第43回 二次のテイスティングに出題されたワイン

   

少し前にこのようなメールをいただきました。

ソムリエ二次のテイスティング対策ですが、ワインスクールに通っているわけではないのでとても不安です。でも、まだ始めたばかりの一次試験対策に追われてまだ全く手を付けていません。一次試験に合格しないと二次には進めないわけですし…。

特にテイスティング対策を独学で行うことは、いろんな意味で大変です。私は十数年前の受験当時、一人暮らしで、手伝ってもらえる人も共に受験する知り合いもいませんでした。そもそもワインを飲む環境がなかったのです。

一人でブラインドテイスティングを行う為に数本準備したワインを見えないところに番号をふったグラスにそそぎ、目を瞑ってグラスの位置順を変えてなんてことをやっていました。

テイスティング方法もこんなやり方でいいのかと悩み、自分が理解しているのかどうかすらわからず不安になったものです。今思えば、何もわかっていない状態で試験を受けたことは間違いありません。
→”当時の私”に言いたいことが山ほどあります(笑)。テイスティングコメントなんてまるで意識していませんでした。二次試験直前にマイナーなアルザスのピノ・ノワールをテイスティングし、そのイメージをもって試験会場に向かいました。今考えても、あのレベルで合格できたことが不思議でなりません。でも、このころから運が良かったんだと思っています。

さて、テイスティング対策に対する不安、私も経験しましたからよ〜くわかります。二次試験当日にどこまで求められるのかすらわからない方も多いと思います。不安で、何から始めてよいのかわからないかもしれませんが、とにかくワインを感じてみてください。

これまでの経験からも少しでも早い時期から多少なりともワインを感じておいた方が直前の伸びが違うと感じております。

ですから、例えば、テイスティングすると決めた週に3日から4日連続で、寝る前の20分間集中してワインを感じてみるんです。
→一回に数本のワインを抜栓するとして、その日に飲みきることはないでしょうから、三日、四日は連続してテイスティングすることになるのではないでしょうか。
最初は堅苦しく考える必要はありません。とにかくワインを感じて、その感じたことを書きとめる。しばらくはこれだけで十分です。→繰り返しますが、感じたことを書いてください。

何かを学ぶ、身に付ける際に思うことは、ある程度慣れが必要だということと、少し時間を置くことで自然と自分の中で昇華されていくということです。

英語などの語学も勉強したからといって、すぐに結果が表れるわけではなく、しばらく伸び悩む時期があって、そこを乗り越えてから成績や結果が伴うと言われます。テイスティングも同じようなものだと思います。ちょっと時間がかかるのです。

もう一つの理由として、極端に集中してテイスティングを連日行うと口の中が麻痺しておかしくなることがあります。これは私自身が実際に経験したことです。

私はフランス滞在時にパリで行われたワインコンクールに出場したことがあります。

出る以上は良い成績を収めたいですから、筆記対策とテイスティング対策を並行して毎日頑張りました。特にテイスティング対策は、当時勤めていたレストランのスタッフが連日協力してくれました。私自身が買い揃えたさまざまなワインやスタッフたちが持ち寄ってくれたワインで毎日ブラインドテイスティングできる環境を作ってくれたのです。(彼らも飲むことが大好きであったことは言うまでもありません)

そして、そのテイスティングはコンクール前日まで続きました。

本気で優勝を狙っていましたが、結果は二位でした。とっても残念ではありましたが、プロばかり四十人程の参加者がいた中での結果でしたから、満足感やそれなりの達成感もありました。

そして、コンクールを終えてしばらくしてからあることに気がついたのです。

どうも口の中がおかしい…。

ちょっと荒れているような感じで、やや痺れも感じます。とはいえ、生活に支障をきたすほどでも、苦痛をともなうこともありません。

このことを何気なく職場で話したところ、シェフから『君があまりにも頑張っていたから何も言えなかったけど、毎日あれだけの量のテイスティングをしていたら、ワインがわかる以前に舌が麻痺するんじゃないかと心配していたんだ』と言われました。

そうです。私の舌は連日のアルコール漬けで、さらにかなり集中してテイスティングしていましたから、舌が疲れており、少し麻痺していたのです。と考えると、その麻痺した状態でコンクールにも臨んだのであろうことに思い当たり、やりすぎたことはちょっと後悔しました。

とはいえ、同僚や仲間、そしてシェフまでがいろんなワインを持ち寄って練習に付き合ってくれました。そんな仲間に恵まれたこと、そしてある目標に対して真剣に取り組めたことは私にとって大きな財産となりました。

と、このような経験もあり私はテイスティング対策も今から並行して進めるべきだと思っています。

これまでいろいろな人を見てきて思っていることですが、今からどれだけ頑張っても二次試験当日までにワインがわかるようになったと実感することはほとんどないと思います。そんなに簡単にわかるものではありません。だからといってテイスティングを行わなくてもよいかと言われればそれは違います。それでも努力しなければならないのです。

ワインがわかることとソムリエ試験に合格することは全く別の話です。そして、”それほど”わからなくてもなんとか合格することができるんです!信じて付いてきてください。

実は試験に合格してからが本当のスタートなんですから。

さて、今日から数回にわたって、二次のテイスティング対策についてお伝えいたします。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第43回 二次のテイスティングに出題されたワイン

今回はこれまでに二次のテイスティングに出題されたワインを眺めてみようと思います。

昨年度、出るかなと思っていたマスカット・ベーリーAが出題されました。ソムリエ協会の日本ワインへの力の入れようを考えると順当かなと思います。そして、東京・大阪で開催した二次試験対策テイスティングセミナーでも、マスカット・ベーリーAを出してみました。

これで、この講座では甲州に続きマスカット・ベーリーAも主要ブドウ品種と考えることにします。

さて、最初にこれまでにどのようなワインが出題されているかを書き出してみます。

2016年

ソムリエ
・シャルドネ 2014:フランス
・シラーズ 2014:オーストラリア
・マスカット・ベーリーA 2013年:日本
・マデイラ
・バ・アルマニャック

ワインエキスパート
・リースリング 2013:フランス
・シャルドネ 2013:アメリカ
・シラーズ 2014:オーストラリア
・テンプラニーリョ 2013年:スペイン
・泡盛

2015年

ソムリエ
・ソーヴィニヨン・ブラン 2012:フランス
・リースリング 2014:フランス
・ピノ・ノワール 2012:ニュージーランド
・ジン
・スィート・ヴェルモット

ワインアドバイザー/ワインエキスパート
・リースリング 2013:オーストラリア
・シャルドネ 2012:フランス
・シラー 2014:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2012:アメリカ(エキスパート呼称のみ)
・コニャック
・アマレット

2014年

ソムリエ
・シャルドネ 2012:アメリカ
・カベルネ・ソーヴィニョン 2011:オーストラリア
・ピノ・ノワール 2009:フランス
・ドライ・ヴェルモット
・カルヴァドス

ワインアドバイザー/ワインエキスパート
・リースリング 2011:ドイツ
・ソーヴィニョン・ブラン 2013:ニュージーランド
・ピノ・ノワール 2012 :アメリカ
・シラー 2009:フランス (エキスパート呼称のみ)
・シングルモルト・ウイスキー
・ガリアーノ

2013年

ソムリエ
・シャルドネ 2010:オーストラリア

・リースリング 2011 :ドイツ
・メルロ 2009:フランス 
・マディラ
・グラッパ

ワインアドバイザー/ワインエキスパート
・甲州  2009:日本
・ソーヴィニヨン・ブラン  2009:フランス
・カベルネ・フラン  2009:フランス
・ピノ・ノワール  2009:アメリカ (エキスパート呼称のみ)
・カルヴァドス
・トウニー・ポート

2012年

ソムリエ
・リースリング 2009:ドイツ
・ピノ・ノワール 2009:アメリカ
・シラー 2008:フランス
・ホワイトポート
・ダーク・ラム

ワインアドバイザー
・ソーヴィニヨン・ブラン 2008:ニュージーランド
・ガメイ 2009:フランス
・ジンファンデル 2007:アメリカ
・ジン
・コアントロー

ワインエキスパート
・リースリング 2010:オーストラリア
・シャルドネ 2011:フランス
・ガメイ 2009:フランス
・ネッビオーロ 2007:イタリア
・コアントロー
・カルヴァドス

2011年

ソムリエ
・シャルドネ 2009:アメリカ
・サンジョヴェーゼ 2007:イタリア
・シラーズ 2007:オーストラリア
・スーズ
・テキーラ

ワインアドバイザー
・シャルドネ 2009:アメリカ
・ゲヴュルツトラミネール 2008:フランス
・シラーズ 2007:オーストラリア
・マデイラ(甘口)
・グラッパ

ワインエキスパート
・シャルドネ 2009:アメリカ
・リースリング 2008:フランス
・シラーズ 2007:オーストラリア
・テンプラニーリョ 2004:スペイン
・ドライヴェルモット
・ウオッカ

2010年

ソムリエ
・ミュスカデ 2009:フランス
・ネッビオーロ 2005:イタリア
・メルロ 2008:オーストラリア
・ポート

ワインアドバイザー
・リースリング 2006:ドイツ
・シャルドネ 2008:日本
・シラー 2007:フランス
・アマレット

ワインエキスパート
・リースリング 2006:ドイツ
・シャルドネ 2008:日本
・メルロ 2002:フランス
・アマレット

2009年

ソムリエ
・シャルドネ 2008:日本
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2005:アメリカ
・シラーズ 2005:オーストラリア
・カルヴァドス

ワインアドバイザー
・ソーヴィニヨン・ブラン 2007:フランス
・リースリング 2007:ドイツ
・サンジョヴェーゼ 2005:イタリア
・コニャック

ワインエキスパート
・ソーヴィニヨン・ブラン 2007:フランス
・状態不良
・サンジョヴェーゼ 2005:イタリア
・アルマニャック

2008年

ソムリエ
・ソーヴィニヨン・ブラン 2006:フランス
・ピノ・ノワール 2005:フランス
・セミヨン(甘口) 2006:オーストラリア
・シェリー

ワインアドバイザー
・シャルドネ2003:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2005:チリ
・モスカート 2007:イタリア
・バーボンウイスキー

ワインエキスパート
・シャルドネ 2003:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2005:チリ
・リースリング(甘口)2005:ドイツ
・泡盛

2007年

ソムリエ
・リースリング 2005:ドイツ
・状態不良(シャルドネ:フランス)
・バルベーラ 2004:イタリア
・ジャマイカ ラム

ワインアドバイザー
・ミュスカデ 2005:フランス
・リースリング 2005:NZ
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2004:アメリカ
・チェリー・ヒーリング

ワインエキスパート
・ミュスカデ 2005:フランス
・シャルドネ 2005:日本
・シラーズ 2002:オーストラリア
・チェリー・ヒーリング

2006年

ソムリエ
・シャルドネ 2003:アメリカ
・メルロ 2003:日本
・シラー 2003:フランス
・焼酎(麦)

ワインアドバイザー
・ソーヴィニヨン・ブラン 2005:アメリカ
・サンジョヴェーゼ 2003:イタリア
・ピノ・ノワール 2003:フランス
・ポワール・ウイリアム

ワインエキスパート
・シャルドネ 2003:フランス
・ピノ・ノワール 2004:アメリカ
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2003:オーストラリア
・アルマニャック

2005年

ソムリエ
・リースリング 2003:フランス
・ピノ・ノワール 2002:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 1999:フランス
・カルヴァドス

ワインアドバイザー
・リースリング 2003:ドイツ
・シャルドネ 2001:フランス
・シラーズ 2002:オーストラリア
・グラッパ

ワインエキスパート
・シャルドネ 2001:フランス
・リースリング 2002:ドイツ
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2001:アメリカ
・コニャック

2004年

ソムリエ
・ソーヴィニヨン・ブラン 2002:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2000:チリ
・ピノ・ノワール 2000:オーストラリア
・オー・ド・ヴィー・ド・キルシュ

ワインアドバイザー
・シャルドネ 2000:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2000:アメリカ
・シラーズ 1998:オーストラリア
・ルビー・ポート

ワインエキスパート
・シャルドネ 2000:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2000:アメリカ
・シラーズ 1998:オーストラリア
・ルビー・ポート

2003年

ソムリエ
・シャルドネ 2000:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 1997:フランス
・シラー 1997:フランス
・シェリー・オロロソ

ワインアドバイザー
・ゲヴュルツトラミネール 2000:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 1997:フランス
・ピノ・ノワール 2000:フランス
・シェリー・アモンティリヤード

ワインエキスパート
・ゲヴュルツトラミネール 2000:フランス
・カベルネ・ソーヴィニヨン 1997:フランス
・ピノ・ノワール 2000:フランス
・シェリー・アモンティリヤード

—-

時代とともに多少出題傾向が変わってきましたが→特にフランスワインが減少傾向、でも必ず出題されています。また、時折、新しいブドウ品種が加わることもありますが、毎年おおよそ同じブドウ品種ばかりが並んでいます。さて、

2003年までの記録が出揃ったところで、数字的に見てみます。
→全項目、アドバイザーとエキスパート呼称で同じアイテムが出題された場合は二回カウントしています.

●まず、ブドウ品種別に何度出題されているかを数えます。

白ブドウ
・シャルドネ 24回
・リースリング 19回
・ソーヴィニヨン・ブラン 11回
・ゲヴュルツトラミネール 3回
・ミュスカデ 3回
・甲州 2回
・セミヨン(甘口) 1回
・モスカート 1回

黒ブドウ
・シラー/シラーズ 17回
・カベルネ・ソーヴィニヨン 15回

・ピノ・ノワール 13回
・サンジョヴェーゼ 4回
・メルロ 4回
・ガメイ 2回
・ネッビオーロ 2回
・カベルネ・フラン 2回
・テンプラニーリョ 2回
・バルベーラ 1回
・マスカット・ベーリーA 1回
・ジンファンデル 1回
以上17品種です。

●続いて、生産国を見てみようと思います。

・フランス 53回
・アメリカ 19回
・オーストラリア 19回
・ドイツ 11回
・イタリア 8回
・日本 8回
・NZ 5回
・チリ 3回
・スペイン 2回
計9ヶ国です。

●今度は品種別にどの国のワインが出題されたかを見てみます。

シャルドネ
・フランス 13回
・アメリカ 6回
・日本 4回
・オーストラリア 1回

リースリング
・ドイツ 11回
・フランス 4回
・オーストラリア 3回
・NZ 1回

ソーヴィニヨン・ブラン
・フランス 7回
・NZ 3回
・アメリカ 1回

ゲヴュルツトラミネール
ミュスカデ
・ともにフランスのみ 3回ずつ

甲州
・日本 2回

カベルネ・ソーヴィニヨン
・アメリカ 6回
・フランス 4回
・チリ 3回
・オーストラリア 2回

シラー/シラーズ
・オーストラリア 10回
・フランス 7回

ピノ・ノワール
・フランス 6回
・アメリカ 5回
・オーストラリア 1回
・NZ 1回

サンジョヴェーゼ
・イタリア 4回

メルロ
・フランス 2回
・日本 1回
・オーストラリア 1回

ネッビオーロ
・イタリア 2回

ガメイ
・フランス 2回

テンプラニーリョ
・スペイン 2回

カベルネ・フラン
・フランス 2回

ジンファンデル
・アメリカ 1回

マスカット・ベーリーA
・日本 1回

●反対に、生産国別にブドウ品種を見てみようと思います。

フランス
この10年間に出題された17品種中、10品種でフランス産が出題されています。

オーストラリア
・シラーズ 10回
・リースリング 3回
・カベルネ・ソーヴィニヨン 2回
・メルロ 1回
・ピノ・ノワール 1回
・シャルドネ 1回
・セミヨン 1回

アメリカ
・カベルネ・ソーヴィニヨン 6回
・シャルドネ 6回
・ピノ・ノワール 5回
・ソーヴィニヨン・ブラン 1回
・ジンファンデル 1回

イタリア
サンジョヴェーゼを始めとするイタリア品種のみ。

ドイツ
出題は11度ありますが、すべてリースリングです。

日本
・シャルドネ 4回
・メルロ 1回
・甲州 2回
・マスカット・ベーリーA 1回

チリ
カベルネ・ソーヴィニヨン 3回

スペイン
・テンプラニーリョ 2回

NZ
・定番のソーヴィニヨン・ブランとリースリング、そして2015年ピノ・ノワールががそれぞれ一度ずつ出題されています。

あともう少しお付き合いください。

●ヴィンテージが試験のあった年からどの程度離れているか?(何年たったワインが出題されているか)を調べました。

2016年のソムリエ呼称では2014年のシャルドネと2013年のマスカット・ベーリーAが出題されています。これらは前者を2年前、後者を3年前と数えます。→今年の場合、2年前は2015年ヴィンテージになります。

1年前 10回
2年前 28回
3年前 40回
4年前 29回
5年前 8回
6年前 7回
7年前 1回
8年前 1回

以上、集計して数字にしていろいろと分類してみました。

これまでにどのようなワインが出題されたかを見て、どう思われましたでしょうか?何とかなりそうな気がしている方はおそらく大丈夫です。

いまいちピンと来ない方はこれから特訓です(笑)。

次回は白ブドウの主要品種の特徴をまとめてみようと思います。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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 - ●二次のテイスティングはなんとかなる!, ・二次試験に出題されたワイン