第23回 ワインの酸とアルコール 1

   

二月も中旬となりました。毎日寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

以前、二次のテイスティングでポイントとなるのは”酸””アルコールのボリューム感”です、とお伝えしました。今日はそのイメージするところをお話しします。

その前に、皆さん、ぼちぼちでもよいのでテイスティングしていますか?そして、印象を書いてますか?かなり面倒な作業であることは私もよく知っています。それでも、ワインスクールに通われている方はまだいいんですが、独学で合格を目指している方、自信のない方は騙されたと思ってワインの印象を書いてください。

この印象を書く時も、今は皆さん自身が感じること、感じたイメージを大切にしてください。←今は正しいかどうかは全く関係ありません。無理にテキストやワイン本に合わせる必要はありません。数か月後、書き溜めたご自身のコメントを整理することで必ず何かに気が付くものなのです。ご自身の印象・コメントの蓄積がなによりの力、財産になります。

協会のテイスティングコメント(なんぞ)はそのあとで十分に間に合います。

これからしばらくは”酸””アルコールのボリューム感”を意識しながらテイスティングし、その印象を書く、これを実践してください。

このテイスティングして書く作業さえしていただければ、最後は必殺技でなんとか合格に持って行きますから。信じてついてきてください。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第23回 ワインの酸とアルコール 1

ワインを分析するときに基準となるものがいくつかあります。今回はその中のアルコールのボリューム感にしぼって考えてみたいと思います。

日本もフランスもアメリカも(北半球にある国は)一般的に北に行けば行くほど気温が下がり、反対に南に行くほど(赤道に近づくほど)気温が上昇することはイメージとしておわかりいただけると思います。
→ワインは南半球でも造られていますが、話を簡単にするために今回は北半球を基準にします。

ブドウは農産物ですから、気候や気温に敏感です。太陽が燦々と降り注ぐ南仏やスペインのブドウと、比較的涼しく夏もそれほど気温の上がらないドイツのブドウが同じであることはありえません。

ここで、いきなりですがリンゴマンゴーをイメージしてください。

どちらが涼しい地域の果物かというともちろんリンゴですね。リンゴは日本では青森県がダントツの生産量を誇っていますし、多くが東北地方で栽培されています。

apple

一方、マンゴーはインドからインドシナ半島が原産であることからもわかるように南国感満載の甘い果物です。

mangue

では、なぜリンゴが北の涼しい地域のイメージで、マンゴーはその反対なのでしょうか?

それは酸と甘さの関係が、太陽の恵みとある程度比例していることに由来します。

比較的涼しい地域で栽培されるリンゴは、シャキっとした食感に程よい甘みとシュワっとした酸が特徴です。反対に暖かい地域で栽培されるマンゴーは太陽の光を存分に受けて甘く熟した味わいが持ち味です。

さらに同じリンゴでも、太陽の恩恵を存分に受け良く熟したリンゴは甘くなりますし、あまり熟さなかったものは酸を強く感じます。

※ここまで何度か酸という言葉が出てきましたが、わかりにくい場合は酸味と置き換えてもらっても結構です。

単純に北の涼しいところではスッキリとした酸味が特徴のリンゴが、南の太陽がいっぱいの地域では甘いマンゴーが栽培されているということです。

このイメージをそのままワインに当てはめてみます。

それぞれの風土に適したブドウ品種があるとはいえ、北の涼しい地域で栽培されたブドウはそれほど熟さず、酸が強くなります。反対に南の暖かい地域のブドウは良く熟して甘くなり、その分酸が穏やかになります。

ブドウの酸はある程度ワインに残りますが、ブドウの甘み(糖分)は基本的に全てアルコールに変わります。太陽の恵み存分に受けると糖度が上がり、糖度が上がるということはアルコール度数も上がるということになります。
→いつか出てくるVins Doux NaturelsやVins de Liqueursはこの糖分を残してワインを基本的に甘口に仕上げます。

酸はワインにスッキリとした印象を、アルコールは力強さを与えます。ですから北のワイン(例えば、ドイツやシャンパーニュ)は、スッキリとしたイメージですし、南のワイン、暖かい地域のワイン(ラングドックやスペインなど)は力強く感じるのです。

これからワインをテイスティングする時は常にアルコールのボリューム感がどのレベルであるのかを意識しましょう。

私はワインをテイスティングするときに何よりも酸の強弱を意識しています。酸とアルコールのバランスが、ブドウ品種や生産地域の性格を表していることが多いからです。

まだ、いまいち感じることができない方も多いと思います。全然大丈夫です。今後ワインをテイスティングするときに”酸”とは、”アルコール”とは何ぞやと問いかけてみてください。続けているうちに少しずつ感じるようになるはずです。そして、酸とアルコールのボリュームのバランスを感じるようになればテイスティング力が付いてきたと言えます。

簡単にまとめますと、涼しい北の産地のワインは酸が主体で、アルコール感が少ないためスッキリとした印象です。

反対に温暖な南のワインはアルコールのボリューム感を強く感じるため、骨太でしっかりとしている反面、酸が低くもったりした感じになるのです。

そして、この酸とアルコールの強弱がわかってくるとテイスティングが面白くなってきます。

ところで、ワイン用のブドウを食べたことがありますか?ワインの味からするとそんなに甘くないと思っている方もいらっしゃると思いますが、シャンパーニュやロワール(今日の話からすると北の涼しい地域)のブドウもものすごく甘いのです。ただ、食べて美味しいブドウではないので、水分は少なく、反面渋味が強かったりします。

地域差はありますが、十分な糖度がなければ美味しいワインにはなりません。例えば、年によってはボルドーのほぼ全てのシャトーで(格付けトップクラスも含め)補糖が行われることからも糖度はワイン造りにおいて非常に重要な要素なのです。
→この補糖のことをシャプタリザシオンといいます。また、先日、ドサージュという言葉が出てきました。どちらも糖を加えることを指しますが、この違いわかりますか?

次回はフランスを例にして酸とアルコールの関係をもう少し掘り下げたいと思います。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩
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