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日本ワインについて<B>「祝100回!!ここまできたらやるしかない!」

祝!第100回!

お疲れ様です。大雨が降ったり蒸し暑かったり、そして真夏の日差しが登場したりと、このところ過ごしやすいとは言えない感じですが、体調はいかがでしょうか?
これからは体調管理が一番大切と言っても過言ではないかもしれません。試験本番に体調を崩して力を発揮できないなんて、とても残念なことですから。

第100回目です。これからが本番ですが、皆さんと共にここまでこれました。

この100回目の更新まで、決して完璧なスケジュールで更新をこなせたわけではありませんが、私もなんとか100回までこれて安心しています。

あなたも勉強を始めた頃は100回なんて想像できなかったかもしれません。100回分、知識と共にいろんな意味で成長されたのではないかと想像しております。一方で、この時期、誰もが不安で、いろんな葛藤があり辛い時期だとも感じております。

でも、絶対に絶対にあきらめないでください。

あきらめた瞬間にソムリエ試験合格が遠のくだけでなく、人生において大事なチャンスを逃してしまいます。あえて厳しいことを言わせていただくなら、ソムリエ試験くらいで逃げ出すようでは今後、何事も成し得ることはできません。今、ここを超えるかどうかはソムリエ試験合格以上に大切なことだと思っています。

先日お伝えした「GRIT:やり抜く力」をここで発揮してほしいのです。

成功者に共通することは
どんな苦難に出会おうとも、多くの人が”苦しい、もうダメだ”と思うところでも、あきらめずに前進できる強さを持っていることです。あきらめずにやり抜くことで、結果として成功がついてくるんです。

大人になると、ものわかりが良くなりますが、頭で考えてしまうので自分で自分の限界を決めてしまいがちです。ここにきて、「自分には無理な挑戦だったのだ」とあきらめる方が少なくありません。
それは本当にもったいないんです!あきらめたらそこで終わり、目的地に到達できないことが決まってしまいます。その先にはあなたの知らない場所があるかもしれないのに。そしてあなたの足はそこに行くだけの力をもっているのに。

繰り返しになりますが、ソムリエ試験対策もそれなりに大変です。夜遅く家に帰ってから、または朝いつもより早く起きて勉強をしなくてはなりません。私も独学で経験しましたから、その大変さはよくわかっているつもりです。
でも、周りを見渡しても合格は比較的簡単にイメージできるのがこの資格です。実物のソムリエバッジも目にする事があるでしょう。オリンピックの金メダルのような途方もない道では決してありません。

今、勉強が苦しいと感じられているあなたと同じように苦しんでいる受験者がたくさんおられます。そして結果を分けるのは、苦しくても続けたか、もしくはやめてしまったかです。

この時期、ソムリエ試験受験をあきらめようとする人、「来年でいいや」と思ってしまう人もいらっしゃるでしょう。

もし、あなたの頭にその言葉がよぎったら「今、あきらめようと思う理由はなんなのか?」、今一度自分に問うてみてください。
単に逃げているだけではないのか?
今後の人生でも同じように逃げてやり過ごすのか?
しっかり考えてみてください。

あきらめて楽な方に逃げることは簡単です。
「もしかしてダメかもしれない」「間に合わないかもしれない」、そんな思いを抱えても、それでも今あきらめないことがソムリエ試験合格以上の何かを手に入れる方法です。

合格する方は、今のこの辛い時期を耐えて乗り越えて、最後まで決してあきらめなかった人です。そして、ソムリエ試験合格を一つのきっかけにして、さらなる成長・飛躍をされることでしょう。

一次試験まであと少しですが、8月下旬に2回目の試験を設定している方なら、まだ1カ月半以上もあります。あきらめるには早すぎます。もう一段階ギアを上げて頑張りましょう!

運命とは命を運ぶと書く。誰が運ぶのか、それは他でもないあなただ。そして、どこへ運ぶかは、あなたが考えればいい。 by 林正孝(ソニー生命保険エグゼクティブライフプランナー)
※表紙のブドウはなんでしょう?この果皮の色は…。

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日本ワインについて <B>

 

さて、長かった世界のワイン産地巡りも、とうとう日本までたどり着きました。

近年のソムリエ協会の日本ワインに対する力の入れようは並々ならぬものがあります。今後、日本のワインを世界に広めようということになれば、その役割を担うべく私たち日本のソムリエ、ワイン愛好家が日本のワインについてもっと知らなくてはならないと考えるのは当然のことだと思います。ですから、今年も気合の入った出題が見られるでしょう。

「日本ワイン」も以前と比べて見違えるように良くなりました。そして、甲州種に続き、2013年にマスカット・ベーリーA種が、2020年には山幸がO.I.V.(国際ぶどう・ぶどう酒機構)に認定されました。

日本は気候的に雨が多く、湿度が高い為ワイン用ブドウ栽培には不向きだと言われてきた歴史があり、ブドウといえば”食べるもの”であったことも日本ワイン発展の足枷となっていました。←みずみずしいブドウは食べては美味しいですが、ワインには不向きです。そして、長年”食べて美味しいブドウ”を作り続けた農家さんが、簡単にワイン向けブドウ栽培に方向転換はできないということです。

それでも、老舗から若手の新しいワイナリーまで、日本全国の生産者が日本ワインの品質向上に力をいれておられます。

我々がそのワインを自信をもって海外の方にお勧めできるようになるためにも、いえ、まず皆さんは合格するために、ここは気合が必要です。日本は教本を読み込むレベルまでしっかり勉強してください。

2024年度教本で日本の歴史の項目が大幅に改定されていますので、そこは必ず読んでおいてください。甲州の由来についても全面改訂されています。→ちょっと読みずらいですが…。

あと少しです。今ここを踏ん張りましょう。ここを乗り越えればまずは一つ目の山頂です。

目次

 

A 概要

日本は南北に細長い島国で、総面積3,780万ha、ほぼドイツと同じ広さですが、日本列島の真ん中に急峻な山脈が走っており、75%が山間部になっています。

現在は北海道から沖縄まで、ほとんどすべての都道府県でワイン造りが行われております。

多様性
現在、ブドウ栽培の北限が北海道・名寄(北緯44.1度)南限が沖縄・恩納村(26.3度)でその差18度です。南北に大きく離れているため、産地それぞれの気候は大きく異なります。また、主に盆地や扇状地にブドウ畑が開かれてきましたが、標高900mを超える山間部や海岸沿いの標高2mのところにも畑があり、気候や地形も多岐にわたっています。
→過去に、北限と南限の緯度の差は?という出題がありました。日本の18度に対してフランスは6度です。ちょっと驚きですよね。

ブドウ品種も多様で、ヨーロッパが伝統的なヴィティス・ヴィニフェラ種のみからワインが造られているのに対し、日本ではヴィティス・ヴィニフェラ種に加え、ヴィティス・ラブラスカ種、自生している野生ブドウ(山ブドウ)、さらにこれらの交雑品種、交配品種からもワインが造られています。

発展途上の新しい産業
日本で本格的なワイン造りが始まったのは明治の初めとされており、ブドウ栽培に根ざしたワイン造りが盛んになり始めたのが1980年、まだ日本のワイン産業は発展の最中にいます。

特に2000年以降、200軒以上のワイナリーが設立され、現在国税庁の調査では453軒<1>、うち「日本ワイン」を造っているワイナリーは少なくとも299軒とされており、全ワイナリーの約2割が山梨県に集中している一方で、近年、北海道と長野県でワイナリーが急増しています。→ワイナリー数は山梨94→長野65→北海道53→山形19→岩手15→新潟の順に多い。
また、自社農園のブドウの使用比率は18%ですが、こちらも年々増加中です。→日本においては「ドメーヌ」という言葉に法的な定義がなく、自社管理畑を一切持たなくともドメーヌを名乗るワイナリーもあります。

全ワイナリーのうち、約87%が年間生産量100kℓ未満の小規模ワイナリーでこの比率も年々増加しています。特に2000年以降に設立されたワイナリーの90%以上が小規模に属します。

B 日本ワインの歴史

718年<2>
甲州種の由来:大善寺説(行基説)→詳細は後述
1186年<2>

甲州種の由来:雨宮勘解由説→詳細は後述
1627年
小倉藩(現在の福岡県)でブドウ酒造りの記録が見つかる。→熊本大学発表。

室町後期から江戸時代
中国からブドウ栽培とワイン造りの製法が伝わっているが、焼酎にブドウ果汁を混ぜたヴァン・ド・リキュールタイプのワインだった。

江戸後期
蘭学の発達とともに、アルコール発酵によるワイン醸造法が詳細に伝わってきた。

1817年
甲斐州の橋本善也と白嶺屋勇蔵が、オランダの造法に従って初めてのブドウ酒を醸造。酒石も江戸で薬舗を開き販売。

1874年
明治初期<1>山田さんと詫間さん<1>甲府にて本格的なワイン造りを始めました。以降、明治政府の殖産興業政策の一環として、山梨県、北海道、山形県、茨城県、神奈川県などでブドウ栽培とワインの試験醸造が始まります。→山田宥教(やまだ ひろのり)と詫間憲久(たくまのりひさ)

1877年<2>
現在の勝沼にあたる祝村に民間初のワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」(現在のシャトー・メルシャン)が立ち上げられる。

1893年<2>
川上善兵衛新潟県上越市<1>に「岩の原葡萄園」を設立。→2024年度教本より、「設立」ではなく「初仕込みをした年」と記述が変わりました。
日本の風土に適したワイン用ブドウ品種の研究を続けました。1920年代前半に22品種を優良種として発表。

1927年<2>
川上善兵衛が交配番号3986:マスカット・ベーリーAの交配を開始。1931年に初めて結実。1940年にブラック・クイーンなどと共に全22品種が公表され、後に、日本のワイン産業を支える重要な役割を果たすことになります。

1939年
その後ワイナリーは増減を繰り返し、1926年319軒<1>だった山梨県のワイナリーは、この年に3694軒に達しました。

1942年
第二次世界大戦中、ソナー(水中聴音機)の資材となるロッシェル塩の原料となる酒石を必要とする軍が、全国に酒石の採取を働きかける。酒石は甲府のサドヤ醸造場に集められた。また、勝沼では海軍から資金を得て日本連抽社を設立してロッシェル塩を製造。ここが現在のメルシャン勝沼ワイナリーとなっている。

1945年
上記の理由から1934年のワイン製造量2450kℓが、この年には34200kℓと10年で10倍以上に増加。→ワイナリー数は戦争による強制統合により、著しく減少。敗戦後は6191kℓとなり、無理な増産の反動によりワイン産業は低迷。

1960年〜1970年代
高度経済成長と呼ばれる時代に東京オリンピックや大阪万国博覧会が華々しく開催され、ワインの生産と消費が拡大し始めます。

1973年<1>
ワインの消費量が前年比で162%も上昇、後に「ワイン元年」と称されるようになります。

1970年代
ワインの原料に国産生ブドウ以外を使用する流れに。農業貿易の自由化をきっかけに、特恵国のバルクワインや濃縮マストの関税が引き下げられ、ワイン原料の輸入が増えていきます。
ヴィティス・ヴィニフェラの栽培もこの頃から、北海道鶴沼、山形県上山、長野県桔梗ヶ原などで進められ、平成に入ると全国に広まりました。ヴィティス・ヴィニフェラへの再挑戦は1936年に甲府のサドヤ農場で始まり、1950年代にサントリー登美の丘で本格化しここにいたります。

1975年<3>
果実酒の消費量が甘味果実酒を上回る。

1985年
オーストリアのワインに入っていたジエチレングリコール(不凍液)が山梨のワインから発見され、国産ワインに輸入ワインが混入していることが発覚。信頼回復のため、世翌年「国産ワインの表示に関する基準」が施行され、現在の国税庁の「果実酒等の製法品質表示基準」につながっている。

1994年
日本ワイン市場において輸入ワインが拡大し、輸入ワインの消費量が国産を上回りました。

2000年以降
日本ワインにおいて世界的に競争力を示すことのできる地理的表示(G.I.)の指定が始まる。2015年には国税庁がブドウの産地や品種などの「製法品質表示基準」を定め、2018年に施行。国内でのブドウ畑の拡大やワイナリーの建設が加速。
長野県や北海道を中心に、自分で育てたブドウからワインを造る小さなワイナリーの設立も活発化。

2013年
大阪市中央区という街中にワイナリーが誕生。醸造所にレストランを併設し、ワイナリーのワインと料理を楽しむことができるという都市型ワイナリーアーバンワイナリー<1>)が注目されるようになります。物流の発達により、醸造所がブドウ畑に隣接する必要がなくなったこともあり、現在東京、大阪、小樽、金沢で営業しており、都市部において増加傾向にあります。

C 気候風土

南北に長い日本列島は、全体として見ると内陸性気候のところが多いものの、当然北と南では気候は大きく異なります。→海洋性気候の北海道・後志地方の産地がよく出題されています。

北海道の後志地方は海洋性気候、空知地方は内陸性気候ですが、いずれも梅雨がありません。

山形県は庄内地方を除き、ほぼ内陸性気候、秋雨に悩まされることが少なく、成育期間が長いことが特徴です。

長野県は全ての栽培地で内陸性気候、東御市の4月から10月の平均気温はディジョンとほぼ同じ、秋に晴天が続くことも特徴です。

山梨県は同じく盆地の内陸性気候。降水量が長野よりやや多く、日照量はほぼ同じです。

九州の宮崎は、4月から10月の降水量も多いが、日照量も最も多いのが特徴です。

D 酒類とは

日本において、法的にワインは主として国税庁「酒税法」と「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」によって管理されています。

◆酒類とは
1%以上のアルコールを含む飲料。下記の4つに分類され税率が定められています。

① 発泡性酒類:ビール、発泡酒、その他発泡性酒類
② 醸造酒類:清酒、果実酒、その他醸造酒
③ 蒸留酒:連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウィスキー、ブランデー、原料アルコール、スピリッツ
④ 混成酒類:合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

※ワインは果実酒、酒精強化ワインは甘未果実酒に分類されます。

・果実酒とは
果実酒とは果実及び水を原料とし発酵させたもの。補糖可(砂糖、ブドウ糖、果糖のみ)、アルコール・香味料の添加も可。アルコール度数は20度未満。
→果実酒ではブドウ以外の果実も、水もアルコールも使用が認められています。
というように、多くの国においてワインと言えないものまで日本ではワインと呼んでいます。このような法律は多々あり、ビール、ウィスキーなども同様に世界では認められない原料・製法・品質のものまで一般に流通しています。

・甘味果実酒とは
教本には細かく書かれていますが簡単にいえば、主に上記の果実酒に準じた果実酒以外のもの、または果実酒に薬剤・フレーバーを加えたもの。果実酒とは違い「色素」の添加も可。主に酒精強化ワイン、フレーバードワインなどが該当します。

E 日本のワイン法

◆ラベルの表示規定
2015年<1>、国税庁によって定められた「果実酒などの製法品質表示基準」によってワインのラベル表示を規定する法制度が整い、2018年に施行<2>されました。この制度は一般的に「ワインのラベルの表示ルール」と呼ばれています。→これまで「国産ワイン」と呼ばれていたものには、輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料としたまがいものも含まれており(そもそもこれまでワインの定義がなかった)、国産ブドウのみで造られた「日本ワイン」とそれ以外の違いをわかりやすくするための表示基準です。

「日本ワイン」とは<1>
国産ブドウのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒

「国内製造ワイン」とは
上記の「日本ワイン」を含む日本国内で製造された果実酒及び甘味果実酒。
輸入原料を使ったものも含まれます。

表示ルール
「日本ワイン」のみ”日本ワイン”という表記に加え、地名、ブドウ品種、収穫年を記すことが可能。表記ルールはすべて85%<2>です。

地名表示<4>→特に②と③が要チェックです。
① ワイン産地名を表示
その産地で収穫したブドウを85%以上使用し、その産地で醸造したワイン
(例)東京都で収穫したシャルドネ(85%以上)を使用して、東京都で醸造したワインの表記例
・日本ワイン
東京ワイン
・シャルドネ
・2019

② ブドウの収穫地を表示
その産地で収穫したブドウを85%以上使用したワイン
(例)東京都で収穫したシャルドネ(85%以上)を使用し、他府県で醸造したワインの表記例
・日本ワイン
東京産ブドウ使用
・シャルドネ
・2019

③ 醸造地名を表示
醸造地以外で収穫したブドウを使用し、その表記の産地で醸造したワイン
(例)東京都以外で収穫したブドウを使用し、東京都で醸造したワインの表記例
・日本ワイン
東京醸造ワイン:東京は原料として使用したブドウの収穫地ではありません。
・2019

一方で、輸入原料を使ったものには、「輸入濃縮果汁使用」、「輸入ワイン使用」などを記すことが義務づけられました。

裏ラベル表示義務<1>
1. 日本ワイン
2. 品目 果実酒
3. 原材料名 ブドウ(日本産、東京都産など)
4. 製造者 ●●株式会社:住所…
5. 内容量 720ml
6. アルコール度数

◆地理的表示制度(G.I.)<1>
平成27年国税庁告知の「酒類の地理的表示に関する表示基準」及び、「酒類の地理的表示に関するガイドライン」にて定められています。

指定されている地域
焼酎:壱岐(いき:長崎県)、球磨(くま:熊本県)琉球、薩摩
清酒:白山(石川県)、山形、灘五郷(兵庫県)、はりま(兵庫県)、三重、利根沼田(群馬県)、萩、山梨、佐賀、長野、新潟、滋賀、信濃大町
日本酒:国レベルの地理的表示←”日本酒”そのものが地理的表示ということ。
その他の種類:和歌山梅酒
ぶどう酒()内は指定年月
・山梨(2013年7月):甲州、マスカット・ベーリーAが中心で品種特性を維持
・北海道(2018年6月<1>:有機酸が豊富なブドウ、豊かな酸味と果実の香り
・山形(2021年6月):ヨーロッパ系品種が中心、ブドウ本来の味や香り
・長野(2021年6月):ブドウ品種毎に細かく製法を定義、品種本来の香味特性
・大阪(2021年6月):デラウェアなどの食用品種を主体とした新鮮なブドウ


◆国産ワイン表示の自主基準
→ワイン業界が自主的に決めたことで法的な拘束はありません。
エステート<2>:製造したワインの原料として使用したすべてのブドウが自園および契約栽培にかかるもので、かつ、その製造場が当該ブドウの栽培地域内であるもの。

シャトー、ドメーヌ:製造したワインの原料として使用したすべてのブドウが自園および契約栽培かかるもの

 

F 日本のブドウ品種

明治時代にワイン造りが始まった頃、欧米からブドウの苗木が日本にもたらされましたが、フィロキセラやその他の病害など、栽培は困難を極めました。そのため、政府が振興に力を入れていた山梨では、すでに栽培されていた固有品種「甲州」からワインが造られました。

その後、ワイン造りが発展していくにつれ、日本の気候に適応するブドウ品種を求めて交雑・交配による開発が進みました。とりわけ、川上善兵衛は私財を投じて、日本の風土の適したブドウの交配育種に務めました。

2010年<3>に「甲州」2013年<2>に「マスカット・ベーリーA<1>、そして2020年<3>には「山幸」がO.I.V.(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のリストにワイン用ブドウ品種として掲載が認められました。→認められたことで、EUに輸出する際に品種名をボトルに記載できます。

◆ワイン原料国産ブドウ受入数量ランキング
① 甲州<3>:東洋系品種:3738t→他が減少の中、増加しています。
② マスカット・ベーリーA:日本の交雑・交配品種・アメリカ品種系:2542t<1>
③ ナイアガラ<1>:アメリカ系交雑・交配品種:1762t
④ コンコード:アメリカ系交雑・交配品種:1208t
⑤ メルロ:欧・中東系品種:1191t欧州系で1位<1>
⑥ デラウェア:アメリカ系交雑・交配品種:1131t
シャルドネ:欧・中東系品種:978t
⑧ キャンベル・アーリー:アメリカ系交雑・交配品種:828t

※ヨーロッパ系では、黒品種はメルロ<1>、白品種はシャルドネの生産量がそれぞれ最も多い。

※特筆すべきはブドウの種の多様性で、ヴィティス・ヴィニフェラ種だけでなくアメリカ系のヴィティス・ラブルスカ種<1>や自生する山ブドウ(ヴィティス・コワニティ<1>、さらにこれらの交雑・交配種からもワインが造られています。また、受入数量になっている点にも注意が必要です。これは平たく言えば、甲州やデラウェアなどの同じ畑のブドウが生食用に使われたり、ワイン用に使われたりするからです。

◆甲州
果皮が薄紫色で比較的厚く、耐病性がある一方で糖度が上昇しにくい。晩生とされているものの収穫時期は9月中旬から10月後半<2>までと幅広い。基本的には棚仕立て、X字剪定で栽培されています。
日本の甲州ワインの95.6%が山梨県産の甲州ブドウ<1>。甲州発祥の地とされる甲府盆地東部で集中的に栽培されています。
◆マスカット・ベーリーA
甲州に次ぐ生産量。赤品種最多。山梨県が最多で54.4%。赤、ロゼ、スパークリングワインなどスタイルは様々です<1>

甲州のDNA解析
・1994年 東洋系ヴィニフェラだと思われていた甲州を九州大学農学部の白石眞一教授が「欧州・東アジア種間の雑種」と推定。
・2009年 酒類総合研究所の後藤奈美氏がDNA解析値から、甲州が竜眼や和田紅などの自家受粉や交配品種でないことを確認。一方で紫ブドウとは同じか非常に近い品種であることが分かった。
・2015年に後藤氏はカナダのショーン・マイルズ博士らとともに甲州種を解析。甲州のヴィニフェラ種の比率が71.5%であることが判明、さらに母方の祖先は東アジア系品種のヴィティス・ダヴィディ<1>の一系統に最も近いことがわかりました。甲州の刺はダヴィディ(刺ブドウ)に由来しています。
・2023年 世界最大のブドウ遺伝資源データベースであるドイツのVIVCで、甲州の品種が、<ヴィニフェラ亜種→品種間交配種>に変更されました。
※この発見により、下記の二説は伝説となり、2024年度教本から姿を消しました。

甲州種の由来の二説
「雨宮勘解由説」:1186年<1>に甲斐国、祝村(現勝沼町)の雨宮勘解由が「城の平」<1>で山ブドウの変性種を見つけ改良、現在の甲州の元になったという説。
「大善寺説」:718年<1>、僧の行基が、甲斐国、柏尾の岩石の上で祈祷を続けるうちに21日目に右手にブドウを持った薬師如来が現われ、その地に大善寺を建てブドウの種をまき…という説。
その後、1620年代に甲斐の医師(徳本さん)が棚作りによる栽培法を考案。甲州栽培が一気に広がります。

甲州種の由来・新説
・中国の南、もともと温かい湿潤地域の森のなかに生存する野生ブドウであるダヴィディ種と、シルクロードを通って中国に到達したヴィニフェラ種との交配により誕生。
・温暖湿潤気候ではヴィニフェラ種は育たなかったが、1300年前後に気温が著しく低下し乾燥気候へと転じたことで生き延び、14世紀後半には中国で刺ブドウが栽培された。この時のブドウの色が濃いものが紫ブドウ、少し薄いものが紫桜ブドウ(後の甲州)
・15~16世紀 日明貿易で紫ブドウ、紫桜ブドウ(甲州)が日本(京都や西国)へ。
・19世紀 水谷豊文「本草綱目紀聞」の「紫葡萄」の項目にて、初めて「カウシウブドウ(甲州ブドウ)」の名前が登場した。

 

◆主な交配品種→要チェックです。
・信濃リースリング=シャルドネ×リースリング<4>

・甲斐ブラン=甲州×ピノ・ブラン<3>

・ローズ・シオーター=ベーリー×シャスラ・シオター→川上善兵衛

・レッド・ミルレンニューム未詳品種×ミルレンニューム→川上善兵衛

マスカット・ベーリーA=ベーリー×マスカット・ハンブルグ川上善兵衛

・山幸=ヤマブドウ×清見<3>→北海道・池田町<2

・ブラック・クイーン=ベーリー×ゴールデン・クイーン<5>川上善兵衛<3>

・甲斐ノワール=ブラック・クイーン×カベルネ・ソーヴィニヨン<3>

◆その他のブドウ品種
・善光寺<1>:明治時代より長野県・善光寺周辺で栽培。竜眼<1>とも呼ばれ、現在でも長野が受入数量第一位<1>です。
ピノ・グリ<1>近年、北海道、長野、山形など冷涼な地域で増加。耐寒性があり、病気にも強い。
プティ・マンサン<2>栃木、長野、山梨、山形で栽培が増えており、夏に湿潤な土地でも高糖度で酸を保ち、耐病性がある。

◆仕立て法
日本においても様々な仕立て法が採用されていますが、主に棚仕立てと垣根仕立てに二分されます。

棚仕立て
・X字型剪定<1>
日本の伝統的な仕立て法で、甲州は大半がこの仕立て。長梢に剪定し、”X”という文字<1>を意識しながら仕立て形作っていきます。剪定など管理に熟練を要し<1>、成木になるまで時間がかかりますが、枝の配置の自由度が高く、樹勢をコントロールしやすい<1>

・一文字型短梢剪定<1>
棚仕立てで短梢に剪定したもので、水平方向に一文字に太い枝を配置します<1>。新梢や房の管理作業が直線的になり、作業効率が高い。また、密植が可能<2>。日本でこの仕立て法が増えています<1>欧州系のシャルドネ・メルロにも採用されています<2>

・H字型短梢剪定
棚仕立てで短梢に剪定したもの。水平方向に左右に2列、Hの字経に枝を配置します。一文字型短梢剪定と同様に管理作業がシンプルで作業効率が高い<2>。1990年代以降、九州に開かれたブドウ園によく見られます。

垣根仕立て
棚仕立てが主流の日本において現在増加中。34.7%<1>を占めるまでに。シャルドネ・メルロを筆頭に、ヨーロッパ系の品種が大多数です。

 

G 日本ワインの生産量・消費量

県別「日本ワイン」生産量およびブドウ生産量ランキング<1>
① 山梨県 4,856 kℓ(原料ブドウの生産高 6,534t)<3>
② 長野県 3,136 kℓ(原料ブドウの生産高 3,924t)
③ 北海道 2,902 kℓ(原料ブドウの生産高 3,950t)→原料ブドウでは長野を抜きました。
④ 山形県 1,045 kℓ
(原料ブドウの生産高 2,107t<1>
⑤ 岩手県 425 kℓ
(原料ブドウの生産高 503t)
⑥ 新潟
県 407 kℓ
内訳は山梨32.2%<2>、長野20.8%、北海道19.3%でこの三道県で7割を占めます。また、海外原料を使った(輸入マストなど)ワインを含めた国内製造ワインのうち、「日本ワイン」は14.3%に当たります。→海外原料を使ったワインが8割を超えます<1>
さらに、国内に流通している輸入ワイン等を含めた全ワインの内、「日本ワイン」の占める割合は4.4%程度です。

※「日本ワイン」は白ワインが47%、赤ワインが41.8%、スパークリングが5.5%と白ワインがやや多くなっています。

 

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
日本で開発された品種である 「マスカット・ベーリー A」 の交配として正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ベーリー × マスカット・ハンブルグ
2. ゴールデン・クイーン × カベルネ・ソーヴィニヨン
3. ベーリー×ゴールデン・クイーン
4. ベーリー×アリカント・ブスケ

【過去問】
「日本ワイン」と表ラベルに記載する場合の表示ルールにおいて、1 種類のブドウ品種を表示するには最低何パーセントそのブドウを使用する必要があるか、次の中から 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 75%
2. 85%
3. 90%
4. 100%

【解説】
二種、三種でも合計で85%。

【過去問】
日本の酒税法に於いて「甘味果実酒」に分類されるものを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 発泡性酒類
2. 醸造酒類
3. 混成酒類
4. 蒸留酒類

【過去問】
川上善兵衛が開発したブドウ品種を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Muscat Bailey A
2. Delaware
3. Yama Sauvignon
4. Shinano Riesling

【過去問】
ワイナリー数が最も多い道県を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. 北海道
2. 山形県
3. 長野県
4. 山梨県

【過去問】
日本で栽培されるヨーロッパ系品種で最も栽培面積が大きいものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Pinot Noir
2. Merlot
3. Chardonnay
4. Riesling

【過去問】
甲州ブドウのルーツとしてわかってきたこととして、DNA 解析の結果、Vitis Vinifera と何の DNA が含まれているか 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Vitis Davidii
2. Vitis riparia
3. Vitis rupestris
4. Vitis girdiana

【過去問】
山田宥教、詫間憲久の両名が本格的に日本のワイン造りをはじめた地名を 1 つ選んでください。

1. 善光寺
2. 甲府
3. 池田
4. 上山

【過去問】
甲州ブドウの果皮の特徴として正しいものを 1 つ選んでください。

1. 淡い黄緑色
2. レモンイエロー
3. やや薄い藤紫色
4. 濃い紫色

【過去問】
「雨宮勘解由説」と並んで伝わる甲州ブドウの来歴としてふさわしいものを 1 つ選んでください。

1. 大善寺説
2. 川上善兵衛説
3. 山田宥教説
4. 祝村説

【解説】2024年度からこの二説の説明は無くなりました。より有力な説が研究により発見され、「伝説となった」だそうです(笑)

【過去問】
日本で稼働しているワイナリーの数が最も多い道県名を 1 つ選んでください。

1. 北海道
2. 山形県
3. 長野県
4. 山梨県

【過去問】
日本のワイン造りの始まりの時期として正しいものを 1 つ選んでください。

1. 奈良時代初期
2. 室町時代初期
3. 明治時代初期
4. 大正時代初期

【過去問】
次の日本の酒税法(酒類の分類)に関する記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。

「果実酒とは原料に水を加えたものも含まれる。」

1. 正
2. 誤

【過去問】
日本のぶどう栽培地において北限の北海道・名寄から、南限の沖縄・恩納村までの緯度の差を1 つ選んでください。

1. 約 8 度
2. 約 13 度
3. 約 18 度
4. 約 23 度

【過去問】
日本のワイン、ぶどう栽培に関する記述で正しいものを 1 つ選んでください。

1. 長野県の全てのぶどう栽培地は内陸性気候
2. 日本でワイン造りが始まったのは大正の初め
3. 現在稼働しているワイナリーのうち約 7 割が年間生産量が100kℓ以下の小規模生産者
4. 「日本ワイン」を造っているワイナリーは 300 軒を超える

【解説】
2.「1874年 山田さんと詫間さんが」または、「1877年 勝沼に民間初のワイナリー」と言っているのですから明治です。
3.85%が小規模生産者。
4.現在、250ちょい。

【過去問】
2010 年に O.I.V.(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のリストに品種として掲載が認められたぶどう品種を 1 つ選んでください。

1. 甲州
2. マスカット・ベーリー A
3. ナイアガラ
4. デラウェア

【過去問】
日本において最も仕込み量が多い赤ワイン用ぶどう品種を 1 つ選んでください。

1. カベルネ・ソーヴィニヨン
2. メルロ
3. マスカット・ベーリー A
4. ヤマ・ソーヴィニヨン

【過去問】
日本でマスカット・ベーリーAを創出した人物を1人選んでく ださい。

1. 土屋竜憲
2. 川上善兵衛
3. 雨宮勘解由
4. 高野正誠

【過去問】
日本の醸造用ぶどう栽培地域は北海道から沖縄にまで広がっているが、そのうち主な栽培地域の山梨および山形の有効積算温度の地帯として正しいものを1~4の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. I 地帯からII 地帯
2. II 地帯からIII 地帯
3. III 地帯からIV 地帯
4. IV 地帯からV 地帯

【解説】→2021年から記載が無くなりましたね。今後出題はないかもしれません。
日本は意外と暖かい地域に分類されています。例えば、ボルドーでREGION 2なのに、山形は北ローヌと同じREGION 3、山梨はスペイン、イタリア南部と同じREGION 4になります。

【過去問】
次の 1-4 の日本の現在の酒税法に関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 日本の酒税法では酒類とはアルコール分1% 以上の飲料を言う。
2. フォーティファイド・ワインは主に果実酒として分類される。
3. 果実酒の補糖に許される糖類は、砂糖、ぶどう糖に限られる。
4. 果実酒ではブランデー等のアルコールを添加した場合は、総アルコールの 15 %以下である。

【解説】
2.フォーティファイド・ワインは主に甘味果実酒です。
3.果糖も認められます。
4.15%以上です。

【過去問】
次の中から国産ワインの最近の動向で誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 日本ではワインのエキス分に関する表示義務が定められている。
2. 日本でも原産地管理制度を設けた地域がある。
3. 国際コンクール等での受賞など、世界的に評価されるワインがある
4. 甲州種から香りに特徴のあるワインが造られ始めた。

【解説】
2. 2003年の長野県が最初です。
3. よく耳にします。
4. お亡くなりになりました富永博士の「甲州きいろ香」など。

【過去問】
日本の酒税法(平成19 年4 月現在)では、果実等を原料として発酵させた酒類は果実酒としているが、次の中から果実酒にならないものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. 果実(果汁を含む)または果実及び水を原料とし発酵させ色素を加えた酒類。
2. ぶどう果汁に、果汁が含有する糖分を超えない範囲で、砂糖を補糖し発酵させたアルコール分15度以上の酒類。
3. ぶどう果汁に、果汁が含有する糖分を超えない範囲で、果糖を補糖し発酵させたアルコール分15度以上の酒類。
4. ぶどう果汁に、果汁が含有する糖分を超えない範囲で、ブドウ糖を補糖し発酵させたアルコール分15度以上の酒類。

【解説】
この問題、わかりましたか?”色素”を加えるとダメなんです。

【過去問】
次の中から自宅の庭で育種研究を始め、生涯をかけて1万数千株の交配種を創出した川上善兵衛の代表的品種ではないものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ローズ・シオタ
2. ブラック・クイーン
3. マスカット・ベリーA
4. キャンベル・アーリー

【解説】
4. キャンベル・アーリーはアメリカのラブルスカ系です。

【過去問】
次の日本ワインの概略に関する記述中、下線部(a)~(d)の中で誤っている箇所を1つ選んでください。

「日本の気候に適応したワイン専用品種の育種は、(a)岩の原葡萄園の創始者、川上善兵衛の研究に始まり、その後、各ワインメーカーを中心に進んできた。近年では、(b)公的研究機関や山梨大学でも品種改良に取組み、優良品種を創出している。また、ブドウ栽培法や醸造方法の研究も急速に発展し、(c)日本在来品種の甲州や、欧州系品種などから優良な品質のワインが生産されるに至っている。(d)山梨県で制定運用され始めた、原産地呼称制度などは日本ワインの品質向上と発展に大きく影響し始めている。」

1.(a)
2.(b)
3.(c)
4.(d)

【解説】
現在は山梨県甲府市においても原産地呼称制度が制定されましたが、時代的にここは長野県のことを指しています。

【過去問】
次の中から酒類の分類において、混成酒類に分類されているものを1つ選んでください。

1. 発泡酒
2. 果実酒
3. スピリッツ
4. みりん

【解説】
1. 発泡性酒類
2. 醸造酒類、日本酒もここ
3. 蒸留酒類、焼酎、ウィスキー、ブランデーなど
4. 混成酒類、甘味果実酒もここ

【過去問】
O.I.V.の品種リストに登録された、日本独自のワイン用ぶどう品種を2つ選んでください。

1. マスカット・ベーリーA
2. ケルナー
3. 甲州
4. 甲斐ノワール

【シニア過去問】
次の甲州に関する記述中( a )( b )に該当する語句の組み合わせとして正しいものを 1 つ選び、解答用紙にマークしてください。

「2013 年、甲州はヨーロッパ系品種である( a )の DNA に、中国の野生種である( b )の DNA が少し含まれていることが明らかになった。」

1. ( a ) Vitis Coignatiae ( b ) Vitis Vinifera
2. ( a ) Vitis Vinifera ( b ) Vitis Davidii
3. ( a ) Vitis Amurensis ( b ) Vitis Vinifera
4. ( a ) Vitis Vinifera ( b ) Vitis Riparia

【シニア過去問】
甲州種を若々しく、爽やかで軽快な味わいに仕上げるための醸造法を原語またはカタカナで記入しなさい。

【解説】
秋の一次試験においてはこの原語やカタカナで答えなさいという出題はないと考えてよいでしょう。これは有名なので知っていてほしくもありますが。

【シニア過去問】
日本の野生ブドウが属している種を1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Vitis vinifera
2. Vitis lubrusca
3. Vitis coignetiae
4. Vitis berlandieri

【解説】
”ヤマブドウ”、”野生ブドウ”はVitis coignetiaeに分類されます。

 

ここ数年で出題も増え、問題のレベルも上がっています。毎年必ず教本に改定が入っていることからも、力の入れ方の違いがわかります。最後にしっかりと勉強しなければならない私たちの国です。

次回は日本のワイン産地についてです。

何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希



牧野 重希