2025年度講座開講!13年の経験と実績で独学を徹底サポート!スクールに通わなくても合格できます!

ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ

カテゴリー

三次試験ソムリエ呼称の実技について
二次試験必勝マニュアル+講座2025
テイスティングのセミナー2025のご案内
テイスティングセミナー模範解答
テイスティング用語選択用紙
二次試験に出題されたワイン
論述試験対策
テイスティング試験はなんとかなる!
はじめに~2025年度こーざの手引き~
はじめに、読み方、使い方
エクセレンス呼称対策(旧シニア呼称)
二次のテイスティングを振り返る~2024年二次のテイスティングを振り返る~2023年
二次のテイスティングを振り返る~2022年
二次のテイスティングを振り返る~2021年
二次のテイスティングを振り返る~2020年
二次のテイスティングを振り返る~2019年
二次のテイスティングを振り返る~2018年
二次のテイスティングを振り返る~2017年
二次のテイスティングを振り返る~2016年
ボルドー
ロワール
シャンパーニュ
アルザス、ジュラ、サヴォワ
ブルゴーニュ
ローヌ渓谷
プロヴァンス、コルス
ラングドック=ルーシヨン
シュッド・ウエスト
コニャック、フランス概論
スペイン・ポルトガル
イタリア
スイス・オーストリア
スロヴェニア・ハンガリー
クロアチア・ギリシャ
ブルガリア・ルーマニア
モルドバ・ジョージア
ルクセンブルク・英国
ドイツ
アメリカ・カナダ
チリ・ウルグアイ・アルゼンチン
オーストラリア
NZ・南アフリカ
日本
酒類飲料概論
テイスティング、ワインの購入・管理
サービス実技、チーズ、その他

ドイツワインについて<A>「ソムリエ試験におけるドイツの今昔」

2025/05/23
 
この記事を書いている人 - WRITER -

第80回

こんにちは。東京は最近では珍しく涼しい一日を迎えています。
勉強するのにもこれぐらいの感じがいいんですけどねぇ。

さて、今日からヨーロッパ最後の強敵、ドイツを始めます。CBT想定問題の回も含めて全4回、少し気合が必要です。

ソムリエ試験対策としてドイツはかなり以前より、避けて通りたい分野の代表格でした。ほとんど何も手をつけずに合格したという”つわもの”の話もよく聞きます。

20年以上前には毎年コンスタントに10問前後出題されており、ソムリエ試験対策の山場の一つでした。しかし、時代の流れからか出題が徐々に減少し、2011年度にはエキスパート呼称で試験範囲から外されるということもありました。

今では考えられないのですが、実は2011年までの試験においては出題範囲がある程度指定されていました。どの国が出題されるか試験前に発表があったそうで、私が受験した2013年では「今年は発表はないのか?」と騒いでいる方がいたりしました(笑)。
当時の私はその経緯を詳しく知らなかったので、一種のデマかと勘違いし、発表なんてされるわけないじゃんって思いながら、読みにくく頭に入らない畑の名前をブツブツ念仏のように唱えながら覚えていたのを思い出します。

そして時代は移ろい、今や一次試験はCBT方式…。試験範囲が発表されていたなんでウソのようです。

この講座でも以前は、”余裕の無い人はドイツをあきらめることも合格するためにアリかもしれません”とお伝えしていたくらいでしたが、昨今の”冷涼ワイン”への回帰と同時期にCBT試験が開始され、けっこうな数の出題が見られるようになりました。

以降、毎年それなりの出題がされています。この”こーざ”でも重要度Aに返り咲きです。

ですから、今日はちょっと気合を入れてまずは雰囲気をつかんでいただきたいと思っています。

ではこれから4回、一緒に頑張りましょう!

※写真はライン川沿いの急斜面のブドウ畑(ミッテルライン)

技を極めるのは、紙を毎日重ねるようなもの。しかも、紙が本物でなければならない。瞬間のひらめきや1日や2日でできるものではない。by 室伏広治

にほんブログ村 酒ブログ ソムリエへ

◆この講座の読み方・進め方がわからないという方はこちら

◆ソムリエ試験二次テイスティング対策「基礎」セミナー2025年6月開催!詳しくはこちらから
・基礎大阪3(鶴橋) >> 日時 6月3日(火)14:30~17:00
・基礎東京10 (浅草)>> 日時 6月10日(火)15:30~18:00
・基礎東京17 (調整中)>> 日時 6月17日(火)14:30~17:00

◆ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ 二次試験対策メルマガ 登録はこちらから
そろそろ登録をおすすめします! バックナンバーもちゃんと配信します。
二次試験で出題されたワインの分析」と「各ブドウ品種とワインの特徴」、「二次試験対策用のワイン」などは必読です。二次試験がどんな試験か把握しておいて下さい。また、そろそろ「この時期のテイスティング対策についてのまとめ」等、第2シーズンがスタートします。こちらも読んでおいてください。

◆インスタグラムもよろしければ。フォローはこちらから




ドイツワインについて <A>

 

目次

 

A 概要

概要
ドイツのワイン産地は北緯47度〜52度の間、ヨーロッパの主なワイン生産国の中で、イギリスに次いで北に位置する伝統的ワイン生産国です。→おおむね樺太(サハリン)の北緯に相当します。ロンドンは北緯51度で旧東独のワイン産地に相当。

気候風土
ワイン産地の大半が集まる南西部は大西洋と大陸の両方の影響を受け、冬は温暖で夏涼しく概ね乾燥しています<1>。ただ、ブドウの成長期にあたる夏から秋にかけて雨が多く、病害虫対策は欠かせません。一方で、東部は大陸の影響が強く、夏はより暑く乾燥し、冬の寒さは厳しく遅霜のリスクも高くなります<1>

季節的に雨が多く、水捌けの良さが重要な栽培条件になり、高級ワインは特に斜面の畑<1>から生まれます。斜面の日照効果や川の豊かな水量による保温効果等が望めるからです。ただ、近年は温暖化の影響でブドウがしっかりと熟すようになり、標高の高い畑など、むしろ冷涼な栽培条件が注目されつつあります<1>

歴史
・6~7世紀 アイルランドとスコットランドの宣教団の布教と合わせてドイツ各地にブドウ栽培伝播<1>
・800年 カール大帝、ワイン造りを奨励し普及に貢献<1>
・1136年 シトー会派のエーバーバッハ修道院、ブルゴーニュからピノ・ノワールを植樹
・1720年 ヨハニスベルク修道院においてリースリング大量植樹
・1786年 モーゼル一帯を支配するトリーア大司教が質の劣るブドウを引き抜き、リースリングを栽培するように命じる<1>
・1775年よりヨハニスベルグ城にて毎年貴腐ワインの醸造を開始<1>→その前の1753年と1760年にエーバーバッハ修道院所有のシュタインベルグで貴腐ブドウが収穫されました。
・1830年代 エクスレ:比重計による糖度測定法が提唱された。ドイツの物理学者の名前から。
・19世紀後半 1860年代にラインガウとモーゼルにおいてブドウ畑の格付けが行われ、鉄道が敷設されるとワイン市場が一気に拡大しました。
・1874年 最初のフィロキセラによる被害

 

B ドイツのブドウ品種について

ドイツはブドウ栽培の北限付近であることもあり、伝統品種以外に厳しい環境に耐えるブドウを交配によって作り出しています。

白ブドウ栽培面積ベスト3<1>
1 リースリング=ラインリースリング
2 ミュラー・トゥルガウ=リヴァーナー=<リースリング×マドレーヌ・ロイアル><1>
→1970年代は最も栽培されていた品種です。<1>

3 グラウブルグンダー=ルーレンダー=ピノ・グリ

黒ブドウ栽培面積ベスト3<1>
1 シュペートブルグンダー=ピノ・ノワール

2 ドルンフェルダー→交配:ヘルなんとかとヘロなんとか。ヘル・ヘロ…<1>
3 ポルトギーザー
→全ブドウ品種ベスト3はリースリング→シュペートブルグンダー→ミュラー・トゥルガウ<2>

※主要ブドウ品種、シノニム、そして交配の組み合わせは過去問に出てきたものをしっかり覚えましょう。

その他要暗記白ブドウ品種
・ヴァイスブルグンダー=ピノ・ブラン<1>
・グートエーデル=シャスラ=フォンダン<1>
・ケルナー=トロリンガー(黒)×リースリング<1>
・バッフス=(シルヴァーナー×リースリング)×ミュラー・トゥルガウ
・ショイレーベ=リースリング×ブケットトラウベ<1>→近年「ドイツのソーヴィニョン・ブラン」として再評価されています。

その他要暗記黒ブドウ品種
・ドミナ=ボルトギーザー×シュペートブルグンダー<1>
・シュヴァルツリースリング=ミュラーレーベ=ピノ・ムニエ<2>→リースリングとありますが、シュヴァルツが黒を表し黒ブドウです。シュヴァルツバルト(黒い森)、シュヴァルツカッツ(黒猫)からも言葉としてイメージできますよね。
・レゲント→交配品種
・レンベルガー = ブラウフレンキッシュ<1>

最新資料(2023年度栽培面積)を計算すると白ブドウ:68.8%、黒ブドウ31.2%<1>になりますが、とりあえず白が約70%と覚えておきましょう。

生産されるワインの約7割が辛口(オフドライを含む)です<1>
80年代初頭10%ちょいであった黒ブドウの栽培面積は、世界的な赤ワインブームにより年々増加、1995年に20%を超え、2005年にピーク(36.8%)に達した<1>。とりわけ、シュペートブルグンダーとドルンフェルダーが栽培面積を増やしましたが<4>、最盛期に比べるとやや減少傾向。
しかし、ここにきてリースリング人気から2005年以降は白ワインが再び増加傾向で、リースリングの他にヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダー、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランといった国際的な辛口白ブドウ品種が増えています。<1>

C ドイツのワイン法

経緯
1971年 (シュペートレーゼ等の)肩書きの基準が数値化され、収穫時の果汁糖度<1>に応じて格が上がるようになりました。また、大規模な畑の統合が行われました。→約25,000あった畑が、2650にまで統合・削減されました。
2009年 EU全域において地理的呼称制度導入→ドイツにおいては表記は任意。
2021年 ドイツワイン法改定、「収穫時の果汁糖度」から「地理的呼称範囲」へ

ラインガウ
1999年 ドイツワイン法の中の条例として、ブドウ畑の格付けを施行。
2001年 VDP.Die.Pradikatsweinguter(プレディカーツヴァイン醸造所連盟)が独自に地理的呼称範囲による格付けを始める。

2021年のドイツワイン法改定について→現在は移行期間、ラベル記載義務は2026年産から
果汁糖度から地理的呼称範囲へ。<2>
EUの基準における「地理的表示付きワイン」に含まれる「原産地呼称保護ワイン(g.U.)」が大きな影響を受けます。

改定後の地理的表示付きワインの格付け

A.地理的表示の無いワイン
・EUワイン

・地理的表示のないドイツワイン
B.地理的表示付きワイン

●地理的表示保護ワイン(g.g.A.<1>)=Landlwein<2>
・ブドウはラントヴァイン指定地域産を85%以上使用<1>
・一部を除き、トロッケン(辛口)とハルプトロッケン(中辛口)のみという規則が撤廃
・アルコール8.5%以上
→一部地域では甘口も認められています。また、公的審査を受ける必要がないので、亜硫酸無添加ワインやいわゆるオレンジワインなど、特定ワイン生産地域の典型性に欠けるとみなされるワインはこのカテゴリーで販売されることが多い。

●原産地呼称保護ワイン(g.U.)
Qualitatswein(かつてのQ.b.A.)
g.U.の生産規定は、Qualitatsweinの生産規定がそのまま引き継がれます。
・「g.U.」の表記があれば、「Qualitatswein」の表記は省略できます。
・13ある特定ワイン生産地域のうちの一つの地域内で収穫されたブドウを100%使用し、その生産地域内で醸造<1>
・各地域で認可されたブドウ品種のみ使用可
・各生産地域で定められた最低基準値を上回る糖度の果汁を使用
・補糖可(シャプタリゼーション)<3>
・アルコール7.0%以上
・公的検査合格番号A.P.Nr.を表示しなくてはならない。→末尾は検査年号です。収穫年(ヴィンテージ)ではありません。
・地理的呼称範囲に基づく格付けは下記の通り。
①Anbaugebiet(アンバウゲビート) 
生産地域名呼称ワイン
②Region(レギオン) 
ベライヒ名もしくは集合畑名ワイン
③Gemeinde(ゲマインデ)もしくはOrtsteil(オルツタイル) 
市町村名もしくはその地域名ワイン ※これより上の格付けにおいて、果汁糖度は現在のKabinettの基準を満たしていることが必要。
④Einzellage(アインツェル
ラーゲ) 単一畑ワイン<2>
-Erstes Gewachs(エアステス・ゲヴェクス) 生産地の単一品種、60hl/ha(Steillageは50hl/ha)を10%以上超えない、潜在アルコール11%以上。
-Groβes Gewachs(グローセス・ゲヴェクス) 上記に加え50hl/ha(Steillageは60hl/ha)を10%以上超えない、潜在アルコール12%以上、手摘み。

※Steillage(シュタイルラーゲ):傾斜角30°以上<1>の急斜面の畑→オーストリアにも似たようなものがありましたが覚えてますか?混同しないようにしましょう。

◆これまでの果汁糖度による規定<1>
Pradikatswein(かつてのQ.m.P.)
2021年のワイン法より、「g.U.の中の単一畑を名乗るワインで、残糖度20g/ℓ以上で補糖していないワイン」に対して必須記載事項となる見込み。
・g.U.の生産規定に則りますが、アルコール濃度を補うための補糖は不可。<1>→ズゥースレゼルヴェ(後述)は認められています<1>
・アルコール7.0%以上(ただし、下記の4~6は5.5%以上)
・収穫時のブドウの状態と果汁糖度に応じて6段階の肩書があります。→あくまで収穫された時の糖度が基準で、ワインの味わいのタイプを決定するものではありません。

Kabinett カビネット:70~85°Oe<1>
Spatlese シュペートレーゼ:80~95°Oe-完熟ブドウ<2>
Auslese アウスレーゼ:88~105°Oe-完熟ブドウ、一部貴腐ブドウ<2>(貴腐独特の香りが含まれていることが期待されます)
Beerenauslese ベーレンアウスレーゼ:110~128°Oe<2>-貴腐ブドウまたは過熟ブドウを手摘み<3>
5 Eiswein アイスヴァイン:110~128°Oe<3>-樹上で凍結(−7度以下)したブドウをそのまま圧搾・醸造<3>
Trockenbeerenauslese トロッケンベーレンアウスレーゼ:150~154°Oe<4>-相当に乾燥した貴腐ブドウを手摘み<3>

◆残糖分とスタイル
・trocken(トロッケン):残糖値4g/ℓ以下、または9g/ℓ以下で…<1>
・halbTrocken(ハルプトロッケン):残糖値がTrocken以上でかつ12/ℓ以下、または18g/ℓ以下で…<3>
・lieblich(リーブリッヒ):残糖値がHalbTrocken以上でかつ45g/ℓ以下<1>
・suβ(ズゥース):残糖値45g/ℓ以上<3>※Dolce等他の国の表示で問われることも。
・feinherb(ファインヘルブ):(法的な数値基準はない)オフドライ。

◆スパークリングワイン
・Perlwein<1>
弱発泡性ワインで20℃で1~2.5気圧<1>のもの、最低アルコール濃度7%<1>炭酸はスティルワインに添加も可。<2>→イタリアのフリッツアンテ、フランスのペティヤンに相当

・Schaumwein
発泡性ワインの総称。20℃/3.0気圧以上、アルコール濃度9.5%以上。<1>←右記の条件を満たせば生産国・白・赤などかなり自由にブレンド等が可能

・Sekt、<1>またはQualitatsschaumwein
20℃/3.5気圧以上、アルコール濃度10%以上。←ベースワインの基準はSchaumweinと同じ。<1>

・Deutscher Sekt
ドイツ国内産のベースワイン(Landlweinの基準)から生産されたSekt<2>

・Sekt b.A.、<1>またはQualitatsschaumwein.b.A
特定ワイン生産地域で生産されたクヴァリテーツヴァインがベースのSekt<1>→さらに、WinzersektとCremant(高品質)にわかれます。

関連用語
・Oechsle エクスレ<1>
ドイツ人技師フェルディナンド・エクスレが1830年代に提唱したブドウ果汁の測定法。20℃の1ℓ水と(発酵前<1>の)果汁の重さの差をエクスレ度といいます。<1>

・Sußreserve ズゥースレゼルヴェ
ブドウ果汁の一部を発酵させないでそのまま保存したもの<1>。ワインの甘み、バランス調整のため仕上げの時に規定量(25%)以下を加えることが認められています。<2>

D ドイツのいろいろなワイン

※ひとまず細かいことはさておき、まずは名前を見てどのようなワインか大まかにわかるようになりましょう。

・Pet-Nat
一次発酵の途中で瓶詰めし、炭酸をワインに溶け込ませる製法で造られたスパークリングワイン。
若手のビオワイン生産者によって造られています。→メトード・アンセストラルと同じ。ペティヤン・ナチュレルの略。ここ数年でものすごく耳にするようになりました。ペティヤンなので原則Perlweinの仲間ですが、気圧が3.0barを超えたらSchaumweinに分類されます。
※残糖表示はEUの基準に準じます。

ロゼワイン
・Weiβherbst

単一の黒ブドウ品種から造られるロゼワイン<3>。Qualitatswein以上。5%までは同一品種の赤ワインおよびマストの追加が可能。

・Blanc de Noirs<1>
基本シャンパーニュと同じで、白ワインのように黒ブドウを圧搾した果汁から造られる外見上は白ワイン。 Weiβgekeltertと表記されることも。2021年法改正でg.U.であることが条件に。

・Rotling
黒ブドウと白ブドウを混ぜて醸造した明るいロゼワイン。<1>→醸造前にブドウまたはもろみを混ぜることがポイント。

※ロートリングは各地で色々な呼び名があります。下記は私の時代には必死で覚えたものですが、今の教本には「ほとんど目にすることはない」と書かれています。
・Schillerwein<1>
ヴュルテムベルク産のロートリング<2>、Qualitatswein以上。
・Badisch-Rotgold<2>
バーデン産のロートリング、Qualitatswein以上。グラウブルグンダーとシュペートブルグンダーを混醸。
・Schieler
ザクセン産のロートリング

ブドウ畑の格付け(VDPの品質基準)<1>
VDP.Die.Pradikatsweinguter(ブレディカーツヴァイン醸造所連盟<1>):ブドウ畑の格付け<1>を推進している生産者団体、ラインガウ<1>が皮切りでした。その後、量産体質と品質低下に危機感を抱いたラインガウの一部生産者が高品質辛口ワインの復興を掲げてカルタ醸造所連盟<1>を設立し、ブドウ畑の格付けへとつながりました。

VDP4段階の品質基準→2012年より
・VDP.Große Lage(グローセ・ラーゲ):特級区画=グラン・クリュ<4>50hl/ha
・VDP.Erste Lage(エアステ・ラーゲ):一級区画=プルミエ・クリュ<3>60hl/ha<1>
・VDP.Ortswein(オルツヴァイン):市町村名入りワイン<2>75hl/ha
・VDP.Gutswein(グーツヴァイン):醸造所名入りワイン→エントリーレベルのエステートワイン<4>75hl/ha
特に、特級と一級の辛口はそれぞれ、Groβes Gewachs、Erstes Gewachsと称され、ロゴ(特級は特製瓶)
で表記されます

2020年12月から高品質SEKTの格付けを発表。
・VDP.SEKT 自家栽培ブドウ・手摘み・全房圧搾・瓶内二次発酵15カ月以上(ヴィンテージ表記の場合は24カ月以上<2>
・VDP.SEKT.PRESTIGE 上記に加え瓶熟36カ月以上、試飲審査

 

お疲れ様でした。けっこうしんどいですね。それでもあと一息、かなり長いんですが【過去問】で確認しましょう。

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
ドイツの VDP の品質基準においてグラン・クリュにあたるものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Erste Lage
2. Große Lage
3. Ortswein
4. Gutswein

【過去問】
ドイツで生産される黒ブドウ品種で最も栽培面積の多い品種を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Spatburgunder
2. Riesling
3. Dornfelder
4. Portugieser

【過去問】
ドイツワインの歴史に関する記述のうち正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 12 世紀ドイツ南部ではワインは高級品として取引され日常的には地元のビールが飲まれていた
2. 1720 年ラインガウのヨハニスベルク修道院でリースリングの樹が大量に引き抜かれた
3. 1860 年代ラインガウとモーゼルではブドウ畑の格付けが行われた
4. 1960 年代〜 1970 年代にかけて甘口ワインから辛口ワインへ生産がシフトしていった

【解説】
1. ドイツ北部であれば正解。ドイツ南部は水の衛生状態が悪かったので、ワインが必需品で、毎日1~2ℓ飲まれたそうな。

【過去問】
ヨハニスベルク城において、貴腐ブドウの栽培が始まった年を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 1775 年
2. 1783 年
3. 1870 年
4. 1876 年

【過去問】
ドイツの Pradikatswein でシュペートレーゼの最低アルコール度を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 5.5 度以上
2. 7 度以上
3. 8 度以上
4. 8.5 度以上

【解説】
アコール度数の規定がなくなったのか、教本に記載がないですよね。これまでは下記のように記載されておりました。
アウスレーゼまでの最低アルコール度数は7%以上、ベーレンアウスレーゼ以上の最低アルコール度数は5.5%以上

【過去問】
ドイツの黒ブドウ Domina の交配として正しい組み合わせを1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Helfensteiner × Heroldrebe
2. Portugieser × Spatburgunder
3. Fabertraube × Portugieser
4. Lemberger × Dornfelder

【過去問】
ドイツのブドウ品種で Weißburgunder の別名を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Pinot Gris
2. Pinot Blanc
3. Pinot Noir
4. Chardonny

【過去問】
次の中からドイツワインを辛口タイプと甘口タイプに分類した場合、辛口タイプが全体に占める割合に該当するものを1つ選んでください。

1. 約40%
2. 約50%
3. 約60%
4. 約70%

【過去問】
ドイツで用いられる糖度の単位を 1 つ選んでください。

1. ブリックス
2. KMW
3. エクスレ

【解説】
簡単な問題ですが、正解以外の選択肢が何を指すのか調べてみましょう。

【過去問】
次の記述に該当するプレディカーツヴァインの格付けを1つ選んでください。

「ぶどうの収穫時期は通常の収穫期が終わって少なくとも 1週間後が通例」

1. カビネット
2. シュペートレーゼ
3. アウスレーゼ
4. ベーレンアウスレーゼ

【過去問】
次のA~E のPradikatsweinについて、糖度の高い順よりならべた中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

A. Spatlese
B. Auslese
C. Kabinett
D. Eiswein
E. Trockenbeerenauslese

1. E→D→B→A→C
2. B→E→D→C→A
3. D→E→B→A→C
4. E→B→D→A→C

【過去問】
下図はドイツワインのラベルに表示された A.P.Nr.です。次の中から 13 に該当するものを 1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「5 347 078 009 13」

1. 収穫年号
2. 検査年号
3. 瓶詰め人の認識番号
4. 特定ロットまたは瓶詰め番号

【解説】
おそらく問われるとするとこの最後の数字かと。

【過去問】
次の1-3の中からドイツワインの赤ワイン用ぶどう品種の栽培比率として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 33%
2. 44%
3. 55%

解説:最新資料で多少変わっているものの、正解がわからないレベルではないですね。

【過去問】
次のドイツワインの歴史に関する記述の中から19世紀の出来事に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ヨハニスベルグ城において、貴腐ブドウの栽培開始
2. 物理学者 Ferdinand Oechsle 氏が果汁の糖度を調べる比重計を発明
3. ドイツ高級ワイン生産者連盟(VDP)の設立
4. シトー派の修道院クロスター・エーベルバッハの設立

【過去問】
次の中からPradikatsweinとしての必要な条件として誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ワインは公的機関の品質検査をうけ、公的検査番号(A.P.Nr.)をラベルに表示しなければならない。
2. 補糖は法定地域(13 地域)では認められている。
3. ヴィンテージおよび、ぶどう品種を表示する場合は、それぞれの規定に従わなければならない。
4. 果汁の糖度に準じて 6 段階に分けられる。

【過去問】
ドイツワインのプレディカーツヴァインは6段階に区別され格付けされているが、もっとも糖度が低いものを1つ選んでください。

1. アウスレーゼ
2. シュペートレーゼ
3. カビネット
4. ベーレンアウスレーゼ

【過去問】
ドイツのワイン用ブドウ品種の中から黒ブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Bacchus
2. Gutedel
3. Grauburgunder
4. Schwarzriesling

【過去問】
ドイツで「Perlwein」の区分に該当するものを1つ選んでください

1. 弱発泡性ワイン
2. 酒精強化ワイン
3. 貴腐ワイン
4. フレーヴァード・ワイン

【過去問】
次の中からドイツで、ぶどうの遅摘み法やアウスレーゼの開発が行われた場所を1つ選んでください。

1. ヨハニスブルグ城
2. フォルラーツ城
3. シトー派修道院
4. クロスター・エーベルバッハ

【過去問】
次の1~4の白ぶどう品種の中からRivanerの別名として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Muller-Thurgau
2. Silvaner
3. Bacchus
4. Scheurebe

【過去問】
次のドイツのワイン用ぶどう品種の中から黒ぶどうを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Elbling
2. Gutedel
3. Weisburgunder
4. Dornfelder

【過去問】
次の1~4のドイツのぶどう品種に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Dornfelder はEhrenfelser とHeroldrebe の交配品種である。
2. Muller-Thurgau はRivaner とGutedel の交配品種である。
3. Kerner はTrollinger という黒ぶどう品種とRiesling という白ぶどう品種の交配品種である。
4. Silvaner はPinot Blanc とも呼ばれFranken では素晴らしいワインが造られている。

【過去問】
次の 1-4 のドイツのぶどう品種の中から黒ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Elbling
2. Bacchus
3. Regent
4. Regner

【解説】
Regentが黒ブドウなのですが…。栽培面積第7位になってますね。さらに教本にはこのように書かれています。
2000年代に入り、有機農法に取り組む生産者が増えるとともに、カビ菌耐性品種PIWI(←最近たまに耳にします)が注目されるようになった。その代表的な品種としてRegent、白ブドウのCabernet Blancなどがある。栽培メリットは明らかなものの、消費者の認知度が低く、栽培面積は伸び悩んでいる

【過去問】
次のドイツのワイン用ぶどう品種の中から最も栽培面積が広いものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Muller-Thurgau
2. Riesling
3. Spatburgunder
4. Sylvaner

【過去問】
次の中から、ドイツのワイン用ぶどう品種Dornfelderの交配として正しいものを1つ選んでください。

1. Trollinger × Riesling
2. Helfensteiner × Heroldrebe
3. Portugieser × Spatburgunder
4. Riesling × Gutedel

 

いや~長かったですねぇ。本当にお疲れ様でした。まだ時間はあります。焦らずにまた戻って復習しましょう。

何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希





この記事を書いている人 - WRITER -

Comment

  1. この問題の正解は3番でよいということでしょうか?

    2番は植樹なら正解ということですよね?

    ドイツワインの歴史に関する記述のうち正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

    1. 12 世紀ドイツ南部ではワインは高級品として取引され日常的には地元のビールが飲まれていた
    2. 1720 年ラインガウのヨハニスベルク修道院でリースリングの樹が大量に引き抜かれた
    3. 1860 年代ラインガウとモーゼルではブドウ畑の格付けが行われた
    4. 1960 年代〜 1970 年代にかけて甘口ワインから辛口ワインへ生産がシフトしていった

    【解説】
    2. ドイツ北部であれば正解。ドイツ南部は水の衛生状態が悪かったので、ワインが必需品で、毎日1~2ℓ飲まれたそうな。

    • 牧野 重希 より:

      ご指摘ありがとうございます。

      こちらは、項番の間違いです。
      選択肢2番の解説ではなく、1番の解説でした。

      修正してお詫びいたします。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ , 2025 All Rights Reserved.