三次試験対策! 2023年の論述試験を振り返る。「鳩の膀胱包み」
第141回
おはようございます。
先日よりお伝えしております直前セミナーですが、明日、東京開催の24日・25日について応募を締め切りたいと思います。
ご検討中の方は、早めにご連絡下さい。→こちら
さて、前回の続きです。
松岡氏がフランス料理の香りについて語ってくれています。下の写真の丸い物体、なにかわかりますか?
勝手に盛り上がっている”フランス料理の香り”についての考察です。
ここはワインを勉強するところですが、フランス料理に携わっている方、フランス料理が好きな方もたくさんいらっしゃると思います。
ちょっとお伺いしますが、フランス料理ってなんでしょうか?フランス料理の定義とは。昔からいろんなフランス料理人に聞いてみるのですが、意外と難しいようで、黙り込んでしまう方のほうが多かったように思います。
その前に、この料理ご存知ですか?
こちらの写真を見て何かわかる方はフランス料理にかなり精通していらっしゃいます。
この写真の料理は”ピジョン・アン・ヴェッシー”。
ポール・ボキューズのスペシャリテはこちらのピジョン(鳩)がブレス鶏になります。
ヴェッシーとは膀胱のことで、豚の膀胱に主に鶏類を一羽丸ごと入れて密封し、風船状に膨らませて湯煎し続けるという手間と時間のかかるクラシックなフランス料理です。中の鶏が見えない以上、感覚・経験も必要とされます。今、日本でこの料理を食べられるレストランは限られていると思います。
・ヴェッシー包み解説
中に含まれるアルコール・水分の影響で膀胱が風船状になることで加圧加熱されることになります。またそれほど高温にならないため蛋白質が凝固せず水分も奪わない均質な火入れになるため、肉がしっとりと仕上がります。少し前に一世を風靡した低温調理の一種と考えられます。この料理、わざわざ豚の膀胱に入れなくてもと思われるかもしれません。フランス料理は肉料理の文化で、食べれるものは何でも食べてみよう、使えるものはなんでも使ってみようという時代のクラシックな調理法なのですが、現在であれば耐熱のビニールや真空調理等で同じ効果が期待できそうなものですが、ぜんぜん違うんです。
話はちょいとずれますが、シャネルN°5といえば名前くらいは誰もが知る香水だと思います。香水の歴史を180度変えたこのシャネルN°5に関して有名な逸話が残っています。
20世紀初頭、ココ・シャネルが天才調香師エルネスト・ボーに最高の香水製作を依頼しました。
さて、ここからどうフランス料理の香りにつながるのか。
あと2回続けます。→それにしても膀胱ってこんなに膨らむんですね…(笑)
それでは本日の本題、昨年の論述試験対策を見てみましょう。
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三次試験対策! 2023年の論述試験を振り返る。
2023年度の論述試験の受験報告です。
2023年の出題
・テイスティング試験で供出された1番目のワインをワインショップで販売するにあたり、POP(Point of Purchase)
を作成することになりました。自身のテイスティングに基づき、枠内を自由に使用してコメントを書いて(描いて)ください。
1番目のワイン:ソーヴィニヨン・ブラン 2021 年(フランス/ボルドー)・ ワインにあまり詳しくないお客様からオーガニックワインについて聞かれました。
300 字以内で説明してください。・ 料理に相応しいワインを考察する上でのポイントを述べてください。
論述です。
パッと見て①番飛ばして、②と③。→論述はとにかく時間が少ないので、書けるところから書くというのはとても良い判断です。ラッキー、細かい知識がそこまで必要ない、書きやすい!という感じでした。
→③は実は要注意です。ご自身の理論を書いても点にならないからです。新設されたペアリングの章に書いてあることをどれだけ書けたが加点のポイントになるはずです。
迷わずスラスラ書けた自信はありますが、字数多いと大変ですね。マークシート用に鉛筆3本持ってましたが全部一気に丸くなり、シャーペン必須でした。②と③は最後の1行まで埋められました。→素晴らしいですね。
最後に①のポップ、SB想定でペアリングは考えてたので、良いのかなと不安になりながら簡単なイラストも入れつつ(笑)温度やグラスも記入して、全て終えて残り1分で鉛筆を置きました。論述はやり切ったと思うので、せっかくできたのだから二次試験がダメだと余計に悔しいです。
が、テイスティングは恐らくもう一度やっても同じ迷い方するだろうなと。現状できることはやり切った気はしてます。
(ただ、照明の明るさと、白の温度だけは次受けるなら対策必須ですね)最後になりますが、こちらの講座には一次から本当にずっと助けて頂きました。メルマガでのテイスティングのすすめから、必勝講座まで。福岡なのでセミナーに行けなかったのは残念ですが、過去受けた方々の具体的なお声まで拝見できてリアルに色々想定できたのも大きかったです。
忙しい中たくさんの対策を練っていただき、ありがとうございました。→こちらこそです。
これがダメでも、チャレンジは続けていきます。長々とお読み頂き、ありがとうございました。
キャップシールだけを購入されて練習されていたのが印象的で、素晴らしいなと思ったのを覚えております。ご報告ありがとうございました。
論述問題は
1問目出題の白ワインを販売するpopの文章を考え自由に記述してください
2問目オーガニックワインについて知らない人に向けて300字以内で説明してください
3問目ペアリングにおけるポイントでした。1問目はワインを再テイスティングしつつ、百貨店等のワイン売り場の値札のとこについてる簡単なワイン説明に習い香りと味わいの特徴とおすすめ料理3種くらいを過剰書き。→そんな感じでOKです。この問題は突飛な問題ではありますが、その分だけ加点となる内容に自由度があります。考えようによっては一番簡単な問題とも言えます。
2問目は教本でに載っていたオーガニック醸造とオーガニック栽培の違いやルールを220字程書き→素晴らしい!
3問目は字数指定無しで220字程料理の地方と格についてブルゴーニュを題材に記述しました。→内容次第ではありますが、ここは皆さん、少し点を取り損ねている感が強いですね。教本のペアリングの章に書かれていることを求められています。
1問目がこれまでと違ったのでとりあえず3問とも問題を確認して書きやすい物から書いていきました。→とても良いと思います。
自分は料理人なので3問目はかなり書きやすい内容でした。→ご自身の理論は実務ではとても大事ですが、こと試験においては点数が入っていない可能性があるので要注意です。練習ではセミナーへの参加と2ヶ月くらいは毎日ブラインドで3種赤白ミックスで出してもらい時間計測とマークの訓練を続けました。1週間前は休みつつイメージ確認と復習にあてました。
論述はマス目ノートを書いて文字を埋める訓練を仕事の休憩時間等に取り組みました。
長文で申し訳ありません。結果は有難いことに二次試験突破でした。3次試験も引き続きこーざを頼りにさせて頂き実技練習を行い合格を掴みきります。
引き続きよろしくお願いします。
素晴らしい論述でした。後日、見事試験合格の連絡をいただいております。昨年度の鬼門は論述でした。お見事です。
続けて論述ですが、
最初のPOPに関しては完全に面食らってしまい後回しにしました。今思えば最初にこれをやるべきでした。→考え込まないことは大事だと思います。ただ冷静に考えると一番点が取りやすかったとも思えますので、おっしゃる意味もわかります。オーガニックワインの説明(300字以内)は、記憶が少し曖昧だったので無農薬栽培のブドウを使ったワインであること。環境への配慮を考えた取り組みの事をひたすら書いたと思います。もっとトレンドの情報に目を通して知識蓄えておくべきでした。→重要な加点は取れているはずです。
料理とワインの考察(字数なし400マス)は調理法や味付け、食材に対してワインを合わせるべきだと最初に書いて、その後に例として、樽を使った重い赤ワインには、炭で焼いた牛のサーロインステーキを上げて牛の油脂の旨みをワインの渋味で引き立てる事や同じ産地同士は相性が比較的良い、見たい事も書きました。
今思うと少し自己流に走り過ぎた感じもあります。→昨年の3次試験の不合格者が増えた要因はこの3問目にあるような気がしております。しかしこの時点で残り5分を切ってしまい、まだ文字数を稼ぎたかったのですがキリの良いところでやめました。もっと時間配分に気をつけるべきでした。
それでも残念ながら少し時間が足りずPOPの問題は途中で終わってしまいました。
あの時点で僕は字数を書いて加点されるより、「1問だけ何も書けず白紙で出す方が不味い」と思い、全部の設問に答える方に方向性を決めました。
完全に時間配分のミスです。文字数も6割7割程度であまり自信がありません。もっと対策をしておくべきだったと猛省しています
仮に2次が合格できても3次はこの論述で落とされるかもしれません。今後の試験はかなり綱渡りになるかと自分では思います。以上が今回の試験の自己分析です。
かなり長い文章なってしまいました申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。ご自身の論述を良く分析されていると思います。後日、残念ながら不合格の連絡をいただきましたが、ご自身の分析の通り、論述での不合格だと思われます。今年の再チャレンジをしっかり決意しておられました。応援しております。頑張ってください。
さあ、論述!!
1問目:「出題された1番目の白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン、フランス、ボルドー、2021)についてPOPを作ってください。」
一面白紙の自由に記入する新しいタイプの問題が登場!!
それよりも、問題文に答えが書いてある!!品種を間違えてたことに動揺!しかし、確かにそうだよなと、あの柑橘と酸味はSBだ。ソーヴィニヨン・ブランでフランスのボルドーは頭から勝手に外してしまっていたことに後悔。でも産地とビンテージが正解していて、冷涼産地のニュアンスとしてはまあまあいけたんじゃないかと。→多くの方が動揺されたことでしょう(笑)そして、気持ちを切り替えて、さあPOP作り!
どうしたものか、瓶の絵でも描いたらいいのか??→模範解答を見る限りではOK、そして加点もあったようです。
自由にと表記されていたはず。
文字だけで良いのか悩みつつも、タワーレコードとか音楽のお店にいてありそうな宣伝のPOPを思い出す。よし!その方向性でいこう!まず漢字一文字で表すならと、前置きをしてデカデカと『爽』の文字。爽やかなニュアンスと、軽やかな飲み心地がお酒を飲み慣れていない人や弱い人にもおすすめする。
そうこうしてる内に、ん?よく考えたら、これはワインと合わせる料理を提案する問題に応用できそうだぞ。そこから、爽やか系白ワインに合わせる問題用に準備してた文章を記入する。なんとかバランスよく埋められて一問目終了!この時点で多分7分強ほどの感覚。
→このPOP問題でかなり得点できている気がします。素晴らしい。2問目:「ワインを飲み慣れていないお客様にオーガニックワインについて説明してください。300字以内」
キタ!キタ!!やっぱりオーガニックについて問われた!2番目は何が来るかわからない枠だけど、とりあえず準備していたものが的中。問題は300字という量だけ。チラ見している3問目の方がいっぱい書けそう。1問目で時間をかけすぎたので、この200字は書いて次に進めようとなんとか、オーガニック農法で出来たブドウで造られた内容と世界で広がっていることを書き連ねる。200字前後を記入して終了。よし、次!この時点で残り7分弱の感覚。→ここも素晴らしいですね。勘の良い人は準備していた設問だったようです。3問目:「料理とワインを合わせる上で考察するポイントを教えてください。(文字数指定はないけど多分400字のマス目)」
(3問とも正確な設問文ではなく、すみません。。)
さて、やってまいりました、教本初登場の料理とワインの相性の枠からの出題!
考察と書かれていたので、少し考えましたが、すぐ考慮すべき要素を書こう!と鉛筆を走らせる。
考慮すべき4つの点を細かく書いてマス目を埋めていく。さらにまだマス目を埋めるために、良いペアリングとはの項目から3つを記入していく。最後の一列まで書き連ねてちょうど時間いっぱいフィニッシュ!!
→ここを教本からの出題と捉えられたかどうかが、大きな勝敗の分かれ目になっています。なんとか3問とも対応できてよかった。こればかりは運。もちろん多方面から準備はしたけど。
やっぱり流行りもんと新しいことには大好きなソムリエ協会でした。
1問目のプチイレギュラーには少し動揺しましたが、きっと採点も緩くしてくれるんじゃないかと、帰りがけ同じ試験を受けてた人にお疲れ様でしたと声をかけたら答えてくれた人が言ってました。
独学で勉強してると仲間がいない寂しさと開放感を共有したくなりました。
あとは、結果を待つのみ。こーざにはお世話になりました。
ありがとうございました。ご報告ありがとうございます。素晴らしい論述でした。
そしてこの方は見事合格されております。3問目の捉え方、重要です。
いつも拝読しております。
今年の論述ではpopの作成では絵は書かずにボルドーブランと書き、
スッキリとした柑橘のアロマに苦みのある余韻がお料理を引き立てます。
グレープフルーツを使ったサラダやムール貝の白ワイン蒸しが好相性です。
と、書きました。→正直ポップだという意識を持った方が得点が取れたかもしれません。オーガニックワインの説明では、
オーガニックでは認証機関での承認が得られないと表示出来ない事や、ビオディナミでは暦に沿って栽培、醸造を行わなければいかず、ナチュラルワインはその認証が無く細かいルールは無くルールによる規制はありませんと書きました。
→惜しいですね。無農薬栽培であること、ビオロジック=オーガニックという記述があればなお良かったです。料理とのペアリングに関しては
料理の持つ特徴とワインの持つ要素を合わせる事や料理のボリューム感(濃さ)とワインのボリュームが大事になるとの事を書きました。
→加点はあるとおもいますが、やはり新章ペアリングの記載を書くという意識が問われたと思います。私としては不合格で悔しい気持ちで一杯ですが
ソムリエと名乗るレベルには到らなかった(トップソムリエの方でしたらどんな状況であろうと間違いなく時間内に終わらせていたと思います)と考え来年有無を言わさず合格するつもりです。
→その意気です。実技については後の回に回しますが、やはりこの年のポイントは論述にあったと思っています。次は必ず合格できると信じております。頑張ってください。よろしくお願いします。
ペアリングの問題については、今までの出題(ワインとの組み合わせ出題)の仕方に引っ張られて、加点の少ない記述をしてしまったかたが多かったのではと思います。あくまで教本からの出題だったという認識を持てていたが重要でした。
さらに、まさかのポップ作成、皆さんの苦労がうかがえます。今後も角度を変えた出題があるかもしれません。慌てずにできることを確実に紙の上にのせていきましょう。
何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希