ドイツワインについて

ドイツワインについて
ソムリエ試験対策としてドイツは私が受験した当時から避けて通りたい分野の代表格であり、ほとんど何も手をつけずに合格したという”つわもの”も数人知っております。
数年前には一部の呼称において試験範囲を外れたり、出題が激減した時期もありました。しかし、ここでちょっとだけ気合を入れて(と私自身に言い聞かせているのですが)少なくとも平均的な知識は身につけようではありませんか。
近年どの程度出題されているのか見てみました。
2017年度はソムリエ呼称で4問、エキスパート呼称で6問出題されました。2016年度はソムリエ呼称、エキスパート呼称共に5問、2015年度はソムリエ呼称5問、エキスパート呼称6問、2014年度、2013年度、2012年度はそれぞれ3問程度でした。
やっぱりちょっと復活の兆しが見て取れます。
そして、ここ十数年の出題傾向を調べてみました。(ドイツの全出題数に対するそのカテゴリーの出題の割合です)
・ドイツワイン全体と絡めての問題
→何とも言えませんが、ここをあきらめることも一つの考え方です。ここは日常でドイツワインにふれている方でないと本当に頭に入らないように思います。
ドイツはこれまで学んだフランスとはタイプの異なるワイン法を制定しています。
ほとんど出ないと思っていいですね。2015年は一問出ましたが…。
ブドウ栽培の北限であることもあり、厳しい環境に耐えるブドウを交配によって作り出しています。この交配に関する問題とシノニムが試験で狙われるわけです。
2017年、2016年、2015年と三年連続で出題がありました。一次試験直前に教本をサラッと読むだけでも違うと思います。
標準的にかんがえると赤字の項目はおさえておきたいところです。ベライヒ、畑の名前に関する問題は出題されても一問でしょうから、覚えなくてもいいんじゃないとこっそり思っております。
何とも言えませんが、2018年度も5問程度は出題があるんじゃないでしょうか。どこまで覚えるかは皆さん次第ですが、この講座ではドイツ対策として一通りやります。
さて、始めます。
A ドイツのワイン法
●二度にわたる大きな改革
1971年 果汁糖度による計測可能な基準でシュペートレーゼ等の格付けを行うようになり、加えて畑名の統合を行いました。
2009年 EU全域で地理的呼称制度施行。→ドイツにおいては表記は任意。
●Deutscher Wein
・地理的表記は不可。生産国(ドイツ)のみ表記
●Landlwein(地理的表示付きワイン)
・一部を除き、トロッケン(辛口)とハルプトロッケン(中辛口)のみ
→末尾は検査年号です。収穫年(ヴィンテージ)ではありません。
・糖分測定法はドイツの物理学者の名前を取ってエクスレという単位で表されます。
→あくまで収穫された時の糖度が基準で、ワインの味わいのタイプを決定するものではありません。
1 カビネット 熟したブドウ
2 シュペートレーゼ 完熟ブドウ
3 アウスレーゼ 完熟、一部貴腐ブドウ
↑ ここまでは最低アルコール度数が7%以上
↓ 以下は最低アルコール度数が5.5%以上
4 ベーレンアウスレーゼ 過熟か貴腐ブドウ
5 アイスヴァイン 樹上で凍結したブドウ
6 トロッケンベーレンアウスレーゼ 干しブドウ状の貴腐ブドウ