第73回 ロンバルディア、トレンティーノ=アルト・アディジェ、ヴェネト

   

前回の続きです。

さて、イタリア料理店においてお箸をお出しすべきかどうかはお店の考え方次第です。そして、トップが必要ないと判断するのであれば、出す必要はないんじゃないでしょうか。一方で”お箸を出さない”ことが当たり前の空間・雰囲気がお店として求められるように思います。

前回、おしぼりを出したくないと言いましたが、私が居酒屋のオーナーであれば出したおしぼりを下げませんし、あった方が便利だろうなと思います。また、テーブルやカウンターに並んださまざまなお料理や飲み物の中におしぼりがある光景に違和感を感じません。

お箸を出さないと決めているのであれば「(謝る必要はありませんが、多少恐縮して)申し訳ございません。当店にはお箸の準備がございません」と伝えることは正しいサービスだと思います。特にイタリア料理店でしたらパスタをお出しすることが多いと思いますが、長いパスタをお箸で食べるとまず間違いなく”音を立てて食べる”ことになります。パスタをラー メンを啜る(すする)ようにして食べるということです。

日本人はこの食べる時の音、とくに麺類やスープを啜る音に寛容ですが、外国人は猛烈に嫌がります。少なくともこの音を立てて飲む・食べる行為は世界基準(プロトコール)では思いっきりマナーに反しますし、ものすごく嫌われます。
私が渡仏当初、フランス人の同僚から受けた洗礼はまかないの時に”音を立てて食べるな!”でした。音を立てて食べてはいけないと知っていましたし、意識していたにもかかわらずです。また、フランス人は基本思ったことをハッキリと言います。空気を読むなんてことは一切ありません(空気読むのは多分世界で日本人だけ)。
まず、彼らは啜れないのです。ラーメンやそばをズズッと食べることができません。私たちが英語のR(アール)の発音がうまく出来ないのと同じです。

このように考えると、イタリア料理店においてお店の雰囲気や他のお客様のことを考えて、お箸を出さないという選択は間違っていないはずです。お店の立地や価格帯、客層にもよるのでしょうが、やはりイタリア料理店において音を立てずに食べることはマナーです。また、見た目的にも動き的にも箸はレストランの雰囲気にそぐわないと感じます。そのマナーを守れないであろう方、雰囲気から外れたお客様を拒絶することは本当の(お店が望んでいる)お客様を守ることになり、これもおもてなしだと私は考えています。

先の和歌山のお店では小学生以下のお子様をお断りしています。時折、「なぜダメなんだ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それはお店が完全に大人を対象とした高級店であるという認識のもと、ジッとできずに騒いだり、ゲーム機で遊びはじめたりする可能性のあるお子様は他のお客様の迷惑になるかもしれないと考えているからです。二人で数万円の食事をしている隣で、ぐずってしまう幼児や走り回る子供がいたり、塗り絵やゲームをはじめる小学生がいては興ざめです。

また、ドレスコードも同じ理由で必要だと考える店にはあってしかるべきだと思っています。お店によってはジャケット着用を求められ、半ズボンのお客様の入店をお断りするところもあります。お店それぞれの格や雰囲気に準じたルールがあり、そのルールを守ることによってご来店いただいた多くのお客様に満足していただける環境を作るというわけです。極端な例ですが、結婚式に御呼ばれして、半ズボンにTシャツで出席する人はいませんよね。マナー・雰囲気とはそういうことです。

もしかすると”お箸が出てこなかった”と思ったお客様にはもうご来店いただけないかもしれません。それでも、お店の雰囲気を維持し、他のお客様をお守りしたと考えることができるなら正しい応対だったと私は思います。もちろん、様々なお店があり、様々な考え方があるでしょうから、お箸を出さないことがいつ何時も正解とは言い切れません。ただ、このような線引きを意識して店作りをすることが特に個人経営の店においてはとっても大切だと思うわけです。

最近の流れとして禁煙のお店が増えています。タバコを吸う方が悪いというわけではないんです。共存が難しいから、どちらかをしっかり受け入れる。こちらは時代が大いに後押ししていますが、考え方は同じです。

全てのお客様のご要望をお聞きすることは不可能です。意味なく幅を広げて(お客様の要望を聞きすぎて)苦労しているお店、場面をたまに見かけます。私は違うなぁと思っているんです。個人店がこの厳しい時代を乗り切るには反対に”幅を狭めて、特化する”ことじゃないかと私は真剣に考えております。

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※表紙は水の都、ヴェネツィアの一コマです。

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第73回 ロンバルディア、トレンティーノ=アルト・アディジェ、ヴェネト

D Lombardia ロンバルディア州

北にアルプス山脈、その南にはポー河が流れ、その流域に広大な平野が広がります。数多く存在する大きな湖がアルプス性の気候が穏やかにします。州都ミラノはファッションでも世界的に有名で、工業、金融、商業の中心地であり、国民総生産の1/4を生み出します。→白ワインが51%を占めております。

◆主要DOC
→イタリアの多くのDOCGがDOCから昇格であることが多いので、先にDOCを見てからにします。

Oltrepo Pavese(白・赤・ロゼ・発泡)
→ブドウもバルベラなどさまざまです。こちらのMetodo Classico(泡)
がDOCG
Valtellina
ブドウはキアヴェンナスカ(=ネッビオーロ)。
こちらのSuperioreがDOCG

◆DOCG

・Franciacorta(白発・ロゼ発)
→瓶内二次発酵で、生産タイプも同じ白とロゼになります。主要ブドウ品種はピノ・ネーロ、シャルドネ、ピノ・ビアンコなど。
Valtellina Superioreキアヴェンナスカ
Sforzato di Valtellina / Sfursat di Valtellina
→Sforzato(陰干し)でキアヴェンナスカ、辛口。
Oltrepo Pavese Metodo Classico(白発・ロゼ発)
→Franciacortaと同じ瓶内二時発酵。こちらはピノ・グリージョも可。
Moscato di Scanzo / Scanzo(赤甘)
こちらも陰干しブドウから。Moscato di Scanzoがブドウ品種。

E Trentino-Alto Adige トレンティーノ=アルト・アディジェ州

イタリアで最も北に位置するトレンティーノ=アルト・アディジェ州はロンバルディーア州の隣、スイス・オーストリアの南に隣接しています。歴史的な背景もあり、ドイツ語表記が見られる地域。この州もアルプスの影響で冷涼ですが、温暖な南風によって気候が少し穏やかになります。

土着品種が押せ押せのイタリアですが、ここではピノ・ネロやシャルドネなどから良質なワインが造られています。イタリアを代表する白ワインの産地(72%)でもあります。→この州にDOCGはありません。

◆主要DOC

Teroldego Rotagliano
ブドウ品種はTeroldego(黒)、”トレントの王子”と呼ばれ人気があるそうです。
・Trento
近年、瓶内二時発酵のスパークリングワインが注目されています。

F Veneto ヴェネト州

平野が中心で州としては横に長く、気候は変化に富んでいます。比較的軽めの白ワインが主体で、州別ワイン生産量トップの座を占めることが多いです。州都が水の都ヴェネツィアです。

◆主要DOC

Valpolicella
ブドウ品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼなど
Bardolino
こちらもブドウ品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼなどです。
※ValpolicellaとBardolinoは使用品種こそ同じですが、前者の方がふくよかで、深みがあり、軽めのものでさえ後者よりも長命です。
Soave
ブドウ品種はガルガーネガです。→私は受験当時からこの名前の響きが好きです。なんだか合体しそうで。

あとはValpolicella Ripassoを確認しておきましょう。

◆DOCG。

Recioto di Soave(白甘・発)
Bardolino Superiore
Soave Superiore
Recioto di Gambellara →こちらもガルガーネガ(白甘・発)
Colli Asolani Prosecco / Asolo Prosecco →ブドウはグレラ(白・発)
Conegliano Valdobbiadene-Prosecco→同じく、ブドウはグレラ(白・発)
・Colli Euganei Fior D’Arancio
Amarone della Valpolicella→アマローネ、ヴェローナワインの王
Recioto della Valpolicella(赤甘・赤発)
・Bagnoli Friulano / Friulano di Bagnoli
Colli di Conegliano→珍しい(白・赤・甘)
・Lison→ヴェネト、フリウリにまたがっている。
・Montello Rosso / Montello
・Piave Malanotte / Malanotte del Piave

まず、Amarone、Reciotoなどの言葉の意味をちゃんと確認してくださいね。時間の無い人はとにかく上記に出てきたDOC、ValpolicellaやBardolino、Soaveに何かが(superioreとか)付けばおおよそDOCGです。

この州のDOCGは増えましたねぇ。もう数えるのも嫌になります。個人的には上記に記載した以外のDOCGに関してはヴェネト州のワインであることがわかれば良いのではと思っています。

一息入れて、過去の出題を見ておきましょう。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問 2017】
Franciacorta に関する記述として正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. タイプは白・ロゼ・赤
2. 発泡とスティルの両方のタイプがある
3. Veneto 州産
4. Chardonnay、Pinot Nero、Pinot Bianco が品種として認められている

【過去問 2017】
Valpolicella Ripasso に関する記述として正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ヴィナッチャを入れて再発酵
2. 赤・ロゼの 2 タイプ
3. Emilia Romagna 州
4. シャルマー方式が主流

【解説】
最後にまとめるつもりですが、”Ripasso”ちゃんと調べましたか?

【過去問 2016】
次の中から Valtellina Superiore の主要ブドウ品種を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Corvina Veronese
2. Barbera
3. Raboso Piave
4. Chiavennasca

【過去問】
Lombardia 州で生産されているD.O.C.G. を1 つ選んでください。

1. Valtellina Superiore
2. Barbaresco
3. Bardolino Superiore
4. Suvereto

【過去問】
D.O.C.G. 銘柄のRecioto di Gambellara に使用される主要ブドウ品種を1 つ選んでください。

1. Corvina Veronese
2. Raboso Piave
3. Cortese
4. Garganega

【解説】
今すぐ確認です。

【過去問】
Garganega 種を主体に造られる銘柄を1 つ選んでください。

1. Colli Asolani Prosecco
2. Soave Superiore
3. Gavi
4. Ramandolo

【過去問】
ロンバルディア州北部ヴァルテッリーナ渓谷での Nebbiolo 種の別名を 1 つ選んでください。

1. Calabrese
2. Spanna
3. Chiavennasca
4. Prugnolo Gentile

【過去問】
Sforzato(Sfursato)と呼ばれるワインを産出している州を1つ選んでください。

※地図から上記に当てはまる州を選ぶ問題です。

【過去問】
次の中から 2007 年に D.O.C.G. に昇格したロンバルディア州で造られる発泡性ワイン Oltrepo Pavese Metodo Classicoの主要品種に該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chardonnay
2. Albana
3. Pinot Nero
4. Malvasia Bianca

【解説】
DOCGに関して、認められている全てのブドウ品種を覚える必要はありません。有名DOCGの主要品種(ほぼ一つ)だけでいいのです。ただ、ここは3.を選ぶ必要があります。

【過去問】
次の 1-4 のイタリアワインの中から甘口のSpumanteの生産が認められている D.O.C.G.銘柄を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Vino Nobile di Montepulciano
2. Collio
3. Montefalco Sagrantino
4. Asti

【過去問】
次のD.O.C.G.ワインの中からLombardia 州以外のものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Ramandolo
2. Franciacorta
3. Sforzato di Valtellina
4. Oltrepo Pavese Metodo Classico

【過去問】
次の中からLombardia州において、陰干しして糖度を高めて造る辛口ワインに用いる用語を1つ選んでください。

1. Vino Santo
2. Vino Passito
3. Sforzato
4. Recioto

【過去問】
下記の地図 A ~ D の中から D.O.C.G.Franciacorta が生産される州を 1 つ選んでください。
Franciacorta2016

1. A
2. B
3. C
4. D

【過去問】
ワイン用ぶどう品種Corvina Veroneseの使用が認められているD.O.C.G.を1つ選んでください。

1. Lison
2. Bardolino Superiore
3. Recioto di Gambellara
4. Conegliano Valdobbiadene-Prosecco

【過去問】
ヴェネト州D.O.C.G.の名前にも用いられ、後味に残る「苦味」を意味するものを1つ選んでください。

1. レチョート
2. パッシート
3. リパッソ
4. アマローネ

【過去問】
次の中からD.O.P. (D.O.C.G.)ワインConegliano Valdobbiadene-Proseccoに使用される主要ぶどう品種を1つ選んでください。

1. Pinot Bianco
2. Garganega
3. Glera
4. Bosco

【解説】
このグレーラという品種はもともとプロセッコと呼ばれていたもので、品種の解析が進んで最近特定されたようです

【過去問】
次のイタリアVeneto州に関する記述の中から誤っているものを1つ選んでください。

1. BardolinoはCorvina Veronese種やRondinella種を主体に造られる赤ワインで、「Superiore」、「Classico Superiore」は、D.O.P. (D.O.C.G.)に認定されている。
2. Soaveは、Garganega種を主体に造られる白ワインで、「Superiore」、「Classico Superiore」は、D.O.P.(D.O.C.G.)に認定されている。
3. Recioto della Valpolicellaは、陰干しして糖度を高めたぶどうから造られる甘口の赤ワインである。
4. Veneto州のワイン生産量は、Toscana州に次いで第四位である。

【解説】
イタリアの州別生産高ベスト5は今年の教本で確認する必要があります。毎年とは言いませんがかなり変動があります。また、Superioreなどが付くかつかないかを覚える必要はないと思いますが、DOCGに関してはしっかり見ておきましょう。

【過去問】
次のD.O.C.G.ワインの中から主要ぶどう品種が他と異なるものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Gattinara
2. Ghemme
3. Bardolino Superiore
4. Valtellina Superiore

【過去問】
次の1~4の中からSoave Superioreに使用される主要ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Garganega
2. Cortese
3. Arneis
4. Sangiovese

【過去問】
次の中からVeneto州で造られるD.O.C.ワインConegliano-Valdobbiadeneの原料ぶどうに該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Brachetto
2. Moscato
3. Sauvignon Blanc
4. Prosecco

【過去問】
次のD.O.C.G.ワインの中から主要ぶどう品種が他と異なるものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Gattinara
2. Ghemme
3. Bardolino Superiore
4. Valtellina Superiore

【過去問】
グラッパで有名な「バッサーノ・デル・グラッパ」が属している州を1つ選んでください。

1. Piemonte
2. Friuli-Venezia Giulia
3. Toscana
4. Veneto

【解説】
これは難しい。この年に受験された方からも直接わかりませんでしたと言う声を聞きました。グラッパはイタリア全土で造られていますが、有名どころとしてはヴェネト州の「バッサーノ・デル・グラッパ」が挙がります。名前の通り、グラッパが特産で グラッパ博物館があります。

今日も本当によく頑張りました。お疲れ様です。この調子で明日もですよ!

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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