第83回 赤ワインの尺度~ソムリエ協会の求めるベリー系の香り

   

テイスティングに関して不安な日々を送られている方がほとんどだと思います。

何度も言いますが、ワインってそんなに急にわかるようになることはありません。ですから、この不安はおそらく二次試験当日まで消えることはないだろうと最初に申し上げておきます。

そして、いくらテイスティングを繰り返しても100%わかるようにはなりません。

私は今でもシャルドネとソーヴィニヨン・ブランを間違えることがあります。先日も日本のメルロをマスカットベーリーAと答えてしまいました。でも、メルロとマスカットベーリーAはぜんぜん似てません。私はこのメルロからメルロらしさをほとんど感じることができませんでした。→二次試験ではこんな超変化球のメルロは出題されません。また、出されても誰もわかりません。本当はメルロらしさ、難しいんですけどね。

また、私の話と並べては大変失礼なのですが、田崎さんが世界一になった1995年の世界最優秀ソムリエコンクール東京大会決勝で出題されたコート・ロティは誰も当てることができませんでした。この時、田崎さんはサンジョヴェーゼと答え、準優勝者はネッビオーロと答えているのです。

この100%ということは絶対にないということを理解できない方、頭でわかっていても気持ちがついていかない方がけっこういらっしゃいます。

ここで教育論を語るつもりはありませんが、日本の教育は考えることを求めるのではなく、正解か不正解か、正しい答えを知っているかどうかという点が評価されます。本当は目の前にある主題に対してどう考えるのかということが大切だと思いますが、そのような図式に慣れていません。とにかく1+1=2 的に与えられた正解を求め、そのようなシステムの中で大学まで進むが故に答えがないことを受け入れられない人が結構な割合でいらっしゃるんです。

そして、いくら努力してもブドウ品種が100%わかるようにはならない。

日本の教育的に言えば、シャルドネ=A、シラー=Bと数学的に解答が導けるものではないということです。それでも、シャルドネのAっぽさ、シラーのBっぽさというものは存在し、これらを理解するために経験をつんで磨きをかけなければなりません。その過程で出会った、ちっともAっぽくないシャルドネやあんまりBっぽくないシラーに惑わされながら。

ということで、前回に引き続きテイスティングのお話です。

運命は、志あるものを導き、志なきものをひきずってゆく。 by セネカ(ローマ帝国の政治家、哲学者)

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※表紙はブルーベリーです。

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第83回 赤ワインの尺度~ソムリエ協会の求めるベリー系の香り

石田さんの「10種のぶどうでわかるワイン」にベリー系の香りのついての記述があります。
※ソムリエ協会の重鎮である石田ソムリエがブドウ品種について感覚的なことも含めて書かれています。必ず読んでください。

非常に大切なことなのでここで読み返してみたいと思います。
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P103より原文より抜粋
・スグリ
味わいは軽く、酸味が主体のフルーツです。ワインはフレッシュで、若々しく軽いタイプを示します。
・ラズベリー
味わいはより強くなり、酸味も強いです。若々しいワインですが、より濃縮感があります。
・ブルーベリー
実もしっかりとし”カリッ”とした噛みごたえがあります。酸味と甘みのバランスがとれた味ワインとなります。
・カシス
甘さを連想させる香りがはっきりと感じられます。酸味もありますが、甘みや豊かさのあるワインです。
・ブラックベリー
凝縮感がとても強そうです。成熟度の高さが際立ちます。
・ブラックチェリー

酸味よりも、甘み渋みが前面に出ています。 

何の香りがするかととらえること以上に大切なのは、香りの変換をスケール(ものさし)と考え、成熟度合いを推測するためにベリーフルーツにたとえることです。

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この部分です。ソムリエ協会のテイスティング部門を司る方がこれが基準だ!とおっしゃっているのです。実際にカシスの香りがするから、これはブルーベリーっぽいな、なんて私たちがどう感じるかというレベルのお話ではありません。

スグリ→ラズベリー→ブルーベリー→カシス→ブラックベリー→ブラックチェリー

こんな目盛りのついた”ものさし”があるというイメージです。

目の前にある赤ワインの成熟度がどのベリー系果実に当たるのか、ブドウ品種別にどのベリー系果実のニュアンスが顕著なのかを意識する必要があるということです。香りの強弱、凝縮感をどのベリー系フルーツに当てはめるのか、これくらい成熟しているから例えばカシスだなとソムリエ協会の基準で判断できることが二次試験的に大変重要なポイントです。
→石田さんも書かれていますが、”ブドウの成熟度を「中間より上」と感じたならカシスといえばよい”ということです。まぁ、正直難しいです。最終的に、テイスティングコメントを覚えていただきますので、その時にカシスであればこの位置なんだなと思えれば十分です。

ブドウ品種別石田さんの目安
・カベルネ・ソーヴィニヨンはカシス
・メルロはブルーベリー
・ピノはラズベリーからブラックチェリーまで様々

・シラーはブラックベリーブラックチェリー

このように石田さんが書かれていますから、間違いなく一つの基準になります。

上記のベリー系果物の実際の香りを知ることが本当は大切なのですが(そんなことやってる時間もありませんし)、ソムリエ協会的にはこのベリー系果実を用いて特に黒ブドウの成熟度を表現しているんだということを理解してください。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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