第65回 スペイン リオハ・カヴァ

   

パリに住んでいた頃、ちょっとした休みを利用してよく近隣の国々に旅行に行きました。日本に比べて圧倒的に”ちょっとした休み”が多かったこと、飛行機に乗れば小一時間程度なので、二泊三日もあればどこにでも行けたことが本当に素晴らしかったなぁと、もっといろいろ行けばよかったなぁと今更ながら思い返してみました。←ちょっとした休み以外に一ヶ月もバカンスがあるんですけどね。

そんな中、最も気軽に行こうと思えたのがスペインでした。雰囲気がオープンで物価が比較的安く、近年日本でも流行りのスペインバルがとっても心地良いのです。

→パリはものすごく物価が高いんです。特に外食。おそらくマクドナルド等の価格を見ると現地人にとっては1ユーロ=100円くらいの感覚なのですが、そう思っても(私もユーロで給料をもらってましたから円に換算しなくなりました)全てが東京の二倍くらいに感じます。日本のような価格競争があまりなく、デフレによる価格引き下げなんかもほとんどないようで。一時帰国した時の日本の牛丼280円は衝撃でした。フランスでは最低10ユーロは出さないと座って食べることが出来ません。

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生ハム専門店の一コーナーで軽く一杯。ここはマドリッドの中心地の近く。私は滞在中ここに毎日通いました。

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こちらはかなり家庭的なお店。好きなものを指さすと、ハイハーイって感じでお皿に盛ってくれます。これらを一つとグラスワイン一杯だけでもOKで、たった数ユーロ。小腹がすいたらふらっと店に入れます。

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ちょっと立ち寄ってグラスで一杯飲んで帰る人からガッツリ飲んでいく人までさまざまです。たいてい朝からやってます。

フランスにも街の至るところにカフェがあります。こちらでもふらっと立ち寄ってコーヒーを一杯、ビールを一杯ってことはあるのですが、なかなかおつまみとワインとなるとここまで気軽にというわけにはいきません。また、フランスのカフェのワインは美味しくないことが多い…。そして高い…。その点、スペインは安くて気軽、おつまみもまずまず悪くないという感じです。

スペイン大好き!

ということで、今日からスペインです。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!←ホントですよ。
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※表紙は急斜面に畑が連なるPriorato

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第65回 スペイン リオハ・カヴァ

スペインはワイン生産量が世界三位のワイン王国です。→輸出金額も第三位。もともとブドウ栽培面積が世界最大と言われていました。生産量はずっとフランスとイタリアで一位、二位を争っています。

気候については、北部が海洋性気候で比較的雨が多く温暖です。南部や中央部は大陸性の気候で雨が少く、東は地中海性気候でやや乾燥した気候になっています。基本的に全土に絶え間なく陽光が降り注ぐため暖かく、ブドウの育成には大変適しているといえます。

■ スペインの出題傾向
過去10年間の試験問題を紐解きますと、平均5問ほど出題されてきました。そして、近年年々出題が増えています。

※2016年度は全呼称で7問、2015年度はソムリエ呼称で7問、アドバイザー・エキスパート呼称で9問の出題がありました。

大きくわけて三タイプの出題が見られます。
・産地、DOPに関する問題、特にシェリーについて
・ブドウ品種についての問題
・スペインのワイン法、歴史など
特にシェリーに関する問題は、10年間で十数回ほぼ毎年出題されています。

DOPに関してはどこまで覚えるとよいのかを判断する為に、過去問の中からDOP名を拾ってみました。※選択肢にのみ含まれるものもカウントしてます。

●北部地方
・Rioja 12
・Navarra 3 
・Somontano 1

●地中海地方
・Penedes 8
・Priorato 8
・Montsant 1
・Alicante 1
・(Cava 12)

●内陸部地方
・Ribera del Duero 11 
・Toro 4
・Rueda 2
・La Mancha 7
・Valdepenas 1
・Ribera del Jucar 1
・Ribera del Guadiana 1
・Bierzo 1

●大西洋地方
・Rias Baixas 11 
・Monterrei 1

●南部地方
・Jerez-Xeres-Sherry 毎年
・Montilla-Moriles 5 

・Malaga 4

何となく見えてきましたか?←まだわかないですよね(笑)これくらいで良いということです。太字のDOPをしっかり覚えることから始めましょう。

さて、対策を始める前にスペインの地図を見てみましょう。←近年の教本は地図が充実しています。

西にポルトガルがはまっていますがほぼきれいな台形です。台形の上底右側がフランスとの国境になっており、ピレネー山脈やバスク地方を挟んでいます。ほぼ中央の内陸部地方に首都マドリッド、フランス・ルーシヨン地方から国境を越えて少し南に行くとバルセロナ(地中海地方)があります。

これまで同様に地図をイメージしながら進めてください。

A リオハのある北部地方
Rioja

南北にそびえる山脈が夏の熱波や海から吹き寄せる冷たい北西風を防いでいる為、四季を通じて雨に恵まれる穏やかな気候です。

・ほとんど赤ワインです。
1991年に最初のDOCaに認定されました。
エブロの上流より、三つの地域にわけられます。←地図をイメージ。
【上流】Rioja Alta
粘土質や沖積土壌で、しっかりしたこくと酸を持つ熟成向きの上質な赤ワインが造られます。
【上流】Rioja Alavesa
若飲みタイプから熟成タイプまでさまざまな赤ワインが造られます。
【下流】Rioja Baja
そのほとんどが平地で、他の二地区に比べて地中海性気候の影響をより受けるため気温も高めです。ブレンド用または日常用ロゼと赤ワインが造られます。

・ブドウ品種
黒ブドウ:テンプラニーリョ、ガルナッチャ、グラシアノ、マスエロ(カリニェナ=カリニャン仏
白ブドウ:ビウラ(=マカベオ、ガルナッチャ・ブランカ、マルバシア

Navarra(リオハの東)
冬はピレネー山脈からの冷たい風が吹き、夏は大陸性気候のため暑く乾燥しますが、春と秋は温暖です。ロゼワインの一大産地でしたが、80年代以降、国際品種を取り入れ海外市場でも認められるようになりました。

・ブドウ品種
リオハとほぼ同じですが、加えてシャルドネも認められています。

Somontano(リオハとカタルーニャの間にポツンと)
最新技術が導入され、国際市場を強く意識した新しいスタイルのワインの開発が進んでいます。

おまけに、(リオハの上、海岸沿い)

Chacoli de Bizkaia(チャコリ・デ・ビスカヤ)
Chacoli de Getaria(チャコリ・デ・ゲタリア)
→オンダラビ・スリ種から造られるフレッシュな白ワインが魚介類系の地方料理に良く合います。バスク地方近辺です。
※やや微発泡のフレッシュな白ワインです。高い位置からコップのようなグラスに注ぎ、泡を立てて楽しみます。近年のスペインバル人気で日本でもこのチャコリをジョボジョボっと高いところからついでくれるお店を見かけるようになりました。 Chacoli de Bizkaia.jpg

B ペネデス、プリオラートの地中海地方
●Cava
・Cavaはカタルーニャ州の言葉で「洞窟」を意味し、生産区域は州や地方の範疇を越え広範囲にわたります。

・スペイン全体で生産されるカバの95%はカタルーニャ州産で、そのうち85%がバルセロナの西にあるサン・サドゥルニ・デ・ノヤ近辺で生産されています。
・ブドウ品種はマカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3種に加え、シャルドネ、ピノ・ノワールの使用が認められるようになりました。
・シャンパーニュと同様に瓶内第二次発酵で、ロゼのみです。
・Tirage後の熟成期間は最低9ヶ月です。さらにレゼルバで15ヶ月、グランレゼルバで30ヶ月となっています。
→以前はスパークリングワインとしてシャンパーニュに次いで世界第2位の生産量を誇っていました。教本から記載がなくなったということはどこかが抜いたかもしれなくて、確認が取れていないということでしょうね…。

Penedes(バルセロナの南)
・気候は地中海性気候のため温暖です。
・Cavaの産地として有名です。

・白ブドウはCavaに認められている品種が主ですが、国際品種も多数栽培されています。

Priorato(ペネデスよりもさらに西、ちょっと内陸)

・ぶどう畑が険しい斜面にテラス状に切り拓かれています。夏は暑く乾燥し、寒暖の差が大きく、凝縮した赤ワインが造られます。
・1980年代後半に外部から新しいワイン造りに情熱を傾ける人々が集まりました。カリニェナとガルナッチャに外来品種を加えて、濃厚でかつ洗練された新しいスタイルのワインが造られるようになり世界的な注目を浴びるまでに至りました。
2009年に二番目のDOCaとして認定されました。

 余裕があれば、

Montsantがプリオラトの周りを取り囲んでいること
Yecla(イエクラ)
Jumilla(フミーリャ)
Alicante
の3つの名前を見て、地中海地方バレンシア付近の産地であること。
がわかるようにしましょう。

ひとまずここまでにして【過去問】で確認です。

ソムリエ試験 過去問

【過去問 2016】
スペインワイン産地の「Rioja D.O.Ca.」を流れる川の名前を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. エブロ川
2. ミーニョ川
3. テージョ川
4. グアダレーテ川

【過去問 2016】
スペインのスパークリングワイン「Cava D.O.」の製法を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. タンク内二次発酵
2. 炭酸ガス注入法
3. 瓶内二次発酵
4. トランスファー方式

【過去問】
リオハなどでは Viura とも呼ばれ、Cava の主要品種としても用いられるブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Verdejo
2. Parellada
3. Macabeo
4. Xarello

【過去問】
Cava の生産に使用される白ブドウ品種で、花のような香りをもたらすとされるブドウ品種名を 1 つ選んでください。

1. Pedro Ximenez
2. Parellada
3. Verdejo
4. Albarino

【解説】
Cavaというだけで答えがわかるのですが、このブドウは花の香りが特徴で、Cavaに優雅さや柔らかさをもたらします。

【過去問】
Cava の熟成表示においてグラン・レセルバ(Gran  Reserva)とは、澱抜きまでの瓶貯蔵・熟成期間が最低何カ月経ったものを指すか 1 つ選んでください。

1. 48 カ月
2. 36 カ月
3. 30 カ月
4. 24 カ月

【過去問】

Cava の生産量 95%を占めている主要生産地を 1 つ選んでください。

1. Penedes
2. Priorato
3. Tarragona

4. Toro

【過去問】

Cavaの熟成表示においてReservaとは瓶詰から滓抜きまで何か月以上経ったものを指すか1つ選んでください。

1. 12ヶ月
2. 15ヶ月
3. 18ヶ月

4. 30ヶ月

【過去問】
スペインにおいてD.O.Ca.として現在認められている産地 を1つ選んでください。

1. Priorato
2. Ribera del Duero
3. Penedes

4. La Mancha

【過去問】

スペインのカタルーニャ州はCavaの生産量が最も多いが、全体の何割を占めているか1つ選んでください。

1. 約65%
2. 約75%
3. 約85%

4. 約95%

【過去問】

スペインのRiojaは3つの地区に分けられるが、こくと豊富な酸をもち熟成向きで上質なワインを産する地区を1つ選 んでください。

1. Rioja Alta
2. Rioja Alavesa

3. Rioja Baja

【過去問】
次の1~4のペネデスのワインに関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ペネデスはカバの産地で全てがスパークリングワインである。
2. ペネデスのカバは伝統を重んじラベルも古風なものが多い。
3. ペネデスの赤ワインはピノ・ノワール、テンプラニーリョが中心でオークの小樽で熟成される。
4. ペネデスの白ワイン用品種は主にマカベオ、モスカテルで外来種は使用されない。

【解説】
2.の伝統を重んじラベルも古風なものはシャンパーニュのことですね。正解は3.です。

【過去問】
バルセロナの南西、ペネデスの中に位置するサン・サドゥルニ・デ・ノヤの町とその周辺は、1872 年以来あるタイプのワインの特産地となっているが、次の中からそのワインのタイプに該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 辛口白ワイン
2. 甘口赤ワイン
3. 発泡性ワイン
4. ドライ・ベルモット

【過去問】
次のリオハのワインに関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. リオハの赤ワイン用ぶどう品種には、テンプラニーリョ、ガルナッチャ、マスエロなどがある。
2. リオハ・アルタではアルコール度の高いロゼワインや赤ワインが造られブレンド用のワインも多く生産されている。
3. リオハの白ワイン用ぶどう品種には、ビウラ、マルバシア、アルバリーニョなどがある。
4. リオハの中心を流れる川はグァディアーナ川でワインは上流、中流、下流で生産されている。

【過去問】
次のペネデスのワインに関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ペネデスはカバの産地でスパークリングワインのみが生産されている。
2. ペネデスはスペインのカスティーリャ・レオン地方のD.O.産地ルエダに隣接するD.O. 産地である。
3. ペネデスの赤ワイン用品種は、ガルナッチャ・ティンタ、メンシアが主でオークの小樽で熟成させる。
4. ペネデスの白ワイン用品種は主にシャルドネ、チャレッロで、それ以外に外来種も使用されている。

【過去問】
次の中からスペインの発泡性ワインCavaの生産量の約90%を産出する州を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. アラゴン州
2. カタルーニャ州
3. ナバーラ州
4. バレンシア州

【過去問】
次のスペインの D.O.C. Riojaに関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 海抜 300 m ~ 700 m に位置する。
2. ドゥエロ川が粘度と石灰岩の多い沖積谷を流れながらつくり出す微気候条件がある。
3. Rioja は赤、ロゼ、白の各タイプが造られる。
4. Rioja Alta はコクと豊富な酸をもち、熟成向きで上質なワイン

【解説】
引っかかってはいけません。私は一瞬答えを迷いました。もしかしてまだ、Ribera del Dueroを学んでいなければ、迷わずエブロ川だなって思えるかもしれませんね。エブロ川とドゥエロ川はどちらも最重要事項です。

この選択肢は川の名前をエブロ川にすれば全てRiojaの特徴ということになります。

【過去問】
下記のスペインの地図A~D の中からD.O.Priorato の位置に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

※選択肢省略・地図を見て答える問題です。

【解説】
本文中で解説した(おまけ等を除く)DOPクラスは地図上で確認する必要があります。

【過去問】
次のCavaに関する記述中、(A)~(D)の中で誤っている箇所を1つ選んでください。

「二次発酵から口抜きまで(A)最低9ヶ月の熟成が義務づけられ、生産量の(B)75%はペネデスを中心とするカタルーニャ州が占めている。熟成表示については、(C)ReservaとGran Reservaの2つがあり、Reservaは瓶詰めから口抜きまで(D)15ヶ月以上経ったものに許される。」

1. (A)   2. (B)    3. (C)   4. (D)

【過去問】
次のスペインのD.O.の中から北部地方に属するものを1つ選んでください。

1. Somontano
2. Penedes
3. Montsant
4. Rueda

【過去問】
スペインで生産される「Cava」の生産規定における、二次醗酵から滓抜きまでの最低熟成期間を1つ選んでください。

1. 3ヶ月
2. 9ヶ月
3. 18ヶ月
4. 24ヶ月

【過去問】
リオハ D.O.では、赤ワイン用ぶどう品種として4品種を認定しているが、次の中から Tempranillo、Garnacha Tinta、Mazueloの他に選ばれているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Bobal
2. Graciano
3. Mencia
4. Merlot

【シニア過去問】
次の中からスペインのD.O. Chacoli de Bizkaiaが属する州に該当するものを1つ選んでください。

1. パイス・バスコ(バスク)
2. カタルーニャ
3. バレンシア
4. カスティーリャ・イ・レオン

【シニア過去問】
次の中からスペインのリオハワインを語るうえで重要なものを1つ選んでください。

1. ソレラシステム
2. 地中海性気候
3. アメリカンオーク樽
4. 白亜質土壌

【解説】
本文中では触れませんでしたが、リオハと言えば3.なんです。ワインの味わいにも明確に表現されます。1.と4.は南部地方・アンダルシアのあたりで重要になってきます。

スペインはこんな感じです。これ以降は基本事項を押さえれば比較的難なく進むはずです。

お疲れ様でした。明日も頑張りますよ!

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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