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グラーヴの格付け

2020/02/28
 
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第12回

今日1月17日は阪神・淡路大震災から25年目にあたります。震災当時、私は兵庫県西宮市に祖母と伯父達と住んでいました。

朝6時前、ドーンというものすごい音と共に、夢か幻かと思うほど歪んだ空間が目の前に広がり、一瞬にして全てが暗闇へと吸い込まれていきました。

あの日、私は偶然夜通しドラクエをしながら朝まで起きていたのです。初めて経験するほどのカオスの中、二階の窓から外に逃げ出すと、なんとそこには道路があるではありませんか!自宅が倒壊し、二階が一階になっていたのです。しばらく呆然と立ち尽くしたように思いますが、はっきりと覚えていません。

そのうち近所の人々も命からがら外に出てきました。倒壊したのは私の家だけでなく、無事に残っている建物を探す方が早い感じで、一帯がまさに戦後の焼け野原のような光景でした(火事にならなかったのは不幸中の幸いでした)。

しばらくして一階で寝ていた祖母がまだ逃げ出していないことに気がつきました。なんとか助け出さなくてはなりません。しかし、助けを呼べるような状況ではなく、誰もが自分の家、家族のことで精一杯です。家を解体した経験も道具もない状態でしたが、同居の伯父さん達とともに倒壊した家屋から祖母を掘り起こし、引きずりだしたのは最初の地震が起きてから5時間が過ぎた頃でした。この日は特別寒い朝でした。

本当に必死でした。それでも、やればできるものです。

祖母はその後しばらくは比較的元気に暮らしましたが、やはり自分の家がなくなったこともあるのか、日に日に衰えていったように思えました。そして、地震から約二年後に亡くなりました。

インフラに関しては電気が二週間ほどで回復しましたが、水道とガスの復旧には数ヶ月を要しました。我が家は全壊で家がないためそれどころではないのですが、あたり一帯全ての水道とガスが完全に止まっているのです。なんでも当たり前にある生活では想像もつかない困難に度々遭遇しました。
この時、この場所には現代日本の姿が全くありませんでした。

その後数ヶ月間、自宅の瓦礫を片付け、地域の炊き出しを手伝いました。そして、給水車から水を汲んで近所のお年寄りの家々に運び続けたものです(私はこの地震のため退職しました)。
悲惨な状況ではありましたが、このときの地域の人々の連帯感、助け合いの心、そして何よりも前向きに頑張ろうという強い気持ちが復興につながったのだと思っています。人間の強さややさしさについてこれほどまでに真剣に考え、そして感じたことは後にも先にもこの時期だけかも知れません。

2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震が記憶に新しいところです。今なお仮設住宅にいらっしゃる方をはじめ、不自由な暮らしを余儀なくされている方々がいらっしゃることに心を痛めております。また、原発のことなど問題も山積みです。それでも、意思のあるところには必ず道が開けるはずです。一日も早い復興と被災された皆さまのお幸せをお祈りいたします。

ーーー

前々回のメドックの格付けに対して思うがままに言わせていただきましたが、このような意見をいただきました。←まぁ、ネットですから

前々回のAOC Margauxに関する意見、とても面白かったです。
特に「第2級」の格付けから考えて残念という意見を読んで、私も同じように感じたことがあったのでちょっと嬉しくなりました。と言うのは、「Margauxで2級格付け」というと、私の周りのワイン好きな人達は必ず「美味しい~」と言います。「AOC Margauxはやっぱり美味しい」と…。私も頑張っていろいろと飲んではいるのですが、そのなんというか、ポイヤックやサン・ジュリアンのワインに比べると物足りないと感じることが多く…。もちろん、飲み頃とかいろいろあるのでしょうが…。

松岡様の残念!の感想を読んで何か共感できるものがありました。

”味わい”というものが純粋に五感で感じることだけではないことはご存じだと思います。

ブラインドテイスティングを繰り返すとよくわかりますが、先入観のあるなしで確実に味わいが変わります。最初はわからなかったソービニヨン・ブランの”青さ”をブドウ品種がわかってから感じるようになるなど、私たちは自分がイメージした何かを探してしまうようです。

また、特にシャンパーニュは”味わい”よりも完全にイメージ先行です。大きな声では言えませんが、世界一の販売量を誇る超有名シャンパーニュのスタンダードキュベが純粋に味わいだけであれば、シェアナンバーワンである理由が全くわかりません。完全にブランディングワインに成り下がっています。←私は絶対に選びません。

ワインに限らず、テレビやCM等で目にするから良いものという刷り込みも同様でしょう。

ただ、イメージ先行が全て悪いとはいいません。それも含めて”味わい”と考えることもあるからです。高級レストランでの食事は料理だけでなく空間と時間、イメージも提供しています。

さて、マルゴーのワインは女性的と言われることがあります。あの素晴らしいシャトー・マルゴーがあるからでしょう。

私のAOCマルゴー全体のイメージはボルドー左岸の中ではちょっと田舎っぽくてくすんだ感じです。さらに、他の三つの村(ポイヤックなど)に比べいまいちなワインが多いと感じます。知らないAOCマルゴーのワインは当たらないことが多いですし…。

マルゴーという名前勝ちの部分に便乗しているシャトーがあるのでしょう。また、鉄道を通す際の土地の分断など、土壌的にも他の三つのAOCに劣っているところがあるようです。とはいえ、78年以降のシャトー・マルゴーは本当に素晴らしい。世界を代表する赤ワインだと断言できます。また、他にも素晴らしいシャトーがいくつもあります。

ワインを選ぶ際に最も大切な最後のポイントは”誰が造ったか”です。私はいまいちな生産者のAOCマルゴーよりも、優秀な生産者のAOCオー・メドックやAOCフロンサック等を躊躇なく選びます。

ただ、ソムリエ試験では生産者レベルの問いはほとんど見られませんから、試験的には全く知る必要はありません。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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グラーヴの格付け

引き続き、ボルドーワインの歴史です。

ボルドーワインの歴史 3

ボルドー以外の領地を失ったイングランド王家からはフランス色が薄れていきます。1333年、イングランド王エドワード三世は、のちにイギリスとなるスコットランドに侵攻、これに対しスコットランド王はフランスに亡命し、フランスの庇護下に入ります。イングランドとフランスの関係がさらに悪化することに。ついにフランス王はイングランド王エドワード三世に対し、ボルドー地方を没収することを宣言しました。対するエドワード三世はフランス王に対する臣下の礼を撤回し、フランスに宣戦布告します。こちらが有名な英仏百年戦争のはじまりです。

当初、戦局を優位に進めたイングランドは、アジャンとカオール(共に南西地方の都市)、ノルマンディー地方を取り戻します。しかし、アジャンとカオールの両都市がイングランド王の支配に抵抗したため、イングランド王エドワード三世は「ガロンヌ川上流地域のワインをクリスマス以前にボルドーの港から積み出すことを禁止する」という禁止条項を認めました。これは「ボルドー特権」と呼ばれ、ボルドーはこれまで一大産地であった南西地方のワイン貿易を独占し、大きな発展へとつなげていきます。ボルドーの街は南西地方から流れるドルドーニュ川とガロンヌ川の合流地点付近にあり、水運に頼るしかない当時としては、上流地域(南西地方)のワインはボルドーの港を経由しないとワインを輸出できない地理的条件でもありました。

この時代のボルドーのワインは、気温が安定し雨が少なく乾燥したカオールなどの産地と比べ、気候的にも土壌的にも、そして品質的にも劣っていたと言われています。それでも、上記の「ボルドー特権」のおかげで上流地域のワインが売れず、南西地方のワイン産地は次第に衰退していきました。

こうしてブドウ栽培地としては決して恵まれた土地ではなかったボルドーが、イギリス王に忠誠を尽くしたおかげで、ボルドー特権を勝ち取り、イギリスのワイン市場を独占するまでにいたり、そしてさらなる繁栄の時代へと突き進むのです。

現在のボルドーは、メドックを中心とする高級赤ワインの産地として世界的に名を馳せておりますが、15世紀当時のメドックはブドウ栽培に適した土地が少なく、湿地や沼地ばかりでした。それでも、ジロンド川河口付近であり、簡単に海に出ることができ、さらにボルドーを通過する必要のないことからも徐々にブドウ畑が開墾されていきました。しかし、この流れに対してボルドーはまたもや「ボルドーより下流のジロンド川沿いから外国向けにワインを積み出すことを禁ずる」という王令をイギリス王より勝ち取ります。未開の地ではあったものの、潜在能力のあるメドックのワイン畑拡大の流れは一時縮小方向に進みます。

時代は進み1453年、ジャンヌ・ダルクの活躍を経て、カスティヨン(ボルドーのAOCで出てきます)の戦いにて英仏百年戦争が終結、ボルドーがフランスの領土となります。これまで私たちが習った歴史では「イングランドに占領されていたボルドーがフランスに戻った」となりますが、当のボルドーにおいては「イングランド王に忠誠を誓い、イングランドとして交易や保護政策で利益を得ていたボルドーがフランスに征服された(屈服した)」となるようです。

イギリスから得ていたボルドー特権は、当然フランスに帰属した瞬間になくなりました。ただ、ボルドーワインによって外国からの利益が見込めることをフランスも理解しており、わずか一年後に限定的に、そして、戦争終結から10年後には完全に、イギリスから得ていたボルドー特権「上流地域(南西地方)のワインのクリスマス以前のボルドー通過を禁止」、「下流地域(メドック)から外国向けにワインを出荷してはならない」が復活します。そして、この特権は1776年に廃止されるまで300年以上にわたって維持され、ボルドーに繁栄の時代をもたらすのでした。

〜続く〜



F Gravesの格付け

・1953年に最初の格付けが行われ、1959年に現在の16シャトーが認定されました。
・1987年にAOC GravesからAOC Pessac-Leognanが独立しました。
・格付けシャトーのAOCは全てPessac-Leognanです。
・シャトーにより格付けされているワインのタイプ(ワインの色、赤・白・赤白)が違います。←このタイプ分けを覚えなくてはなりません。コミューンは余裕のある人以外は覚えなくてもよいです。
→私は長くワインの世界にいますが、レストランの現場でこの赤白タイプ別の格付けが役立ったことはただの一度もありません。しかし試験では好んで出題されるようです。Ch. Haut Brionをはじめとする赤のみが格付けされたシャトーも素晴らしい白ワインを造っています。

【赤のみが格付けされた7シャトー】
Ch. de Fieuzal
Ch. Smith Haut Lafitte(コミューン:Martilac)
Ch. Haut Bailly
Ch. La Tour Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
Ch. La Mission Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
Ch. Pape Clement(Pessacは二つだけ)
Ch. Haut Brion(Pessacは二つだけ)
→La Tour Haut Brionは2005年で生産終了、La Mission Haut Brionに併合されました。

【白のみが格付けされた3シャトー】
Ch. Couhins(Villenave-d’Ornon)
Ch. Couhins Lurton(Villenave-d’Ornon)
Ch. Laville Haut Brion(ラ・オーブリオンはTalence)
→Laville Haut Brionは2009年よりLa Mission Haut Brionの白として販売されるようになりましたが…。世界最高の白ワインの一つが名を失いました…。

共に格付けされた6シャトー】
Ch. Olivier
Ch. Carbonnieux
Ch. Malartic Lagraviere
Domaine de Chevalier
Ch. Bouscaut(Cadaujac ここのみ)
Ch. Latour Martilac(Martilac)
※上記コミューン記載なしはコミューンLeognanです。
→アカデミー・デュ・ヴァンの矢野先生のゴロ合わせで赤白共には「軽母乳のブスっ娘・オリビエがシュヴァリエになんたら…」って書いてあったような。

※シャトー名にHaut や Brion の文字があれば基本のみです。”マル”なんとかは両方
→Ch. La Mission Haut Brionの白がリリースされ始めました…。格付け的には考えなくても良いと思うのですが…。

・最初は赤・白・赤白のどのタイプが格付けされているかを覚えてください。コミューン名(村の名前)は無視して進みましょう。本当に余裕があるときに眺める程度で問題ありません。

G その他

・クリュ・ブルジョワ
出題される可能性はかなり低いと思います。基本無視で結構です。

・セカンドワイン
各シャトーがセカンドワインをリリースしています。手ごろな価格で(そうでないものもありますが)有名シャトーの雰囲気を味わえることが人気のようです。ただ、最近試験にはほとんど出なくなりました。ですから、余裕ができた頃にメドックの一級のセカンドワインを覚えて、さらにどうしても頑張りたい方は下記のシャトーまで手を広げる感じでいきましょう。
→レストランの現場にいるものとしては知っていた方が良いと思います。

Ch. Cos d’Estournel(Saint-Estephe)
Ch. Montrose(Saint-Estephe)
Ch. Pichon-Longueville Baron(Pauillac)
Ch. Pichon Longueville Comtesse de Lalande(Pauillac)
Ch. Ducru Beaucaillou(Saint-Julien)
Ch. Leoville Las Cases(Saint-Julien)
Ch. Palmer(Margaux)
→覚える人は調べてくださいな。

だから今回は無視しましょう!

※Ch.Haut Brionは2007年からセカンドワインの名称を
Ch. Bahans Haut-Brion からLe Clarence de Haut Brion
に変更しました。→狙われるならこのあたりかも…。

さて、過去問です。



ソムリエ試験 過去問

【過去問】
グラーヴ地区で白・赤共に格付けに入っているシャトーを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Ch. Olivier
2. Ch. de Fieuzal
3. Ch. Pape Clement
4. Ch. Smith-Haut-Lafitte

【過去問】
グラーブの格付で白のみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau Olivier
2. Chateau de Fieuzal
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Couhins

【過去問】
グラーヴの格付けで赤ワインのみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでくだ
さい。

1. Chateau Couhins
2. Chateau La Mission-Haut-Brion
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Bouscaut

【過去問】
グラーヴの格付けで白のみが格付けされているシャトーを 1 つ選んでください。

1. Chateau Olivier
2. Chateau de Fieuzal
3. Chateau Carbonnieux
4. Chateau Couhins

【過去問】
グラーヴの格付けにおいて、赤ワインだけが認められているシャトーを1つ選んでください。

1. Chateau Carbonnieux
2. Chateau Olivier
3. Chateau de Fieuzal
4. Chateau Laville Haut-Brion

【過去問】
次の記述の中からボルドー地方 Graves 地区の特徴に該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ボルドー市の南東にあり、ミクロクリマに恵まれ収穫を遅らせるとボトリティス・シネレア菌が繁殖する地域である。
2. ドルドーニュ川の右岸にあり石灰岩の台地に石灰質、砂、粘土質等バリエーションにとんだ地質である。
3. ガロンヌ川とドルドーニュ川のふたつの川にはさまれたぶどう畑は、きわめて変化に富み辛口白ワインの一大名産地である。
4. ボルドー市のはずれから南に位置し、ぶどう畑は小石、砂利で形成されている。

【解説】
上記の1.~4.のそれぞれの記述がどこの産地を指しているか考えてみてください。

【過去問】
次のシャトーの中から Graves 地区に属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau de Fieuzal
2. Chateau Gazin
3. Chateau Suduiraut
4. Chateau Haut-Batailley

【解説】
ちなみに2.はポムロールのワインです。3.はソーテルヌで出てきます。

【過去問】
グラーヴの格付けにおいて、赤だけが認定されているシャトーを1つ選んでください。

1. Chateau Latour Martillac
2. Chateau Haut-Brion
3. Domaine de Chevalier
4. Chateau Carbonnieux

【過去問】
次の中から Graves の格付けで赤ワインだけが認められているシャトー数に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.  3 シャトー
2.  4 シャトー
3.  6 シャトー
4.  7 シャトー

【過去問】
次の中から Graves の格付けで白ワインだけが認められているシャトー数に該当するものを 1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 2 シャトー
2. 3 シャトー
3. 4 シャトー
4. 5 シャトー

【解説】
しかし、いくら試験とはいえ、こんなこと(いくつあるかなんて)を覚えても意味がないと個人的には思うのですが…。しかも、La Tour Haut Brion、Ch. Laville Haut Brionあたりは微妙だし…。

【過去問】
次の1~5 の中から( )内にSecond Vin の名称として適当なものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

Carruades de(    )

1. Mouton Rothschild
2. Lafite Rothschild
3. Cheval Blanc
4. La Mission-Haut-Brion
5. Haut-Brion

本日もまさに試験のための勉強という感じで大変でした。一度ですべてを覚えることは不可能ですから何度も繰り返し確認することが大切です。まだまだボルドーが続きます。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩






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