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初心者のためのフランスワイン講座
試験対策ではないかもしれないけど…

西オーストラリア、南オーストラリア

2020/06/22
 
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第97回

さて、このような質問をいただきました。

【シニア過去問】

甲州種を若々しく、爽やかで軽快な味わいに仕上げるための醸造法を原語またはカタカナで記入しなさい。 

この醸造法が、教本の甲州の欄、酒類概論を調べてもわかりませんでした。スキンコンタクトでしょうか? 有名と書いてあり大変恥ずかしいのですが、初心者から勉強を始めており、常識や有名と記載のあることでも知らないことが多くあります。お手数ですが解答をお教えいただけますと幸いです。  

いただいた質問にお答えする前に一つお話を。
先日、ある飲食店の若いスタッフの方に「ブルゴーニュのミュスカデです」と説明を受けながら白ワインをサーブしてもらいました。私はその店の店主からその彼女が今年のソムリエ試験を受験すると聞いていましたので、少々おこがましいかと思いましたが、「ミュスカデはブルゴーニュじゃないよ」と伝えてみました。おそらく、ミュスカデ=ムロン・ド・ブルゴーニュと勘違いしたのだと思われます。
その彼女はもしかすると顔から火が出るほど恥ずかしかったかもしれませんが、これで一生ミュスカデのことを忘れることはありません。

斯く言う私もこれまでに幾多の恥をかいてまいりました。ワインに関しても、今でもブラインドテイスティングで思いっきり間違えるわけです。時には自信満々に。ですが、その間違えて恥をかいたワインほど強く印象に残っています。次にテイスティングした時により明確に違いを感じられるようになることもあります。

私も間違えていろいろ学んできましたので、そのミュスカデの彼女、ちょっと可哀想でしたが、はっきりと伝えてみました。

恥をかいて知るほどのインパクトはありませんが、わからないことをいろいろと調べることで、記憶の定着率が飛躍的に上がります。
その調べる過程においてかなり真剣に”わからないこと”を意識し正解を探し続けますから、何気なく暗記作業をしている時の集中力とは比べものになりません。また、探しながら読みながら解決しようと頭がフル回転しますから、理解の度合いも全く違ったものになります。このような理由からもこの講座では【過去問】に解答を載せていないんです。

さて、質問いただいた過去問の正解は『シュル・リー / sur lie』です。奇しくも、上記のミュスカデのところで出てきた醸造法です。シュル・リーとはフランス語でsur lieと書き、「オリの上」という意味になります。そして、このシュル・リーが近年、ある分野の白ワインの決定的な強みになってきていると感じるので、こちらでお答えすることにしました。いわゆる還元熟成のことです。
糖分が酵母によってアルコールに分解されることで果汁からワインになるわけですが、ある程度アルコール度数が上がると酵母は自ら作ったアルコールによって死滅してしまい澱となって沈殿します。その澱を取り除かずに数か月間そのままワインと接触させて置くことをシュル・リーといいます。
一般的に発酵を終えたワインは澱を沈めて上澄みのワインを他のタンクへ移し、澱との接触を避けます。この澱は除去しないと腐敗のリスクや澱臭などマイナスの影響をもたらすからです。また、”澱引き”作業中における適度な空気との接触は、ワインの未熟な風味を消す効果もあるようです。

シュル・リーにおいては、ワイン造りでは常識とされている”澱引き”を行わず、タンクを低温かつ嫌気状態で管理することによって腐敗のリスクを避け、澱とワインと一緒に静置することができます。この嫌気状態は言い換えると還元状態(酸化の反対)ということです。

酵母の死体は酵素によって自己消化されアミノ酸となるため、ワインに旨味を与え、豊かな風味をもたらします。加えて、瓶詰めまで嫌気的な状態を維持するわけですから酸化の影響を受けず、発酵中に生成したエステル香などの繊細な香気成分がそのまま残り、フレッシュでフルーティなワインに仕上がるというわけです。これらの特徴をうまく利用しているのがシャンパーニュです。

ワインにおいて酸化・還元という言葉を耳にすると思いますが、ワインの熟成はゆるやかな酸化です。そして酸化の反対が還元、ということで、還元状態に置かれたワインは若々しいフレッシュさを保ちます→ワインの還元はこれだけではありません。また、還元劣化ということもあり、なかなか一筋縄ではいきません。そして、ここ一、二年の二次のテイスティングでは「嫌気的」など還元状態を理解しているかどうかを問われる模範解答が選択されています。でも、嫌気的・還元状態を理解するのはなかなかむつかしいです…。

さて、これといった特徴のないワインにしか仕上がらなかった甲州が初めてシュル・リーによって造られたのが1983年です。シュル・リーによって味わい深く旨みを増しつつも、フレッシュで繊細な香りを保つというという醸造法が、それほど特徴のないぼんやりとした甲州にはピッタリだったというわけです。

「明日」という言葉は、優柔不断な人々と子供のために考案された。by ツルゲーネフ

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※表紙はクナワラのテラロッサ(赤い土壌)




西オーストラリア、南オーストラリア

F 西オーストラリア州

1820年代後半、英国からの移民によってパース周辺でブドウ栽培が始まりました。また、マーガレット・リヴァー、グレート・サザンなどの産地は科学的な裏付けをもって開発が進みました。生産量としてはオーストラリア全体の2%を占めるにすぎませんが、品質はトップクラスと言われています。

Sean District→Swan District
温暖な地中海性気候。西オーストラリア州における唯一の古くからの産地。シュナン・ブラン、ヴェルデーリョやセミヨン、シャルドネなど白ブドウが伝統的に栽培されています。

・Margaret River
ジョン・グラッドストーンズ博士の研究により、1960年代後半に大きな期待とともに誕生した産地です。インド洋に突き出た半島に位置し南北に約110㎞、典型的な地中海性気候で一年を通して温暖です。リゾート地としても有名。→この110㎞が2019年のCBT試験に出題されました。

長熟型の赤ワインを産する地として、ボルドーよりもイタリアのボルゲリ、ナパ・ヴァレーを連想させます。カベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、白ワインが6割を占めます。次いで、ソーヴィニヨン・ブラン→シャルドネ→セミヨン→シラーズ。

・Great Southern
こちらはハロルド・オルモ博士の調査報告により開発。シラーズと特にリースリングが有名。
→この産地がマーガレット・リヴァーと並ぶ名醸地とならなかったのは、消費地のパースから400㎞も離れ、その間を巨大な森林により隔離さているため。

・Geographe




G 南オーストラリア州

オーストラリア全生産量の半分を占める大産地です。世界のワイン産地から遠く離れていたこともあり、オーストラリア東部を襲ったフィロキセラ被害から逃れ、その後も検疫規制のおかげで未だに完全に守られています。故に自根のブドウ樹、古木が多数存在します。州都はアデレード。

マウント・ロフティー山地からアデレード周域6主要山地
→今から100万年〜200万年前の造山活動により、カンガルー・アイランドからクレア・ヴァレー近辺まで続く山地が出来上がりました。このマウント・ロフティー山地に沿ってワイン山地が連なります。州都アデレードと共に位置関係をしっかり見ておいてください。

・Barossa Valley
山裾の平坦地で表土が深く、降水量が少ないためコクのある赤(黒ブドウ85%、内シラーズ50%)、芳醇な白ワイン(セミヨン、リースリング)が多い。シラーズの首都と言える高級ワイン産地。ドイツからの宗教移民の影響が見られます。100年以上の古樹が豊富。お隣のイーデン・ヴァレーとは標高差150m以上の断崖で隔てられています。ワインと土壌の関係を解説「バロッサ・グラウンズ」。次のイーデン・ヴァレーと合わせたGIバロッサ。

Eden Valley
マウント・ロフティーの上の産地。「山のワイン」。リースリングの産地としてクレア・ヴァレーと双璧をなしています。シラーズも有名です。白赤半々。灌漑用の供給源の確保が難しく、新規参入が困難な産地。

・Adelaide Hills

山の産地で冷涼。シャルドネ、ピノ・ノワール、シラーズ。近年高級スティルワインとスパークリングワインの生産において重要度が急速に高まっています。白ワインが6割。

・Clare Valley

やや内陸、標高が高い。大陸性気候。オーストラリア最高のリースリングの産地として有名ですが、最高級のシラーズも有名。→生産比率は黒ブドウ65%:白ブドウ35%。「バロッサ・グラウンズ」に対する「クレア・ヴァレー・ロックス」。

・McLaren Vale
海沿いの平坦地に広がるブドウ産地。シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの黒ブドウが大部分を占め、また、イタリア系移民が多いことからもイタリア・スペイン系品種が増えています。

・Langhorne Creek
元々は海だったため、石灰岩が多い。下記のテラロッサにやや似た土壌。赤ワインが8割。

ーーー

Coonawarra

テラロッサ土壌で生産されるオーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨン銘醸地。南オーストラリア州の最南東に位置し、ボルドーに似た海洋性気候。
テラロッサ(赤い土の意)赤い粘土質と石灰岩質が合わさった赤色土壌。粘土質中の鉄分が酸化したことにより表土が赤色を呈する。

・Riverland

南オーストラリア州の60%、この国全体でも30%を占める生産量を誇ります。灌漑が不可欠です。

・Kangaroo Island

オーストラリアで三番目に大きい島です。

・Padthaway
クナワラの代替地として開発も白ワインの品質が向上。

地図を見てイメージすると良いかもしれません。

ここまでで一度【過去問】を確認してみましょう。



ソムリエ試験 過去問

【過去問】
次の産地の中で Barossa Valley に隣接しているものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. McLaren Vale
2. Coonawarra
3. Eden Valley
4. Clare Valley

【解説】
上記で紹介した産地の位置関係は地図で確認しておく必要があるということです。

【過去問】
バロッサ・ヴァレーの栽培面積の約5割を占める品種を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Chardonnay
2. Cabernet Sauvignon
3. Semillon
4. Shiraz

【過去問】
鉄分を含んだ赤い表土と、白い石灰岩質土壌から成る有名な土壌は何と呼ばれるか1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. テラッサ
2. テラロッサ
3. テラコッタ
4. テラストーン

【解説】
さらに、どの産地で有名な土壌でしょうか?

【過去問】
次のワイン産地の中からアデレードに最も近い産地を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. McLaren Vale
2. Hunter
3. Yarra Valley
4. Tumbarumba

【解説】
地図の問題。このような問われ方もあります。

【過去問】
南オーストラリア州に位置し、Clare Valley に並ぶリースリングの伝統的な産地を1 つ選んでください。

1. King Valley
2. Heathcote
3. Goulburn Valley
4. Eden Valley

【過去問】
オーストラリアのワイン産地 Coonawarra が位置する州を 1 つ選んでください。

1. 南オーストラリア州
2. ビクトリア州
3. ニュー・サウス・ウェールズ州
4. 西オーストラリア州

【過去問】
次のオーストラリアの生産地区の中から西オーストラリア州に属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. South Burnett
2. Swan District
3. Yalla Valley
4. Riverina

【過去問】
オーストラリアのクナワラの特徴的な土壌を 1 つ選んでください。

1. ライムストーン
2. テラロッサ
3. サンドストーン
4. バルバロッサ

【過去問】
西オーストラリア州最有力と言われるファインワイン産地を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Tumbarumba
2. Margaret River
3. Yarra Valley
4. Hunter

【過去問】
次に挙げるオーストラリアのワイン産地で最も西に位置するものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. タスマニア
2.
アデレード・ヒルズ
3.
マーガレット・リヴァー
4.
サウス・バーネット

【解説】
自信を持って答えられなかった方は今すぐ、地図で確認してください。




【過去問】
南オーストラリア州に位置するオーストラリアを代表する Riesling 産地を 1 つ選んでください。

1. Orange
2. Geographe
3. Mornington Peninsula
4. Clare Valley

【過去問】

Eden Valley が位置する州を 1 つ選んでください。

1. South Australia
2. Victoria
3. New South Wales
4. Western Australia

【過去問】

オーストラリアにおいて、テラロッサ土壌で有名な G.I. を 1つ選んでください。

1. Swan District
2. Eden Valley
3. Adelaide Hills

4. Coonawarra

【過去問】
ファインワインの生産地として知られる西オーストラリア州の有力産地マーガレット・リヴァーが誕生した年代を 1 つ選んでください。

1. 1950 年代
2. 1970 年代
3. 1980 年代
4. 1990 年代

【過去問】
次の中からオーストラリアで最も西に位置し、地中海性気候により良質のChardonnay 、Cabernet Sauvignon で知られるワイン産地を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Barossa Valley
2. Yarra Valley
3. Adelaide Hills
4. Margaret River

【解説】
上記の選択肢の中から西の生産地で良質のChardonnay 、Cabernet Sauvignonとなれば選ぶべきものは一つしかありません。

【過去問】

オーストラリアを代表するリースリングの産地である南オーストラリア州のワイン産地を1つ選んでください。

1. KingValley
2. Geelong
3. Clare Valley

4. Coonawarra

【過去問】
次の中からオーストラリアのワイン産地Great Southernが属する州名を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Queensland
2. New South Wales
3. South Australia
4. Western Australia

【過去問】
次のオーストラリアワイン生産地の中からハロルド・オルモ博士とジョン・グラッドストーンズ博士の研究に触発された形で1970年代はじめに大きな期待とともに誕生した産地を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Tasmania
2. Margaret River
3. Yarra Valley
4. Tumbarumba

【過去問】
次のオーストラリアのワイン産地の中から西オーストラリア州に属するものを1つ選んでください

1. Geographe
2. Mornington Peninsula
3. Hunter
4. Clare Valley

【解説】
わからなければ消去法です。

【過去問】

オーストラリアのクナワラの特徴的な土壌を1つ選んでください。

1. ライムストーン
2. テラロッサ
3. サンドストーン

4. バルバロッサ

【過去問】

次のオーストラリアワインの生産地区の中から南オーストラリア州に位置するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Geographe
2. Cowra
3. Goulburn Valley

4. Coonawarra

【過去問】

次のオーストラリアのワイン産地の特徴に関する記述に該当する産地名を下記の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。「この地方では、最高級のテーブルワインとスパークリングの生産において重要度が急速に高まっている。ただ、発展を妨げる要素として、水の確保並びに土地の代替利用に関する規制が挙げられる」

1. Adelaide Hills
2. Coonawarra
3. Clare Valley

4. Hunter Valley

【過去問】

次のオーストラリアの生産地区の中から南オーストラリア州に属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Granite Belt
2. Great Southern
3. Padthaway

4. Goulburn Valley

【解説】

上記の産地がどこの州に属しているかを確認しておきましょう。

【過去問】

次の中から南オーストラリア州でEden Valleyとならび、リースリングで知られるワイン産地を1つ選んでください。

1. Adelaide Hills
2. Adelaide Plains
3. Barossa Valley

4. Clare Valley

【解説】

南オーストラリア州でリースリングと言えば。 

なかなかハードでしたね。次回、オーストラリアの残りをやっつけてしまいます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩






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