第75回 フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア、エミリア・ロマーニャ

   

前回からの続きです。

さて、イタリア料理店においてお箸をお出しすべきかどうかはお店の考え方次第です。そして、トップが必要ないと判断するのであれば出す必要はないと私も思います。一方で”お箸を出さない”ことが当たり前の空間・雰囲気がお店として求められるように思います。

上記でおしぼりを出したくないと言いましたが、私が居酒屋のオーナーであれば出したおしぼりを下げませんし、あった方が便利だろうなと思います。また、テーブルやカウンターに並んださまざまなお料理や飲み物の中におしぼりがある光景に違和感を感じません。

お箸を出さないと決めているのであれば「(謝る必要はありませんが、多少恐縮して)申し訳ございません。当店にはお箸の準備がございません」と伝えることは正しいサービスだと思います。特にイタリア料理店でしたらパスタをお出しすることが多いと思いますが、長いパスタをお箸で食べるとまず間違いなく”音を立てて食べる”ことになります。パスタをラー メンを啜る(すする)ようにして食べるということです。

日本人はこの食べる時の音、とくに麺類やスープを啜る音に寛容ですが、外国人は猛烈に嫌がります。少なくともこの音を立てて飲む・食べる行為は世界基準(プロトコール)では思いっきりマナーに反しますし、ものすごく嫌われます。私が渡仏当初、フランス人の同僚から受けた洗礼はまかないの時に”音を立てて食べるな!”でした。音を立てて食べてはいけないと知っていましたし、意識していたにもかかわらずです。また、フランス人は思ったことをハッキリと言います。空気を読むなんてことは一切ありません(空気読むのは多分世界で日本人だけ)。
まず、彼らは啜れないのです。ラーメンやそばをズズッと食べることができません。私たちが英語のR(アール)の発音がうまく出来ないのと同じです。

このように考えると、イタリア料理店においてお店の雰囲気や他のお客様のことを考えて、お箸を出さないという選択は至極真っ当だと思います。お店の立地や価格帯、客層にもよるのでしょうが、やはりイタリア料理店において音を立てずに食べることはマナーです。見た目的にも動き的にも箸はレストランの雰囲気にそぐわないと感じます。そのマナーを守れないであろう方、雰囲気から外れたお客様を拒絶することは本当の(お店が望んでいる)お客様を守ることになり、これもおもてなしだと私は考えています。

先の和歌山のお店では小学生以下のお子様をお断りしています。時折、「なぜダメなんだ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それはお店が完全に大人を対象とした高級店であるという認識のもと、ジッとできずに騒いだり、ゲーム機で遊びはじめたりする可能性のあるお子様は他のお客様の迷惑になるかもしれないと考えているからです。二人で数万円の食事をしている隣で、ぐずってしまう幼児や走り回る子供がいたり、塗り絵やゲームをはじめる小学生がいては興ざめです。

また、ドレスコードも同じ理由で必要だと考える店にはあってしかるべきだと思っています。お店によってはジャケット着用を求められ、半ズボンのお客様の入店をお断りするところもあります。お店それぞれの格や雰囲気に準じたルールがあり、そのルールを守ることによってご来店いただいた多くのお客様に満足していただける環境を作るというわけです。極端な例ですが、結婚式に御呼ばれして、半ズボンにTシャツで出席する人はいませんよね。マナー・雰囲気とはそういうことです。

もしかすると”お箸が出てこなかった”と思ったお客様にはもうご来店いただけないかもしれません。それでも、お店の雰囲気を維持し、他のお客様をお守りしたと考えることができるなら正しい応対だったと私は思います。もちろん、様々なお店があり、様々な考え方があるでしょうから、お箸を出さないことがいつ何時も正解とは言い切れません。ただ、このようなことを意識して店作りをすることが特に個人経営の店においてはとっても大切だと思うわけです。

最近の流れとして禁煙のお店が増えています。こちらは時代が大いに後押ししていますが、考え方は同じです。

全てのお客様のご要望をお聞きすることは不可能です。最近の流れとして意味なく幅を広げて(お客様の要望を聞きすぎて)苦労しているお店、場面をたまに見かけます。私は違うなぁと思っているんです。個人店がこの厳しい時代を乗り切るには反対に”幅を狭めて、特化する”ことじゃないかと私は真剣に考えております。

※表紙は甘口ワインが造られるピコリット種です。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第75回 フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア、エミリア・ロマーニャ州

G Friuli Venezia Giulia

フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州

雨の多いこの州では、ブドウは主に丘陵地帯で栽培されています。栽培技術も非常に発達しており、ワインは高級志向で特に白ワインに力を入れています。
→注意!!州都はヴェネツィアではありません。

◆主要DOCG

Ramandolo(白甘口)
ブドウ品種はVerduzzo Friulanoです。完熟したこのブドウを乾燥させ、糖度を高めてからゆっくり発酵させます。アルコール度数は14度と高くなり、甘口に仕上がります。

Colli Orientali del Friuli Picolit(白甘口)
ピコリット種は現在僅かに栽培されている古い品種で、野生のブドウに近いと言われます。ブドウの粒が一房に十数粒程度(今回の表紙の写真:通常の数分の一)しか出来ません。甘口に仕上げられます。

Rosazzo
ブドウはフリウラーノ。白ワインのみ。←もともとはColli Orientali del Friuliの一部でした。

※この州のDOCGは白ワインのみが認められています。

◆覚えておきたいDOC(と相性が良いとされる料理)

・Collio Friulano
料理:Frico(モンタージオ・チーズのフライ)

frico-th

すりおろしたモンタージオ・チーズとトウモロコシの粉を混ぜ焼いてオムレツのように仕上げるそうです。

・Colli Orientali del Friuli(Refosco)
Refoscoはこの州を代表する黒ブドウ品種です。このDOCは20種類以上のブドウから赤・白・ロゼが認められています。←覚えなくていいですけどね。
料理:Prosciutto di San Daniele(サンダニエーレ産生ハム)

San Daniele wp

エミリア・ロマーニャ州のパルマ産生ハムと双璧をなす、フリウリのサンダニエーレ産生ハムは有名です。どちらも軽い赤ワインを合わせます。

H Emilia Romagna エミリア・ロマーニャ州

イタリアの中で、最も肥沃な平野が広がります。気候は冬と夏の温度差が大きい大陸性気候ですが、海岸に近いところでは海の影響でその厳しさが和らげられています。

◆主要DOCG

Romagna Albana
ブドウ品種はアルバーナ・白。主に辛口。甘口のパッシートもあります。

この地方の州都はボローニャで、料理名にParma,Bolognese,RomagnaがつけばEmilia Lomagna州のワインを選んでください。

注意!Romagnaの”g”がないとダメです。RomanaだとLazio州になってしまうんです。ローマがありますから。

もうひとつの新しいDOCG

Colli Bolognesi Classico Pignoletto
長い名前ですが、Bologneseに近いBolognesiが入っています。Pignolettoがブドウ品種です。

※この州もDOCGは白のみです。

◆覚えておきたいDOC(と相性が良いとされる料理)

Lambrusco
ランブルスコはブドウの名前。フルーティーなロゼの弱発泡性ワインです。数種類ありますが、Lambrusco di Sorbaraが一番人気のようです。

チーズも覚えておきましょう。
チーズ:Parmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)

Parmigiano wp

料理:Prosciutto di Parma (パルマ産生ハム)
→この地方の白ワインを選ぶことがソムリエ協会的な解答でした。ただ、私はランブルスコでもいいんじゃないと思ってます。

普通にその地方の生ハムとチーズに軽めのワインを合わせるということです。また、バルサミコ酢も有名ですので、Balsamicoとあればこの地方のワインを選んでください。

Romagna Sangiovese
→試験的にはこの州のこのクラスの赤ワインを選ぶくらいの感じでよいでしょう。
料理:Costoletta alla Bolognese(仔牛のカツレツ、ボローニャ風)
料理:Taliatelle alla Bolognese(タリアテッレ《平らな紐状のパスタ》・ミートソース)

どちらもBologneseが付いてますね。この料理は日本でも見ることがあると思います。 Romagna Sangioveseはブドウがサンジョヴェーゼですから、その前のLambruscoよりもしっかりとしたワインになります。そんなワインに上記二つの料理が合う。なんとなくイメージできるといい感じです。

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
イタリアの地方料理「Costoletta alla Bolognese(仔牛のカツレツ、ボローニャ風)」と最も相性が良いとされるワインを地方性も考慮し、適切なものを 1 つ選んでください。

1. Cinque Terre
2. Biferno
3. Chianti Classico
4. Sangiovese di Romagna

【過去問】次の中から Emilia Romagna 州に隣接していない州を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Toscana
2. Marche
3. Liguria
4. Umbria

【解説】
ちょっと変化球的な問題ですね。隣接まで確認するのは難しいかもしれませんが、20州の位置関係はしっかり頭に入れておきましょう。

【過去問】
次の記述について正しい場合は1.を、誤っている場合は2.を選んでください。

「D.O.P(. D.O.C.G.)Albana di RomagnaはEmilia Romagna州で造られ、AlbanaはTrebbianoの別名であり、Trebbiano di Romagnaとも呼ばれる。」

1. 正    2. 誤

【解説】
AlbanaとTrebbianoは関連がなく、別品種です。

【過去問】
D.O.P. (D.O.C.G.)Ramandoloを産出する州を1つ選んでください。

※選択肢省略:地図から上記に当てはまる州を選ぶ問題です。

【過去問】
次の 1-4 の中からイタリアの地方料理「Tagliatelle alla Bolognese」に最も適したワインを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Albana di Romagna
2. Trebbiano di Romagna
3. Sangiovese di Romagna
4. Nasco di Cagliari

【過去問】
イタリアのパルマやサンダニエーレ、フランスのバイヨンヌ、スペインのイベリコなどで有名な食材を次の1~4の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. フォワグラ
2. トリュフ
3. 生ハム
4. エスカルゴ

【過去問】
「Costoletta alla Bolognese」はイタリアの地方料理ですが、該当する地方(州)を1つ選んでください。

1. Umbria
2. Veneto
3. Basilicata
4. Emilia-Romagna

【過去問】
イタリアの「Prosciutto di Parma」と最も相性が良いとされるワインを産出する州を1つ選んでください。

1. Emilia Romagna
2. Toscana
3. Piemonte
4. Marche

【シニア過去問】
次の中からフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州において、白の甘口タイプの生産に使用されるワイン用ぶどう品種に該当するものを1つ選んでください。

1. Albana
2. Catarratto
3. Picolit
4. Garganega

やっとイタリア20州の1/3が終わりました。イタリアもなんとかなりそうです。
私の更新がちょっと遅れておりますが、頑張ります。では、この調子で、また明日。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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