ラングドック <D>

第35回
試験対策を進めるうちにどうしてもわからない事柄に出会ったり、いくら調べても過去問の答えがわからないということが時にはあると思います。また、テイスティングの本などを読んで理解できない箇所もあるでしょう。
なによりも、わかろう・理解しようという姿勢が大切ですが、それでもどうしてもわからない場合はそのまま放っておきましょう。知りたいと思ったり、一度意識した事柄は無意識のうちにそれとなくアンテナを張って情報を集めようとするものなのだそうです。そして、探し求めて手に入れた情報はより印象深く記憶に留まるものです。
私は子供の頃、”意識しはじめたり、何となく考えていたり、たまたま聞きかじったモノ・事柄をその後比較的すぐに見かけたり聞いたりすること”を不思議に思っていました。
古い話で恐縮ですが、私が小学生の頃「E.T.」という映画が流行りました。私は公開前でまだそれほど話題になっていなかった頃(と思っていた)、親戚の家に遊びに行った先で初めて「E.T.」のことを知りました。
翌日学校で、少し離れたところで雑談していたクラスメイトの発した「E.T.」という言葉が私の耳に飛び込んできました。その瞬間、”おっ、僕も「E.T.」のこと知ってるよ。昨日聞いたんだけどね”と心の中で思ったことを印象深く覚えております。前日に従兄弟から「E.T.」のことを聞いていなければクラスメイトの発した「E.T.」という言葉は絶対に聞き取れていなかったはずです。
そして、その日以降、テレビや新聞、書店や街のポスターで、たびたび「E.T.」を目にするようになります。
「E.T.」に関してはその後大ヒットしたわけですから、人々やメディアが話題にするのは不思議ではありません。その従兄弟に聞かなくともどこかで私も「E.T.」の存在を知ったことでしょう。ただ、親戚の家で耳にしてから立て続けに「E.T.」が私の目の前に現れるようになったことにものすごくビックリしたんです。
そして、この「E.T.」以降、私はこのように意識したり、ちょっと聞きかじったり、ふと目にしてちょいと気になった事柄に、その後比較的すぐに連続的に出会うことに気が付きました。
今はわかるんです。おそらく私は、親戚の家に行く前から街のポスターや書店・テレビなどで「E.T.」のことを見かけたり、聞いていたはずなんです。ただ、私にとって必要な情報と認識していなかったために気づかなかった。そして、ある瞬間に認識し、それ以降頭のどこかに「E.T.」のことがありますから、その情報にいろんな角度で反応したのでしょう。
当時は最初に「E.T.」のことを聞いてからその後があまりにも見事な”連続”でしたのでものすごく不思議に思ったという懐かしい思い出です。
話はさらに脱線しますが、”引き寄せの法則”という言葉を耳にしたことがあると思います。ちょっとオカルトチックなので避けている方もいらっしゃるかもしれません。
強く望むことは、たとえ無意識の時であっても”欲している”状態のため、幾多ある情報の中からその強く望んでいるものごとが飛び込んでくるように感じられるんです。ここまでは同じ。そして、引き寄せられる人はこの情報の取捨選択に優れているんだと。だから、どんどんその望んでいるものの方向に近づいて行くことになる。引き寄せの法則って簡単に言えばこんなことだと思うんです。
ワインを勉強し始めた皆さんも感じているはずです。これまで、ただの横文字だったワインの名前が時折テレビ等から聞こえてきたり、雑誌をパラパラめくっていると目に飛び込んでくることに。
ちょっと話が逸れましたが、わからないことはわからないとしっかり意識することで自然と答えを探していることになるというお話でした。
※表紙の写真は1997年にユネスコの世界遺産に登録された城塞都市カルカソンヌです。<2018><2020>
明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!
合格を引き寄せましょう。
ラングドック <D>
【ポイント】
非常に広大な生産地で、見慣れないAOCがたくさんあります。地理的な理解は必要なさそうですが、私は地図を見て位置関係を確認しながら暗記しました。
1、選択肢のAOCがどの地方に属しているか?
2、AOCについて、どんなタイプ(赤白など)のワインが認められているか?
3、VDN、VdLについて
という感じでしょうか。
A ラングドック・ルーションの概要
・典型的な地中海性気候→この恵まれた気候のおかげで有機栽培を実践している生産者が多く、フランスの1/3、全世界の7%に該当します。
・フランス最大のワイン産地であり、ラングドック・ルーション合わせてフランスワイン生産量の40%を占めます。
・5つの県にまたがります。
ラングドック:エロー県、オード県、ガール県(AOCワインはほとんどコート・デュ・ローヌ)、ロゼール県(ほとんど畑がない)
ルーシヨン:ピレネー=オリエンタル県
B ラングドックの主要ブドウ品種
・白ブドウはグルナッシュ・ブラン、ブールブラン、ピクプール、マルサンヌ、クレレットなど。
・黒ブドウもグルナッシュ、ムールヴェードル、サンソー、カリニャン、シラーなど。
→ブドウ品種も全体的になんとなくでイイです。
C ラングドックのAOCについて
◆白・赤・ロゼが認められているAOC<2018>
・Corbieres
・Minervois
・Faugeres
・Saint Chinian
上記のAOCの後ろに何かがつくと赤のみになります。→こちらも細かく覚えなくてもいいと思います。なんかつけば赤で。
・Minervois La Liviniere
・Corbieres Boutenac
・Saint Cinian Berlou
・Saint Cinian Roquebrun
◆赤のみのAOC
・Fitou<2020>
・Terrasses du Larzac
とりあえず太字のAOCはしっかり押さえておきましょう。余裕のある人は地図で位置関係を確認した方がよいかもしれません。そろそろ出るかもってことで。
◆白のみのAOC
・Blanquette de Limoux
・Limoux Methode Ancestrale
→主要ブドウ品種が問われます。まぁ、他のAOCとは一線を画しているのでボチボチ有名なのですが。どちらもモーザック<2018>という聞きなれないブドウで、前者が瓶内二次発酵、後者が田舎方式です。一方、Cremant de Limouxは白・ロゼが認められており、シャルドネ主体です。
※田舎方式(メトード・アンセストラル / メトード・リュラル)
二次発酵の行程を経ず、一次発酵の過程で発生する炭酸ガスをそのままワインの溶け込ませスパークリングにする製法。暖かい地域で取れるブドウは、シャンパーニュ地方のブドウとは異なり糖を多く含んでいます。そこで、発酵途中のワインを瓶詰めし、残りの糖分によって瓶内発酵を進めます。ペティアンの多くはこの製法で造られています。
・Clairette du Languedoc→クレレットとブドウの名前がついてますから白ワインですね。だから試験には出ません。ただ、Clairette de LanguedocにはVdL(白)もあります。
・Picpoul de Pinet→ピクプールって覚えてますか?これがわかると覚える必要はありません。
◆赤・ロゼのAOC
・Cabardes→カベルネ系、メルロ。
・Malepere→こちらもブドウ品種が特殊。赤はメルロ、ロゼはカベルネ・フラン主体ってなんとなく。
・Pic-Saint-Loup→ラングドック最新のAOCです。AOC昇格前からかなり有名でした。
◆白・赤のAOC
・Limoux→シャルドネやメルロも使用されます。
・La Clape
◆ラングドック・ルーシヨン全体をカバーする広域のAOC
・Languedoc
後ろに何か(コミューン名)がつくと基本赤ワインのみが認められるようになります。唯一の例外が、Languedoc Cabrieresで、こちらは赤の他にロゼも認められます。→細かいことを覚える必要なし!Montpeyrouxなどは有名ですけどね。
◆VDN、VdLのAOC
ラングドックではすべて白ワインになります。→こちらは次回
なかなかハードですね。私も覚えられずに苦労した記憶があります。
この地域は気候的に恵まれているので、何もしなくてもブドウが育ちます。昔から苦労せずにブドウが育ったわけですから、あまり手間隙かけずどんどんたくさんワインを造ってきました。
ですから今でも手ごろな価格帯のワインが多く、フランスではスーパーなどで普通に売られており、AOCワインも一本2、3ユーロ程度からあります。
完全にテーブルワインの産地でしたが、ここ二十数年の間に、他の産地の高級ワインにも引けをとらない素晴らしいワインが生産されるようになりました。
【過去問】はルーシヨンを終えてから一気にやっつけます。