第71回 イタリア対策をはじめるにあたって

   

たいへんお待たせしました。今日からイタリアに入ります。

これまでイタリアワインにあんまり接点のなかった方は、地図を見ることから始めましょう。イタリア全20州を頭に入れてから取り組んだほうが効率が良いと思います。

私がソムリエ試験を受験した時には十数個だったDOCGもいまや70を越え、片手間で覚えるというわけにはいかなくなりました。残念ながらDOCGはある程度覚えなくてはならないでしょう。DOCGも地図を見ながらイメージで覚えるのがいいかなと思っています。(特定の超有名DOCG以外は正確な位置を覚える必要はありません)

DOCは全て覚えようとすると逆立ちしても一次試験に間に合いませんから、ちょちょいとかいつまんで紹介します。後ほど説明いたしますが、こちらはその程度で大丈夫なのです。

今日はこれまでの過去問を振り返って、イタリア対策を考えたいと思います。

さぁ、始めます!

※表紙の写真はピエモンテのある集落

苦しいから逃げるのではない。逃げるから苦しくなるのだ。by ウィリアム・ジェームズ(アメリカの心理学者)

にほんブログ村 酒ブログ ソムリエへ

スポンサードリンク


第71回 イタリア対策をはじめるにあたって

イタリアはフランスと並ぶ世界のワイン王国で生産高世界一をこの二国で争ってきました。

ソムリエ試験として、これまでどの程度イタリアに関する問題が出題されているかというと、毎年10問程度、多い年で15問、平均12、3問といった感じです。そして、2016年度は若干出題数が減ったものの、2017年度はソムリエ呼称で11問(ワインと料理を含む)、エキスパート呼称は14問の出題がありました。

次に、イタリアに関してどのような問題が出題されているかを見てみます。そしてそれらを分類して、ここ十数年間のイタリア全問題に対してどれくらいの割合を占めているかを調べました。

1. イタリアワインの歴史に関する問題  7%
これまでそれほど頻繁には出題されなかったのですが。
→ここ三年必ず出題されております。2015年度はソムリエ呼称で2問、2016年度はエキスパート呼称で2問、2017年度は1問出題がありました。

2. イタリアのワイン用語  3%
こちらは一年に1問出ない感じです。
→2014年、2015年、2016年は出題がありませんでしたが、2017年度は出題がありました。

3. イタリアワイン概論・全般・その他  12%
これは基本ですからね。毎年平均2問程度。

4. イタリア全20州とDOCG・DOCについて  60% 
イタリアの出題の半分以上はココに属します。10問出題されれば6問以上はこの手の問題ということです。

5. イタリアワインと料理の相性  18%
長年、平均2問ほど出題されてきました。ただ、2017年の教本から【ワインと料理】の項目がなくなり、2017年度はソムリエ呼称で1問、エキスパート呼称で2問出題となりました。

といったところです。特にしっかりと対策を行うべきところは4. イタリア全20州とDOCG・DOCについてですね。何をどこまで覚えて、何を切り捨てるかを見極めなくてはいけません。

それでは、1.から順に見ていこうと思います。

1. イタリアワインの歴史に関する問題

それほどつっこんだ出題は見られません。それでも、教本の歴史の箇所は一次試験直前にでもそれなりに読んでおきましょう。この講座でもイタリアの最後にまとめます。

2. イタリアのワイン用語

こちらもたいしたことはございません。過去に出題されたものを列挙してみます。

・”陰干し関係の言葉は整理して理解しなければなりません。→フランスでも一部でてきましたよね。

その他
Metodo Classico、Cantina、Viticoltore、Casa Vinicola、Consorzio、ChiarettoCerasuoloRosato
くらいですかね。
→2017年度はRipassoが出題されました。ちょっと難しい問題でしたけどね。

こちらも最後のまとめます。

3. イタリアワイン概論・全般・その他

これらはイタリア全体が頭に入ったときに振り返ります。

4. イタリア全20州とDOCG・DOCについて

ここですね。イタリア対策の大部分は全20州とDOCG・DOCについてです。残念ながらDOCGはできれば生産タイプ(赤・白、発泡など)まで覚えたほうがよさそうです。

また、近年気になることとしては、(2017年度はありませんでしたが)2010年から7年連続で地図を見て答える問題が見られました。特に、2012年度はBrunello di Montalcino、2014年度はBarbarescoなどのDOCGを地図上で選ぶ問題が出題され、2015年、2016年は主要DOCG・DOCが属する州を地図上から選ぶ問題でした。

この傾向は今後もある程度続くと見てよいと思います。なによりも、イタリア全20州は地図を見て確実に答えられるようにしなければなりません。

さらに、DOCGの明確な地図上での位置関係をどこまで覚えるのかということですが、こちらはまだそれほど突っ込んだ出題は見られないと思いますので、ピエモンテとトスカーナの有名どころを押さえておけばよいのではと思っています。

●DOCGについて

こんなに増えてしまったDOCGです。大変だと思いますが、少なくともDOCG名を見てどの州に属するかまでは確認しましょう。
また、DOCGによっては主要品種が要暗記であったり、地図上で位置を確認する必要がある場合があります。ここは頑張りどころです。
※イタリアのDOCGはフランスのAOCと違い、赤・白ともに認められているというものがほとんどありません。赤か白またはロゼのどれかと思って間違いありません。(例外はほんの一部です)

●DOCについて

続いてDOCです。過去問でどの程度DOCが出題されているかを調べてみました。そして、恐れるに足りぬことがわかりました。実はたいして出題されていないのです。

2017年度、2016年度はDOCに関しては一般的な出題のみで、難問奇問はありませんでした。

2015年度のソムリエ呼称で”Zagarolo”というDOCが選択肢に並びましたが、知らなくても正解にたどり着きます。ただ、アドバイザー・エキスパート呼称で”Pantelleria”に関する問が出題されました。

2014年はDOC Ciro Rossoの、2013年の試験ではDOC Ciro Biancoの主要品種が問われました。
Ciro はまずまず有名で覚えておきたいDOCですが、主要品種とは恐れ入りました。ブドウ品種が有名なので、問われたのかもしれません。

2012年度の試験には、
Lacrima di Morro d’Alba
Langhe
Piave
Sant’Antimo
上記四つの中から、ピエモンテのDOCを選ぶ問題がありました。Langheは超有名ですので、これは覚えなくてはなりません。付け加えるなら、PiaveはヴェネトのDOCGで出てきますので、違うことがわかります。あとの二つは知らなくていいのです。

また2011年には、
Malvasia di Castelnuovo Don Bosco
Fara
Valcalepio
Coste della Sesia

次の問題で、
Contessa Entellina
Faro
Vittoria
これらの名前が並びましたが、過去のソムリエ試験の水準を考えるとここまで覚える必要はありません。正直、私が初めて見る名前も並んでいます。→さらに上記のどのワインも飲んだことがありません。この講座ではこのレベルまで覚え始めたら絶対に間に合わないと考えるので、無視します。もし出題されてもみんなわかりませんから。今後は試験対策として覚えなくてはならないものだけに焦点を絞っていきます。

さて、

●過去に出題された覚えたほうがよさそうなDOC

まず、一部がDOCGに昇格しているものは覚えやすいというか、覚えなくてはなりません。
→Oltrepo PaveseやValpolicellaなど。

Langhe
バローロやバルバレスコと同じ地域に属しているため、有名生産者が手がけることも多く、よって有名です。→バルバレスコの巨匠GajaもDOC Langheを造っています。

・Bolgheri
2012年の試験において、このDOCの位置を地図上から選ばせる出題がありました。厳しい問題です。ただ、このボルゲリはスーパートスカーナの草分け的存在である”サッシカイア”が造られるところでもあり、世界的に有名です。→現在は単独のDOC”ボルゲリ・サッシカイア”が認められています。

Cinque TerreRossese di Dolceacqua
こちらはDOCGのないリグーリア州の代表的なワインとして出題されています。これは要確認でしょう。

・ヴェネト州のConegliano-Valdobbiadeneが出題されていますが、フルーティーなスプマンテで有名でした。そして現在はDOCGに昇格しています。

・Oltrepo Pavese
・Orvieto
・Est! Est!! Est!!! di Montefiascone
・Frascati
・Montepulciano d’Abruzzo
・Trebbiano d’Abruzzo
上記が出題されていますが、生産量も多く、市場でもよく見かけます。

・Pomino
歴史でも出てきます。

・Vernaccia di Oristano
「産膜酵母」と「聖女ジュスティーナの涙」のキーワードで覚えるべきDOCです。

・Ciro
近年、二年連続で主要品種を問われました…。

・Collio
2006年に選択肢として出題されています。どの州で生産されるかくらいは知っておいた方がいいかもしれません。

続いて、料理との相性問題で出題されたDOCです。
・Moscato di Pantelleria
甘口です。試験的にはよく見かけると思います。

・Valpolicella
これは日本の市場でも良く出回っています。

・Colli Euganei
うーん、ちょっとハイレベル。

・Lacryma Christi del Vesuvio
名前も覚えやすくかなり有名なワインです。

下記三つは同じ地方の料理と共に出題されています。
・Ciro Bianco
・Capri Bianco
・Ischia Bianco

下記は四つとも古くからあるDOCで、選択肢に出てきましたが、たとえ知らなくとも正解を導けるはずです。
・Cerveteri
・Bianco di Custoza
・Martina Franca
・Nasco di Cagliari

このくらいでいいと思います。100点取る必要はないのですから。

教本や参考書にはたくさんのDOCが記載されていますが、上記に加え、これからこの講座で紹介するDOCとあとは皆さんがどこかで出会ったDOC以外は覚えなくて結構です。

5. イタリアワインと料理の相性

今のところ毎年出題されてますからね。こちらは、復習もかねて一次試験前に”ワインと料理の相性”としてフランスと合わせて確認したいと思います。

過去十数年の問題を分析してみましたが、なんとなくポイントがつかめてきたでしょうか。こうしてみると高い山もなんとか乗り越えられそうですね。次回からイタリア全20州についてDOCG・DOCまとめながら進めてまいります。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
スポンサードリンク

 - ●イタリア