第45回 白ワインを比較する。

   

4月になりました。何かと忙しないこの時期ですが、ソムリエ試験対策は順調ですか?

もう試験勉強が楽しくて楽しくて仕方がないって方には何も言いません。ここから先を読む必要も全くありません。どんどん進んでください。間違いなく合格しますから。

とはいえ、あんまり順調じゃない人、多いですよね。それでも、時期的にはそろそろ本腰を入れて取り組み始めなければなりません。わかっちゃいるけど、疲れて家に帰って勉強なんてという気持ちもよ~くわかります。私もそうでしたから。

少しだけ私の話を…。

ソムリエ試験受験当時、私の仕事が終わるのはおおよそ22時頃でした(宴会場勤務だったので毎週末は婚礼担当のため午前様)。そのころはまだまだ遊びたい時代で、仕事の後は毎日のように飲み歩いていました。残念ながら飲んでいたお酒は大好きな日本酒でしたが。

そんな私が試験対策を始めると決めた日から飲みに行くことを控え、勉強することを決意しました。
飲みに行く習慣は比較的難なく断ち切ることができました。しかし、元々勉強好きではなく、机に座る習慣がほとんどなかったこともあり、本格的に勉強を始めるにはそれはそれは長い時間がかかりました。

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私のダメダメパターン一覧

・自宅に戻り、ちょっとだけ休憩をと思ってテレビの前に座ってしまうともうその場から動けなくなり一日が終わってしまう。
・机に座るまではたどり着いても、なぜか掃除や整理を始めるなど余計なことばかりしてしまう。
・なんとか教本や参考書を開いても眠くてどうにもならないか、すぐに他のことが気になってダラダラしてしまう。
・今日は疲れてるんだし、”明日から頑張ろう”と自分を誤魔化しすぐに諦めてしまう。←ここです。私も苦労しました。

はぁ…。お恥ずかしい…。
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試験対策を始める決意をしたもののなかなか行動に移すことができず、貴重な時間がどんどん過ぎていきました。悪い習慣をなかなか断ち切ることができず、気持ちばかりあせっていたのですが、ある日私の趣味と勉強を兼ねた良い方法を思いついたのです。

とにかく机に座っても眠いのです。見たくもないテレビをつけてしまうこともあります。この二つを何とか攻略するために思いついたのが近所のスーパー銭湯に通ってそこで勉強することでした。→私はサウナとお風呂が大好きなんです。今でも休みの日にお風呂で本を読んだりしています。

その後、私は常にお風呂セットを携帯し、仕事帰りにスーパー銭湯に立ち寄って閉店時刻の午前一時まで過ごしました。当時自転車通勤でしたが、帰り道からそれほど遠くないところにスーパー銭湯があったんです。その日に勉強すべき箇所のコピー数枚を手にサウナや湯につかりながらひたすらブツブツ念仏のように唱えていました。

お風呂の中にはビールもありませんから、手にしたコピーを読むことを邪魔するものはありません。眠くなれば露天風呂で涼んだり、泡のお風呂を楽しんだりしました。
入浴料を支払っていますから無駄にできないという意識も働きます。結果、お風呂では勉強するという習慣が身につき、試験対策を順調に進めることができました。

一次試験直前まで、平均週に4回は通っていました。私の筆記試験対策はほぼお風呂の中です。おかげで私は一次試験でほぼ満点に近い得点をあげることができました。
※施設によっては紙や書籍その他の持込みを禁止しているところもあるようですから、おおっぴらにはお勧めできないのが残念です。

以前にもお伝えしましたが、スタートが全てです。他のことをする前にソムリエ試験対策を始めてしまうことです。

私の場合、スーパー銭湯の浴室に入ったら試験勉強を始めるというスタイルがハマったんです。←まぁ、お風呂ですからボーっとする以外に他にすることはあまり思いつきませんが。

疲れているし、眠いのはわかります。でも、そこを何とか超えて、グッと我慢して試験対策を始めましょう。休憩してからではダメなんです。

毎日少しだけでもいいです。休憩する前に、自分の時間の前に試験対策を始めてください。この試験対策をすぐに始めた回数(日数)だけ合格に近づきます。また、続けることで体が慣れてきます。

皆さんはさまざまなスタイルで生活されていることでしょう。そして、皆誰もが忙しいんです。その時間のない生活の中で、試験対策を行う為の習慣、リズムを確立されることは合格に近づくことはもちろん、人生において何かを得ることになると私は考えております。

さて、今回もテイスティングについてののお話です。

この更新のためにテイスティングについて思いを巡らせているうちにふと昔読んだロアルド・ダールの「味」という小説のことを思い出しました。これは”家”と”娘”を賭けてブラインドテイスティングするお話で、ワイン業界では非常に有名な短編です。

なかなか見事なワインの分析!?を垣間見ることができます。

”ハヤカワ・ミステリ文庫から出版されていますので、よろしければ読んでみて下さい”というつもりでネットで検索していると、小説そのものが読めるサイトを見つけました。(サイトの運営者が翻訳されたもののようです)

ロアルド・ダールの「味」

興味を持たれた方は気分転換も兼ねてお読みください。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。今日くらいはいいやと思った方は明日も同じことを思うんです。
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第45回 白ワインを比較する。

前回、過去に出題された主な白ブドウ品種について、私なりの感じ方をお伝えしました。今回はそれらが他のブドウ品種と比べてどうなのかということを見ていこうと思います。

白ワインを比較する。

本講座の二次試験対策として、過去に出題されたブドウ品種の中から正解を探す事を基本としています。今後もこの方針は変わりません。←それ以外のブドウ品種が出題されても誰も答えられないので問題ありません。

1. 見比べてわかること。

外観、色調からいくつかの可能性を考えます。そのためにもいろいろなワインを経験して、「濃い」「薄い」「黄色っぽい」「黄緑っぽい」「トロっとしている」「サラサラしている」などの基準を持たなくてはなりません。
これは外観に限った話ではありません。酸が強いのか、渋みが強いのか、アルコールのボリューム感がしっかりしているのか。強弱を判断しなくてはならないのですから、その基準となるものが必要になるということです。
→今は協会のコメントを意識するのではなく、自分の中に基準を作るべきです。この基準がなければ何も判断できません。その為にテイスティングして書き留めるんです。

さて、白ワインは一般的に新しいものほどの印象が強く、年月が経つにつれて緑が減り徐々に色が濃くなり褐色を帯びていきます。
→ワインは基本酸化熟成なので、鉄が錆びると赤くなるのと同様にワインも赤く(褐色)なります。
外観のの印象はフレッシュなワインの特徴でもあり、品種による特徴でもあります。

・色と濃さ
白ワインの場合、色の濃さと黄色と緑の色の強弱に注目します。

ミュスカデ→甲州→ソーヴィニヨン・ブラン→リースリング/シャルドネ→ゲヴュルツトラミネール

左から右の順で色が濃くなるように思います。同様に緑っぽさもソーヴィニヨンを除くとほぼ同じ順番で、左から緑→黄色の順に並んでいます。
→ミュスカデは黄色が少ない感じ、甲州はややくすんだ印象で果皮の赤っぽさ(茶色)を感じるものもあります。

何度も言いますが、絶対的な順番ではありません。樽を使い二年程熟成させて出荷するミュスカデもありますし(当然色は濃くなり、緑っぽさも失われていきます)、シャルドネはいたるところで造られているので色だけの判断は難しいと言えます。

・粘性
いかにトロりとしているかということ。こちらも緑っぽいブドウ品種はサラサラしていることが多く、黄色が強くなるにしたがって粘性も増します。ただ、粘性はアルコールにも影響されるので、暖かい地域のワインの特徴でもあります。

・まとめ
同じブドウ品種でも暖かい地域で栽培されたブドウから造られたワインは黄色っぽく濃くなります。収穫時の糖度も上がり、アルコール分も高くなりますから粘性も強くなります。
また、樽を使うということはそれなりの期間熟成させることにもなりますから、フレッシュなワインの特徴である緑っぽさが少なくなり、樽からの影響と酸化熟成により色が濃く(黄色から褐色に近づく)なります。

2. 香りを比較する。

香りの特徴をあげるといくらでも出てくるもので、ワインには実際に数百以上の香りが絡み合っていると言われています。しかし、私達人間はそこまで感じることができません。

試験対策として現段階で大切なことはブドウ品種それぞれの特徴的な香りを一つ、できれば二つ理解することです。各自得意な香りを見つけて欲しいのです。
テイスティングコメントでは「カリン、白い花、バニラ、白コショウ…」とたくさん並んでいますが、このようなコメントは後まわしです。
※皆さんが感じる限りの香りを書き出すことで、そのブドウ品種の系統が見つかります。一つ二つしか感じなくてもよいというわけではありません。いろいろ感じる中で得意な香り、感じやすいニュアンスを一つか二つ自分のものにするのです。

時間はかかりますが自分なりに、例えばリースリングといえばこの香り、このニュアンスという香り・ポイントを見つけてください。残念ながらすべてのリースリングに当てはまることはないですが、それなりの系統を知ることが大切です。これは味わいにも当てはまることです。

・香りから大まかに二つのタイプにわけてみる。
試験対策としては白ワインの香りを「スッキリ、爽やか柑橘類の香り」の溌剌タイプ「白い花や桃のような甘い果物の香り」の華やかタイプの二つにわけて理解しましょう。
→ソムリエ協会はスッキリ爽やかなんてコメントを求めてきませんが…。

●「スッキリ、爽やか柑橘類の香り」の溌剌タイプ
わかりやすい→穏やか
ミュスカデ→ソーヴィニヨン・ブラン/シャルドネ(シャブリ系)甲州

ミュスカデは全ての要素が乏しく、ただその中でもスッキリしたミネラル感、柑橘系の酸のニュアンスだけが際立っているという感じです。甲州はなんとなくぼんやりしているので、この位置にいますが、ミュスカデ同様に要素に乏しく、しっかりしているから穏やかというわけではありません。
一方で、ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネは他の要素もしっかりしているため、スッキリした感じだけが突出しているわけではないということを理解してください。

●「白い花や桃のような甘い果物の香り」の華やかタイプ
他のニュアンスもある→強く感じる
シャルドネ→リースリング→ゲヴュルツトラミネール

白色や黄色の花、カリン、モモ、ライチ、ハチミツ、バターなどに代表される甘くて華やかなニュアンス、強く柔らかい香りを指します。

シャルドネ自体にはそれほど特徴はなく、樽由来のヴァニラ、バターなどの香りを感じることが多いです。またマロラクティック醗酵によって香りが丸くまろやかになっている可能性が高いと言えます。
→酸っぱいリンゴ酸がまろやかな酸味の乳酸に変化するためです。

一方でリースリングとゲヴュルツトラミネールはブドウが持つ特徴がそのままワインに表れます。

3. そして、味わいの違いを感じる。

1.で外観、2.で香りを分析しました。この段階である程度のイメージを持てるとこの先に進みやすくなります。
→注意!いくらイメージ通りでも、決めつけて、視野を狭めてはいけません!

そして、口に含み味わうのですが、1.と2.で感じたイメージがそのまま味わいにつながれば言うことはありません。もし違ったりすると、けっこうあせってしまいます。しかし、ワインってそんなに簡単に割りきれるほど、単純ではありませんからイメージ通りに行かないことの方が多いと考えましょう。→なんとも微妙でどちらとも判断できないことが多いのです。

白ワインの味わいにおける一番の特徴は酸/酸味だと思います。古今東西、これほどまでに酸に特化した酒類はないからです。
ですから白ワインの味わいを計る基準として酸と他の要素のバランスを知ることが非常に重要です。

・酸の感じ方
「酸が溌剌としてフレッシュなタイプ」なのか、「酸は滑らかでトロりとしたタイプ」なのか?

口に含んでどう感じるかです。酸っぱい、丸い、甘い、フレッシュ感、滑らか、重い、薄いなど…。ここも香りと同様に二つにわけてみます。

「酸が溌剌としてフレッシュなタイプ」
わかりやすい→穏やか
ミュスカデ→ソーヴィニヨン・ブラン→シャルドネ(シャブリ系)/甲州

となります。フレッシュさが穏やかになるにつれて、味わいも濃く、強く感じるようになりますが、甲州は例外です。甲州は全く濃いタイプに分類されませんが、酸がフレッシュというわけでもありません。なんとなく中庸でやっぱりシンプルです。

「酸は滑らかでトロりとしたタイプ」
時には→強く感じる
(シャルドネ)→リースリング→ゲヴュルツトラミネール/(シャルドネ)

このように並べることができます。このボディーに隠されている酸をどのように感じるのかが一つのポイントです。最初はフランスとドイツのリースリングを比べてみるとよいでしょう。
残念ながらシャルドネはどうにでも転びます。アメリカのものなどはゲヴュルツ以上にトロリと丸い印象のワインもあります。その場合、アメリカンオークの印象が前面に出ている可能性が高いです。
→アメリカンオークはフレンチオークよりもヴァニラ、焦がした感じが強くなります。

・アルコールのボリューム感
味わいでもう一つ大切なポイントが、アルコールのボリューム感です。以前にもお伝えしたように、単純に暖かい地域・国で造られたワインは太陽の恩恵を受けるため糖度が上がり、アルコールのボリュームをより感じるようになります。
厳密にいうと、畑の高度や角度も大きな要因になるのですが、そこまで考えてられませんから、試験が終わるまでは単純に理解しましょう。
アルコールのニュアンスで、ある程度生産地域を感じることができます。

アルコールはワインに粘性や滑らかさ、厚み、熱感をもたらします。ウィスキーをストレートで飲むと強さを感じますよね。熱感もしっかり感じます。この強さはアルコールです。ですから、アルコールのボリューム感のあるワインは力強いワインと言えます。→アルコールのニュアンスは慣れないとなかなか難しいかもしれません。

国別アルコールのボリューム感の強弱
弱→強
ドイツ→フランス/日本→NZ→オーストラリア/アメリカ

これも一概に言えませんが、こんな感じでしょうか。酸はおおよそ反対になる感じです。

4. そして判断する。

1.~3.の情報をもとにブドウ品種を探ります。外観、香り、味わいの全てが自分のイメージにピッタリということは稀です。消去法で考えることもあります。

【例題】
外観は輝きのあるやや緑色を帯びた薄い黄色、粘性はそれほどでもない。
香りはフレッシュな柑橘類が主体であるが、奥に熟した果実の甘い香りも見え隠れしている。ミネラルのニュアンスがしっかりしており、フレッシュハーブとまではいかないが全体的に爽やかな印象。
味わいもフレッシュで、酸と果実味のバランスがよく、ボディも比較的しっかりしている。樽のニュアンスはそれほど感じないが、良い年のワインとみえてアルコールのボリュームも申し分ないが、強いというほどでもない。

先日のブラインドテイスティングのときのことを思い出して書いています。
文字情報だけですが、皆さんはこの雰囲気からどのブドウ品種を想像しますか?

緑がかった薄い色調と粘性から、南または暖かい地域ではないであろうと予想します。香りのニュアンスが色調のイメージに通じることを確認し、フレッシュな柑橘類の香りというところで、今日でいうところの「白い花や桃のような甘い果物の香り」系の品種ではないと考えます。そして香りのボリュームからミュスカデ/甲州も外れます。
こうして残るのはシャルドネかソーヴィニヨン・ブランです。(この日はワイン会でしたから他の品種の可能性も探りました)

私は最初、ピュリニー・モンラッシェをイメージしました。ミネラルの感じ、酸と果実味のバランスからそう判断したのですが、そう考えるには樽のニュアンス、粘性がやや足らず、このワインの最大の特徴であるフレッシュ感がどこに由来しているのかを悩みました。もしかしてシャブリ、サンセールということも頭に浮かびました。

それでも、私がソーヴィニヨン・ブランの特徴ととらえる緑っぽさがそれほど強調されておらず、硫黄っぽさを全く感じません。さらにサンセールにしては酸と果実味のバランスが果実の方によりすぎていると判断しました。

反対にシャブリのミネラルの感じというよりはピュリニーに近いものを感じたのですが、それでも、ピュリニー独特の縦に抜ける一本芯の通った強いミネラルの感じもないために悩みました。(ムルソーやシャサーニュのようなふくよかさや柔らかさではないため、シャルドネならシャブリかピュリニー・モンラッシェ以外考えられませんでした)

シャルドネ(ピュリニー・モンラッシェとシャブリ)とサンセールの特徴を天秤にかけて、最終的にピュリニー・モンラッシェのヴィラージュで…、と解答としました。

結果はサンセール(ソーヴィニヨン・ブラン)。2009年というフランス全土がよい天候に恵まれた年のよく熟したソーヴィニヨン・ブランから造られた素晴らしいワインでした。→ちなみに生産者も私が最高だと思っているドメーヌ・ヴァシュロンでした。
持ち寄りのブラインド会ですから、持って来た人は騙してやろうと思っていたわけです。そして、その意図に違わず私はあっさり騙されたというわけです。

結果がわかった後にテイスティングすると、サンセールらしさもしっかり感じられ、シャルドネと間違えたことを悔やみました。しかし、それは私の中にあるソーヴィニヨン・ブラン/サンセールのイメージをこの目の前にある白ワインに投影した結果、より特徴的に感じてしまったというある意味錯覚でもあるのです。

先入観のある、なしで感じることも違うということがよくわかります。

先日の「どちらが高いワインだと思う?」という話も、違うワインだという先入観を持たされることが判断を誤らせることに大きく関与しているのです。

とにかく今は主要ブドウ品種に絞って各ブドウ品種の特徴を捉える為のテイスティングを行い、感じたことを記録してください。そして、テイスティングしたワインを振り返ります。それぞれのワインが基準からどの距離にあるのかということを常に意識しながら繰り返しテイスティングすることで、徐々にワインがわかるようになってきます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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