終了ですよ…? by スラムダンク

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第64回 ハンガリーのワイン

長年、たまに出題される程度でした。ただ、近年は一、二問は出題される国に変わってきております。→2017年度は三問も!
それでも、そんなに突っ込んだことは問われませんので、大まかに把握しておく程度でよいでしょう。

A ハンガリーワインについて

・ハンガリーはオーストリアの東、スロバキアの南に位置します。また、国の中央をドナウ川が流れています。
・紀元前からブドウ栽培・ワイン造りが行われてきました。
・仏王ルイ14世はことさらトカイの貴腐ワインを愛し、「王のワインであり、ワインの王である」と称賛。
・ほぼ大陸性気候。
・2004年にEUに加盟
・原産地呼称保護ワイン:OEM(いわゆるフランスのAOP、イタリアのDOP)
・Froccs(フルッチ)=スプリッツァー:白(ロゼ)ワインの炭酸割り

B 主要ブドウ品種
●白ぶどう
・Furmint フルミント
・Harslevelu ハールシュレヴェリュ
・Szurkebarat スルケバラート
・Jufark ユファルク
Bianca(生産量ナンバー3、白ブドウでは一番)

・Muskotaly ムシュコターイ

●黒ぶどう
・Kadarka カダルカ
・Kekfrankos ケークフランコシュ(生産量ナンバー1)

→他の国で何と呼ばれているか調べましょう。

※主要産地と合わせて覚えましょう。

C 主な産地

1997年の法改正により22生産地区に分類されます。
※ハンガリーのワインは基本的に産地名+ブドウ品種名表示されます。

●バラトン地方(旧北トランスダヌビア地方)
・バダチョ二:スルケバラード、ケークニェルー→神々のネクターと称されるフレッシュ・フルーティーワインが有名。
・ショムロー:ユファルク→代々、ハプスブルグ家のハネムーンワインだったそうな。

●北ハンガリー地方
・エゲル:ケークフランコシュから造られるエグリ・ビカヴェール(牡牛の血)が有名です。→エゲルはハンガリーを代表する古都。白ワインも秀逸。

●トカイ地方
・トカイ:主要品種はフルミント、補助品種にハールシュレヴェリュなど。これらのブドウから造られる貴腐ワインが世界的に有名です。また、火山性土壌であります。←これは業界的に知られています。

・Aszu “糖蜜のような'”シロップのような”という意味→樽熟18ヵ月
・Puttonyos ”プットニュ”は27.1kg入りの背負い桶
・Aszuesszencia 貴腐ブドウ100%で造り、残糖分は450g/L以上

・Szamorodni(サモロドニ)自然のままにという意味→辛口:Szaraz(サーラズ)、甘口:Edes(エーデシュ)

●ドナウ地方(旧大平原地方)
クンシャーグ:ハンガリー最大のブドウ栽培地。国内消費ワインが量産されています。

ここもサラっと確認して次に進みましょう。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問 2017】
2015 年統計で、ハンガリーの最も大きい栽培面積のワイン産地を次の中から 1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. クンシャーグ
2. モール
3. ビュッカリヤ
4. ショムロー

【解説】
確かに栽培面積最大の産地としてうっすらとこの講座でもふれておりますが重要ポイントでは全くなく、教本にも国内消費ワインの産地とかかれており、この産地を問う意味があるのかと思ってしまいます。よって、取る必要なし。

【過去問 2017】
トカイの貴腐ワインを「王のワインであり、ワインの王である」と称賛した人物を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ルイ 14 世
2. コジモ 3 世
3. ヴィットリオ・エマヌエーレ 2 世
4. リチャード 3 世

【過去問 2017】
トカイ・アスー・エッセンシアの残糖分として正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 9g/ℓ以下
2. 45 g /ℓ以上
3. 120 g /ℓ以上
4. 450 g /ℓ以上

【過去問 2016】
ハンガリーのワイン生産地に該当する主な気候を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 高山性気候
2. 大陸性気候
3. 海洋性気候
4. 地中海性気候

【過去問 2016】
ハンガリーで雄牛の血(ビカヴェール)という名の赤ワインが国際的に有名な生産地を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Badacsony
2. Villany-Siklos
3. Eger
4. Somlo

【過去問 2015】
ハンガリーを代表するトカイ・ワインにおいて「プットニュ」が意味するものを1 つ選んでください。

1. 貴腐ブドウ
2. 樽
3. 背負い桶
4. 糖蜜

【過去問】
ハンガリーのトカイ・ワインにおいて、スラブ語のサモロドニ(Szamorodni)の意味を 1 つ選んでください。

1. シロップのような
2. 自然のままに
3. 甘口
4. 貴腐ワイン

【過去問】

トカイ・アスーエッセンシアの最低残糖分を 1 つ選んでください。

1. 120 g /L 以上
2. 160 g /L 以上
3. 180 g /L 以上

4. 240 g /L 以上

【解説】
今年の教本の数値を確認しましょう。

【過去問】
ハンガリーのEgri Bikaverの主要ぶどう品種を1つ選んでください。

1. カダルカ
2. ブラウアー・ポルトギーザー
3. ケークフランコシュ

4. ツヴァイゲルト

【過去問】

ハンガリー・トカイにおいて「プットニュ」が意味するものを1つ選んでください。

1. 貴腐ぶどう
2. 樽
3. 背負い桶

4. 糖蜜

【過去問】
次の中からハンガリーのトカイにおいて、「糖蜜のような」の意味をもつものを1つ選んでください。

1. Szamorodni
2. Aszu
3. Szaraz
4. Puttonyos

 

【過去問】
次のハンガリーワインに関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. トカイ・アスー 6Puttonyosの最低熟成年数は三年である。

2. トカイ・ワインは辛口のものもある。
3. ハンガリーのぶどう栽培は14世紀頃から本格的に行われた。
4. ハンガリーは現在 EU 加盟国である。

【過去問】

次の記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「ハンガリーのトカイワインのAszuとは、“糖蜜のような”“シロップのような”を意味し、多かれ少なかれ貴腐菌の付着したぶどうの粒を選別し、それで造るワインを指す。選別されたぶどうは、プットニュと呼ばれる26kg入りの背負い桶で醸造所に運ばれる。」

1. 正

2. 誤

【解説】
以前は教本には26kgと記載されていたんです。

【過去問】
次の中からハンガリーワインのラベルに記載される呼称の特徴に該当するものを1つ選んでください。

1. 地方名+畑名

2. 産地名+ぶどう品種名
3. アペラシオンのみ
4. 歴史的逸話由来

【過去問】

次の1~9 の文章のうち正しいものを3つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. オーストリアの白ぶどう品種で最も名の知られた品種はNeuburger で国内の白ぶどうの約37%を占めている。
2. オーストリアワインのKabinett はドイツワインのカテゴリーと異なり、クヴァリテーツヴァインに含まれている。
3. ホイリゲはウィーンで生産されるワインの名で、主にGruner VeltlinerやSt.Laurent等で造られる新酒の事である。
4. Furmint はハンガリーのぶどう品種で、Harslevelu 等と共にトカイの甘口ワインの原料となっている。
5. Chasselas はスイスの白ぶどう生産量の約50%を占め、Ticino 以外の全土で栽培されている。
6. スイスロマンドはスイスのフランス語圏の地域で、ZurichやBern がこの地域に当たり、主に白ワインが生産されている。
7. Epitrapezios OinosはフランスのVinsde Tableと同様のカテゴリーであるがギリシャではこの中に更に3つのカテゴリーを設けている。
8. Xinomavro は主にギリシャ北部で栽培されている優良黒ぶどう品種でタンニン豊かなボルドータイプの赤ワインとなる。
9. の主要ぶどう栽培地は通常6 つに分けられ、そのうちの一つ、テッサリア地区ではレッチーナが主に生産されている。

【解説】
5. 7割近いはずで、スイスロマンド以外ではほとんど見られないと思われます。

6. チューリッヒはドイツ語圏です。
8. Xinomavroは酸が豊かでどちらかというとピノ・ノワールに近いと言われます。
正解は2. 4. 7.になります。

【シニア過去問】
次の中からハンガリーのトカイ・ヘジアリャ地方の主要な土壌に該当するものを1つ選んでください。

1. 粘土石灰質
2. 砂利質
3. 火山性土壌
4. 泥灰土

【シニア過去問】
次のノーザン・ハンガリーに関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ケークフランコシュ種のぶどうに貴腐菌が付き、偉大なワインへと変貌する
2. ボルドー系品種が栽培されている。
3. 「牡牛の血」と呼ばれるワインはこの地を代表する。
4. 以前はカダルカ種の栽培が盛んであった。

こんなものです。
何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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