第122回 頑張り過ぎのあなたにお伝えしたいこと。

   

”一見さんお断り”の最終回です。→前回はこちらから。

パリのある三ツ星レストランの予約の受け方のお話です。

パリの三ツ星レストランですから世界中からお客様が来店します。そして、基本毎日満席になるわけです。必ず満席になるのですから、お金をたくさん使ってくれそうな方に来店していただくことが経営的にも一番効率的です。

というわけで、このお店は1/3〜4くらい予約が埋まった段階で、以降の予約を全て【キャンセル待ち】で受け付けます。そして、その【キャンセル待ち】リストの中からお金をたくさん使ってくれそうなお客様を選んで予約を埋めるんです。例えばアラブの石油系の方、→半端なくお金持ちです。財布に500ユーロ札(約7万円)のみがギッシリ入っており、おつりを一切受け取らないアラブの王子さまが時折”パリ・あい田”に来られました。フランス人の中でも名前が元貴族の方、宿泊しているホテルが超一流の方など。当然、お金持ちの常連様からの直前の予約も待っていることでしょう。

いかにお金を使ってくれそうかを判断して予約を埋めます。お店がどのお客様を選ぶかは自由ですし、おそらく今もこのやり方で予約を受けているはずです。そして、残念ながら日本人はあまり選ばれません。あまりお金持ちがいないことと、チップを置く人が少ないからです。

なんとなく”一見さんお断り”のお店に通じるものを感じます。

話は変わって、私も時折ファミリーレストランやファーストフード店を利用します。時間を問わず利用でき便利であること、全国どこにでもあり、おおよそ同じ形態で営業されているという安心感もあります。

ファミリーレストランは朝から深夜まで、お店によっては24時間営業です。子供から大人まで楽しめますし、コーヒーだけの利用もお酒を飲むこともできます。勉強している学生がいる横で、愛を語っているカップルがいます。素晴らしいと思います。

いつでも誰でも受け入れる。

これがファミリーレストランの提供するスタイルです。主に分煙されていますからタバコを吸う方も吸わない方も受け入れます。ハンバーグも和食もステーキもパスタも食べることができます。できるかぎり多くの方、さまざまな年齢層の方を受け入れようと努力しているんです。

ただ、これだけ幅広くお客様を受け入れようとすると料理・サービスは画一的にならざるを得ません。多くの様々なタイプのお客様に来ていただくのですから一人一人個別の接客は不可能ですし、24時間も営業していると人員の確保も死活問題で、パート・アルバイトに頼らざるを得なくなります。そうなるとマニュアル的な接客しか解決方法は見つからず、出される料理もどこかの工場で途中まで作られたレトルト食品に近いものです。個性的で感動的な香りや味わいには程遠く、記憶に残るディナーの為の食事ではありません。

私は決してファミレスが悪いと言っているわけではありません。←私は昔某ファミレスで数年アルバイトをしておりまして、新店オープンのトレーナーとして派遣されたこともあります。ファミリーレストランの最大の特徴は幅広く受け入れることと安心感です。誰もがそれほど気兼ねなく利用することが出来る反面、走り回る子供を多少は許容しなくてはなりません。大声で話すおばさん達や分煙とはいえ、隣から流れてくるタバコの煙にも少々目をつぶらなくてはなりません。お店側が全てを受け入れるということは、誰もがどこかで何かを我慢する必要が出てくるわけです。

それでも、このように幅広く誰でも受け入れるレストランが必要です。その幅の広さゆえにマニュアル的な接客にならざるを得ないのですが、そのマニュアルは研究されつくしています。店舗数が多いということはクレームも多いので、その一つ一つをいかに無くしていくか真剣に考えるからです。個人の店舗ではここまでのマニュアルを作ることは出来ません。

ファミリーレストランやファーストフード店のスタイルはある意味、大手の力の結晶でもあるわけです。ですから万人向けのお店を運営できるわけで、個人店はこの大きな力にかなうわけがありません。

ファミリーレストランのように幅広く多くの層を対象にするのか、”一見さんお断り”のように客層を完全に特化してしまうのか。特に個人店がレストランサービスとは何かを考える上でポイントとなることは、どの層をターゲットにするかということを明確に決めて、その層に合わせて(できれば)他にはない何ができるかを考えることだと思います。

私は飲食店にかかわらず個人(店)がこの厳しい時代を生き抜いて行くうえで最も大切なことは幅を狭めて、特化する。そしてその特化したところをより高い次元に持って行くことではないかと考えています。

そして、その特化した先にある一つの形が”一見さんお断り”というスタイルなのかなと思ったわけです。

”一見さんお断り”のお店が最高の飲食店と言っているわけではありません。そのスタイルから学ぶべきところがあるのではと思い数回にわけてこちらに書かせていただいた次第です。もし、ご意見、感想等、反論等ございましたらお聞かせください。

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さて、10月になりました。

一次試験が終わってホッとしたのも束の間、あっという間に一ヶ月が過ぎました。泣いても笑ってもあと10日、もうジタバタしてもどうにもなりません。ですから、これからは何よりも体調管理を優先して当日を迎えることを意識しましょう。テイスティングですから、体調に左右されることは明白です。

今回は”そろそろテイスティングするペースを落とし、その分イメージトレーニングに切り替えましょう。集中してテイスティングし続けると疲れるんですよ。”というお話です。

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第122回 頑張り過ぎのあなたにお伝えしたいこと。

さて、二次試験まであと10日となりました。毎日テイスティング漬けの日々だと思われますが、頑張り過ぎてしまうあなたにお伝えしたいことがございます。

テイスティングの頻度、量にもよりますが、集中してテイスティングし続けると気づかないうちに口の中が疲れてきます。アルコールは思った以上に強く、さらにかなり神経を集中させてテイスティングしているでしょうから、普段毎日お酒を飲んでいる方でも全く違う状態になっていく可能性があります。単純に舌が疲れるんです。→もちろん個人差があるでしょうから全く大丈夫な方もいらっしゃるとは思います。

ですから、これから二次試験本番に向けて、徐々にテイスティングする量を減らしていきましょう。

これは私自身が実際に経験したことです。

私はフランス時代にパリで行われたワインコンクールに出場したことがあります。出る以上は良い成績を収めたいですから、筆記対策とテイスティング対策を並行して毎日かなり頑張りました。
特にテイスティング対策に関しては、当時勤めていたレストランのシェフとスタッフ、また近所に住むワイン仲間が連日連夜協力してくれました。私自身が買い揃えたさまざまなワインやその仲間達が持ち寄ってくれたワインで毎日ブラインドテイスティングできる環境を作ってくれたのです。→もちろん、彼らも飲むことが大好きであったことは言うまでもありません。

そして、そのブラインドテイスティングはコンクール前日まで続きました。

私は本気で優勝を狙っていました。しかし、残念ながら結果は二位でした。とっても悔しかったのですが、ワインのプロが四十人集まった中での結果でしたから、満足感やそれなりの達成感がありました。
そして、コンクールを終えてしばらくしてからあることに気がついたのです。

どうも口の中がおかしい…。
ちょっと荒れているような感じで、やや痺れも感じます。とはいえ、生活に支障をきたすほどでも、苦痛をともなうこともありません。
このことを何気なく職場で話したところ、シェフから『君があまりにも頑張っていたから何も言えなかったけど、毎日あれだけの量のテイスティングをしていたら、ワインがわかる以前に舌が麻痺するんじゃないかと心配していたんだ』と言われました。

そうです。私の舌は連日のアルコール漬けで、さらにかなり集中してテイスティングしていましたから、舌が疲れきっており、少し麻痺していたのです。そう考えると、その麻痺した状態でコンクールに臨んだのであろうことに思い当たり、やりすぎたことに対して少しだけ後悔しました。

はっきり覚えていませんが、一日に最低10種類はテイスティングし、そのあと小一時間ほどは普通に飲んでいました。ただの飲みすぎだとは思いますが、この時期は通常時よりもお酒の量は少なかったはずなんです。←いつもどれだけ飲んでいたんですか!

本当に毎日同僚や仲間、そしてシェフまでがいろんなワインを持ち寄ってくれてテイスティングに付き合ってくれました。そんな仲間に恵まれたこと、そしてある目標に対して本気で取り組めたことは私にとって大きな財産となりました。

ただ、普通に飲むのとテイスティングするのはぜんぜん違うんです。

私が飲みすぎだったという説もあり、全ての方に当てはまるわけではないかもしれませんが、試験当日に向けて、徐々にテイスティングする量を調節し、口内の状態にも気を配っていただきたいという私の経験談でした。

そして、もう新しいブドウ品種に手を出すのは一切やめましょう。今、自分の持っている力でなんとか合格できないかと考えるんです。絶対にこちらの方が合格する可能性が高いです。ブドウ品種なんて、一つか二つ当たればいいんですから。

さらに、二次試験のテイスティングを実際に試験会場でどのように進めるのか、自分なりにイメージトレーニングしましょう。例えば、すべてのワインの外観を取ってから、それぞれの香りに進むのか、ひとつひとつ順番にコメントを埋めていくのかなど。想像以上に時間がないものです。また、緊張するでしょうし、雰囲気に飲まれてしまうかもしれません。それでも、事前にイメージすることで対処できる確率があがりますし、心構えがあるのとないのでは全く結果が異なります。

これから10日間、テイスティングの時間を減らした分、寝る前に二次試験本番を頭の中で思い描くイメージトレーニングをしましょう。

このイメージトレーニングがうまくいくようになればかなり合格に近づきます。

今日はこれだけです。

何度も繰り返しますが、最後まであきらめてはいけません。あきらめたところで全てが止まってしまいます。私は皆さんの合格を信じております。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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