第70回 6月、この時期のテイスティング対策について

   

この場をお借りしまして、今私が勤める柏屋・大阪千里山のサービススタッフ、ソムリエ(見習いを含む)募集のお知らせです。

先日、東京の某三ツ星シェフに調理場希望の若者を紹介したときに少し話をしました。

某シェフ「料理人は順番待ちで研修してもらってから採用を決めるくらい応募があるのですが、サービススタッフが足りずに困っています。サービスでどなたかいれば紹介してください。良いサービスってなかなかいないですね」というではありませんか。
私「●●シェフの店でサービスに困っているくらいですから、ほとんどのお店が困っているはずです」と返すと、
シェフ「そうかもしれませんね。私の周りのシェフも皆、特に良いサービススタッフを求めていますから。松岡さんクラスとはいいませんが、今は調理場でいえば二番、いや一つのポジションを任せられるレベルのサービスを探しています」と。
お世辞とはいえ、褒められたことに気をよくした私は
「料理人はある程度業界として成熟してきましたが、サービスはこれまで以上に必要性が認知されつつあるとはいえ、まだまだですね。でも、私でよければタイミングが合えばいつかぜひ一緒に仕事をしましょう」

こんなやりとりをしたところです。

どの店も基本人手不足で苦しんでおります。

ただ、視点を変えると業界に”サービス人が少ない”ということは、しっかりと自分を磨いて何かをアピールできるサービス人になれば需要と供給の関係で高く売れます。認められれば、条件面・給料面がついてくるということです。これまで職業としてサービスがあまり評価されてこなかったことも一因でしょう。→サービスが一般的に評価されるようになった大きな転機は田崎さんのソムリエ世界一です。”ソムリエ”という職業が、言葉が世間一般に認知されたことによって間違いなくソムリエ・サービスの地位は向上しました。

その修行の場として、私と一緒に働いてみませんか?ワインや日本酒、サービスに関してお伝えできることがあると思います。また、特に、海外で働いてみたい、世界を見てみたいと希望する方にもチャンスがあるはずです。

柏屋・大阪千里山では、業務拡張を見据えてサービススタッフ、ソムリエを募集中です。現在は香港に支店があり、今後、新たなる展開を考えております。しばらくは基本大阪での勤務になると思いますが、興味のある方は私まで直接メッセージをお送りください。ソムリエ資格、経験はひとまず問いません。もちろん資格、経験があるに越したことはなく、経験・能力を考慮した上で条件・待遇・ポジション等を検討いたします。

この件に限らず、いろんなチャンスが誰にでもあるものです。ただ、そのチャンスに気がつくかどうか、チャンスと認識できるかどうかはその人次第、さらにそのチャンスに向けて第一歩を踏み出せるかどうか、成功する人とそうでない人の違いはこのあたりにもあるように思います。

この講座をお読みいただいているのも何かの縁です。私はこのような縁を大切にしたいと考えております。

お問い合わせだけでも結構です。メールアドレスはこちらです。
よろしくお願いいたします。

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さて、本題。テイスティングのお話です。

テイスティングに関して不安な日々を送られている方がほとんどだと思います。

何度も言いますが、ワインってそんなに急にわかるようになることはありません。ですから、この不安はおそらく二次試験当日まで消えることはないだろうと最初に申し上げておきます。

そして、いくらテイスティングを繰り返しても100%わかるようにはなりません。

私は今でもシャルドネとソーヴィニヨン・ブランを間違えることがあります。先日も日本のメルロをマスカットベーリーAと答えてしまいました。でも、メルロとマスカットベーリーAはぜんぜん似てません。私はこのメルロからメルロらしさをほとんど感じることができませんでした。→二次試験ではこんな超変化球のメルロは出題されないはずです。

また、私の話と並べては大変失礼なのですが、田崎さんが世界一になった1995年の世界最優秀ソムリエコンクール東京大会決勝で出題されたコート・ロティは誰も当てることができませんでした。この時田崎さんはサンジョヴェーゼと答え、準優勝者はネッビオーロと答えているのです。

この100%ということは絶対にないということを理解できない方、頭でわかっていても気持ちがついていかない方がけっこういらっしゃいます。

ここで教育論を語るつもりはありませんが、日本の教育は考えることを求めるのではなく、正解か不正解か、正しい答えを知っているかどうかという点が評価されます。本当は目の前にある主題に対してどう考えるのかということが大切だと思いますが、そのような図式に慣れていません。とにかく1+1=2 的に与えられた正解を求め、そのようなシステムの中で大学まで進むが故に答えがないことを受け入れられない人が結構な割合でいらっしゃるんです。

いくら努力してもブドウ品種が100%わかるようにはならない。

言い換えればシャルドネ=A、シラー=Bという数学的に解答が導けるものではないということです。ですからシャルドネのAっぽさ、シラーのBっぽさを理解するために経験をつんで磨きをかけるのですが、それでも、ちっともAっぽくないシャルドネも全くBっぽくないシラーもあるんだということを理解しなくてはなりません。

さて、前置きが長くなりましたが、この時期<六月>のテイスティング対策についてお伝えします。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
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第70回 6月、この時期のテイスティング対策について

合格するために今何をすべきなのか?
意識すべきことは二つです。
・主要ブドウ品種の特徴を掴むこと

・酸、アルコールのボリューム感の強弱を自分なりに感じられるようになること

今はとにかくこの二つです。この二つにのみ特化してテイスティングを行ってください。そして、もういいよ、というくらい言ってますが、テイスティングして感じたことを書いてください。今からでも結構です。とにかく、ワインのイメージを間違っていてもいいので言葉にする訓練をしておいてください。

テイスティングコメントに関しては一次試験が終わった後に嫌というほど覚えてもらいます。

以前、第43回 二次のテイスティングに出題されたワイン以降数回にわたってテイスティング対策についてまとめました。テイスティングに関する本も紹介しました。

これらをもう一度しっかり読み込んでみてください。今読むと感じるところが違ってきているかもしれません。そうなればしめたものです。

まだ読まれていない方、必ず読んでください。こちらです。

二次試験において出題されるアイテム全てのブドウ品種を正解する必要はありません。三種出題されるうちの一つは必ず取りたいといったところです。とにかく一つです。エキスパート呼称の方は四つのうちのできれば二つ、そこを目標にします。→ちなみに私の極身近に昨年度ブドウ品種正解無しで合格した人が二人います。ブドウ品種を当てることだけが二次のテイスティングではないとも言えます。

その為にとにかく主要ブドウ品種の特徴をしっかりと掴んでほしいのです。マイナー品種は一切無視します。出るか出ないかわからないようなブドウ品種に惑わされて、主要品種を外してしまったら目も当てられません。そして、ワインの特徴をとらえる時は自分の感じやすいポイントを強く意識してください。人それぞれ得意な香り、とらえやすいニュアンスがあるはずです。例えばシラーの黒コショウがわかりづらければ、他の共通する何かを感じ取ってほしいんです。

私はシラーの香りは”オリーヴ”だと思っておりますが、ソムリエ協会の模範テイスティングコメントにオリーヴが出てくることはありません。でも、それでいいんですよ。私はオリーヴを感じたらシラーだと結構高い確率で特定できるんですから。その後、シラーの特徴から外れていないかを確認します。もちろん、これでも100%はありません。

以前、エキスパート呼称に合格された方からいただいた感想の中の一文です。
香りですぐにカベルネフランだ!と結論を出しました。私にとってカベルネフランの香りはチョッと土のついたじゃがいもの香りなんです。主婦でよかった。

こんな感じで、この香り、ニュアンスを感じたらこのブドウ品種というものを見つけると強いんです。例えその得意な香りやニュアンスが言葉にならなくてもいい。イメージや雰囲気でも。

おそらく全ての主要ブドウ品種について”これ”という何かを見つける時間はないかもしれません。それでも、その為に何度も申し上げておりますが、ワインをテイスティングして感じたことを書いてくださいと言い続けているのです。書いて言葉にすることで何かが見えてくるはずです。そして自分のポイント、強みを見つけられれば合格にかなり近づきます。

今は細かいテイスティングコメントやヴィンテージなどは後回しでぜーんぜん問題ありません。とにかくある程度ブドウ品種を特定できるようになる為に頑張って気が付いたことを書いて書いて書き続けてください。正しいコメントになっていなくても問題ありません。ご自身が感じたことを自分の言葉で書いてください。→何度も何度もスイマセン。なかなか続かない方が多いようでして。しっかり続けられている方、素晴らしいです。合格にかなり近づいています!

このコメントは人に見せる為でも、他の人にワインの良さを伝える為でもありません。合格するための訓練であり、皆さんのワイン道の礎です。

合格するために主要ブドウ品種の特徴を自分のポイントでとらえる。

シャルドネっぽいソーヴィニヨン・ブランもミュスカデもリースリングも存在します。ブラインドテイスティングでメルロなんていつも迷います。それでもソーヴィニヨン・ブランらしさ、メルロらしさというものがあります。まずは主要品種それぞれの”らしさ”を感じる努力をしましょう。

その”らしさ”を少しずつ理解して、あとはどこまで幅を広げられるかです。メルロで話を続けますが、サンテミリオンの軽めでやや青いニュアンスを持つメルロから新世界の濃厚なメルロまでさまざまなタイプが存在します。その幅の中で現在テイスティングしているメルロがどのあたりに位置するのかを意識できるようになれば合格は近いです。

もう一度言います。100%ブドウ品種がわかることはありません。100%わかろうとしてもいけません。ワインなんて人が造るものです。ピノみたいなメルロを造ろうとする人もいれば、ボルドーみたいなワインをガメイから造る人もいるのです。そんなすべてのワインの個性を知ることは人生をかけても不可能です。

酸、アルコールのボリューム感の強弱を自分なりに感じられるようになる

こちらでもふれましたが第23回 ワインの酸とアルコール 1、二次のテイスティング攻略の大きなポイントの一つはこちらです。

最初はテイスティングしたワインが主体なのか、酸以上にアルコールのボリューム感を感じるのか、ここからスタートしてかまいません。以前説明したように単純に考えると冷涼な地域では酸が特徴的なワインが造られますし、暖かい地域ではその反対、ブドウがよく熟すんですからアルコールのボリューム感をしっかりと感じるワインに仕上がります。言い換えれば、酸とアルコールのボリューム感は相反する関係にあるということです。

中には酸もアルコールのボリューム感もしっかりしたワインが無いわけではありませんが、そんな少数派を意識する必要はありません。

<酸>1←←2←←3←←4←←5←→6→→7→→8→→9→→10<アルコールのボリューム感>

このようなものさしがあるとして、今テイスティングしたワインがどの位置にあるのかということを意識してみてください。例えば、白ワインでいえばソーヴィニョン・ブラン(フランス)であれば2~3くらいだな、シャルドネ(アメリカ)なら8くらいかな、と言った感じです。テイスティングノートにその数字(5段階でも10段階でもお好きに)を書き溜めましょう。

北の産地のワインの方が数字が小さく、暖かい地域や新世界のワインの方が数字が大きくなるはずです。もちろん例外はあるでしょう。

この強弱について自分なりの基準が持てると、いろいろなことがわかってくるようになります。まず、<酸>寄りの1~4であればそのワインは二次試験的にはほぼフランス産です。7以降になると新世界の可能性が高くなります。例えば、カベルネ・ソーヴィニョン(フランス)であれば4~MAX6くらいのイメージですが、6以降であれば新世界を疑います。といった具合です。

また一例として、ピノ・ノワールはフランス、新世界産ともに出題されますが、もともと酸のしっかりした品種です。赤いニュアンスに酸を感じた段階でピノ・ノワールと判断し、アルコールのボリューム感でフランスか新世界かを決めるといった流れです。

この基準がしっかり持てるようになってくるとテイスティングした段階でブドウ品種はわからなくとも、少なくとも涼しい地域のワインではないな、反対にこのボリューム感でフランスやドイツは考えられないと、消去法を使えるようになります。単純に目の前のワインが冷涼な地域のイメージなのか、暖かい地域のイメージなのかが判断できるだけで、テイスティングのスピードがかなり上がります。二次のテイスティングはスピード勝負です。本当に時間がありません。

その基準を持つために<酸>と<アルコールのボリューム感>を感じられるようになって欲しいのです。ここを大幅に取り違えなければ、例えブトウ品種は外したとしても、テイスティングコメントはまずまず得点に結びつくはずです。

その為の一つの方法として、いろんな産地のシャルドネを同時に比べながらテイスティングしてみましょう。→シャルドネはこれまでにも四ヵ国のものが出題されており、その意味でも知っておく方がよい。

一例として
・シャブリ(ブルミエ・クリュ、グラン・クリュでないもの)
・ブルゴーニュ・シャルドネ(コート・ド・ボーヌの生産者)
・マコン・ヴィラージュ
・日本のシャルドネ(ほどほどに名の通ったブルゴーニュタイプを目指している生産者)
・アメリカまたはオーストラリアのシャルドネ(この二つの違いを知る感じ取る必要はありません)
これらを同時にテイスティングしながら<酸>、<アルコールのボリューム感>とはなんぞやと悩んでみてください。

ここがわかってくると一気に合格に近づきます。

<酸><アルコールのボリューム感>です。今後、二次試験までテイスティングできる回数はそれほど多くありません。毎回、必ず意識してテイスティングしてください。

実際にテイスティングを行うときには

実際にテイスティングする時は同じ色のワイン数種類を同時に抜栓して、ブラインドテイスティングしながら比較してください。一度に全てのワインを消費できないでしょうから三日から四日間は毎日ブラインドテイスティングするくらいの気持ちで取り組みましょう。

ブラインドテイスティングに関してワインをグラスに注ぐところは同居の方、ご友人などに手伝ってもらえるならお願いしてみてください。一人暮らしで手伝ってもらえる人がいない方もいらっしゃると思います。←私もでした!それでもできるだけ、わからないようにしてグラスに注いでテイスティングしましょう。

私は部屋を真っ暗にして、グラスとボトルを冷蔵庫から出して並べ、ボトルの位置をシャッフルし、さらにボトルの下部を持ってグラスに注いで、テーブルに移動してテイスティングしていました。ボトルの上部を持つと形でわかってしまうことが多いからです。

また、テイスティングする時の温度にも注意を払いましょう。

白ワインは冷蔵庫から出して15分前後くらいからテイスティングを始めます(12℃前後)。赤ワインは気温が22~25℃くらいの過ごしやすい日であれば、冷蔵庫で20分前後冷やす、または冷蔵庫で完全に冷やしてから外に出して1時間後くらい、理想は18℃くらいからテイスティングを始めてください。

ワインスクールに通っていない方は皆いまいちわからない中、手さぐりの状態でテイスティング対策を行っています。苦しんでいるのはあなただけではありません。

それでもなんとかしますので、とにかく今は少しでもブドウ品種の”らしさ”を感じて自分のポイントを探しながら、<酸>と<アルコールのボリューム感>の距離感を意識してください。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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