第132回 テイスティングアイテム発表を見ての感想

   

「フランス料理の香り」の流れで、フグの香りの話。

二十年ほど前に初めて食べた”すっぽん”が感動的で、こんなに美味しい食べ物が世の中にあるのかと身震いをしたことを覚えております。その後、”本当のフグ”を知るまではすっぽんが鍋の中で断トツに美味しいと思っていました。

すっぽん鍋は関西ではまる鍋とも呼ばれ、グロテスクな容姿からは想像できない上品でかつ旨みたっぷり、肉にも魚にもない個性的な味わいが特徴です。←「月とすっぽん」からすっぽんの甲羅が丸いことをかけてだそうです。ゼラチン質で出汁がとっても濃厚になりますが、全くくどさはありません。ですから〆の雑炊は欠かせないといいますか、そこがメインと私は思っています。

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なぜ、この旨味たっぷりのすっぽん以上にフグが一番好きかといいますと、他の魚、鍋には無い独特の香りがたまらないからです。

フグは食感も楽しいですし、味わいも繊細で深い。でも、フグは絶対に香りなんです。特に雑炊くらいまで進んだ時の。最高級のフグを個室でいただくと部屋中がフグの香りで満たされます。

ところで、皆さんはフグの香りをご存知ですか?

いろんな人にこの話をするのですが、意外とあまり知られておりません。一度フェイスブック上で若い日本料理の料理人の方とフグの香りについてやりとりをしたことがあります。「フグって淡泊な魚で、そんな香りはありませんよ」「いえいえ、あなた、いいフグを食べたことがないでしょ」って。

フグの香り。それは、なんというかとっても淫靡な香り。あるいは官能的。フェロモン系。動物としての本能に訴える香りです。→淫靡って漢字も響きもいやらしいですよね。

以前、大分県の臼杵でフグを食べた時の話です。この日、フランスから来た友人がトリュフを持ち込んでおりまして、お刺身に、雑炊にシュッシュと削ってくれました。

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フグの淫靡さにトリュフの妖艶な香り、フグの香りも独特ですが、トリュフの香りも他に並ぶものがありません。この唯一無二の香りの競演、もう言葉になりませんでした。

フグの香りってそれくらいスゴイんです。

さて、ワインのテイスティングコメントで時折”トリュフ”を見かけますが、本当にトリュフの香りのするワインはほとんどありません。超グランヴァンの熟成が最高潮に達した時にのみ感じるくらいでしょうか。→先日、あるワイン愛好家の方と1986年のブルゴーニュの白には”トリュフ香”を感じるものがあるよねって話で盛り上がりました。

フグとはタイプが違いますが、淫靡な香りのするワインはたまに見かけます。

ワインを生業としてよかったことはたくさんありますが、香りに興味を持てたことも一つだといえます。食材の香り、料理の香り、ワインの香り、とても楽しい世界です。

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第132回 テイスティングアイテム発表を見ての感想

二次試験が終わりました。「ブドウ品種が一つしか当たらなかった」「リキュール類は全滅だ」なんて方もいらっしゃるでしょう。

繰り返しますが、ブドウ品種の正誤だけで合否がわかれるわけではありません。毎年、”ブドウ品種正解ゼロ”で合格された方がそれなりにいらっしゃいます。

この講座をお読みいただいている方はテイスティングコメントの重要性をおわかりいただいていると思います。しっかりタイプ分けし、大きな流れを外していなければほぼ問題ないということです。ですから、気になる気持ちはよくわかりますが、ブドウ品種やリキュール類の正解・不正解に一喜一憂する必要はありません。

さまざまな思いがあるのでしょうが、とにかく今はゆっくり眠ることができるのではないでしょうか。もうしばらくゆっくりしましょう。これまで十分に頑張ったのですから。

皆さんから続々とご報告をいただいております。ありがとうございます。全員に返信できるかどうかわかりませんが、届いている順に簡単に一言、”大丈夫でしょう”とか”余裕で合格です”や”コメント次第ですが、ちょっと厳しいかも”などの私なりの感想を返信しております。また、いただいた報告はこれからゆっくりとまとめてこちらで公開いたします。→もちろん名前・個人情報的なものは伏せての公開です。

この講座を始めてもうすぐ8年になりますが、ここまで続けられたのも皆さんの応援があったからこそです。感謝しております。

さて、私がここで紹介するまでもなく、もう皆さんご存知だとは思いますが、改めて今年出題されたテイスティングアイテムを見てみたいと思います。

◆ソムリエ呼称
・Aligote フランス 2016
・Cabernet Sauvignon アメリカ 2016
・Tempranillo スペイン 2014
・梅酒
・ジン

◆エキスパート呼称
・Sauvignon Blanc ニュージーランド 2018
・甲州 日本 2017
・Sangiovese イタリア 2015
・Cabernet Sauvignon オーストラリア 2015
・紹興酒

発表されたテイスティングアイテムを見ての感想です。ワインそれぞれについては皆さんからいただいた報告をもとに振り返ります。

昨年のトロンテスに比べると今年のアリゴテはブドウ品種としては取れなくとも、まずまずとらえやすかったのではないかと思います。樽を使ったり使わなかったりですが、どちらかといえば柑橘系、でも青さはなく、非常に酸の強い品種で、なのに雰囲気はシャルドネに近いかもしれません。少なくとも冷涼産地でハツラツとしたイメージでテイスティングを進めたいところです。

そのほかのアイテムは想定以内、いわゆる主要ブドウ品種でした。

リキュール類はソムリエ呼称の梅酒にちょっとびっくりしましたね。梅酒とわかっても「本当に梅酒って答えていいのだろうか」と思った方もいらっしゃると思います。

昨年、一次試験のスタイルが変わり、二次のテイスティングはどうなることやらと本当はちょっとドキドキしていたのですが、今回のテイスティングアイテムを見る限り、それほど変わっていないということで私的にはホッとしております。ソムリエ呼称でアリゴテが出題されましたが、それでも主要ブドウ品種に絞ってしっかりとタイプ分けし、セオリーに則って解答をされた方はたとえブドウ品種を落としたとしても、全く問題なかったと断言できます。

また、ソムリエ呼称の論述試験はこのような設問でした。
論述1.
『テイスティング白1のワインを初心者のお客様に説明してください』
パターン化しつつある、テイスティングしたワインに関する設問。これは確実に取らないといけません。

論述2.
『ケソ・マンチェゴについて説明してください』
ケソ・マンチェゴにはやられましたね。軽くチーズのところでふれてはいましたが。

論述3.
『日本ワインの地理的表示について400文字書きなさい』
いきなり問われると難しい出題ですが、日本ワインに関してはしっかりと対策した方が多かったのではないかと。

ともあれ、終わりました。→ソムリエ呼称の方は実技試験がありますが、こちらは恐れるに足りません。

今後はソムリエ呼称三次試験対策と並行して、皆さんの報告を元に二次のテイスティングを振り返りたいと思います。

最後にもう一つお願いです。
テイスティングに関する報告は続々と頂いておりますが、論述試験対策に関しても、大変お手数ですが、ご報告をお待ちしております。特に、どのような対策を行ったのでか、何を読んで、何を参考にしたのか等お教えいただければ幸甚に存じます。

あともう少しお付き合いください。

何かございましたらこちらまで

koza★majime2.com 松岡 正浩

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 - ◆試験を終えて