ラングドック <D-2>

第37回
試験対策を進めるうちにどうしてもわからない事柄に出会ったり、いくら調べても過去問の答えがわからないということが時にはあると思います。また、テイスティングの本などを読んで理解できない箇所もあるでしょう。
なによりも、わかろう・理解しようという姿勢が大切であることは当然ですが、それでもどうしてもわからない場合はそのまま放っておきましょう。人間の脳は、知りたいと思ったり一度意識した事柄は、無意識のうちにそれとなくアンテナを張って情報を集めようとするものなのだそうです。そして、探し求めて手に入れた情報はより印象深く記憶に留まるものです。
皆さんは、「意識しはじめたり、何となく考えていたり、たまたま聞きかじったモノ・事柄を、その後比較的 ”すぐに” 見かけたり聞いたりすること」はありませんか?
カラーバス効果と言うらしいのですが、毎日と同じ通勤路でも「赤いものがたくさんあるよ」なんて言われると、急にいろいろなところに赤色を見つけたりします。看板だったり、ポストだったり。
ワインを勉強し始めた皆さんも感じているのではないでしょうか。これまで、ただの横文字だったワインの名前が時折テレビ等から聞こえてきたり、雑誌をパラパラめくっていると目に飛び込んでくることに。
「世の中にこんなにワインの情報あったっけ?」というくらい、普段の生活の中でワインの情報を見つけられるようになっているはずです。
わからないことはわからないとしっかり意識することで自然と答えを探してくれています。人間ってすごいですね。当然みなさんも含め全員が持っている能力です。利用しない手はありません。
※表紙の写真は1997年にユネスコの世界遺産に登録された城塞都市カルカソンヌです。<18・20・21>
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ラングドック <D-2>
【ポイント】
非常に広大な生産地で、見慣れないAOCがたくさんあります。地理的な理解は必要なさそうですが、私は地図を見て位置関係を確認しながら暗記しました。
1、選択肢のAOCがどの地方に属しているか?
2、AOCについて、どんなタイプ(赤白など)のワインが認められているか?
3、VDN、VdLについて
という感じでしょうか。
目次
A ラングドック・ルーションの概要
・典型的な地中海性気候→この恵まれた気候のおかげで有機栽培を実践している生産者が多く、フランスの1/3、全世界の7%に該当します。
・フランス最大のワイン産地であり、ラングドック・ルーション合わせてフランスワイン生産量の40%を占めます。
・5つの県にまたがります。
ラングドック:エロー県、オード県、ガール県(AOCワインはほとんどコート・デュ・ローヌ)、ロゼール県(ほとんど畑がない)
ルーシヨン:ピレネー=オリエンタル県
B ラングドックの主要ブドウ品種
・白ブドウはグルナッシュ・ブラン、ブールブラン、ピクプール、マルサンヌ、クレレットなど。
・黒ブドウもグルナッシュ、ムールヴェードル、サンソー、カリニャン、シラーなど。
→ブドウ品種も全体的になんとなくでイイです。
C ラングドックのAOCについて
◆白・赤・ロゼが認められているAOC
・Corbieres<18>
・Minervois<20>
・Faugeres<18>
・Saint Chinian<20>
上記のAOCの後ろに何かがつくと赤のみになります。→こちらも細かく覚えなくてもいいと思います。なんかつけば赤で。
・Minervois La Liviniere
・Corbieres Boutenac
・Saint Chinian Berlou
・Saint Chinian Roquebrun
◆赤のみのAOC
・Fitou<20>
・Terrasses du Larzac
とりあえず太字のAOCはしっかり押さえておきましょう。余裕のある人は地図で位置関係を確認した方がよいかもしれません。そろそろ出るかもってことで。
◆白のみのAOC
・Limoux Blanquette de Limoux<19>
・Limoux Methode Ancestrale<18・20・22>
→主要ブドウ品種が問われます。まぁ、他のAOCとは一線を画しているのでボチボチ有名なのですが。どちらもモーザック<18・19>という聞きなれないブドウで、前者が瓶内二次発酵、後者が田舎方式です。一方、Cremant de Limouxは白・ロゼが認められており、シャルドネ主体です。
※田舎方式(メトード・アンセストラル / メトード・リュラル)<20>
二次発酵の行程を経ず、一次発酵の過程で発生する炭酸ガスをそのままワインの溶け込ませスパークリングにする製法。暖かい地域で取れるブドウは、シャンパーニュ地方のブドウとは異なり糖を多く含んでいます。そこで、発酵途中のワインを瓶詰めし、残りの糖分によって瓶内発酵を進めます。ペティアンの多くはこの製法で造られています。
・Clairette du Languedoc→クレレットとブドウの名前がついてますから白ワインですね。だから試験には出ません。ただ、Clairette de LanguedocにはVdL(白)もあります。
・Picpoul de Pinet<18>→ピクプールって覚えてますか?これがわかると覚える必要はありません。
◆赤・ロゼのAOC
・Cabardes→カベルネ系、メルロ。
・Malepere→こちらもブドウ品種が特殊。赤はメルロ、ロゼはカベルネ・フラン主体ってなんとなく。
・Pic-Saint-Loup→ラングドック最新のAOCです。AOC昇格前からかなり有名でした。
◆白・赤のAOC
・Limoux<19>→白:モーザック、シャルドネ、赤:メルロ
・La Clape
◆ラングドック・ルーシヨン全体をカバーする広域のAOC
・Languedoc
後ろに何か(コミューン名)がつくと基本赤ワインのみが認められるようになります。唯一の例外が、Languedoc Cabrieresで、こちらは赤の他にロゼも認められます。→細かいことを覚える必要なし!Montpeyrouxなどは有名ですけどね。
◆VDN、VdLのAOC
ラングドックではすべて白ワインになります。→こちらは次回
なかなかハードですね。私も覚えられずに苦労した記憶があります。
この地域は気候的に恵まれているので、何もしなくてもブドウが育ちます。昔から苦労せずにブドウが育ったわけですから、あまり手間隙かけずどんどんたくさんワインを造ってきました。
ですから今でも手ごろな価格帯のワインが多く、フランスではAOCワインも一本2、3ユーロ程度からあるそうです。→や・・安い。
完全にテーブルワインの産地でしたが、ここ二十数年の間に、他の産地の高級ワインにも引けをとらない素晴らしいワインが生産されるようになりました。
【過去問】はルーシヨンを終えてから一気にやっつけます。