第46回 ”黒”ブドウ品種の特徴

   

いただいたメッセージにお答えします。

紹介されていた「10種のぶどうでわかるワイン」(石田博著)を読みましたが、シュナン・ブランが入っている事にビックリしました。過去の出題から見てもほぼ可能性は無いと思うのですが、一応押さえておいた方が良いでしょうか?今の時点で手を広げ過ぎても、とも思っているのですが。

無視しましょう。 シュナン・ブランはフランス・ロワール地方において真価を発揮し、驚くほど長期熟成に耐えるワイン、また貴腐葡萄から素晴らしい甘口ワインが造られています。たま、近年、南アフリカにおいてもすばらいシュナン・ブランが作られています。
香りや味わいも他のブドウにはない個性を持っており、試験的に狙われてもおかしくありません。また、酸がしっかりしており、暑い地方で造られても酸が残る為、アジア圏などでも重宝されております。→コンクールのテイスティングにも出題されたインドのスーラ・ヴィンヤードのシュナン・ブランなど。

決して無視できる存在ではないとも言えるのです。 ただ、正直どうなるかはわかりません。近い将来出題される日が来るでしょう。しかし、今年のこの講座では無視して進めることにします。とにかく、これまで出題されていないのです。→90年代に一度出題されたことがあったような…。

個人的には出題されるならオーストリアのグリューナー・フェルトリーナーの方が先ではないかと思っています。オーストリアを代表するブドウ品種で、近年日本の市場でも一般的ですから。でも、こちらもやりません。まだ出題されておらず、ソムリエ試験的に定番になっていないからです。

おっしゃる通り、手を広げすぎることがマイナスです。シュナン・ブランに時間を取られるなら、リースリングやソーヴィニヨン・ブランをしっかり経験し対策すべきです。

主要ブドウ品種はもうおおよそ大丈夫!それぞれの香り・味わいがスラッとイメージできるくらいものすご~く自信のある方はこれらのブドウまで経験しておく方が良いかも知れません。しかし、ほとんどの皆さんはシュナン・ブランなどにかまけている時間は一ミリもありません。これから二次試験当日まで、リースリングですら何回テイスティングできるか考えてください。まず何よりも頻出主要ブドウ品種の特徴を捉えること・感じることが最優先です。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

イメージ、意識することがとっても大切です。祈願も意識、合格を祈願して押してください!
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第46回 主要”黒”ブドウ品種の特徴

今回は主要黒ブドウ品種の特徴についてお伝えします。

昨年度グルナッシュが、その前の年にマルベックが出題されました。ちょっとびっくりしましたが、ほとんどの方が答えられなかったでしょうから合否には関係なかったはずです。

今後もこの講座において主要ブドウ品種としていないアイテムが出題される可能性は大いにあります。ただ、例えば、マルベックをカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロと想定してテイスティングを進めてもテイスティングコメント的にはそんなに大外ししませんので、問題ありません。さらに言えば、ガメイとピノ・ノワール/仏を、カベルネ・ソーヴィニヨン/米とシラー/豪を取り違えても些細な減点です。しかし、ピノ・ノワール/仏とカベルネ・ソーヴィニヨン/仏を取り違えると、また、近年は差が少なくなりつつあるとはいえ、フランス産と新世界産を取り違えると大きなマイナスになります。色調、酸、アルコールのボリューム感等の違いからテイスティングコメントが大幅に異なってしまうからです。

毎年、ブドウ品種正解「0」で合格される方がいらっしゃいます。繰り返しますが、ブドウ品種を当てることだけが重要ではないということです。合格するためにはブドウ品種にこだわる以上にタイプわけを間違えないことが大切なんです。ブドウ品種正解「0」で合格された方は、そのタイプわけのところで大きく外しておらず、テイスティングコメントがそれなりに適切であったと考えられるからです。

それでも、ブドウ品種を当てることがそれほど重要ではないとはいえ、各ブドウ品種の特徴を知らずして先に進むことはできません。今日はその所のお話です。

黒ブドウ編

◆カベルネ・ソーヴィニヨン
二次試験に出題される品種の中で最も黒く濃い色調です。ピーマンやハーブ、黒い果実をはじめとする複雑な香り。最も収斂性があり渋味が強い。

・外観
濃い。のニュアンスが最も強い。粘性もしっかりとしています。

・香り
カシス・ブラックベリーなどの黒い果実ピーマン、森の中、鉛筆の芯(ボルドー)、コーヒー、インクなど。アメリカやオーストラリアのものになると緑っぽさが少なくなり、より熟した甘いニュアンスが強くなります。黒い果実もコンポートやジャムのニュアンスに。基本的に“黒っぽいもの”の香りがします。樽のニュアンスを感じることが多くとても複雑です。
→この複雑さを理解してください。シラー/シラーズはここまでの複雑さがないんです。

・味わい
渋味と複雑さが特徴です。黒系果実の凝縮感、酸、アルコール全てがしっかりしている為、ガッチリした印象で、いろんな要素が主張し複雑です。ソムリエ試験的には、ネッビオーロの次に渋味(収斂性)を感じます。ただ、新世界のものは凝縮感に勝るため、渋みだけをそれほど突出して感じないこともあります。

・まとめ
カベルネ・ソーヴィニヨンは過去に四カ国のものが出題されています。特に新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンは圧倒的な凝縮感にアルコールのボリューム感を感じることが定番でした。ただ、近年、濃くて果実味重視のスタイルからエレガントなスタイルに移り変わりつつあることも事実です。

フランス以外のものの生産国を判別するのは非常に難しいです。それでもなんとか、新世界産のカベルネ・ソーヴィニヨンをそれとなくわけてみると、アメリカ産は果実の凝縮感・アルコールのボリューム感で群を抜き、ただ、やや単調で余韻に甘味が残ります。オーストラリア産もアメリカ産に近い印象ですが、なんとなく清涼感と緑っぽさを感じ(フランス産とは違うユーカリの緑)、チリ産は独特の香りがあり、酸味が強い気がします。しかし、時間もありませんから、細かいことはあきらめて、フランス産か新世界産の二者択一を意識するのが賢明でしょう。
→カベルネ・ソーヴィニヨンに限った話ではないのですが、オーストラリアの赤ワインからは独特のユーカリっぽさを感じることが多いんです。不思議ですよね。

シラー/シラーズ
カベルネ・ソーヴィニヨンと同様に色が濃いのですが、何となく明るさを感じます。私はこのブドウ独特の酸を感じるのでほぼ間違えません。マリネされたオリーブの酸味ってイメージなんですがわかりますか?

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・外観
濃い。濃く黒いけどほんのり明るく華やかな感じ。粘性も強い。

・香り
よく黒コショウの香りスパイシーと表現されますが、私は上記のオリーブのちょっと緑っぽい酸味が一番わかり易いです。加えて、赤黒い熟した果実と複雑なスパイスの風味。動物的なニュアンスを感じるものもあります。

・味わい
酸味をしっかり感じます。渋味やその他の要素もしっかりしているため、強いワインのカテゴリーに入ります。

・まとめ
フランス産とオーストラリア産の違いはまずまずわかりやすいです。オーストラリアのシラーズは酸がやや控えめで、アルコールのボリュームを感じます(この感じはシラー/シラーズに限ったことではありませんが)。果実味はより熟した感じ、ジャムっぽくなります。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラー/シラーズの酸の違いを感じてほしいです。→そして、オーストラリアのシラーズが、最もユーカリのニュアンスを感じることが多いと言えます。

ピノ・ノワール
ソムリエ試験的に淡い色調といえばピノ・ノワールです。この段階で疑ってよいくらいです。ただ、ガメイも微妙なラインですし、新世界のピノは濃い色調のものもあります。

・外観
他のブドウに比べて圧倒的に明るく輝いています。赤く淡い色調で、透けてグラスの向こう側が見えることが多いです。(色素量が少ない)

・香り
赤い果実のニュアンス。スミレやバラのような華やかな香りも感じられます。赤ワインなのにスッキリした印象があり、特にフランスのピノ・ノワールはミネラルによる清涼感を感じることがあります。渋味は控え目ですが、それでもちゃんと感じます。

新世界産ではNZ/オーストラリア→アメリカの順に熟したニュアンス、樽の香りが強くなります。

・味わい
香りの印象通り赤い果実が主体で、特に奇麗な酸が特徴です。とってもエレガント。香りと同様に新世界のものは酸が低くなり、凝縮感・樽のニュアンスが強くなります。

・まとめ
全てにおいて”赤い果実”のニュアンスです。

◆サンジョヴェーゼ
私はイタリアワイン全体的に独特のニュアンスを感じるのでいつも不思議に思います。それを言葉にするのは難しいのですが、あえてここに書くなら、”土っぽくて甘い”と言ったところでしょうか。

このイタリアっぽさに加え、このサンジョヴェーゼは独特の酸味を感じることが多く、(かなりの生産量を誇り、非常に幅広くさまざまなタイプが造られているので一概に言えませんが)比較的にバランスが取れていると思います。

・外観
赤黒いニュアンス、どちらかと言えば濃い目でちょっとくすんだイメージです。

・香り
赤い果実と黒い果実が混ざります。土っぽく、鉄っぽい。そして、シソの香り。さらに独特の薬っぽい香りを感じることが多いです。
酸味とイタリア的甘さを感じさせる香りも。樽のニュアンスが前面に出ているワインもあります。

・味わい
酸味と乾いた渋味。酸味と甘さが主体の軽めのワインからボルドーに近いしっかりとしたワインまで幅広く造られています。

・まとめ
私はどうしてもイタリアっぽさを感じるところから入ります。土っぽいのです。後述のネッビオーロよりもこの土っぽさをより感じ、渋味は控えめです。

◆メルロ←ソムリエ試験的にとっても難しいので、かなり余裕がある方以外は無視していいです。
私のイメージは黒くて緻密な香り、丸くて滑らかな味わいです。

・外観
色調のイメージはカベルネ・ソーヴィニヨンとシラー/シラーズの中間くらいです。→便宜上このように書きましたが、こんなのワイン次第です。かなり黒みが強く濃いタイプです。粘性も強い

・香り
黒系果実の香りが主体。凝縮感があります。カベルネ・ソーヴィニヨンのを穏やかにして丸くした感じ。柔らかくて緻密。少し”しっとり”しています。概ね樽のニュアンスをしっかり感じます。

・味わい
こちらも黒い果実が主体ですが、丸いんです。酸も渋味も豊富なのですが、果実の凝縮感、粘性の陰に隠れており、穏やかで収斂性をそれほど感じません。悪く言えばあまり特徴がないとも言えます。角が取れた(丸くなった)カベルネ・ソーヴィニヨンのイメージ。←ということはカベルネ・ソーヴィニヨンは丸くない、角ばっているってことです。

・まとめ
黒い系の中で、優しく柔らかい感じ。この柔らかさ故、樽のお化粧が際立ちます。フランスと日本のメルロはそれなりに特徴がありますが、新世界・メルロは完全にあきらめましょう。新世界はカベルネとシラーズの違いすら難しいのですから。

●ネッビオーロ
イメージは黒くて渋くて強いピノ・ノワールです。イタリアの比較的冷涼な地域で栽培される為か、私の思うイタリアらしさをサンジョヴェーゼほど感じません。

・外観
比較的淡い系(透けて向こうが見える)からやや濃い系までさまざまです。赤黒い感じ。バローロ、バルバレスコに数年間の熟成義務があるように、ある程度こなれた状態で市場に出てきます。ですから、少し酸化熟成した赤いニュアンスを目にすることが多いように思います。

・香り
赤から黒系果実にやや寄り気味。熟成義務がある地域である為、複雑なニュアンスを持つものも多い。フレッシュなフルーツの感じが少ないと考えてもいい血っぽさ、紅茶、キノコ。スパイスや樽のニュアンスも比較的しっかり感じます。

・味わい
ややこなれた味わい。渋みが強烈、酸味はしっかり目。バローロやバルバレスコの熟成期間はネッビオーロの渋味を和らげるためと言われており、もともと収斂性が高い品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると、カベルネが黒果実のニュアンスが主体であるのに対して、こちらはかなり赤い感じが混じります。また、カベルネはここまではっきりと酸を感じません。

・まとめ
私は受験時代にピノとの違いに悩んだ経験があり、ピノとの関連性を意識してしまいますが渋味の強いシラーと言う人もます。独特の存在感があります。

●ガメイ
ピノ・ノワールに近い感じがしますが、よりシンプルでやや甘く、緩い感じ。ピノ・ノワールとは違いほとんど渋みを感じません
→二次試験のタイミング的にボージョレ・ヌーヴォーが試験に出ることはなく、AOC Beaujolaisでは特徴をとらえるにしても価格的にも試験向きだとは思えません。フランス以外のものは出題されないでしょうからCrus du Beaujolaisクラスを想定しています。

・外観
比較的淡い色調とはいえ、ピノ・ノワールよりは濃い。意外に紫が強い輝きが少ない

・香り
赤い果実とスミレの香りが主体。そして、余韻といいますか残り香に丁子のような漢方的なニュアンスを感じることも。全てではありませんが、地域的にマセラシオン・カルボニックによる独特のバナナ香が見られます。シンプルな香り。ピノ・ノワールのように複雑さ、奥行きを感じない。シソ、イチゴキャンディー。→反対にバナナ香、甘いニュアンスを感じたらガメイを疑ってください。
※シンプル=(悪い言い方をすれば)単調。

・味わい
ワインによってはしっかり目のワインもありますが、こちらも基本的に複雑さはなく赤系果実主体のシンプルな味わい渋味をほとんど感じないことが特徴。

・まとめ
受験当時、私はガメイとピノの違いに大いに悩みました。今となっては良き思い出です。ガメイはピノ・ノワールとは異なりシンプルで収斂性がほとんどなく、イチゴキャンディーっぽさをより感じます。

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このイチゴキャンティーは低価格のピノ・ノワールやガメイの特徴的な香りです。

マスカット・ベーリーA
さて、主要ブドウ品種としては新入りのマスカット・ベーリーAです。べーリー種とマスカット・ハンブルグ種の交配品種。→詳しくは日本の項目で勉強します。

何と言っても特有の甘い香りが一番の特徴です。意外と濃いめの色調、そして色調のわりにタンニンを感じず渋みが少ない一般的に軽めでフレッシュな赤ワインとなりますソムリエ試験的にはガメイと迷うところまで行けばOKです。

・外観
意外に濃いとはいえ、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー的な強さはもちろんありません。ガメイと同じくらいのイメージでしょうか。粘性もまぁ、それほど感じないことが多いです。

・香り
特有の甘い香り。基本はイチゴ系の赤い果実が主体。加えて、イチゴキャンディー、綿菓子(綿あめ)、蒸した芋など。ガメイよりも甘みが強く、よりしっとりしたニュアンスを感じます。

・味わい
みずみずしい果実味に、優しい酸味、渋みをほとんど感じないことから軽めでフレッシュな印象です。香りの”甘さ”に通じる果実味を味わいにも感じます。ガメイと同様に複雑さはなく、シンプルで余韻の短いワインが多い。

・まとめ
ガメイとマスカット・ベーリーAが共に複雑さのないシンプルなタイプであることをまず理解しましょう。その後、余裕のある方はガメイとの違いを意識してみると良いと思います。マスカット・ベーリーAはガメイに比べて酸は穏やか、全体的に甘くてちょっとぼんやりしているイメージです。

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お疲れ様でした。白ブドウに引き続き黒ブドウも難しいですね。受験当時私もかなり苦労しました。←そして、結局あまりわかんないまま試験会場に向かいました…。

今回の内容が皆さんになんとか伝わればよいのですが。本来言葉でワインを表現するものではないのかもしれません。

お役に立てれば幸いです。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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 - ◆二次のテイスティングはなんとかなる!, ・主要ブドウ品種の特徴