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三次試験対策!ソムリエ呼称のサービス実技について

 
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第155回

さて、まだ2次試験の余韻が冷めやらぬといった感じではありますが、20数年前の私のソムリエ呼称実技試験回顧から…。(皆様からたくさんの2次試験のご報告をいただいています。しっかり読ませていただき、ご返信しております。ありがとうございます。)

私は実技試験の時、極度に緊張していました。今思い出そうにも試験前後の事はまるで記憶にありません。その前に行われたテイスティングの手ごたえが良くなかったことも緊張に拍車をかけました。→当時は午前中にテイスティング、午後に実技という流れでした。

そして、私がやってしまった失敗はデキャンタージュでボトルにワインを残しすぎたことです。お題は覚えていませんが、20数年を経たのグラン・ヴァン、澱を残すタイプのデキャンタージュでした。当時、宴会場勤務であった私は、お客様の前でデキャンタージュを行ったことはありませんでした。それでも、おそらく100回以上練習し普通にやればできるはずでした。でも、気づいた時にはデキャンタージュが終わっており、ボトルにはワインがまだ1/4も残っていました。

本当にショックでした…。ダメだったなぁとガッカリしながら品川駅前のホテルに戻ったことを覚えています。
→当時、私は山形市に住んでおり、二次試験は東京と大阪のみで開催でした。二次試験はテイスティングの後にサービス実技でしたが、共に散々でした。ブドウ品種は一つしか正解しておりません。ネット情報もなく、テイスティングコメントが大切だなんて誰も教えてくれませんでした。”実技で落とされることはない”とか知らなかったし。疲れ果てて暗い気持ちで新幹線に乗って帰ったことを覚えています。でも、合格でした。

澱がある設定なら本当に少しだけ残せばいいんですよ。

実際には澱も(ほぼ)ないわけですし。あせってデキャンターに注ぐことをやめる必要はありません。最後のほんの少しになった時にボトルを静かに戻せばボトルは底上げされていますから、試験的に理想的な残量になるはずです。余裕のない人は、多少減点を覚悟して注ぎ切ってしまうつもりでたまたま残っていればラッキーくらいの気持ちで挑みましょう。それで全く問題なく合格です。

澱がある想定のデキャンタージュはほんの少しだけ残すことを心がけてください。

当時の知り合いの話ですが、その人は私と反対で(20数年を経たグランヴァンの想定だったにもかかわらず)ワインを全てデキャンターに移してしまい、ボトルにはワインが残らなかったそうです。そして、とっさに一言「澱がほとんど見られませんでしたので、最後の一滴までお楽しみいただけます」と試験中に言い放ったというのです。かなりのつわものです。そして、その彼も当然のように合格しました。

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三次試験対策!ソムリエ呼称のサービス実技について。

 

最初に実技試験において「コルクを下げる」ことに関してご連絡をいただきました。

なぜコルクを下げるのか、という点についてです。

ムリエ協会の例会セミナー「ワインのエアレーションについて」に参加した際に、私のところは講師に石田博さんが来られたのですが、ソムリエ三次試験の実技を一つずつ解説してくださいました。

の中で「コルクは確認後下げましょう。世界基準で考えても下げた方がスタンダードですから」とはっきりとおっしゃっており、敢えてとりあげて説明されていました。→私個人としては”ふーん…”という感じですが、試験では下げましょう。コルク一つでも、お客様と良いきっかけを持てることがあるので、私は状況次第では下げません。

さて、ソムリエ呼称のサービス実技についてお伝えいたします。

この実技試験は私が受験した20年前も赤ワインのパニエ抜栓、デキャンタージュでした。ただ、今は二次試験ではなく三次試験という扱いですが、今年も同様のスタイルであることが予想されます。

サービス実技の流れ
会場入りし、準備された更衣室にて制服に着替え、指定された控え室で待つことになります。
男女別に更衣室(ホテルの宴会場の一室)が準備され、全身鏡も何台か置かれているようです。レストランの制服や、割烹着の方、CAの制服の方などさまざまです。→どんな服装で受験されても全く問題ありません。今はいろんなスタイルのお店がありますから。

その後、係りの人の案内で、受験番号ごとに実技会場に向かいます。所持品等は持って移動します。また、この待ち時間にマニュアルやメモを読むことは可能なようです。

実技は6人一組(地方会場は2〜4人等の場合あり)で、受験番号順に行われます。実技の時間は7分、受験番号順なので、おおよそあとどのくらいで順番が回ってくるのかわかります。この場では皆一様に緊張した面持ちで静かにしています。←私は人生で数番目くらいに緊張した瞬間でした。

そして、ついに実技会場入りです。先ほど説明されたように手荷物を所定の場所に置き、指定されたとおりの順に並びます。

正面に数名の試験官が座っています。その試験官の数メートル手前に細長いテーブルがあり(コの字に並んでいる会場も)、そこで全ての実技を行うことになります。東京会場は6名に対して三人の試験官ですから、三組にわかれてそれぞれの試験官をお客様と見立てて実技を行うというイメージです。テーブルは会議用の細長いテーブルで、その一角で抜栓とデキャンタージュを行います。ワインやデキャンター、ライトなどの備品はサイドテーブル(後ろの場合も)に並んでいます。

順番に受験番号と氏名を言い終えると、試験官からお題が出されます。ここからは受験者それぞれのペースで実技を始めます。実技の詳しい手順はソムリエ協会の動画等を見ていただくとして私のほうからポイントと注意点をお伝えします。

ポイント・注意点
誰もが緊張した中での実技試験です。その緊張した中でいかにいつもどおり、もしくは練習したとおりにできるかということになります。

数人が一斉に実技を行うので大きな声でハキハキ話すことが大切です。事前に試験での会話を想定し、話す言葉まで決めて何度も練習するとよいでしょう。さらに、緊張するとうまく話せなくなる方は一つの方法として、自分の話す内容を録音して、繰り返し50回ほど聞きましょう。そうすることで文章を覚える以上にリズム・テンポまで体に馴染むため、自然と流れるように言葉が出てくるようになります。→ここまでするのかと思われるかもしれませんが、これは人前で慣れない方がスピーチをする時の攻略法の一つです。

ワインの名前ははっきり繰り返しましょう。「(ありがとうございます)◯◯の◯◯年でございますね」という感じです。注文を受けた時に確認することがサービスの基本です。そこから実技が始まります。

試験官がお客様という想定ですが、どう見ても座っている場所も試験官でしかありません。少し離れた試験官を意識し、目の前にお客様がいるという想定でワインのサービスを行います。試験官はデキャンタージュの了解など応対はしますが、実際に受験者が試験官の前に出てワインのサービスを行うわけではありません。

・ワインの取り扱い
特に意識して慎重に扱いましょう。
特に古いワインの場合は、ワインを必要以上に動かさないことです。できる限り丁寧に扱っているように振舞わなければなりません。
ワインを取り出す時は、パニエをワインにあてがうようにしてボトルの動き・移動を最小限にし、パニエの位置・角度を変えてゆっくりとパニエにワインを入れてください。ワインは横にしたラックのような箱に寝かされて入っているようです。→澱が舞いますからね。たまにレストラン等でも、「もっと丁寧に扱ってよ」と思うことがあります。言いませんが。

・ソムリエナイフ
使い慣れたものを試験本番でも使いましょう。ダブルアクションでもなんでも問題ありません。今からラギオール等を購入して使い始めてはいけません。最初は硬く使いづらいことが多いんです。ただ、あまりに安価なもの(1000円以下のイメージ)はやめましょう。スクリューが短いことが多く、折れたり、スクリューの根元が外れたりすることがあります。

・ワイン抜栓
抜栓時、途中でコルクが折れても焦ってはいけません。←まぁ、最高に焦りますよね…。
特に古いワインではコルクは途中で折れる、ちぎれることがあるものです。お客様(試験官)に「失礼いたしました」と言って(できればにっこりして)抜栓を続けましょう。黙っているよりお客様に軽く詫びた方が良いと思います。


※このように状態によってはコルクが折れることは仕方のないことです。ただ、落とさず抜栓する。これが技術です。ちなみにこの写真の一番古いもので1948年です。2016年に抜栓。

あと、あくまで必殺技ですが、どうしても抜栓に自信が持てない方へ(全ての方にお勧めしているわけではありません)
スクリューは深めに差し込みましょう。ホントはスクリューの先がコルクを突き抜けてはいけないのですが、コルクが途中で折れて残りを抜けなかったり、コルクをボトルの中に落としてしまったりするよりはぜんぜんイイと思います。コルクを突き抜けているのが試験官に見つかってもちょっとだけ減点ですみます。

お手持ちのスクリューでどの程度差し込むと、どのようになるか知っておきましょう。

・デキャンタージュ
レストランでデキャンタージュを行う場合にはお客様に了承を得ることが基本です。認定試験はより基本に忠実に行うべきですから、了承ともにデキャンタージュする理由をお客様(試験官)に告げます。

もし、お題が若いワインの場合は注意が必要です。”若いワインなので空気に触れさせて開かせるためのデキャンタージュ”なのか、”少し澱があるかもしれないので、その澱を取り除くためのデキャンタージュ”なのかを明確に選択し、はっきりと伝えるべきです。→何年までを若いとするか…。

さて、お題が若いワインでした(ここ数年は実物に即したサービスが求められています)。そこで、前者の理由を選択した場合、『若いワインであるために空気にふれさせることでワインを開かせる』といった旨を試験官に伝え、デキャンタージュの了解を得ます。若いワインと言い切っているのですから、澱が無い想定です。この想定であればワインはボトルから全てデキャンターに移さなくてはなりません。

澱のないワインをボトルに残す理由は全くありません。

澱が無いのにボトルにワインを残したらクレームものです。
→今後、公開する受験報告においても言い続けていますが、それでも、時折若いワインといっているのに微妙に迷って残される方がいらっしゃいます。なぜ、ワインを残す必要があるのかを考えましょう。

例えば2013年(7年前)のような微妙なワインが出題されたとしても、迷わず全て移し替えて、「澱がございませんでしたから、最後の一滴までお楽しみいただけます」などと一言添えれば、OKです。だって、デキャンタージュした本人が澱が無いと確認しているのですから。

若いワイン、例えば先ほどお伝えした2013年のボルドーに全く澱が無いかといわれると微妙です。ですから、澱があると想定したなら”澱がある為のデキャンタージュ”を行えばよいわけです。ただ、この場合も1cm以上残してはいけません。2013年のワインなんです。実際あるかないかわからないくらいの細かい澱です。全部注ぎ切るつもりで、最後にほんの少しだけ残せばいいのです。

この1cm以内で収めるべきヴィンテージですが、一言では難しいですが、2010年以降であればそんなにべらぼうな澱はありませんので、該当するかと思われます。

一方で、20年以上熟成した古酒系グランヴァンがお題の場合でも、1.5cm以内を目指しましょう。2cm以上残すと”下手くそ”って思ってしまいますし、レストランの保管に疑問を持ってしまいます。←もちろんワインによるのですが、二次試験では1.5センチ以下を目指すべきです。
2015年の出題はシャトー・パルメの1995年でした。それ以前も時折二十年ほど熟成したグランヴァンがお題になっております。

考え方ですが、何年まではどちらの理由でデキャンタージュするかをあらかじめ決めておいた方が良いかも知れません。そして試験開始後、決めた想定から絶対に迷わないことです。空気に触れさせる為のデキャンタージュ、澱が無い想定でワインを残してしまうと減点です。そして、澱なし開かせるデキャンタージュ中に細かい澱が見えても無視して続けましょう。試験官に見つかっても減点程度です。焦ってペースを乱す方が問題ですから。
ただ、(試験的にはそこまでする必要がないので、あまりお勧めしませんが)慣れている方で余裕があれば、「若いワインでしたが細かい澱が見えましたので、少しだけ瓶底に残しました」と伝えれば完璧です。

毎年、受験報告をいただいておりますが、若いワインが出題された場合、どちらの理由でデキャンタージュしても全く問題ありません。

さて、続けます。
ライトを付けて澱を見ながらのデキャンタージュだとしても、実際に(ほとんど)澱があるわけでもありませんし、デキャンターに澱が入っているかどうかを試験官が確かめるわけでもありません。ですからライトを付けて、あとは”澱を見ているふり”をしてゆっくり丁寧に移し替えればいいのです。ライトをちゃんと付けて、あとは位置関係さえ間違っていなければ、ライトなんてどうでもいいんです。→近年は、残ったボトルの澱を見ることはあるようですが、気にしなくていいです。あってもちょっとした減点くらいです。

そして、特に古いワインの場合、デキャンタージュは何があっても途中でやめてはいけません。何かの手順が抜けていようとそのまま続けてください。古いワインの場合は途中でやめたり、そそぐ角度を変えることで澱が舞い上がってしまいます。たとえ、デキャンタージュを終えボトルにワインが1/3以上残ったとしても(同じデキャンターに)再び移し変えてはいけません。ここはお客様(試験官)に謝罪し一先ずデキャンタージュを終えましょう。パニックになって半分以上ボトルに残してしまったら、これが正解かどうかはわかりませんが、お詫びをして違うデキャンター(予備があるかどうかはわかりませんが)に移すならまだ少しは許されるかもしれません。レストランであればクレームものです。←絶対にこうならないように気をつける!だから全部注ぐくらいのイメージで。

デキャンタージュの最中にパニックになって迷ったら、減点覚悟で全てのワインをデキャンターに移してしまうくらいのつもりでいきましょう。多めに残ってアタフタするよりもただの減点ですみます。→まぁ、多めに残ってもただの減点ですが。

最後に、デキャンタージュの口(注ぎ口)が思っていたより小さいことがあるようです。やりにくいですが、そんなこともあると思っておいてください。

その他アイテム等
さて、時折DVDとは違う設定、使用アイテムについて説明があることがあります。例えば、グラスの使用数、パニエ、デキャンターに下皿をつける、つけないなど。

また、試験官が「デキャンターのリンスは不要です」などと普段デキャンタージュしない方には???な事をいきなり言われることもあります。普通にこれまで練習した通りに実技を行えばよいだけなのですが、やはり極度の緊張の中ですから、このように何か言われると混乱し、ペースを崩しかねないものです。頭のどこかに置いておいてください。

※デキャンターのリンスについて
デキャンターは形状的に洗浄が困難で、さらに洗ったあと水滴、水分等をふき取ることができません。このきっちり洗えない上に水分が残ってしまうことで、デキャンター内に臭い(カルキ臭等)が残ってしまうことがあります。さらに、その臭いがワインに移るのです。特に手洗いのレストランに多いと思います。

ですから、ワインをデキャンターに移す前にほんの少量のワインをデキャンターの中にたらし、デキャンターの内部に満遍なくワインを滑らせるようにして馴染ませます。そして、その”洗浄に使ったワイン”は自分がテイスティングしたグラスに戻し処分します。

私は現場でデキャンタージュする時には必ずリンスします

実技試験は減点法
ですから、けっこう失敗してもどうってことはないわけです。ここで平常心でと言いたいところですが、どう頑張っても緊張してガチガチになるのです。その極度の緊張感の中で実技を行う事を予想しながらも、うまくできる自分の姿をイメージすることが大切です。
→佐藤陽一さんがどこかのコラムで書いてらっしゃいました。彼曰く、立ち姿やソムリエナイフの持ち方を見ただけでその人が現場で抜栓やデキャンタージュをしているかどうかがわかると。うん、私もわかるな。試験官の経験はありませんが。

あとは細かいミスを気にしないことです。下皿を忘れた、片付けの手順を間違えたなんて、はっきり言ってどうでもいいことで、もしかすると小さな減点ですが、この細かいミスで動揺して大きな失敗をしてしまうことの方が問題です。

最後に
基本、”通してあげよう”という温かい目で試験官たちは見ていると聞きます。というか、実技で不合格になる人はほとんどいません。

→二次試験を経験しておわかりだと思いますが、皆さんのテイスティングは完璧でしたか?中にはブドウ品種正解ゼロで突破される方もいらっしゃると思います。さらに、実技はより優しい減点法で、どんなに失敗してもなかなかマイナス30~35点にならないものです。

実際にこの三次試験の実技、まず落とされる人がいません。おそらく、ボトルを落として割ってしまい実技続行不可能くらいまで失敗しないと合格ラインを下回らないはずなんです。私の周りには協会の役員で当日試験官を担当する人がたくさんいますが、その誰に聞いても実技で不合格になることはないと言い切ります。
※もし、万が一、ボトルを落として割ってしまった場合、準備があるかどうかわかりませんが、もし
代わりのボトルで実技を続けることが可能なら、試験官に詫びて再度ワインを取りに行き、実技を再開しましょう。あきらめてはいけません。

ちなみに私は人生で一度だけボトルを落として割ったことがあります。シャトー・コス・ディストゥーネル 1979年でした。スペースがなく無理な姿勢で、しかもコルクが超絶乾燥して張り付いており、引き上げるのに苦労していた途中で力を入れすぎたあまり、パニエごと滑って床に落ちてしまいました。ただ、このワインは同じヴィンテージがまだ数本残っていたので、なんとか…でも凹みました。

ですから、とにかく少々失敗や間違いがあっても一切気にする必要はありません。そして、何があってもあきらめずに最後までやり通すことがとっても大切です。

そして、練習あるのみなのですが、合わせて寝る前にイメージトレーニングをしてみてください。入室してから準備、抜栓、デキャンタージュ、ワインサービスという一連の流れを頭の中で繰り返すのです。

これまでもイメージを持つことの大切さについてお伝えしてきました。イメージが明確になれば実際にうまくいく確率はかなり上がります。反対にうまくイメージできないことはできないことが多いと私は思っております。

最後に、現場で抜栓、デキャンタージュをする機会のない方へ
普段からやっているかどうかは一目でわかります。ですから、ごまかそうとせず、できることしっかりと行い、最後までやり通してください。三次試験はそれで十分です。

次回以降、2014年度の実技試験の受験報告からお伝えいたします。

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com 松岡 






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