第67回 スペイン シェリー

   

スペインもいよいよメインとなります”シェリー”に進みます。

一昔前の日本のフランス料理店では食前酒といえばシェリーという時代があったそうです。夏の暑い日にアペリティフとしてキリッと冷やしたフィノなどは文句なしに美味しいでしょう。ティオ・ペペが有名です。

とはいえ、このシェリーは食前酒向きのキリッとした辛口から、コクのあるタイプ、さらには甘口までさまざまな種類が造られています。

フランスでは食前酒であっても各々が好きなものを飲んでいるように思えます。高級レストランになればシャンパーニュの比率が上がるのでしょうが、それでも、ウィスキーを飲む人や意外と多い選択がトマトジュースを飲む人です。

トマトジュースウスターソースタバスコを入れて飲むんです。

試してみると意外と美味しいものです。私は注文したことはありませんが。←カクテルと考えるとイメージできますね。

フランスでは食前酒に限らずそれほど頻繁にシェリーが飲まれるということはないように思います。また、バルセロナやマドリッドに行っても「食前酒と言ったらシェリー!」という感じではありませんでした。

私はシェリー独特の香りと、バラエティー豊かな個性が楽しくて好きです。いつか美味しいシェリーを飲みにアンダルシアに行ってみたいと思っています。

※表紙はイスラム支配期の名残が残るヘレス・デ・ラ・フロンテーラの旧市街地
 

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。
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第67回 スペイン シェリー

F シェリー

●特徴
アンダルシア地方カディス県の酒精強化ワインです。辛口でドライなタイプからネットリ甘口まで造られています。
・ヘレス・デ・ラ・フロンテラ
・エル・プエルト・デ・サンタ・マリア
・サンルーカル・デ・バラメーダ
この三つ町を結ぶ三角形の地域で熟成されたものだけがシェリーを名乗れます。

この地の気候は夏暑く・乾燥タイプですが、大西洋からの低温多湿の風によってやや緩和されています。アルバリサと呼ばれる真っ白な石灰岩質の土壌。
→この地の温暖な気候とこのアルバリサ、後述のソレラシステムによってシェリー特有の個性が生まれます。

●正式名称
Jerez-Xeres-Sherry y Manzanilla-Sanlucar de Barrameda

→この文字列、覚えなくともなんとなく頭の片隅にでも残っていれば。

語源は711年から1264年までこの地域を支配していたアラブ人たちが現在のヘレスにつけた名前、シェリシュに由来します。

●ブドウ品種
パロミノ(95%)と少量のペドロ・ヒメネス、モスカテルが栽培されています。

●シェリーの製造工程

白ワインとして醗酵終了

フィノとオロロソに選別酒精強化(フィノで15%、オロロソは17%まで上げる)

(フィノ)フロールの元で熟成、酸化熟成

(フィノ)フロールの状態を見て、アモンティリャードに選別(オロロソになることも)

ソレラシステム

・ソレラシステムとは
ソレラという最も古いワインが入った樽の上にクリアデラという樽を3~4段積み上げたもので、新しく醸造し酒精強化されたワインは一番上の樽に入れられます。→最近は実際に積み上げている造り手は少ないと聞きます。

ワインは一番下のソレラから一部が出荷されます。そして、減った分だけ上の樽(第1クリアデラ)から注ぎ足し、その分をまた上(第2クリアデラ)から補充します。こうして常に一定の品質と味を保ち続けているのです。中には数世紀前から続くソレラシステムもあり、ソレラが古いほど奥深い味が楽しめます。

●シェリー各種

白ワインとして醸造した後にテイスティングを行い、大まかに
FinoOloroso
に選別し酒精強化します。

フィノの仲間達

Fino
fino.jpg

アルコール度数が15度になるように酒精強化され、産膜酵母(フロール)の働きによって独特の風味が生まれます。ドライでスッキリしている。辛口。

フロール

huroru.jpg

このフロールがワインの酸化熟成を緩やかにし、樽の中のワインをフレッシュな辛口にします。
フロールは新酒を注ぎ続けることで、3~4年程度の寿命があり、さらに熟成を続けていくと消滅してしまいます。そうして出来上がったものが次のアモンティリャードです。

Amontillado
amontillado.jpg

フィノの熟成途中でフロールがなくなったもの、またはなくして熟成させたものです。スパイス香、ナッツの風味が心地良い。辛口。

Manzanilla
特にサンルーカル・デ・バラメーダで熟成されたフィノのことを指します。海に近く塩気を感じると言われます。

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オロロソの仲間達

Oloroso
olo.jpg

アルコール度が17度になるまで酒精強化され、フロールを発生させません。その為ワインは酸化熟成していきます。→フロールの成育限界はアルコール度数17度です。ナッツやドライフルーツなどの豊な香りにデリケートなコク、複雑な味わい。一般的に辛口です。

Palo Cortado

醸造的にはフィノになる可能性の高かったオロロソ。アモンティリャードの香りと、オロロソのコクを偶然備えたもの。ナッツ、ビター・オレンジの香り、オイリーな口当たりが特徴。オロロソに変化してしまうこともあるので、オロロソの一種とも考えられているようです。
→最初にフィノにしようと決めたワインが、なんらかの事情でフロールがつかなかったり、途中で消えてしまったりします。(ちょっと困りながら?)偶然できたワインを試飲して、これは「Palo Cortadoだな」って感じで決めるそうです。

まずここまでをしっかり理解しましょう。ここからは余力のあるときに読んでください。

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甘口のシェリー

Pedro XimenezMoscatel
↓写真はPedro Ximenez
Pedro Ximenez

ブドウの名前がそのままシェリーの名前になっています。共に非常に濃厚で、ペドロ・ヒメネスはレーズンやドライ・フルーツ、モスカテルはややフレッシュで柑橘系と花の香りを感じると言われます。ともに極甘口。
これらのブドウは収穫後、天日干しし凝縮させてからワイン造りを始めます。

Medium(アモンティリャード+ペドロ・ヒメネス)
Medium03.jpg

Cream(オロロソ+ペドロ・ヒメネス)

・アニャダ  単一収穫年シェリー

この他にも造られていますが、試験的にはこれくらいで十分です。

●熟成期間認定シェリー
→アモンティリャード、オロロソ、パロ・コルタド、ペドロ・ヒメネス、ミディアム、クリームが対象。まぁ、すっきり系ではないタイプということ。2016年に出題に出題がありましたが、そんなに重要だとは思いません。

VOS:20年以上
VORS:30年以上

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
シェリーを造る主要品種を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Airen
2. Xarello
3. Monastrell
4. Palomino

【過去問 2016】
シェリーの裏ラベルに記載される「
VOS」の最低熟成年数を 1 つ選び、解答欄に マークしてください。

1. 最低 10 年以上
2.
最低 20 年以上
3.
最低 30 年以上
4.
最低 40 年以上

【過去問 2016】
シェリーに用いるブドウを産出する有名な土壌を
1 つ選び、解答欄にマークして ください。

1. アルバリサ
2.
ローム
3.
トルトニアーノ
4.
クラス・ド・フェール

【解説】
これまで選択肢に出てきた用語は要チェックと言っておりましたが、ここは解答のみ意識しても良いかもしれません。全て土壌関連の言葉ですが、正解以外はソムリエ試験向きではないように思います。

【過去問】
シェリーの産地において、約95%を占めるブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Airen
2. Xarello
3. Macabeo
4. Palomino

【過去問】
次の記述に該当するシェリーを 1 つ選んでください。

「サンルーカル・デ・バラメーダで熟成されるフィノタイプのシェリーで、塩気を感じる。独自の D.O. を持っている。」

1. Palo Cortado
2. Manzanilla
3. Amontillado
4. Oloroso

【過去問】

次の記述に該当するシェリーのタイプを 1 つ選んでください。

「フィノとオロロソの中間的な風味のシェリーで、フィノの熟成途中でフロールが消失したものを、そのまま熟成させたもの」

1. Manzanilla
2. Amontillado
3. Palo Cortado

4. PedroXimenez

【過去問】

シェリーの熟成に関係する用語を 1 つ選んでください。

1. Solera
2. Negramoll
3. Abona

4. Estufa

【解説】

答えは簡単です。あとは、4. Estufaが何を指す言葉か調べてみましょう。2. Negramoll、3. Abonaは試験的に知る必要がありません。

【過去問】
次の記述に該当するシェリーのタイプを1つ選んでください。

「フィノの熟成途中でフロールが消失したものをそのまま熟成させたもの」

1. Manzanilla
2. Amontillado
3. Palo Cortado

4. Oloroso

【過去問】

シェリーは、Jerez de la Frontera 、Sanlucar de Barrameda ともう一つの町を結ぶ三角地帯が優良シェリーの産出地であるが、次の中からもう一つの地名に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Manzanilla
2. Malaga
3. El Puerto de Santa Maria
4. Montilla

【過去問】
次の1~4のシェリーに関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. シェリーはカディス県の3つの町を結ぶ三角地帯から生産される酒精強化ワインである。
2. マンサニーリャはエル・プエルト・デ・サンタマリアで造られるフィノのことである。
3. シェリーに使用されるぶどうには黒品種もある。
4. クリアデラは寝かされている樽全体のことをさす言葉である。

【過去問】
次の 1-4 の文章の中から「オロロソ」の説明として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 軽く、色は薄めですっきりとしてドライ、ヘレスとプエルト・サンタ・マリアで生産される。
2. フロールが死滅した後ソレラで活性化させると琥珀色になり、ナッツのような香りと味わいをもつ。
3. フロールが発達しなかったワインにアルコールを強化し、酸化させたもので強烈な香りとデリケートな深みを持つ。
4. 海に近い場所で生産され、やや塩気を感じさせるドライでフレッシュな味わいを持つ。

【解説】
それぞれの選択肢が何に該当するか確認してくださいね。このような言い回しに慣れることも試験対策のひとつです。

【過去問】
次の中からスペインのアンダルシア地方のサンルーカル・デ・バラメーダで造られるシェリーのFino タイプに該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Manzanilla
2. Amotillado
3. Palo Cortado
4. Pale Cream

【過去問】
次の中からシェリーのManzanillaの最低アルコール度数に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 15 度以上
2. 16 度以上
3. 16.5 度以上
4. 17 度以上

【過去問】
次の 1-4 の中からスペインのアンダルシア地方で石灰を多く含んだ白い土壌を表す言葉として正しいものを 1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. アルバリーニョ
2. テラロッサ
3. アルバリサ
4. テラフロンテ

【過去問】

次の記述に該当するシェリーのタイプを1つ選んでください。

「サンルーカル・デ・バラメーダで熟成されるフィノタイプのワインで、味わいに塩気を感じる」

1. Oloroso
2. Amontillado
3. Manzanilla
4. Palo Cortado

【過去問】
次のスペインの D.O. および飲み物に関する記述の中から誤っているものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Toro, Ribera del Duero, Priorato は全てマドリッドよりも北に位置している。
2. Jerez de la Frontera で造られる Manzanillaはドライタイプのシェリーである。
3. スペインの大西洋地方 La Mancha はスペイン全体の50%にあたるワインを生産している。
4. Cava の熟成表示の Gran Reserva は瓶詰めから澱抜きまで 30 ヶ月以上経ったものに許される。

次回復習をかねてスペインワインをまとめます。

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koza★majime2.com 松岡 正浩
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