第115回 ソムリエ呼称の論述試験について考えてみました。

   

少し涼しくなってきましたね。8月も終盤、一次試験もあと数日というところまできました。これから受験される方、「私は大丈夫、絶対に大丈夫」と繰り返してから試験に挑んでください。

さて、一次試験が終わった後にまず頭に浮かぶのは二次のテイスティング対策ですが、ソムリエ呼称の方は同時に開催される論述試験対策も意識しなくてはなりません。ということで、良いタイミングでメッセージをいただきました。

初めまして。松岡さんの”こーざ”を読んだりテイスティングセミナーに参加させていただいて、一昨年二次試験までクリアしました。その節はお世話になりました。ありがとうございました。

ですが…三次試験にパスすることができず苦戦しております。論述問題に上手く答えることができないようで…。論述試験対策も”こーざ”の方でお伝えいただけるならと思いまして。

二次試験と同じ日に行われる論述試験。昔は口頭試問と呼ばれ、テープで流れる問題を聞いてマークシートに解答するといった時代が長く続きました。その後、数年前までワインアドバイザー呼称では完全に面接形式で、試験官から直接問題が出され、口頭で答えるといったけっこうハードルの高い試験になりました。その後、アドバイザー呼称がソムリエ呼称と統合された結果、現在の論述試験というスタイルに落ち着きました。

この論述試験、近年は三問の出題が続いております。三問ですが論述の名の通り、それなりに文章を書かなくてはいけません。これまでの一次試験対策とは違い、ある事柄に対して自分自身の意見を言葉で相手に伝えなくてはならない、またはある事柄について説明できないといけない、ということになります。

自分の意見を述べる。ある事柄を説明する。この点を意識してワインについて勉強する必要があります。

ということで、過去最速まだ一次試験も終わっていないタイミングですが、論述試験対策もテイスティング対策と並行して始めたいと思います。

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第115回 ソムリエ呼称の論述試験について考えてみました。

まずは2018年度受験された方の報告からご紹介いたします。

ソムリエ呼称
大阪 会場 阪急インターナショナル

テイスティングのあとの論述試験

論述試験対策としては、教本のワイン概論、各国のイントロ箇所、日本の項目を重点的に読みました。また、噂になっていたロゼについて調べたり…。さらに、ワイン業界的に流行ってそうなものを意識して調べるようにしました。当然、ソムリエ協会発行の機関紙もしっかりと。それでも、一次試験対策とは違い、四択なら選べても自分の言葉で答えることができるのか不安でした。

でも、腹をくくり、”こーざ”で言われていたようにお客さんに同じ事を聞かれたら、どう答えるかを考えました。ソムリエとして、先輩や誰にも頼れない空間で聞かれたら。わからない事はわからないと謝りつつ、何かを必死に伝えようとするはず。

論述試験は選択肢がないかわりに自由です。自分はもうプロのソムリエとして現場に出ていると仮定して、誠心誠意答えよう。少なくとも、一次試験は突破しましたから。今、努力しないでいつするんだと自分に言い聞かせて。

設問1:テイスティングの二番目の白ワインに合わせる料理
私は甲州を想定したので、日本食からフランス料理の前菜各種、魚料理、さらに食前酒としてなどなど。一方で、合わせにくい料理はピザやメキシコ料理等々、反対意見までびっちり書きました。ブドウ品種間違えてますけど。目の前のワインに合うアテンドを。→素晴らしいと思います。まずは書くことです。ブドウ品種が違っていますが、内容的にかなり得点になると思います。

設問2:ジョージアワインについて
主にクヴェブリの形、大きさ、文化について。今、働いてるbarで扱っています。初めて飲んだ時は衝撃だったその味わいについて。また、教本に書いあった”クヴェブリを埋めるようになった経緯”や今の日本市場においての位置関係についてなど。
昨年もオレンジワインについて聞かれたので、今年もジョージアなのかと思って書きました。

設問3:チリワインの今後について思うところを
税金が軽減されている条約より日本の市場における立ち位置の変化について。味わいが日本人にマッチしている考察、さらには2019年には無税になること、食文化の多様さが日本と似てること、優秀な醸造家がチリの冷涼地域にどんどん進出してることなど。教本で読んだことや自分の知識からたくさん書きました。→論述試験としてはほぼ完璧だと思います。

文章を書くのは好きな方ですが、鉛筆で一生懸命書いたら残り時間5分になってました。まわりをそれとなく見たら、みんな鉛筆だけじゃなくシャーペンを用意してました。私は手が痛くなりました。

試験が終わってテイスティングアイテムの発表の瞬間、やられたー!という清々しさがありました。一生懸命やって試合に負けたような、自分の実力と向き合うワクワク感と敗北感の両方を感じました。ソムリエコンクールなどに出たくなる気持ちがわかります。

この”こーざ”は不足しきりな自分の実力を出すために最大限力になって頂きました。本当に有難うございます。
まだまだ、精進します。そして、必ず良い経験にしてみせます。それでも、発表までは神頼みします。

①テイスティングしたワインと料理の相性とその理由について。

今年も出題されるだろうと思っていました。ソムリエとしては必要不可欠な思考であり、お料理をお召し上がりになるお客様から、必ずと言ってもよいぐらいに聞かれる事だからです。(なかには、自分でお選びになるのがお好きな方もいらっしゃいますが)←そんなに聞かれますかねぇ。いや、聞かれますよ。でも、レストランにおいても、ワインと料理の相性のみがポイントではないと思います。

そして、私が想定したブドウ品種名が間違っていても、しっかり書くつもりでした。(正解でした!)なぜなら、ソムリエコンクールに出場するソムリエさんでも、ブドウ品種をなかなか当てられないのに、経験値が少ないソムリエ試験受験者全員がブドウ品種を正しく想定できるとは思えず、そのわからないかもしれないブドウ品種のワインに合う料理を問うことの意味を考えたからです。レストランのソムリエはそのお薦めするワインの素性(品種、生産国、収獲年等)を知っておかなければならず、そのお店にある熟知しているワインとお料理の相性をご提案させて頂く事が問われているのだと思ったからです。→一理ありますね。おっしゃるように想定したブドウ品種に自信がなくても、しっかり答えなくてはいけません。この件に関しては過去の報告の中でも言及しております。

対策として、主要品種の特徴と料理をインターネットで検索し、自分なりにまとめました。(今回は品種の特徴まで問われませんでしたが)
例えば、「マリネしたサーモンの薄切り、ハーブドレッシング添え柑橘の香り」とワインの相性について。
マリネしたサーモンの風味と旨み、ハーブのドレッシングがソーヴィニョンブラン特有のミネラル感とハーブのニュアンスに相性が良く、アクセントとして振られたグレープフルーツの風味がワインの柑橘の香りと同調します。

こんな感じで、松岡さんの言われる全主要品種を準備していました。→素晴らしい!

②③ジョージアワインとチリの問題について。

二問目、三問目については日本におけるワイン事情をいかに意識しているかが問われる問題だと思いました。やはりお客様に聞かれる事がある事柄です。
ジョージアは教本に新項目として登場したそれなりに話題の生産国です。福岡においてジョージアワインのセミナー(講師は大橋MWと石田ソムリエ)が開催され受講しました。さらに、ジョージアワインの本も新しく出版されるなどワイン業界的にホットな国だと意識しておりました。

チリについてですが、ワインの関税引き下げ・撤廃の件もあり、教本中の日本と関係する事柄をピックアップしておりました。

その他、勉強法は以下の通りです。

松岡さんのこーざ、ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!(ブログ)、ワインレポート(山本昭彦さんブログ)、ろくでなしチャンのブログ、その他3次試験対策のブログ、Sommelier For Freeワイン講座(You Tube)、協会出版雑誌のソムリエ、日本ソムリエ協会教本、ソムリエ受験対策講座(杉山明日香さん)、ワインに関するテレビ。

これらの中から露出度が高いと思える事柄を自分なりにピックアップし、ノートにまとめて、原稿用紙に鉛筆で書き覚える。今回重点的に勉強したのは、日本ワイン、日本酒、焼酎、自然派ワイン関係、ペットナット、アーバンワイナリー、イギリス、ジョージア、アルゼンチンでした。→ここまでしっかりと対策していること素晴らしいです。いや、完璧ですね。

どれだけ点数が取れたのやら不安ですが、そろそろ実技試験に向けて特訓しようと思っています。→間違いなく合格です。

先日の二次試験テイスティングの報告に続きまして私の論述試験対策を報告致します。

論述試験対策
正直、テイスティング対策に追われてそれどころではなかったというのが本音で、知っていることが出題されることを天に任せておりました。ただ、一次試験対策でこれでもかというくらい教本を読み込みましたのでなんとかなるだろうとも思っていました。
とはいえ、全く無策で論述に挑むのも無謀だと思い、前日にソムリエ協会発行の会報誌を読み込みました。とりあえず目を通しておくだけでも違うだろう程度でしたが。

二次試験で出題されるワインに合う料理に関しては主要品種のみに絞り、ワイン売り場でプライスカードやPOP、ワインの裏書きなどを暗記しました。飲食業ではなく販売に携わっておりますので料理に関しては全くの素人ですが、自ら勤務している店舗なので人目を気にせず観察できるのが強みです(仕事しろよ!)。いろいろ書かれており、とてもとても参考になりました。
もちろん販売の為に多少の知識は持ち合わせておりますので、これも行き当たりバッタリでなんとかなるだろうと思っておりました。(私、食べることが大好きなので知らない品種であっても直感で勝負の構えでした)

来年試験を受ける方は勇気を持ってワイン売場を闊歩してもらいたいです。事情を伝えれば基本的に店員さんは好意的に接してくれるはずです。←私もそう思います。少なくとも私はそうします!

結果
とにかく運が良かったです。テイスティングは半分くらいの自信しかありませんが、論述は料理以外ほぼ完璧?だと思っています。ただ、テイスティングの結果次第では全てが水泡に帰します。

テイスティング2の白ワインに合う料理
二次のテイスティングで自信があったリースリングでよかったです。記憶をたぐり魚料理(天ぷら、ムニエル)などと合わせると解答。理由はしっかりとした酸味でなんたらかんたらと思ったままを記入。どんなに暗記しても最後は感覚が頼りですね。今回は自信のあるブドウ品種で運が良かったですが、1のトロンテスでしたら暗記もくそもないですから。でも専門の方達から見れば笑われる解答かもしれません。←大丈夫ですよ。ソムリエ業は言った者勝ち、半分ハッタリですから。自信を持って答えることが何よりも大切です。

ジョージアのワインについて
松岡先生の講座で十分、カヘティ、クヴェヴリの用語さえ覚えていればなんとかなる問題でした。
試験後「ジョージアなんて覚えてなーい!」という若い女性の方がいらっしゃいましたが同情しました。そりゃ詰め込みで一次試験に臨んでその後1カ月ちょいでマイナーな国のワインを語れって無理な話ですよ。大抵の方は忘却の彼方です。ただ協会の意図を探るとあながち見当外れな問いでは無かったとも思います。
昨年はオレンジワインが出題されました。オレンジワインといえばジョージアが出てきてもおかしくないと…。(と書いていますが、私自身運が良かったと言うしかありません。ラグビー好きな私としてはラグビー日本代表と切磋琢磨し敬意を払った国なので思い入れがあるのです。しかも勤務している店舗でも扱っておりますし…来年はラグビーワールドカップ日本開催ですね…話が長くなるので失礼致します)。←何度も言いますが、運も実力です。

日本におけるチリワインの今後の展望
教本に解答がそのまま出ていました。現在、チリは安価なヴァラエタルワインからプレミアムワインに舵を切って変革中であるにも関わらず、日本での認識はヴァラエタルワイン全盛で時代が止まったままであると言うことです。そこから脱却するにはどのような方策が必要かを記述しました。

結局、教本に答えがあるのではないかと思いました。ソムリエ協会発行の会報は参考程度で良しとし、どうしようもなくなったら教本を読み込む。それだけでなんとかなった論述試験でした。

まあ二次のテイスティングはあまり自信ありませんが(終わった直後はすごく自信あったのですが、時間が経てば経つほど不安しかないです)満身創痍で三次試験までたどり着けばなんとか加点対象となり得る論述試験の解答だったと思います。

論述試験について

①テイスティング2のワインに合う料理とその理由を答えなさい。

2のワインはオーストラリアのリースリングと思ったので、しっかり「オーストラリアのリースリング」と書きました。料理はなかなか思い浮かばず、ハチミツの香りと酸味があるので甘辛く味付けした南蛮漬けと書きました…今思えば何だそれという感じです…。←もう少ししっかり書いて欲しいですねぇ。単純に白ワインの酸味と合うでも、柑橘の香りがでもいいので。

②ジョージアワインについて

こちらの講座で「クヴェヴリ」出るかもとのことでしたので、事前に勉強していました!ありがとうございます!オレンジワインとクヴェヴリについて書きました。

③チリのワインの今後の展望

これは、ワインの輸入を担当してる同僚に、近々法律等で変わることある?と聞いて意識していました。チリの関税率が来年4月に完全に撤廃されることと、EUのワインも完全撤廃とすることを絡めて書きました。
論述試験対策にあてる時間は少なかったですが、昨年の傾向から、「法律改正系、テイスティングワインについて、新しい国、日本酒か今年の教本で増えてた焼酎、日本ワインのページが増えた北海道」とやまを張って、あとは”こーざ”に書かれていた予想設問について答えられるようにしました。
①の設問はダメダメでしたが何とか埋めて、他の設問は書けたので、二次のテイスティングで失敗したことが悔やまれます…。

昨年の出題もここ数年の流れに沿ったものでした。

さて、論述試験対策。ちなみに【論述】を辞書で引くと
ろんじゅつ
意見や考えを筋道立てて述べること。また、その述べたもの。

ソムリエ協会の役員の方にそれとなく伺うと、位置づけとしてはアドバイザー呼称の口頭試問であり、これまで行ってきた口頭試問をなくしてもよいのかという話からこの論述試験案が浮上したとのことでした。頷けるような気がします。

さて、今年の論述試験について考えてみます。

論述試験と呼ばれるようになって三年、各年ともに三問の出題が見られました。→今後、順を追って過去の論述試験の受験報告をアップします。

構成は、
① テイスティング試験に出題されたアイテムを絡めての問題
② 日本酒、日本のワイン、最近話題の新興国のワインについての問題
③ ワイン法に絡んだ時事問題や、ワインの扱い等に関する問題
といったところでしょうか。

今年も同じかどうかはわかりません。わかりませんが、同じ構成”かもしれない”と思いつつ準備することが大切だと思います。→実技が長年、全く同じ抜栓・デキャンタージュであること、シニア呼称(現エクセレンス呼称)の実技が2013年以来ずっとスパークリングワインの抜栓とプレゼンテーションであること等を考えると、同じ流れが続くと考えても良いと私は思います。

① テイスティング試験に出題されたアイテムを絡めての問題
この流れが続くとして、主要ブドウ品種の特徴を文字で説明できるように準備しておきましょう。その特徴と合わせてどのような料理に合わせると良いのか、シチュエーションまで想定できれば素晴らしいと思います(ソムリエはその日の食事の流れの中で、ワインを選ぶことも仕事ですから)。さらに求めるなら、主要産地と合わせて、その地方料理との相性について書けるようになればこの項目に関しては万全でしょう。

そして、一つお伝えしたいことが。テイスティングしたアイテムの正解はその段階ではわからないわけですが、自分が想定したブドウ品種をしっかり明記し解答すべきだと私は思っています。本当に全くわからなかったのであれば、もしかするとどうにもならないかもしれませんが、ちょっと自信がないからとブドウ品種の名称・特徴を曖昧にした解答は、私なら例え間違っていてもしっかり書いた方よりもマイナスにすると思います。ソムリエコンクール等でも曖昧な解答、コメントなしは間違っているよりもマイナスだからです。→ソムリエとしてはっきりと発言することはとても大切です。曖昧でぼんやりしたことしか言わないソムリエに接客してもらいたいですか?

② 日本酒、日本のワイン、最近話題の新興国のワインについての問題
おそらくここはそれなりのことが問われます。ソムリエ協会が注目しているお酒、ワイン、生産国について書かせたいんです。ですから、協会のセミナーや機関紙で聞いたり見かけたところを意識し自分で見つけたポイントに関して一度ご自身で書いてみることです。一回書いただけで全然違います。→そろそろイギリスのスパークリングあたりが狙われるかもしれません。市場でもよく見かけるようになってきました、地球温暖化というキーワードもありますし。

③ ワイン法に絡んだ時事問題や、ワインの扱い等に関する問題
2017年いただいた報告を読んでちょっとびっくりしたことがあります。”オレンジワイン”という言葉を全く聞いたことがないとおっしゃる方がわりといらっしゃったからです。好きか嫌いか、扱っているか否かは別にして、ワインと接する生活をしていると普通にほどほどに耳にする言葉です。もちろん、環境にもよるのでしょうけど、流行りであることも含めると私的には”オレンジワイン”は特にソムリエとしてプロ目指すのであれば、常識くらいのイメージでした。少なくとも聞いたことはあるであろうと。

2018年度は「日本におけるチリワインの今後の展望」でしたが、この件に関しても関税の件から一般のニュース・新聞でも目にすることがあったように思います。

ですから、このような流行りの事柄・時事問題は出題されると思っておきましょう。今から間に合うかどうかわかりませんが、やはり協会発行の機関紙”ソムリエ”をなんとか手に入れて読んでみることも一つだと思います。

まとめますと、論述試験は細かい知識を問うというよりもお客様に質問されるような事柄をちゃんと答えられますか?もう少しつっこんで、ワイン好きのお客様と意見の交換、議論できますか?というようなことが問われる考えております。→ワイン好きの方はレストランやワイン会などで、延々とワインの話をされます。私たちはその方たちと相対さなくてはなりません。もちろん、教わることもたくさんあります。

そして、採点基準はわかりませんが、不合格になった方の話を総合すると、あまり書かなかった方、自信がないからといってぼんやり書いた方がダメだったように感じました。ですから、嘘でもハッタリでもいいんです。火事場のなんとかで自分の思ったことを、知っていることを総動員して何か書きましょう。

論述試験対策として数回、過去の受験者の報告をアップします。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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