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西オーストラリア、南オーストラリア <B>

2021/07/08
 
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第98回

先日、ワールドカップアジア予選の組み合わせ抽選がありました。他全て中東の組に入った韓国のA組でなくてよかったと言われている一方で、初のベスト8入りを目指す日本としては”アジア予選くらい”は普通に突破してもらいたいといったコメントも見受けられました。

てか、その前にオリンピックですね。

さて、以前、サッカー好きとして知られる明石家さんま氏がサッカー日本代表の試合を見て感じたコメントが新聞に掲載されており、面白いなと思ったので紹介します。

日本人サッカー選手の欠点を「想像力が乏しい」と指摘した。
明石家さんま氏は、ブラジルやスペインのサッカーを「ひらめきがすごい」と賞賛。さらに、メンバー同士で「ここにパスをする」「ここにパスがくる」というイメージの連携がとれていると語った。

そして、「日本人はイマジネーションが足りないんですよ。元々国民性がね」と主張。日本人は頭が良い代わりに想像力が乏しいと持論を展開させた。

私はさんま氏のコメントの意味がよくわかります。日本人の国民性として、
”イメージ”
”ひらめき”
ここが本当に日本人の弱いところの一つです。

日本人も幼少期にはさまざまな発想・ひらめきをイメージとして思い浮かべていたに違いありません。しかし、間違えることが恥ずかしいという日本の文化、大人の感覚の元、自由な発想・イメージを持つことはダメだと教わってしまいます。なんと言っても日本は”出る杭は打たれる”文化で、協調性、横並び、平等、正解を好みます。
→出る杭になっても打たれないためには、打たれないくらい圧倒的に高くそびえる杭になることで、ただ、誰もが簡単になれるものではありません。

例えば、幼稚園でリンゴの絵を描かせるとします。日本ではリンゴは赤色か薄い緑色に塗られた絵が評価されることが多く、黒や青、オレンジ色等、大人がリンゴから想像しえない色を使うと”間違っている”と指導されることが多いと聞きます。一方で例えば、個人主義の国フランスでは実際のリンゴが何色であろうと、幼児の絵の色彩感覚や自由な発想を褒め称えます。この幼少期からの枠にハマらない発想、イメージが人の感性を豊かにします。自由に発想できることは勉強ができること、頭が良いこととはまた別の能力です。

日本人が勤勉である理由の一つは、枠からはみ出すことがいけないとされる土壌に由来するような気がします。はみ出さずに協調性、恥を重んじるため皆一様に行動します。もともと農耕民族であったことも関係しているのでしょう。まじめで与えられた物事はしっかりこなします。存在するものを改良して素晴らしい品質に作り替えます。海外にいるとメイド・イン・ジャパンがいかに素晴らしいかが本当によくわかります。

一方で日本人は皆おおよそ平均的で、飛び抜けた天才が生まれにくい環境です。また、芸術的発想・センスに乏しい国民性と言われます。音楽や絵画など芸術を志す多くの方が海外に飛び出す理由もこのあたりにあるのでしょう。

勤勉で平均的、大人しい国民性に、成熟した経済、(国家として)管理する側にとって日本ほど統治しやすい国はないでしょう。

さんま氏が言う「想像力が乏しい」。
間違ってはいけないと思う思考、人と違うことが恥ずかしいと思う感覚、正解を探し求める習慣。自由な発想を良しとしない日本で育ち、それゆえに良くも悪くも遊びから学べない。マニュアル通りの解答しか持てない。極論すれば自分自身で考えることができない…。

平均的であることが良しとされているため、自由の部分が少なく、想像する習慣があまりない為、型にハマった時はいいのですが、崩されると弱い。勝負どころ、強弱を読みきれないという意味まで含んでいるようにも思います。

技術面、精神面、体力面、全てにおいて日本のサッカーはまだ世界のトップレベルではないのかもしれませんが、それ以上にこの想像力、イメージする力の欠如が足枷になっていると私も思います。

試験対策に話を移せば、特にテイスティングは”イメージ”だと言えます。映像として数値として言葉として頭の中にパッと広がる、浮かび上がるものを持てるようになれば強いのです。イメージすることに慣れていない方はおそらく苦労します。さらに、テイスティングには絶対に正解と言うものがありませんから余計にです。反対にスムーズにイメージできる人はそのイメージ通りにさまざまな事柄が展開される経験をお持ちでしょうから、テイスティング対策も順調に進むものと思われます。

全ての事柄はある程度イメージ通りに進むものです。強いイメージによって導かれるといっても良いかもしれません。

メッシやイチローはおそらく(会ったことも話したこともありませんが)試合中の全ての事象が完璧にイメージ出来ているんだと思います。そして、そのイメージをどこまで具現化できるか、彼らの戦いはそこにあるのでしょう。まさに天才です。

イメージする、イメージトレーニング。そして、あなたが合格するという強いイメージ。

私は合格するためにテイスティングについても”イメージ”することが良い結果をもたらしてくれると信じております。

小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道 by イチロー
ってイチローが言ってるんですよ。てか、どんだけ重ねたのだろうか…。

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※表紙はクナワラのテラロッサ(赤い土壌)



西オーストラリア、南オーストラリア <B>

 

オーストラリアは新世界のワイン産地としてソムリエ試験的に非常に重要な位置を占めています。ただ、これまではそれほどつっこんだ出題は見られず、広くポイントを押さえて理解しておけば得点源になりました。

近年、力強く果実味いっぱいのシラーズ一辺倒の時代から、ピノ・ノワールや瓶内二次スパークリング、さらに若い造り手の間で起きている「ナチュラル・ワイン・ムーヴメント」など、オーストラリアワインとしての変貌が随所に見られます。結果、日本の市場においてもより重要な位置を占めるようになってきました。さらにCBT方式以降、ちょっと突っ込んだ産地の問題が見られるようになりました。

もうあまり時間がありませんが、ここはちょっと気合を入れていきましょう。

A 概要

ブドウ栽培地域は、国の南半分にあたる南緯31度から43度の間に帯状に分布し、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで約3,000kmに渡ってワイン産地が点在しています。広大な土地ゆえに気候・土壌も多種多様です。

ワイン産地は下記の6つの州にわけられています。




B 西オーストラリア州

1820年代後半、英国からの移民によってパース北部、スワン・ヴァレー周域でブドウ栽培が始まりました。初めて生産されたワインは1834年の記録が残っています。現在のブドウ栽培の中心である南部のマーガレット・リヴァーやグレート・サザンなどの産地は、当初から科学的な裏付けをもって開発が進んだ世界的にも珍しい産地です。生産量としてはオーストラリア全体の2%を占めるにすぎませんが、品質はトップクラスと言われています。

・Swan District
温暖な地中海性気候。西オーストラリア州における唯一の古くからの産地。シュナン・ブラン、ヴェルデーリョやセミヨン、シャルドネなど白ブドウが伝統的に栽培されています。

・Margaret River
カベルネ・ソーヴィニヨンシャルドネで知られる西オーストラリア最有力のファインワイン産地です。オーストラリア最西端、インド洋に突き出た半島に位置し南北に約110㎞、典型的な地中海性気候で一年を通して温暖です。リゾート地としても有名。

ジョン・グラッドストーンズ博士の研究により、1960年代後半に大きな期待とともに誕生した産地です。さらに1999年に6つのサブゾーンに分類する案を提案中。特に優良なカベルネ・ソーヴィニヨンが造られる”Wilyabrup”が有名。

土地の雰囲気も赤ワインのスタイルも、ボルドーよりもボルゲリやナパを連想させます。カベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、白ワインが6割を占めます。次いで、ソーヴィニヨン・ブラン→シャルドネ→セミヨン→シラーズ。

・Great Southern
リースリング、シラーズ、ピノ・ノワール、シャルドネ、瓶内二次発酵のスパークリングワインなど、個性的なファインワインの産地。
こちらはハロルド・オルモ博士の調査報告により開発。シラーズの優良産地”Frankland River”や、グレート・サザンで初めてブドウが植えられた”Mount Barker”、冷たい海風により冷涼な産地”Denmak”などの5つのサブリージョンを内包します。
→この産地がマーガレット・リヴァーと並ぶ名醸地とならなかったのは、消費地のパースから400㎞も離れ、その間を巨大な森林により隔離さているため。

・Peel
・Geographe




C 南オーストラリア州

オーストラリア全ワイン生産量の約半分を占める大産地です。世界のワイン産地から遠く離れていたこともあり、オーストラリア東部を襲ったフィロキセラからも被害を逃れ、その後も検疫規制のおかげで未だに完全に守られています。故に自根のブドウ樹、古木が多数存在します。州都はアデレード。

◆マウント・ロフティー・レンジズ
今から100万年〜200万年前の造山活動により、カンガルー・アイランドからクレア・ヴァレー近辺まで続く山脈が出来上がりました。このマウント・ロフティー山脈に沿ってワイン産地が連なります。

アデレード・ヒルズ、イーデン・ヴァレー、クレア・ヴァレーはこの山脈に乗った産地で、「山のワイン」であり、品種によっては極めて似た性質のものが見られます。一方で、バロッサ・ヴァレー、マクラーレン・ヴェールは山裾に位置し、表土の深い平坦地にブドウ畑が開かれ、「平坦地の深い土壌のワイン」が造られます。
→標高と表土の厚さに関して、以前こちらで説明しました。規模が全く違うので、個性としての差も違ってきますが、標高が高い、表土が深い(厚い)という意味では同じ考え方です。
※私はフランスワインのソムリエなので思うことですが、あの数十メートルの差で、モンラッシェ、シュバリエ、バタールのテロワールを明確に表現し、世界に知らしめるフランスはやっぱりすごいなと思うわけです。

バロッサ、イーデン、クレアはドイツ系(シレジア地方)移民の文化が、マクラーレン・ヴェールはイタリア系移民の文化が色濃く残っています。

・Barossa Valley
シラーズの首都といえる高級ワイン産地。標高250m~350m、山裾の平坦地で表土が深く、降水量が少ないため長命でコクのある赤ワインが主体で黒ブドウが生産量の85%、内シラーズ50%を占めます。一方、白ワインは早摘みステンレスタンク発酵のセミヨンや標高の高いイーデンヴァレーと接するところで風味の豊かなリースリングが造られます。

1840年頃、宗教迫害を逃れてきたドイツ系移民が入植したことで、ドイツの影響が見られます。また。100年以上の古樹が豊富で、1843年植栽のシラーズがオーストラリア(世界)最古とされています。

土壌が大きく6種類ほどに分けられ、そこから生まれるシラーズのワインと土壌の関係を解説しようという試みが「バロッサ・グラウンズ」として形になりつつあります。中でも、”Nuriootpa””Ebenezer””Lyndoch””Rowlamd Flat”などの小地区が有名です。

次のイーデン・ヴァレーと合わせたGI(Zone)バロッサがあり、「バロッサ」と表記されているワインは両産地のブドウを使っている可能性が高い。ただ、両産地のワインの特徴は大きく異なります。

・Eden Valley
標高400m~550m、マウント・ロフティーの上の産地であり「山のワイン」。リースリングの産地としてクレア・ヴァレーと双璧をなしており、またシラーズとしても重要な産地です。栽培比率は白ブドウと黒ブドウが約半々。灌漑用の供給源の確保が難しく、新規参入が困難な産地で、現在の畑の多くは水源を持つ昔からのものになります。

1864年植栽のシラーズから造られる豪州を代表する単一畑ワイン、ヘンチキ・ワイナリーの「Henschke Hill of Grace」がある”Keyneton”や、リースリングの優良畑である”Pewsey Vale”などの小地区が有名です。

・Adelaide Hills 400-600
こちらも「山のワイン」。シャルドネ、ピノ・ノワール、シラーズ、ソーヴィニヨン・ブランなど、白ブドウが6割を占めます。近年、高級スティルワイン瓶内二次発酵スパークリングワインの生産において重要度が急速に高まっています。2019年の大規模森林火災によって1100haの畑が消失してしまいました。

・Clare Valley
標高400m~500m、同じくマウント・ロフティー上の標高の高い産地。やや内陸に位置するため海の影響を受けず大陸性気候。オーストラリア最高のリースリングの産地として名を馳せておりますが、最高級のシラーズも有名→生産比率は黒ブドウ65%:白ブドウ35%。シラーズの「バロッサ・グラウンズ」に対するリースリングの「クレア・ヴァレー・ロックス」。10ある小地区の中でも、”Watervale””Polish Hill River”などが有名です。

・McLaren Vale
マウント・ロフティーの麓の平坦地に広がるブドウ産地。シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの黒ブドウが大部分を占め、また、近年はイタリア系移民が多いことからもイタリア・スペイン系品種が増えています。

・Langhorne Creek
元々は海だったため、石灰岩が多い。下記のTerra Rossaにやや似た土壌。赤ワインが8割。

◆Limestone Coast
東側のヴィクトリア州との州境から南端のマウント・ガンビア、インド洋に接する海岸線をつなぐ一帯を巨大なGI「ライムストーン・コースト(Zone)」と呼び、下記のワイン産地(GI)が属します。テラロッサ土壌である場合が多い。

Terra Rossa テラロッサ:赤い土の意。赤い粘土質と石灰岩質が合わさった赤色土壌。粘土質中の鉄分が酸化したことにより表土が赤色を呈する。

・Coonawarra
オーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地
。ボルドーに似た海洋性気候、テラロッサ土壌が有名。南オーストラリア州の最南東に位置し、1890年にスコットランド人ジョン・リドックがペラーノという最初のブドウ畑を開拓しました。

・Padthaway
当初はクナワラの代替地として開発されましたが、近年は白ワインの品質が向上。

・Kangaroo Island
オーストラリアで三番目に大きい島です。2020年1月の大規模森林火災で145haのブドウ畑が焼失しました。

・Riverland
大規模な量産ワイン用ブドウ栽培地。南オーストラリア州の60%、この国全体でも30%を占めるブドウ生産量を誇ります。灌漑が不可欠です。

・Robe

ふー。お疲れ様でした。

過去問、CBT想定問題は、とっても大変になりますが、次回、ヴィクトリア州とニュー・サウス・ウェールズ州を終えてからまとめて確認することにします。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩





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