第117回 論述試験対策!2016年の論述試験を振り返る

   

今回も二次試験には全く関係ありませんが、前回の続きです。

さて、和歌山のレストランに入社して数ヶ月後、そのイベントに際してあの思い出したくもない時代の元上司が同じグループということでヘルプに来てくださることになりました。

この元上司、恵比寿のタイユバン・ロブション(現在のジョエル・ロブション)で30歳の時にメートル・ド・テールになり、その後2004年にフランス料理の世界で最も権威あるサービスコンクール「クープ・ジョルジュ・バプティスト国際杯」(フランス・ルーアンで開催) という世界大会で二位になった実力者です。←最近ですと、ジョエル・ロブションのプルミエ・メートル宮崎辰さんが優勝されました。現在は東京にあるtateru yoshinoグループの総支配人を務めております。

彼が上記の世界大会で二位になったのは私を部下に持ってしばらくした頃でした。今思えば私が鍛えられた時代の彼は年齢的にもキャリア的にも最も充実し、フランス料理のサービスに全身全霊を捧げていた頃でした。そんな中、ソムリエ資格は取得していましたが”パロンブ”も”ゲランド”も”シルヴ・プレ!”も知らない私を目障りに思ったことは当然だったのかもしれません。

イベントも終わり、深夜の焼肉屋においてスタッフ全員で打ち上げということになりました。打ち上げも終盤、この元上司が挨拶という形で和歌山のスタッフを前に話した中に、私の事がありました。

「松岡の事を話すと、こいつは十数年前”ポワレ”と”グリエ”の違いもわからないのに俺の下で働くことになったんだ。(確かに何も知りませんでしたが、さすがに”ポワレ”と”グリエ”は知ってました)どうして松岡みたいなのと俺が働いているのか、こんなに何も知らないのによく客の前に出られるなと思ったりもした。何も知らない、何もできない、本当に何を思って毎日仕事に来ているのだろうと思ったよ。まぁ、本人はかなり辛かっただろうとは思うけど。だよなっ?」
(と、ここで問いかけられ私は)

「はい、人生の中で絶対に戻りたくない時代です」
(と答え、一同笑い)

「でもな、今回久しぶりに松岡と働いてみて、人間って成長するんだということがわかったよ。だって、俺が話すことを理解しているんだよ。昔は全く何を言っても通じなかったんだから。でも、みんなもよく聞いて欲しい。こいつの偉かったところは逃げなかったことだ。とにかく何を言われても、どんなに罵倒されても、いくら下の者から突き上げを食らっても辞めなかった。そこは強いと思ったよ。だから今回また何かの縁でこうして一緒に働くことになったんだと思う。人間って変われるんだよ。成長するんだよ。俺もそんなことを再認識した…」

その後は目標をしっかり持って努力しなさいという話を続けられました。

まぁ、全スタッフ(和歌山のお店で私は最年長で、役職は支配人でした)の前で言いたい放題言われたのですが、その言葉の奥にある(今回初めて気づいた)やさしさと、やっと認めてもらえたかもという満足感もあり、この元上司に再び会えて心からよかったと思った夜でした。

つづく。

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第117回 論述試験対策!2016年の論述試験を振り返る

2016年度からソムリエ呼称において論述試験が追加されました。この年は手探り状態でしたが、今はある程度明確なイメージをもって対策を考えることができます。実際に受験された方からの報告を振り返りたいと思います。

※オレンジの記載は私が気づいたことを書き加えています。

ソムリエ協会のホームページには「三次試験対象の審査項目、実技試験に加えて合否判定」とあったため、サービス実技や料理に関する問題とヤマをはって臨みました。

テイスティング終了後、トイレ休憩などもなくすぐに試験説明が始まります。問題用紙と解答用紙は同一。解答はマス分けされておりすべて200字以内の字数制限。

問題は全部で三問。

(1)「赤ワインを冷やして飲みたい」とおっしゃるお客様に薦めるワインとお料理を提案してください。
→「ガメイやピノ・ノワールまたはマスカットベーリAなどはいかがでしょう。ラタトゥユやミートソース、後者は生姜焼きや焼き肉にも合います」と解答。
→軽いワインであること、渋みが少ない分、冷やしても美味しく飲めること等付け加えるとなお良いと思います。

(2)初めてワインを飲むお客様へ2番(実際のテイスティングアイテム)のワインについて説明してください。
→シラーズだと思いましたが確信がなかったため品種名は明記せずに解答。「始めは香りが強いですが、徐々に親しみやすくなります。お料理とも合わせやすいですのでいろいろと試されると楽しさが増えるかもしれません」と無難を通り越した内容。
→シラーズと思ったなら、シラーズの特徴を書くべきだと思います。この曖昧さ、私が採点するならこの項目は2/10点くらいでしょうか。全く評価できません。

論述試験はおそらく加点方式なので、出題者の添削の手間等を考えると、基本は抑えつつもそこまで気にしないでもよいのでは、と感じました。

こちらは本来であれば三次試験に該当するところを運営の都合上、二次試験終了後合わせて実施するとのことでした。論述試験の結果が三次の実技に加算され合否を判定するそうです。

論述1
赤ワインを冷やして飲みたいとおっしゃるお客様に薦めるワインと料理を200文字で答える。
→私はイタリア料理店に勤務していますので、微発泡のランブルスコと同じ土地のパルマ産生ハムを使ったサルティンボッカと答えました。ソムリエ試験的ではなかったかもしれませんが私の経験でとっさに出てきた答えです。
→先ほどの方と同じく、ランブルスコを冷やしても美味しく飲める理由があると満点だと思います。

論述2
二番のワイン(テイスティングで出題されたオーストラリア/シラーズ)をこのワインを初めて飲まれる方に説明しなさい。
→幸い産地、品種が当たっていたので大きく外していないかとは思います。ただ200文字が結構長く200文字以内ではなく200文字と言っているので濃厚な料理に合うとかチーズとも楽しめる等書きまくって何とか文字数を稼ぎました。

論述3
ひやおろしとは何か?
→心のなかでガッツポーズしました。日本酒大好きで秋を感じるとひやおろしの季節だなーと思ってるくらいでしたので私の中ではボーナス問題でした。

この問題に関しては字数の指定はありませんでした。

制限時間は20分とかなり短く残り一分を切ってやっと終えることが出来ました。

お題は3つでした。

「赤ワインを冷やして飲みたいというお客様におすすめの料理と赤ワイン」

「テイスティングした赤ワイン2を初めて飲むお客様にワインをおすすめしてください」

「ひやおろしについて述べなさい」

全て指定文字数(200文字)分のマス目のある解答用紙に記入する形です。

とりあえず、時間が短かかったです。「ひやおろし~」については、途中から走り書き。でも途中で無念の終了コール。1/3ほど空白での提出でした。

(3)「ひやおろし」について説明してください。
→一般的に初夏に出荷される日本酒の新酒を蔵などにひと夏貯蔵したもの。9~11月に販売され、酒造所や蔵元は「杉玉」と呼ばれるまりものようなものを軒下に吊るし、ひやおろし出荷の合図を送る。ひと夏を越えた新酒は味がまろやかになる。などと解答。

ひやおろしについて書けという問題だけ出来るだけ詳しく書き込めましたが、他の2問は時間も無く、薄~い内容で撃沈。

口頭試問の過去問題でバッチリ対策したつもりでしたが、提案型の論述問題3問20分は、例年の試験勉強のスキルと全く別物な気がします。

テイスティングの試験が終了した後、5分ほどしてから論述試験がはじまります。その5分間で、テイスティングの解答用紙を回収し、その後、論述試験の説明(採点は3次試験の点数に加算されるなど)があります。

解答用紙をめくると3つのお題が記載。

『赤ワインを冷やして飲みたいお客様に最適なワインと料理を200文字以内で提案しなさい』

『ワインをはじめて飲む方に②番の赤ワインの味わいを200文字以内で説明しなさい』

『ひやおろしについて説明しなさい』

また日本酒!と思いましたが、松岡さんの講座 第103回 日本酒 でしっかり触れられていましたし、覚えていた為書けました!

テイスティングが終わり、解答用紙、ワインやお水を紙コップを回収したあと5分してから始まりました。

「赤ワインを冷やして飲みたいとおっしゃるお客様に薦めるワインとお料理を提案してください」
「ワインを初めて飲むお客様に、テイスティングした2番のワインについてわかりやすく説明して下さい」
「ひやおろしについて説明してください」

わかる方には凄く簡単だったと思います。私はどれも100文字程度で、ポイントを押さえた解答ができなかったので、実技の試験を完璧にやらなければなりません。

論述試験に関しては3問、全て200文字だったと思います。サービスをしているつもりで語り口調で記入しました。

赤ワインを冷やして飲みたいと言われました。おすすめのワインとそれに合わせる料理を勧めて下さい。
→ヌーヴォーとハムとパセリのゼリー寄せと解答しました。
→ヌーヴォーは季節ものですが…。

初めてワインを飲むお客様にテイスティングした2番の赤ワインを説明して下さい。
→品種を出すのが怖かったので、無難な味わいの説明と初めてでも楽しめるワインと解答しました。
→先ほども書きましたが、私はある程度シラーズの特徴を書かないと減点だと思います。(テイスティングして感じた特徴でも可)

ひやおろしとは何か説明して下さい。
→これは記入できませんでした。

論述がどれほど三次試験に影響するのかわからないのでとても不安ですが、ひとまず終わったことにほっとしています。

一問目
赤ワインを冷やして飲みたいお客さんへ勧めるワインと料理の提案。
→AOCシノンのカベルネフランス、料理は川かますで解答を作成。

二問目
出題された赤ワイン2(シラーズ)をワイン初心者の方に説明する。
→シラーズの特徴で回答。

三問目
ひやおろしの説明
→数少ない知識より、ひと夏寝かし秋に蔵出し、秋上がり、秋落ちのキーワードで解答。

筆記試験
・赤ワインを冷やして飲みたいお客様にお勧めするワインと料理の提案。
→ボジョレー地区のガメイを書きました。料理はわからずブルゴーニュということで、ハムとパセリのゼリー寄せにしました。
追加でマスカット・ベリーAをドライフルーツと一緒にとも書きました。

・ワイン初心者にテイスティングした②の赤ワインを説明してください。
→香りは、黒果実を煮詰めてコンポートにしたような甘やかさの中に、アニマル的なニュアンスやメントールも感じることができる。 味わいは、しっかりとした酸をそれに負けない位のタンニンが支えている。 ジビエ料理に合わせるなどと記入。

→初心者にという意味では、もう少し噛み砕いて特徴を説明すべきかもしれません。

・ひやおろしを説明してください。
→わかりませんでした。『日本酒。秋口に出荷される。』とだけ記入。

会場で気になったのは、論述試験の解答用紙を回収すると指示されているにも関わらず提出しない方がいた事です。別室で試験を受けていた知り合いも見かけたといいます。急に筆記試験を追加する(コロコロ変わる)ソムリエ協会に一石投じたかったのか、実技の加点を希望せず、サービス一本で実力勝負がしたいのかわかりませんが…。

問題を見た時についに来たかと思いました。

問1
「赤ワインを冷やして飲みたいというゲストがいます。お勧めする赤ワインと料理を理由と共に述べなさい」
問2
「テイスティングした2番の赤ワインを、ワインを初めて飲むゲストにお勧めしてください」

問3
「ひやおろしとは何かを簡潔に述べなさい」

だったと思います。

サービスの現場でお客様から問われるような出題でしたので、深く難しい用語は使わないように意識したのと、少し酔っぱらっていたこともありそこまで深く考えずに解答をうめました。

ひやおろしを見たときはさすがに張りつめていた緊張がほぐれるような、思わずにやっとするような、でもまた日本酒かよ(笑)と思いながら、簡潔にとあったので一番最初に簡単に記入しました。

正直、この人数の論述式の解答をちゃんと平等に採点できるのかは疑問です。ですから、全く解答できなかった人以外、それほど差がつかないのではないかと勝手に想像しました。

2016年の受験者の報告でした。さらに、論述試験対策として次回、2015年以前のアドバイザー呼称の口頭試問を見ていこうと思います。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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