第79回 シチリア、サルデーニャ

   

以前、数年前に流行った『奇跡のリンゴ』の原作を読みました。

主人公は青森県のリンゴ農家の木村さん。ある時、彼は無農薬でリンゴを作ろうと心に決めます。
私たちが良く知る市場に流通しているリンゴは人間が栽培しやすいように品種改良されたものだそうです。一般的に、人間の支え(農薬等)がなければリンゴの木が育たず実をつけない、少なくとも農作物として出荷できるリンゴにはならないとのこと。ですから、無農薬でリンゴを生産することは絶対に不可能と言われていたそうです。

当初、無農薬に切り替えた木村さんのリンゴの木は次々に病気に犯され、根が腐り、虫達の巣窟となりました。手作業で害虫を駆除しながら、どんどん痩せ細るリンゴの木を見て、何が正しいのか、何が間違っているのかを自問されます。まわりのリンゴ農家からは変人扱いされ、害虫の問題などで叩かれ続けました。農薬に頼らないリンゴ作り。思いつく限りのことを朝から晩まで考え実行したにもかかわらずです。

※リンゴはブドウと同じで一年に一回収穫される果物です。ですから、さまざまな試みが一年に一回の収穫の為に行われます。そして収穫時期にならないとその明確な効果がわかりません。

木村さんは無農薬でリンゴを育てることが正しいと信じ、さまざまな取り組みを行うのですが、目の前のリンゴの木は枯れ続け、果実はいっこうに実りませんでした。 その後数年間、全くうまくいかず家族が食べるものに困るまでになりました。それでも、精魂尽き果てていたにもかかわらず、木村さんはあきらめようとはしなかったのです。

まわりから”頭がおかしい”と思われ続けたことでしょう。それでも、何がなんでも自分を信じて、あきらめない。収入がなく、農村地域でほぼ村八分状態の中、十年近く過ごすことは並大抵のことではありません。

現代の日本社会において、長いものに巻かれた方が生きやすいこの時代において、十年近い月日を失敗で重ね、出口の見えないトンネルを一人で(家族と共に)歩き続けたその強さに私は圧倒されました。

いや、出口があるかどうかすらわからない真っ暗なトンネルの中を十年間も前進し続ける恐怖、うまく想像できませんが、私には絶対に耐えることができません。

私は夢はあきらめなければ必ず叶うと信じているタイプです。ですが、ここまで苦労する必要があるのだろうか?と思わずにいられませんでした。今は成功されて一躍有名人となりましたが、もしうまくいっていなかったら一家が路頭に迷っていたはずです。 数年間全く成果が出ず少しの進歩も見られない中、ゴールがあるのかどうかすらわからない中、リンゴの無農薬栽培という当時としては絵空事のようなことに対して、家族を犠牲にしてまで進み続けた木村さんの強さが描かれていました。

比べるのもなんですが、ソムリエ試験対策もたしかに大変です。しかし、明確なゴールとそこに続く道がはっきり見えています。あとはそこまで進むことができるかどうか、能力なんてほとんど関係がありません木村さん以前のリンゴの無農薬栽培は絵空事だったかもしれませんが、ソムリエ試験は過去に数万人もの合格者がいるわけで、努力すれば誰でも合格できるということがわかっているのです。さらに、有資格者が全国で活躍していますから合格後のイメージも容易いはずです。

今年から一次試験のシステムが変わりましたので、試験まであと何日という感じではなくなりましたが、おおよそ後二ヶ月くらいしか時間がありません。この二ヶ月くらい死に物狂いで、自分の時間のすべてを捧げるくらい勉強してもよいではありませんか。明確なゴールが見えているのですから。

自分を信じて一歩一歩前進して合格まで到達しましょう。

※この話を読んで、自然派ワイン・ヴァン・ナチュールにも通じる<自然と人とのあり方>について考えさせられました。 ただ、このような話を紹介しながらも、私は農薬だけが悪いとは思っておりません。もともと農業というものは反自然的な人間の為の営みですから。有機栽培であろうが、無農薬であろうが、人間が食べたいものだけを栽培し、収穫するなんて自然からかけ離れています。

自然というのは共存を基本として生態系を作るもので、人間にとっていらないものを排除する”農業”が自然であるとは思えません。”害虫”といいますが、人間にとって都合がよくないだけで、本来はその生態系に存在すべきものです。人間ほど身勝手な生き物はおりません。本当に失礼な話です。

いまや人間は自然の生態系の中では生きていけなくなりました。

自然派ワインと言いますが、本当に完全に”自然”で”何もしない”のであればブドウの木だけの畑なんてこの地球上に存在しえません。

農業に関してはどちらかというと私はこの方の考え方の方に共感できます。

←この木村リンゴ園の木村さんは、青森の方ですが、上記の木村さんとは別人です。

※表紙は独自の文化を生み出した中世シチリア王国の古都、パレルモ

あなたができると思えばできる。できないと思えばできない。どちらにしてもあなたが思ったことは正しい。 by ヘンリー・フォード

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第79回 シチリア、サルデーニャ

S Sicilia シチリア州

シチリアは地中海の中央部にある島で(サルデーニャ島より南)、気候は山岳気候と地中海性気候にわけられます。地中海最大の島であると同時にイタリア20州の中で最大の州でもありまた、州別ワイン生産量は毎年上位に入ります。

島全体が太陽の恩恵を受け、地中海でもっとも美しい風景の一つと言われています。ブドウ栽培の歴史は古く、紀元前8世紀から行われているようです。シンボルは島の東側で火を吐くエトナ火山です。

◆DOCG

Cerasuolo di Vittoria
この州唯一のDOCGで、Cerasuoloですがです。ブドウ品種はネロ・ダヴォラ(カラブレーゼ)

◆覚えておきたいDOC

・Etna

・Alcamo
→この二つもほぼなんでも(白赤…)生産か可能です。
Pantelleria
モスカート種(地元でジビッポと呼ばれます)の甘口です。

・シチリアなどで見かけるリクオローゾとはモスカート、マルヴァジーア、アレアティコなどのアロマ香の強い品種にアルコールやブドウの蒸留液、凝縮したモストなどを加えて造る甘口ワインです。

Marsalaについて
→18世紀にイギリス人ジョーン・ウッドハウスがマデイラワインを真似て造り始めた酒精強化ワインです。カタラット、グリッロなどら造られます。この他に少量ながら、ペッリコーネ、カラブレーゼなどで造られるルビーノタイプも生産されています。

T Sardegna サルデーニャ

サルデーニャ島は州としてはシチリア島、ピエモンテ州に次ぐ三番目の大きさで、変化に富んだ美しい風景が広がる丘陵の多い島です。北部はコルク樫の木が多く、上質のコルク栓が作られます。

◆DOCG

Vermentino di Gallura
ブドウはVermentinoで、ふくよかやさしい酸味の白ワインです。←DOCGはこれ一つです。

◆覚えておきたいDOC

Vernaccia di Oristano
→ブドウはVernaccia(白)です。

オリスターノ村の守護神である聖女ジュスティーナの涙から生まれたと伝えられることで有名です。醗酵の段階で、シェリーと同じようにフロールと呼ばれる産膜酵母を発生させ、特有の香りをもたらします。
・Cannonau di Sardegna
ブドウはCannonauで、フランスのグルナッシュと同品種です。

最後に【過去問】です。

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ソムリエ試験 過去問

【過去問 2017】
Vermentino di Gallura を産する州を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1.  Sardegna
2.  Sicilia
3.  Calabria
4.  Molise

【過去問 2016】
シチリア島で 1773 年に酒精強化ワイン Marsala マルサーラを生み出したイギリス人の名前を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ジョン・シラー
2. アンドレア・バッチ
3. ヘンリー 2 世
4. ジョン・ウッドハウス

【過去問】
イタリアのワイン用ブドウ品種 Ansonica の別名を 1 つ選んでください。

1. Grecanico
2. Inzolia
3. Grillo
4. Vermentino

【解説】
難しいですねぇ。日本ではInzoliaの名前で流通している方が多いと思います。

【過去問】
次の(A)、(B)、(C)のワインを産出する州を下記地図中 1 ~ 12 の中から 1 つ選んでください。

(A)Morellino di Scansano
(B)Taurasi
(C)Vermentino di Gallura

Sardegna

【過去問】
Marsala に使用されるブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Catarratto
2. Negroamaro
3. Coda di Volpe
4. Barbera

【過去問】
シチリア島のシンボルともいえる火山を1つ選んでください。

1. エトナ火山
2. ヴェズヴィオ火山
3. ポンペイ火山

4. カプリ火山

【解説】

上記選択肢の山々はそれなりに有名です。余裕のある方、興味のある方はどこの州にあるかくらいは見ておいてもよいかも知れません。

【過去問】
次の記述について正しい場合は1.を、誤っている場合は2.を選んでください。

「Sicilia州はイタリア最大の州であり、地中海最大の島である。ここで造られる唯一のD.O.P.( D.O.C.G.)は、Vermentino di Galluraである。」

1. 正    2. 誤

【過去問】
次の中から南イタリアのワインでアルコール度が15%と高く、熟成中のワインに産膜酵母を付けて独特の香りを出すようにしていて、地元で聖女ジュスティーナの涙から生まれたと伝えられている辛口白ワインを1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Alcamo Bianco
2. Vernaccia di Oristano
3. Ciro Bianco
4. Sambuca di Sicilia

【過去問】
次の中からシチーリア州のD.O.C.G.ワインを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Vittoria
2. Sambuca di Sicilia
3. Cerasuolo di Vittoria
4. Faro

【過去問】
次の 1-4 のイタリアワインの中から赤の Spumante の生産が認められているD.O.C.G.銘柄を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Gavi
2. Fiano di Avellino
3. Vernaccia di Oristano
4. Vernaccia di Serrapetrona

【過去問】
次の中から18 世紀の南イタリアでイギリス人のジョーン・ウッドハウスが輸出用に開発したアルコール添加のリキュールタイプのワイン(アルコール度17 %以上のものと18 %以上のもの)で辛口と甘口があり、アメリカへ大量に輸出されているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Greco di Tufo
2. Moscato di Pantelleria
3. Fiano di Avellino
4. Marsala

【過去問】
次のイタリアワインを生産する州を下図の1~10の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてくだい。

Vermentino di Gallura

※地図から↑が生産されている州を選ぶ問題です。

あと二回、サラッと全体をおさらいしてイタリアも終了です!お疲れ様でした。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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