第123回 テイスティング関する質問にお答えしました。4

   

最初にワイン会の告知です。

【ボルドーワイン会@名古屋のご案内】
〜パヴィ1982とレオヴィル・ラスカーズ1975〜

元「タテルヨシノ・芝」スー・シェフ神山尚人と元「タテルヨシノ・芝」メートル・ド・テル松岡正浩のコンビでお迎えするボルドーワイン会です。

ボルドーのスーパーヴィンテージ1982年のシャトー・パヴィと、私が経験したレオヴィル・ラスカーズとしては最高のヴィンテージの一つ1975年をお楽しみいただきます。また、お料理はワインに合わせた秋の味覚、tateru yoshino仕込みのフランス料理をコースでご準備いたします。

予定アイテム
・シャンパーニュ ヴィンテージクラス(未定)
・ペアリング的に料理に合わせて白または赤で一〜二種(未定)
・ブルゴーニュシャルドネ ヴィラージュからプルミエクラス(未定)
・シャトー・カルボニュー・ブラン 1994年
・シャトー・フィジャック 1999年
・シャトー・メイネイ 1986年
・シャトー・パヴィ 1982年
・シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 1975年

日時:2018年11月22日木曜日 19時一斉スタート
会場:Bistro Les œufs d’or(名古屋・本山)
会費:ソムリエの方 35,000円 一般の方 40,000円(サービス料・消費税込み)
定員:10名
料理:神山尚人(Les œufs d’or・オーナーシェフ)
ソムリエ:松岡正浩(柏屋大阪千里山エクゼクティブ・ソムリエ)

会費に関して、ご理解いただきたいことがございます。
この会にワインを提供していただいた方の意向で、できればこれからのソムリエさんに飲んでいただきたいとの話がありました。ですから、一般の方の会費でもお値打ちだと思いますが、さらに少し差をつけさせていただきました。
※現在、飲食店に勤めているソムリエさん対象(資格は問いません。また、申し訳ございませんが、ソムリエ資格をお持ちでも飲食店に勤めていない方は一般枠での受付といたします)

また、これらのワインを提供していただける理解ある方のおかげをもちまして、この会費でワイン会を開催いたします。誠に申し訳ございませんが、ヴィンテージ的にも非常に貴重なワインで、ブショネ等の劣化の場合も代替品はございません。

諸々ご理解の上、お申し込みくださいませ。

ご予約はLes œufs d’orまでお願いいたします。ソムリエ枠の方は現在お勤めのお店の名前とポジションを合わせてお伝えください。

ご予約:TEL 052-781-1237(毎週水曜日定休)

最後に参考資料として、ロバート・M・パーカーJr. のレオヴィル・ラスカーズ1975年の評価です。

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講談社 『BORDEAUX ボルドー 第3版』ロバート・M・パーカーJr. 著 より

このヴィンテージの大成功を示す例である。ただし、柔らかくて、気軽な、しなやかな現代風の味わいのワインを好む人々は、好ましいとは思わないかもしれない。それはなぜか? タンニンが強く、内向的で、1948年や1928年といったヴィンテージの特徴からは除外された、スタイルの古いワインであるためだ。色は暗いルビーからガーネット色で、エッジにわずかに琥珀色が見え、はっきりとしたミネラル、鉛筆、甘いがあっさりした印象のブラックカラントの香りのするノーズがある。フルボディで、厚みと凝縮味があり、例外的にがっしりとして力強い。センセーショナルと言えるほどに豊かで強烈なこのワインは、ヴィンテージのなかでも最も長命なもののひとつとなるであろう。この強いタンニンのレベルを考えれば、あと20年から35年持ちこたえるのは確実だが、その頃までには衰えてしまっているかもしれない。私は1990年代半ばに全盛期に達すると考えたのだが、あと5年から8年は寝かせる必要がある。非常に印象的だが、内向的で硬質なワインだ。
最終試飲月:95年12月

さて、これからが本題。

今回のセミナーの参加者より”アルコールのボリューム感”がいまいちわからないという質問をいただきました。

単純にアルコールを感じるということであれば、ウィスキーをそのまま飲んでみてください。ウィスキーを口に含んだ時のあの刺激、”強い””キツイ!”と感じるのはアルコール度数が40%ほどあるからで、アルコールを感じています。

ですから、アルコールを感じるために、ウィスキーを少しずつ水で割って飲み(口に含み)、その都度アルコール感を感じられてはいかがでしょう。量を計ればおおよそワインと同じアルコール度数にすることもできます。

ワインにとってのアルコールは、口に含んだ時に刺激、熱感として表れ、さらに質感(トロリしたイメージ)・甘みを感じさせます。アルコールはワインのボリュームを形成する重要な要素の一つです。

ソムリエ試験的にアルコールを感じることは非常に大切です。”アルコール由来のボリューム感”をしっかりと感じていただきたいのですが、良く熟したブドウ由来の凝縮感、甘さからからくるワインの骨格と混同してしまいがちという声も聞こえてきました。例えば、アルザスのワインの中には凝縮感に優れたワインが多々見受けられますが、アルコールのボリューム感をそれほど感じません。それでも、一般的にこの両者は共存することが多いと言えます。

ここを感じ取れるかどうかでかなり差が付きます。白・赤に限らず、強弱を判断する大きな材料だからです。

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第123回 テイスティング関する質問にお答えしました。4

これまでにいただいたテイスティングに関する質問とその返答集の続きです。

【質問】
ソーヴィニヨン・ブランとリースリングにおいて、いずれも色調の項目で「グリーンがかった」「レモンイエロー」が選ばれていますがイマイチ腑に落ちません。
濃淡が違うだけで同系色ということだとは思いますが、イエローとレモンイエローの差・色調と濃淡の関係がまだ把握しきれずうまく選択できる自信がありません。

また、「10種のぶどうでわかるワイン」において”成熟したソーヴィニヨン・ブランはカシスのつぼみ”との記述がありましたが、ソーヴィニヨン・ブランのコメントにカシスの芽は不適当ですか?

【返答】

私も腑に落ちないところは多々あります。これはソムリエ協会の認識で、過去の模範解答を見る限り、シャルドネとゲヴルツ以外はほぼ”レモンイエロー”が選ばれているということです。もちろん、確率的にです。違いを分かるようになるには時間がかかります。ソムリエ協会の基準なんです。わからない、感じ取れないところは丸暗記です。もう時間がありません。

カシスの芽ですね。試験的に考えなければとっても正しいです。そして、フランスではソーヴィニヨン・ブランのコメントによく出てきます。でも、過去に模範解答として選択されていないんです。他にも芝生みたいだなぁ、と思うのですが。

”カシスの芽”世界基準ではアリのなので、今後はありえるかもしれませんが、今は考えなくてもよいです。

【質問】
赤ワインの色調 ルビー/ガーネット についての質問です。
ワインスクールによって意見の相違があるようで、あるワインスクールでは淡い=ルビー、濃い=ガーネットと教わりました。
別のワインスクールでは、以前は淡い=ルビー、濃い=ガーネットで良かったが、2012年から出題傾向が変わり、紫がかった=ルビー、オレンジがかった=ガーネットになったと教わりました。
過去問の模範解答を見ると、
・アルゼンチン・CS:紫がかった、黒みを帯びた、ルビー(2012年シニアS)
・アルゼンチン・マルベック:紫がかった、黒みを帯びた、ルビー(2012年シニアWA)
が正解ですし、後者のスクールの意見が正しいように思います。

輝きのある紫がかった若い赤ワインは色が濃くても「ルビー」、熟成しオレンジがかってきた赤ワインは「ガーネット」と解答する方針で良いでしょうか?

【返答】

こちらはなかなか難しいんです。時代によってソムリエ協会の解釈が違うからです。この曖昧な問題に関して、必勝マニュアルでは簡単にふれておりますが、今は単純に淡い系=ルビー、濃い系=ガーネットでよいはずです。

【質問】

ワインの強弱ってどのように判断するのですか?たとえば、〇〇がやや強いや豊かな/ふくよかな/力強いなどは何を選んでよいのかわからない時があります。

【返答】

経験です、なんて言ってしまえばそれまでなのですが。理想はソムリエ協会と同じまたは近い基準を自分の中に持つことなのですが、そんなに簡単なことではないですよね。

これまで経験してきたワインに対して、今目の前にあるワインの〇〇が(例えば粘性、酸やアルコールのボリューム感など)どの程度の強さなのか、どの位置にあるのか、ということだと思うんです。ですから、本当はご自身の中に基準が必要なんですね。そして、その基準となるものがソムリエ協会的にはどういった言葉で表現されるのかということまで理解しなくてはなりません。必勝マニュアルの方では各コメントがそれぞれどのような意味合いがあるかまでは説明しています。

ただ、自信のない方、これまでそれほど意識してこなかった方は今から身につけるには時間的に足りないと思います。ですから、最後は模範解答を暗記して試験に挑もうと私は考えるのです。

試験ですから解答がある以上は何らかの基準があるのでしょうが、感覚に左右されることも多く本当に難しいと感じます。

【質問】
よく”ミネラル”と言われていますが、何をどう感じてよいのかわかりません。
【質問】

フランスワインのミネラルってどんな感じですか?

【返答】
ミネラルに関しては樽のニュアンス以上に難しいと思います。これといった香りがないわけではないのですが、感覚、風味、鼻腔から抜けるニュアンスなどさまざまなところで感じますが、言葉にしづらいのです。
以前少しふれています。
~~~
ワインのミネラルについて少しだけ。
ワインのミネラルについて説明するならば本来は土壌についてふれなければならず、そうなると本が一冊書ける程です。試験対策としては、感覚的になんとなく感じることができればいいかなと思っています。
※土壌に含まれるミネラル分が直接ワインに影響するという科学的な関連性についてははっきりと解明されていません。下記は私がこれまでに出会ったワイン生産者やソムリエ、ワイン愛好家達が表現していた言葉やニュアンスを思い出しながら書いたものです。
見方を変えるとミネラルとは感覚で、ワインの表現の一つととらえても良いかもしれません。

白ワインに限らず、赤ワインにもミネラルを感じます。そのミネラルをこの場で表現するのは非常に難しいものです。

・潮っぽい感じ
・貝殻のような香り
・乾いた石のイメージ
・炭酸の泡
・固いニュアンス

・清涼感

言葉にするとこんな感じでしょうか。なんと説明すればわかり易いのか…。イメージは軽い感じ。どっしりではない。空中にパッとまたはスっと広がる・抜ける感じ。冷たい感じ、鉱物的。ミュスカデの香りから柑橘系を取り除いた感じ。ミネラルウォーターのサンペレグリノの香りのニュアンス。などといった感じです。

香りや味わいに限らず、鼻腔から抜ける時に独特の感覚を覚えることがあり、これもミネラルからくるものと思っています。そして、ミネラルはワインに奥行きと伸びを与えます。

私はフランスワインと新世界のワインの大きな違いは酸とミネラルだと思っています。そして、このミネラルのニュアンスを認識できるようになるとワインの世界が広がります。今後、ミネラルを少し意識しながらテイスティングしてみてください。

~~~

模範解答に出てくるものとしてミネラルに関連があるのは、「貝殻」「石灰」「火打石」「ヨード」などですね。このミネラルのニュアンスがわかると一気にフランスワインが理解できるようになります。しかし、これは時間がかかるかもしれません。

私は10年くらい毎月一回ブラインドテイスティングをする会に通っております。ですから、少しは経験を積んできているような気もしているといったレベルです。

今、一番の悩みは、

「以前はフランスとニューワールドを間違えることはほぼなかったのに、最近はよく間違える」ということです。昔に比べて果実味の豊かさを強く感じることが多くなってきた気がします。

これは私だけではないようで、シニアワインアドバイザーをお持ちでコンクールの全国大会(本選というのでしょうか)に出場経験のある方がオーメドックのメジャーなワインをカリフォルニアと間違えていました。(私も同じでした)←ヴィンテージが気になります。

二か月前にピノ・ノワールを4本並べ産地を当てようというテーマで飲みましたが、ボーヌのプルミエクリュ”レ・ペリエール”2015年、造り手はヴァンサン・ジラルダンをカリフォルニアかと思ってしまいました。
そのワインは透明感はあるものの少し黒を感じるような色あいで、甘いとも感じるような果実味に富み、肉や鉄のようなニュアンスも感じられました。そして、酸もブルゴーニュにしては少なかったように思います。美味しいワインで上品さもありましたが、この豊かな果実味のワインが、ブルゴーニュのワインなら、もう何を基準に判断したらよいか分かりません。(わかる人には分かるのでしょうが…)

わからないのは仕方がないと割り切って対応しようかとは思っていますが、それにしても最近ニューワールドのようなフランスワインが増えている気がして本当に混乱します。何より、昔よりわからないということが困ります。地球温暖化の影響などでフランスのワインも変わってきているのでは?と思ってしまします。

何かアドヴァイスがありましたら、よろしくお願い致します。

【返答】
おっしゃることは半分わかります。

ただ、果実味だけがワインを計る基準ではありません。

確かに近年、ブルゴーニュにおいても現代的な造りを求めている生産者もたくさんいます。果実味が主体で素直な味わい、若くして美味しく飲めるというタイプです。豊かな果実味を市場の多くの方が望んでいるのでしょう。一方で、クラシックなブルゴーニュ好きの一部マニアからは”非常に残念”という声をよく耳にします。

温暖化等もあり、平均気温が上がっていることでフランスワインが新世界に近づいていると考えられなくもありません。また醸造技術の革新でいくら雨の多い熟さない年のブドウであっても、それなりのワインに仕上がってしまいます。

また、このような均衡化の流れには、このところ一時期ほどの勢いを感じなくなった、もしくはもう時代は過ぎたとも感じますが、ロバート・パーカーの影響も少なからずあるはずですし、ミシェル・ロランのメルロのようにテロワールというよりはとにかく美味しいメルロをという造りが世界中に広がっていることも現実です。

世界の距離が圧倒的に短くなり、料理の世界もフランス料理、イタリア料理、スペイン料理、中国料理、日本料理の垣根がどんどん低くなっている時代です。インターネットの普及で情報量は天文学的数字レベルに達し、どこにいいても情報が簡単に手に入るようになりました。ワイン造りにおいてもグローバルスタンダード化が進んでいると考えてもおかしくないと思います。

例えば一部ですが、アメリカンオークではなくフレンチオークを使用しているカリフォルニアの生産者も増えてきました。

ワインに絶対はありませんから、カリフォリニアっぽいフランスワインもあれば反対も存在します。それでも、私はフランスにはフランスらしさ、カリフォリニアにはカリフォルニア、イタリアにはイタリアらしさが存在すると思います。

お伝えいただいたヴァンサン・ジラルダンはブルゴーニュの郊外に工場のような(ブルゴーニュとしてはかなり)大きな醸造所を持ち、現代的なワイン造りの研究に余念がありません。また、もともと樽をしっかり利かせ、濃い造りをする生産者です。さらに2015年のブルゴーニュは基本暑い年で、栽培的に近年最高の年といわれ、何もしなくても完熟したブドウが採れました。暑い年ですから酸の低い年でもあります。
→個人的に2015年はそんなに好きなヴィンテージではありません。フランスワイン専門のソムリエの私がフランスじゃないと思うことが多々あるからです。とくにブルゴーニュに強さは必要ないと私は思っております。ですから、今年、2015年のフランスワインが出題されたなら、かなり温暖な印象が取れますので、解答はわかれるだろうなと思っております。

また、ボーヌというAOCはミネラルというよりも果実味に優れ、比較的地味で華やかさに欠け、それでも何かが突出して感じられるということが少ないテロワールです。このワインだけにかぎれば、このピノ・ノワールをカリフォルニアと間違える要素が偶然重なり合っていました。

それでも、透明感肉や鉄のようなニュアンスを感じられ、上品とおっしゃっているところをみるとあながち、どう見てもカリフォリニアというわけではなさそうな気もします。

私はニューワールドには疎いのですが、反対にフランスワインはそこそこ経験があります。もちろん絶対にわかるとは言い切れませんし、先日もラングドックのピノをオーストラリアと間違えましたが、それでも必ずフランスらしさを感じたいと思っております。→たまに外しますけどね。最近は特に2015年。

フランスらしさとは、なによりもミネラル感です。抜ける感じが違うのです。加えて、酸と果実味の伸び、さらに樽のニュアンス。やっぱり違うと私は思います。

先日、マーカッサン・ピノ・ノワール 2006年(カリフォルニア・ソノマ)という幻といってもいい赤ワインをエチケットを見て飲みました。イメージは凝縮感のある強いヴォーヌ・ロマネ・グランクリュでした。品のある清涼感にこの上ないエレガントさ、そして圧倒的な凝縮感とパワーを兼ね備えておりました。このエレガントさとパワーを同時に表現できるワインは世の中にそれほどありません。

このワインをブラインドで出されたら…わかりません。2009年の超有名ドメーヌのリシュブールあたりに持っていったかも知れません。びっくりするくらい不思議で、でも素晴らしいワインでした。

今私達が目指すのはソムリエ試験二次のテイスティングです。少なくとも二次試験にはそれなりにセオリー通りの特徴を持ったワインが出題されるはずです。フランス産であれば、フランスらしい特徴を持ったワインを、新世界であれば新世界らしいワインを出さなければワインを理解しているかどうかを計ることはできませんから。

ここは試験対策と割り切って、これまでのフランスの感覚、新世界の感覚で試験に臨まれてはいかがでしょうか?また、ワインが似通っているので(間違えるくらいですから)テイスティングコメントも当然似通っており、生産国を間違えても全く致命的ではありません。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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