第72回 イタリア対策をはじめるにあたって

   

たいへんお待たせしました。今日からイタリアに入ります。

私がソムリエ試験を受験した時には十数個だったDOCGもいまや70を越え、片手間で覚えるというわけにはいかなくなりました。残念ながらDOCGはある程度覚えなくてはならないでしょう。私は地図を見ながらイメージで覚えるのがいいかなと思っています。(特定の超有名DOCG以外は正確な位置を覚える必要はありません)

DOCは全て覚えようとすると逆立ちしても一次試験に間に合いませんから、ちょちょいとかいつまんで紹介します。後ほど説明いたしますが、こちらはその程度で大丈夫なのです。

これまでイタリアワインにあんまり面識のなかった方は、地図を見ることから始めましょう。イタリア全20州を頭に入れてから取り組んだほうが効率が良いと思います。

今日はこれまでの過去問を振り返って、イタリア対策を考えたいと思います。

さぁ、始めます!

※表紙の写真はピエモンテのある集落

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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第72回 イタリア対策をはじめるにあたって

始める前に、前回のシニア対策について更新している時に、コート・デュ・ローヌ南部に追記すべき箇所を見つけたので、こちらでお知らせします。
〜〜〜
・2016年に新AOC Cairanneのみ、ロゼは認められず が認められました。もともとはコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのサブリージョンで非常に評価の高い産地でした。要注意です。
〜〜〜

イタリアはフランスと並ぶ世界のワイン王国で生産高世界一をこの二国で争ってきました。

と、普通に始めたかったのですが…。イタリアに限らず今年のソムリエ教本は大改訂が行われました。特にこれまでソムリエ試験的にマイナーなワイン生産国の記述がかなり正しく、また、新しく更新されたようです。加えて、これまで項目のなかったイギリスとルクセンブルクが追加され、【ワインと料理】【公衆衛生】がなくなりました。

ここで考えてしまったのは、これまでずっーーと出題されてきたイタリアワインと郷土料理の相性に関する問題が今年はどうなるのかということです。→フランスも同様で、反対にこれまでは一部チーズを除くとこの二カ国以外の料理の問題はありませんでした。

【ワインと料理】の項目はなくなりましたが、各国ごとに食文化とワインや地方料理が紹介されていることがあります。こちらが出題されるのかどうかはわかりませんが、この講座の基本は過去問から学んで合格することなので、今年も【イタリアワインと料理】に関しては教本に記載のある限り、合わせて進めたいと思います。
→どこまで出題されるかわかりませんので、教本に記載があり、過去に出題された料理・チーズのみを紹介します。

さて、気を取り直しまして。

これまでどの程度イタリアに関する問題が出題されているかというと、毎年10問程度、多い年で15問、平均12、3問出題されてきました。

ただ、2016年度はソムリエ呼称で7問(ワインと料理を含む)、エキスパート呼称は9問と出題数がかなり減っておりました。

この流れが続くのかどうかはわかりませんが、何かが大きく変わりました。これまで出題されていなかった国々の問題が登場したことで、影響を受けたようにも思えます。

とはいえ、ソムリエ試験的に最重要国の一つにはかわりありませんので、シッカリと進めます。

次に、イタリアに関してどのような問題が出題されているかを見てみます。そしてそれらを分類して、ここ十数年間のイタリア全問題に対してどれくらいの割合を占めているかを調べました。

1. イタリアワインの歴史に関する問題  7%
ということは一年に一問出題されていないということ。
→あまり出題されませんでしたが、2015年度はソムリエ呼称で2問、2016年度はエキスパート呼称で2問出題がありました。

2. イタリアのワイン用語  3%
こちらも一年に1問出ない感じです。
→2013年度は1問、2014年、2015年、2016年は出題がありませんでした。

3. イタリアワイン概論・全般・その他  13%
これは基本ですからね。毎年平均2問程度。

4. イタリア全20州とDOCG・DOCについて  59% 
イタリアの出題の半分以上はココに属します。10問出題されれば6問以上はこの手の問題ということです。

5. イタリアワインと料理の相性  18%
毎年に平均2問ほど出題されてきました。ただ、今年の教本から【ワインと料理】の項目がなくなり、さらに、2016年度はソムリエ呼称で1問出題されただけでした。
→2015年度はソムリエ呼称で2問、アドバイザー・エキスパート呼称で4問も出題があったんです。

といったところです。特にしっかりと対策を行うべきところは4.ですね。何をどこまで覚えて、何を切り捨てるかを見極めなくてはいけません。時間は有限ですから。

また、近年気になることとしては、ここ7年連続で地図を見て答える問題が見られます。特に、2012年度はBrunello di Montalcino、2014年度はBarbarescoなどのDOCGを地図上で選ぶ問題が出題され、2015年、2016年は主要DOCG・DOCが属する州を地図上から選ぶ問題でした。

この傾向は今後もある程度続くと見てよいと思います。なによりも、イタリア全20州は地図を見て確実に答えられるようにしなければなりません。

また、DOCGの明確な地図上での位置関係をどこまで覚えるのかということですが、こちらはまだそれほど突っ込んだ出題は見られないと思いますので、ピエモンテとトスカーナの有名どころを押さえておけばよいのではと思っています。

それでは、1.から順に見ていこうと思います。

1. イタリアワインの歴史に関する問題

それほどつっこんだ出題は見られません。それでも、教本の歴史の箇所は一次試験直前にでもそれなりに読んでおきましょう。この講座でもイタリアの最後にまとめます。

2. イタリアのワイン用語

こちらもたいしたことはございません。過去に出題されたものを列挙してみます。

・”陰干し関係の言葉は整理して理解しなければなりません。→フランスでも一部でてきましたよね。

その他
Metodo Classico、Cantina、Viticoltore、Casa Vinicola、Consorzio、ChiarettoCerasuoloRosato
くらいですかね。

こちらも最後のまとめます。

3. イタリアワイン概論・全般・その他

これらはイタリア全体が頭に入ったときに振り返ります。

4. イタリア全20州とDOCG・DOCについて
5. イタリアワインと料理の相性

イタリア対策の大部分は全20州とDOCG・DOCについてです。加えて、昨年度まではイタリアワインと郷土料理の相性がしっかり問われてきました。今年はどうなるのかわかりませんが、ひとまず、DOCG・DOCと地方料理を合わせて進めようと思います。

●DOCGについて

こんなに増えてしまったDOCGです。大変だと思いますが、少なくともDOCG名を見てどの州に属するかまでは確認しましょう。
また、DOCGによっては主要品種が要暗記であったり、地図上で位置を確認する必要がある場合があります。
※イタリアのDOCGはフランスのAOCと違い、赤・白ともに認められているというものがほとんどありません。赤か白またはロゼのどれかと思って間違いありません。(例外はほんの一部です)

●DOCについて

続いてDOCです。過去問でどの程度DOCが出題されているかを調べてみました。そして、恐れるに足りぬことがわかりました。実はたいして出題されていないのです。

2016年度はDOCに関しては悩む必要が一切ありませんでした。

2015年度のソムリエ呼称で”Zagarolo”というDOCが選択肢に並びましたが、知らなくても正解にたどり着きます。ただ、アドバイザー・エキスパート呼称で”Pantelleria”に関する問が出題されました。

2014年はDOC Ciro Rossoの、2013年の試験ではDOC Ciro Biancoの主要品種が問われました。
Ciro はまずまず有名で覚えておきたいDOCですが、主要品種とは恐れ入りました。ブドウ品種が有名なので、問われたのかもしれません。

2012年度の試験には、
Lacrima di Morro d’Alba
Langhe
Piave
Sant’Antimo
上記四つの中から、ピエモンテのDOCを選ぶ問題がありました。Langheは超有名ですので、これは覚えなくてはなりません。これで終了。ただ、PiaveはヴェネトのDOCGで出てきますので、違うことがわかります。あとの二つは知らなくていいのです。

また2011年には、
Malvasia di Castelnuovo Don Bosco
Fara
Valcalepio
Coste della Sesia

次の問題で、
Contessa Entellina
Faro
Vittoria
これらの名前が並びましたが、過去のソムリエ試験の水準を考えるとここまで求めるのかと私は思います。正直、私が初めて見る名前も並んでいます。→さらに上記のどのワインも飲んだことがありません。

この講座ではこのレベルまで覚え始めたら絶対に間に合わないと考えるので、無視します。もし出題されてもみんなわかりませんから。今後は試験対策として覚えなくてはならないものだけに焦点を絞っていきます。

さて、

●過去に出題された覚えたほうがよさそうなDOC

Langhe
バローロやバルバレスコと同じ地域に属しているため、有名生産者が手がけることも多く、よって有名です。→バルバレスコの巨匠GajaもDOC Langheを造っています。

・Bolgheri
2012年の試験において、このDOCの位置を地図上から選ばせる出題がありました。厳しい問題です。ただ、このボルゲリはスーパートスカーナの草分け的存在である”サッシカイア”が造られるところでもあり、世界的に有名です。→現在は単独のDOC”ボルゲリ・サッシカイア”が認められています。

Cinque TerreRossese di Dolceacqua
こちらはDOCGのないリグーリア州の代表的なワインとして出題されています。これは要確認でしょう。

・ヴェネト州のConegliano-Valdobbiadeneが出題されていますが、フルーティーなスプマンテで有名でした。そして現在はDOCGに昇格しています。

・Oltrepo Pavese
・Orvieto
・Est! Est!! Est!!! di Montefiascone
・Frascati
・Montepulciano d’Abruzzo
・Trebbiano d’Abruzzo
上記が出題されていますが、生産量も多く、市場でもよく見かけます。

・Vernaccia di Oristano
「産膜酵母」と「聖女ジュスティーナの涙」のキーワードで覚えるべきDOCです。

・Ciro
近年、二年連続で主要品種を問われました…。

・Collio
2006年に選択肢として出題されています。どの州で生産されるかくらいは知っておいた方がいいかもしれません。

続いて、料理との相性問題で出題されたDOCです。
・Moscato di Pantelleria
甘口です。試験的にはよく見かけると思います。

・Valpolicella
これは日本の市場でも良く出回っています。

・Colli Euganei
うーん、ちょっとハイレベル。

・Lacryma Christi del Vesuvio
名前も覚えやすくかなり有名なワインです。

下記三つは同じ地方の料理と共に出題されています。
・Ciro Bianco
・Capri Bianco
・Ischia Bianco

下記は四つとも古くからあるDOCで、選択肢に出てきましたが、たとえ知らなくとも正解を導けるはずです。
・Cerveteri
・Bianco di Custoza
・Martina Franca
・Nasco di Cagliari

このくらいでいいと思います。100点取る必要はないのですから。

教本や参考書にはたくさんのDOCが記載されていますが、上記に加え、これからこの講座で紹介するDOCとあとは皆さんがどこかで出会ったDOC以外は覚えなくて結構です。

過去十年の問題を分析してみましたが、なんとなくポイントがつかめてきたでしょうか。

■イタリア対策のポイントまとめ

・イタリアの歴史に関するつっこんだ出題は見られません。ただ、教本をそれなりに読んでおく必要はありそうです。

・イタリアのワイン用語もイタリア対策を一通り終えた後に、少しだけ覚えましょう。

・全20州の位置関係と主な特徴は最重要ポイントです。また、地図を見て答える問題が増えています。→全20州が地図上でどこにあるか確実に答えられるように!!

・残念ながらDOCGはできれば生産タイプ(赤・白、発泡など)まで覚えたほうがよさそうです。

・DOCに関してはそれほどつっこんだ出題はありません。

・ワインと料理の相性に関する出題がフランスと同様されてきました。ただ、独立した項目として【ワインと料理】がなくなりましたから、今年はどうなるかわかりません。

こうしてみると高い山もなんとか乗り越えられそうですね。次回からイタリア全20州についてDOCG・DOCとちょっとだけ料理を加えてまとめていきます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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