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実践セミナー2022 ワインの解説

2022/09/15
 
この記事を書いている人 - WRITER -

第140回

こちらは9/4〜9/15に東京、大阪、名古屋で開催した実践セミナーのワインの解説です。受講されていない方もイメージトレーニングのつもりで読んでみてください。このイメージトレーニングがスムーズにできるようになれば合格間違いなしです。

※9月最終週から10月前半にかけて、直前セミナー(東京・大阪・名古屋・仙台・札幌)および二次模擬試験(東京・大阪)を開催予定です。追ってご連絡いたします。

ソムリエ試験二次のテイスティング対策関連のご案内

◆「二次のテイスティングをなんとか乗り切るための必勝マニュアル」のご案内
→詳しくはこちらをご覧ください。

◆「Le Nez du Vin 54 aroma kit」(ル・ネ・デュ・ヴァン 54種アロマキット 日本語版)→詳しくはこちらに。



実践セミナー2022 ワインの解説

 

早速始めます。
の色付きの文字はそのブドウ品種の一般的な特徴です。

◆第1ラウンド

​白ワインが3種並びました。両端の二つはほぼ同じ様子、強さは感じないものの白ワインとしてごく一般的な色調と濃さ。白2はどう見ても最も淡い色調。
3種ともにやや緑がかっており、手を触れずに外観からイメージできることは、全てどちらかと言えばやや冷涼な生産地、そして樽を使ったシャルドネ系ではないであろう、←樽に入れるということは空気に触れることでもあり、また時間をかけることでもあるので黄色みがまします。白2の圧倒的な淡さは?色調の出ないブドウ品種?などと思いつつテイスティングを始めます。このようにテイスティングを始める前にしっかりとイメージし、道筋をおおまかに想定しておくことがとっても大切です。

1-1 ソーヴィニヨン・ブラン/フランス/2020 Alc14%

外観
白ワインとして中庸な外観。どのように転んでもおかしくない感じ。少しグリーンがかっていると感じられた方はとても順調です。濃淡はやや濃いめ。→ものすごく濃いわけではなく、白ワインとして一般的なレベル。さて、粘性はやや強め。若々しく、どちらかと言えば、温暖な産地かな、黄色が強くないので樽は感じないだろうな、反対にニュートラル系(甲州・ミュスカデ)ではないよねくらいのイメージでテイスティングスタート。

香り
白ワインは三つに分けます。「柑橘主体の爽やか系」「白い花や蜜の華やか系」「樽=シャルドネ」です。

さて、第一印象は酸味を感じそうな溌溂とした風味と奥の方からちょっとだけキンキンとした鉱物的なニュアンスを感じました。その後、この鋭角さから柑橘的な風味が続き、であれば「青さ」がどうなのかと確認したところ、比較的わかりやすく「青さ」がありました。その青さもフレッシュハーブ(フランスのSBの特徴)を刻んでいるときの爽やかなイメージ→ここで「猫のおしっこ」を感じることも多いそうです。このニュアンスでソーヴィニョン・ブランがわかるという方がたくさんいらっしゃいます。私は動物が好きではないので猫のおしっこがわかりませんが。

外観でちょっと温暖かなと思いましたが、この香りの軽やかな溌溂さとフレッシュハーブ感は冷涼産地。柑橘はレモンからグレープフルーツといったところ。もちろん、白い花の香りも存分に感じるのですが、柑橘の方勝っていますし、どう感じても鋭角で樽は感じません。→先ほども触れましたが、樽に入れることで酸化的に進むこととなり、柔らかく丸くより穏やかになる可能性が高いです。鋭角な還元状態と反対です。
溌溂とした鋭角さからの柑橘の風味、そこからフレッシュな「青さ」をしっかり感じてソーヴィニョン・ブランですね、と思えた方はパーフェクトです。

味わい
香りから冷涼な柑橘系をイメージしつつ、味わいで確認。それほど強くないアタックと甘み、ただ、香りの印象から冷涼産地を想定していますが、アルコールのボリュームやや強め。それでも、ここまでアルコール感を感じながら、味わいも鋭角で、酸がしっかり主張しているところがソーヴィニヨン・ブランかなと。香りで「青さ」が取りにくかった方は余韻からの方が感じやすかったかもしれません。

まとめ
外観での判断はやや難しめであったかもしれませんが、香りの溌溂とした感じ、鋭角さから柑橘系の爽やかタイプと判断し、そこから青さを感じられたので、ソーヴィニヨン・ブラン。外観とアルコールはやや強めでしたが、それ以外の要素はそれほど強くもなく、冷涼産地を想定しなくてはいけません。ブドウ品種を当てるよりもここが最も大切です。アルコールに関しては、近年のフランスは「温暖な年」が続いているとなんとなく思っていてください。

1-2 甲州/日本/2020 Alc11%
※名古屋セミナーの方はここが2-2 リースリングになります。

外観
三つの中でもっとも淡い色調。粘性もやや軽め。外観から強さを感じることなく、この淡さは…と意識しながら香りに進みます。この段階で、甲州やミュスカデをイメージする必要はありませんが、冷涼な感じ、強いブドウ品種ではないであろうと思う必要があります。
甲州は果皮が赤紫色です。ですから、色調は淡いものの、外観になんとなく赤さ、またはややくすんだニュアンスを持つことがあるですが、このワインからはその点をほとんど感じることはありませんでした。→濃淡、粘性で2をマークしました。ここ「外観の第一印象」に連動しており、「2.軽快な」を選択します。同じく、濃淡、粘性で3の場合は「3.成熟度が高い」、4の場合も同様にほぼ紐づけられます。

香り
第一印象は特に果実の香りに乏しく、その一方で特徴的な丁子の香りが飛び込んできました。とはいえ、セオリー通り3つのどれかに分けると、華やかな感じはなく、樽も感じず、どちらかといえば爽やか柑橘系に分類して欲しいところ。そして、爽やか柑橘系であれば「青さ」を見つけたいところですが、いまいち香りを感じづらかったかもしれません。というか、あまり香りがしない。少ない感じ。このあまり香りが取れない、もの足りない感じは甲州やミュスカデの特徴です。

このワインから日本酒の香りを感じた方もいらっしゃるでしょう。また、穏やかですが出汁っぽさや醤油っぽさを感じたりもしました。そして、甲州といえば丁子の香りといわれるように、このワインからわかる人には非常にとらえやすい甲州的な丁子の香りがはっきりと見受けられました。

味わい
果実味に乏しく、甘みも強さは全く感じさせずドライな印象。このワインは甲州らしく酸もおだやか→甲州はなかなか酸がうまくのらない。
苦味はまずまず感じるものの、全体的にやっぱりぼんやりしています。味わいもすぐに口の中からなくなってしまいます。余韻に残る丁子の香りと「海の香り」的なニュアンス。これらをミネラルと呼ぶように思いますが、このミネラルがもっと鋭角でツンツンくるような感じであれば、ミュスカデの可能性があります。

まとめ
特徴的な丁子の香りや日本酒的なニュアンス。もの足りなさ、はかなさを感じ、このあまり主張しないところが日本的なのかもしれません。

1-3 ソーヴィニヨン・ブラン/NZ/2021 Alc13%

外観
白1-1とほぼ同じような外観、やや濃いめの色調、強めの粘性。こちらもどちらかと言えば温暖な産地かな、黄色は少ないなとイメージしてテイスティングスタート。

香り
華やかで白い花系ともとれなくもありませんが、これは柑橘タイプに分類してグレープフルーツからライム手前くらいでしょうか)、青さを感じて。白1-1よりも強い(太い)青い香り。これがソーヴィニヨン・ブラン・NZです。→白1-1のようにフランスのソーヴィニヨン・ブランの青さはもっと繊細で、フレッシュハーブを刻んでいる時のような香りでしたね。

この青さ(緑)の強弱を感じることができるようにならなくてはいけません。夏の日の草原にいるような熱感を伴った青さ。さらにマスカットやパッションフルーツなど、フランスワインにはない南国フルーツの華やかな香りを感じることも。ただ、このワイン、やや還元的でこの強さが教科書的と言えるほどわかりやすくはありませんでした。→還元とは酸化の反対で、試験的には難しいので無視して良いですが、簡単に。還元(閉じている)は酸化(香りが出てくる=開放の反対のベクトルで閉鎖的、内にこもる、ギュッと詰まっているイメージ。特に果実味が抑えられ、ミネラル感を感じやすい状態になります。

味わい
香りの温暖なニュアンスから思ったほど強くはないアタック。それでも冷涼産地というほどでもない。そして、グレープフルーツを思わせる(やや酸っぱい系の)爽やかな酸が心地良い感じですが、それでもフランスのソーヴィニヨン・ブランに比べてなめらか。余韻にライム的な強い柑橘を感じ、想定通りNZで進めて正解。

まとめ
白1-1よりも全体的に「おおらかさ」を感じられた方は素晴らしいです。白ワインに限らずこの「おおらかさ」は温暖な産地の特徴とも言えます。ただ、新世界(NZ)であればもう少し強さがほしいところ。それでもフランスのソーヴィニヨン・ブランほど鋭角さがないところは結果としてNZに落ち着く感じです。ソーヴィニヨン・ブランに限らず、近年は新世界的な強さを表現しない生産者がどんどん増えています。
また、このワインの香りを経験しているかどうかは大きいと思います。このソーヴィニヨン・ブラン・NZの香り、非常に特徴的でわかりやすいので、数本経験して確認してみてください。そして、特徴的な夏の日の草原にいるような熱感を伴った青さを感じてください。

◆第2ラウンド

白2-1は第一ラウンドの1、3と同じような外観、白2-2はもう少し濃く黄色が強い印象。ただ、ものすごく濃いわけではありません。このようにわかりやすく並ぶことは少ないと思いますが、この白2-1のやや緑色をソーヴィニヨン・ブラン、白2-2のやや濃いめ黄色をシャルドネかもとほんのりイメージしてもいいかもしれません。→結果として違いましたが、想定通りであれば良し、あれ?これは違うぞと感じた場合はよりその違いを意識できるようになります。このように外観からイメージすることはとても大切で、そのパターンに沿ってテイスティングし、違和感を感じた時に考える。そして、そのイメージの先にあるブドウ品種を想定すべきで、いきなり「私のしっている〇〇に似ているから△△かなぁ」とイメージすると失敗する可能性が高くなります。

赤ワインは「濃い系確定」ということで、シラーかカベルネ・ソーヴィニヨンであればいいなと思いつつ。ただ、ものすごく濃いとまではいかないかなぁ。それでもガーネット/ダークチェリーレッドだなと。

2-1 シャルドネ/仏/2019 Alc12.5%

外観
この色調が白2-2と比べて「この緑っぽさはもしかするとソーヴィニヨン・ブラン系かな」とイメージされた方もいらっしゃると思います。→このようにあくまでイメージで、ソーヴィニヨン・ブランであると決めつけてはいけません。かもしれないなと想定し、その後違和感を感じたらすぐに修正する必要があります。粘性はやや強めの手前くらいで、先ほどの1-2の甲州のような淡さではなく、かといって温暖産地確定の強さではないなと思い香りに進みます。

香り
第一印象は柑橘から続くミネラルや石灰のニュアンス→こちらはシャルドネというよりも「シャブリ」の特徴ですね。だからシャルドネは難しい。やや還元的な印象。鋭角さも感じつつ…。外観の緑っぽさでソーヴィニヨン・ブランをイメージされた方は、この柑橘や鋭角な印象から青さを探したと思われます。でも、見つからない。さて。→白ワインとしてタイプ分けしづらいタイプです。このような場合は先に味わいに進み、とにかくコメントを埋めてしまいましょう。外観、味わいはブドウ品種がわからずともコメントを選択できます。どうしてもブドウ品種のイメージが持てなかった場合は、あきらめてこのコメント(ワインの強弱)に全力を注ぎましょう。ブドウ品種をわからない、わからないと考え続けると失敗します。

香りの強弱としては冷涼な印象。果実の凝縮感や強さは感じられません。そして、ここに気づけた方は一気に先に進めるのですが、奥の方に樽のニュアンスがありました。さらに、樽を感じると少しマロラクティック発酵由来の乳酸的なニュアンスも感じられるような気がします。←少し丸くなります。ここに気づけばソムリエ試験的にはシャルドネです。

味わい
樽を感じなかった方も少なくとも冷涼産地をイメージして口に含みます。3.やや強いを超えないアタック、同様に3.まろやかを超えない甘み、そして、中程度以下のアルコール。冷涼産地であることが確認できました。
味わいは香りのやや硬く引き締まった印象とは違い、酸も穏やかで、全体的にバランスよく丸い印象。香りで樽が取れなかった方も、余韻から樽を感じることがあるので意識してみてください。

まとめ
結果として柑橘系で溌溂としたシャブリ(樽を使ったタイプ)なのですが、樽香がわかればそこで方向転換できたはずです。柑橘系でしたが、青さを感じさせるものはありませんでした。味わいでは丸みがあり、酸味はおだやか、何かが突出して感じられる鋭角さがない、このバランスが樽を使ったシャルドネの特徴の一つです。

2-2 リースリング/フランス/2019 Alc13%
※名古屋セミナーの方はここが1-2 甲州になります。

外観
今回の白ワインの中では比較的濃い色調。とはいえ、コメントとして4.濃いを超えることはありません。この色調からイメージするにはややおだやかな粘性。やや黄色がかっていたことを今回の他の白ワインと比較して感じていただけたなら嬉しいです。
黄色がかっていると判断できた場合、想定するべきはひとまずシャルドネかリースリング。また、外観の強弱の印象から温暖地域確定!という感じでもなく、どちらに転んでもというイメージで先に進みます。

香り
第一印象は甘いリンゴの蜜のような華やかさ。そして、リンゴ、柑橘が続きます。強弱的には凝縮感や南国フルーツ香等の暖かい感じはありません。外観でどちらに転んでもと思っていたところからも、冷涼な産地なんであろうと想定。

しばらくして、より香りが開いてきました。お香や香水のような華やかな香りの奥に、リースリングの特徴と言われる石油香的なニュアンスが。←賛否ありますが、ペトロール香とも呼ばれ、石油と言っても灯油のようなイメージ。石灰や貝殻などのミネラルも主張しますが、これは華やか系で取るべき香りでしょう。

味わい
香りで冷涼産地を想定した通り、アタックもアルコールからもそれほど強さを感じず、冷涼産地確定。そして、酸味は明確でしっかりと感じます。そして、一番のポイントですが、この酸の質感です。全体的に重心が低いというか、落ち着いているというか、なめらかで独特の質感を持ちます。これがリースリングの酸。一方で、ソーヴィニョン・ブランの酸はいわゆるレモンやグレープフルーツの”スッパイ”系の鋭角な酸味。この違いを理解してください。また、リースリングはそれほど苦みを伴わないことも特徴の一つです。

まとめ
黄色い色調→淡い色調のリースリングもたくさん存在します。華やかな香り、なめらかで独特の質感の酸とまずまずお手本のようなフランスのリースリングでした。

2-3 テンプラニーリョ/スペイン/2015 Alc14%

外観
あきらかに濃い系です。私はここまで濃ければこのワインに関しては「ガーネット/ダークチェリーレッド」だと思います。そして、粘性も強く、濃い系なので「シラーまたはカベルネ・ソーヴィニヨンだったらいいなという」のイメージで香りに進みます。→最終的にこのブドウ品種はテンプラニーリョで、近年のこのブドウ品種の協会発表の模範解答ではほぼ「ルビー/ラズベリーレッド」が正解になっています。

香り
第一印象は粘土、そして。樽からくるであろう甘いヴァニラの香り。その奥に黒果実が…。フレッシュ…と取れなくもないかな。うーん。私は干しプラムのような少し凝縮した雰囲気を感じました。といっても、新世界的なジャムのような若々しい凝縮感ではありません。そして、全体の印象としてまとまっているというか丸い。樽の風味が中心となって馴染んでいる感じ。樽は強めのアメリカンオークの印象。
ここで違和感を感じなかった方、または熟成系(イタリア・スペイン品種)を捨ててシンプルに行く方は、「シラーorカベルネ・ソーヴィニヨン」の濃い系王道パターン、この凝縮感とアメリカンオークの印象から温暖地域で進めていただいても問題ございません。

さて、濃い系で、香りも確かに黒系果実だけど、なんだかちょっと違和感。フレッシュとは言い切れない?どこか赤さを感じ、温暖産地にもっていくにはやや弱い。また、フランスにするにはちょっと強く、このアメリカンオークの印象はありえない…。
この違和感を感じたときに初めて熟成系を思い出してください。初めから「シラーorカベルネ・ソーヴィニヨン」以外のブドウを考える必要はありません。→何度も言っておりますが、ブドウ品種を当てることが合格につながる試験ではありませんし、特に経験の少ない方がご自身の知っているブドウ品種から探ってうまくいくとは思えないからです。

違和感から熟成系をイメージするとタバコ土っぽさなど果実味以外の香りがかなり主張していることに気づきます。私の第一印象は粘土でした。ただ、それらがなんというか角がなく丸く収まっているイメージ。ちょっと不思議な感じ。そうなると、ソムリエ試験二次的にはイタリアかスペインを検討します。

味わい
アタックもアルコールも3~4の間で、凝縮感やアルコールのボリュームからくる甘みも強めですが、新世界とは違った酸、そしてドライな印象も感じられます(違和感2)。香りと同様に全体的に丸く、なめらかですが、やや強めのタンニンが主張しています。余韻はやや甘みを伴い、そしてしっとり

まとめ
粘土のようなしっとり感とアメリカンオークの香り。全体的に丸く、やや甘みを伴い、酸も渋みもそれなりにある。このワイン、まずまず典型的なテンプラニーリョ(リオハ)です。以前に紹介した私のシニア試験時のテンプラニーリョもこのような感じだったのでしょう。
攻略としては違和感を感じるかどうか。ここに尽きます。ですから、初めから熟成系を想定するのではなく、あれっ?と思ってから検証する。これがソムリエ試験的には正解です。最初から幅を広げてアレコレ悩む理由はありません。

◆第3ラウンド
淡い系赤ワインが3種。ソムリエ呼称の方は赤ワインが1種しか出題されない可能性もあるので、これらの外観を見比べることなく「淡い系=ピノ・ノワールかも」と想定してテイスティングを始められるようにならなくてはいけません。
赤3-2がこの中では最も濃い色調。もしかすると、「淡い系」ではなく難敵「淡い系ではないけど濃いとも言い切れない」という毎年受験者をまどわせる難しいタイプかもしれません。でも、その時はみんな悩むんです。最後はブドウ品種を捨ててもいいくらいなので、そのつもりで進めましょう。

3-1 マスカット・ベーリーA/日本/2020 Alc11%

外観
”淡い系”ということでピノ・ノワールをイメージし、違和感を感じた時に他を考えようというタイプの外観。淡い系の中でもまずまず紫の印象。若いワインであろう。粘性は”やや軽い”で、おそらく冷涼産地のピノ・ノワールなら順当という流れで香りへ。

香り
赤系果実であることは間違いありません。完全にフレッシュな赤果実です。そして、このままピノ・ノワールで進めてもまぁ、問題ありません。ブドウ品種を最小限に絞って受験する方はシンプルなイメージのピノのコメントです。
ただ、ここで違和感を感じた方はその方向で進めましょう。ちょっともの足りないんです。単調というか、深み、奥行きがない。そして、やや甘みを感じます。でも、ジャムのような凝縮した新世界的な甘さではない…。外観の印象は冷涼で強さを感じておらず、香りからも同様に強さは感じません。良い流れなのですが…。

この綿菓子のような、イチゴキャンディーのような平坦な「甘ったるさ」を違和感ととらえられれば大正解。そう思ってさらに探ると日本のワインに感じやすい丁子のニュアンスが。

淡い系の外観からピノ・ノワールの想定で違和感(単調で物足りない、平坦でより甘い)を感じた時のみ検討すべき仲間に、ガメイとマスカット・ベーリーAがあります。ピノ・ノワールは、それなりに複雑で、奥行き・広がりを香りにも味わいにも感じ、比較的長い余韻を持ちます。一方で、ガメイとマスカット・ベーリーAは、果実味をわかりやすく感じるもののイメージとして香りも味わいも“パッと開いてスッとなくなる”単調で奥行きがないイメージで、余韻も短いです。特にマスカット・ベーリーAは、ガメイ以上に独特の甘い香りをもちます。ガメイはここまで甘さを感じず、もう少し複雑さがあります。

味わい
”やや軽め”のアタックに“やや軽め”から”中程度”のアルコール、収斂性をほとんど感じません酸もそれほど主張せず、全体として奥行き、広がりもなく、ちょっとベタっとした感じで、当然余韻も短い。このワインに関しては余韻の方がよりその「甘ったるさ」を感じるように思いました。

まとめ
まず、この単調さ・甘さを理解してください。非常に特徴的です。ただ、あきらめる方は軽いなぁ、弱いなぁと思ってピノでもかまいません。

3-2 ピノ・ノワール/NZ/2020 Alc14%

外観
一応、淡い系に分類したものの…ちょっと引っかかる感じ。ただ、この外観で「シラーorカベルネ・ソーヴィニヨン」はありません。考えなくてもいいですが、カベルネ・フランならあるかもしれませんが。

ここで悩んでも仕方がないので、上記のように思いつつピノ・ノワールであったらいいなと想定。紫のニュアンスも取れ若々しい印象。そして、粘性はやや強め。となると、淡い系(ピノ)で暖かいところではないかとあたりをつけて、赤い果実を期待して香りに移ります。この微妙な外観、もし、赤い果実でなければその時は…。

香り
非常にわかりやすいフレッシュな赤い果実の香りでした。よかった!これは(ちょっと濃いけど)淡い系で赤い果実でピノ・ノワール確定です。ラズベリーからブルーベリーが当てはまる赤い果実の香りに、スーッと抜けるような清涼感をともなうゼラニウムなど綺麗で華やかな香りのコメントが並びます。特徴的なピノ・ノワールの香りです。

濃淡・粘性から考えると温暖地域かもと思いつつ、ここの良く熟した果実味。ただ、ジャム感までいかない…けど、この強さは…外観の印象からもどちらかといえば温暖な産地であろうと。

味わい
アタックはやや強め、甘みがグーンと伸びる感じです。さらに、アルコールはやや強めを超えるくらいとこちらも温暖な印象。この強さに対して酸がしっかりしており、濃い系ほどではありませんが、ほどほどに心地良い渋みもあります。凝縮感があり温暖な産地確定!というほどではなけど、温かい印象で新世界。

まとめ
先ほどのマスカット・ベーリーAとは違い、ピノ・ノワールは細くても長く伸びます。この伸び、広がりがピノ・ノワールと言っても過言ではありません。
また、このワインの少し強い感じ、NZ・ピノ・ノワールとすれば納得がいきます。ピノ・ノワール関してはここ数回連続NZが出題されています。強弱的にピノ・ノワールの生産国を並べると、フランス→NZ→→→→アメリカで、NZは完全にフランス寄りのイメージです。

3-3 ネッビオーロ/イタリア/2020 Alc14%

外観
淡い系に分類される外観。隣の赤3-2と比べると明らかに淡い。このまま淡い系だから「ピノかも」で進めて全く問題ありません。途中で違和感を感じるでしょうし。粘性はまずまずしっかりめ、淡い系なのでピノの想定で香りに進みます。
今回は比べることができましたので、しっかりと細かく見てみると縁が他の二つに比べてやや赤い…かも。熟成とは言い切れないくらいですが、若々しくはないのかも…というくらいです。これは試験中であれば気づかないかもしれません。

香り
ここでフレッシュな赤い果実であればピノ確定。ですが、違和感、フレッシュな果実どころか、香りがあまりしないうえに埃っぽくて、なんだか変な感じ。ここまで閉じていると、試験中に開くとは思えませんが、それでもひとまず後回しにすることをお勧めします。

戻って来てもあまりかわらず。こんな時先に味わいに行ってもいいと思います。さて、取りにくい香りを無理して感じると、どうも複雑な印象。コメント的にはドライハーブ、タバコ、土あたりが感じ取れました。また、フルーツは干しプラム的なやや乾燥させた感じ。とにかく、わかりやすく赤い果実ではないことに気づけた方は正解です。

味わい
アタック・甘みは3弱くらいで新世界の強さはありません。そして、味わいも固く引き締まっているとはいえシャープな酸に、渋みは収斂性があるといえる強さ。いつまでも口に残っているレベルでした。このワインは固くギュッと詰まっていてわかるづらかったかもしれませんが、酸・渋みと共に鋭角な印象。らしいといえばらしいネッビオーロでした。→サンジョヴェーゼは、どちらかといえば濃い系(ものすごく濃くはない)もう少し穏やかな、でもしっかりとした酸に、それなりにバランスが取れています。

まとめ
淡い系外観で、香りが取りづらくてフレッシュさがなく、味わいで強い渋みと全体的に鋭角なニュアンスでネッビオーロです。このワインはランゲ・ネッビオーロで、2020年とまだ若く全くの飲み頃ではないガチガチのネッビオーロでした。

◆第4ラウンド

淡い系に引き続き、濃い系が3種並びました。「シラーorカベルネ・ソーヴィニヨン」であったらいいなと想定する外観です。ただ、MAX濃いわけではない。そして、もしかするとメルロかもマルベックかもしれませんが、難しいことを考えて取るべきコメントを落としては意味がありませんので、そんなブドウ品種は無視して進めます。
色調・濃淡もほぼ同じ。細かく見てみると、4-1がやや赤く、4-2が最も紫で4-3がその間くらいだったでしょうか。→そして、それらはその通りヴィンテージを表していました。いつもこうというわけではありませんが。

4-1 カベルネ・ソーヴィニヨン/米/2018 Alc14%

外観
間違いなく濃い系です。ただ、MAX濃いわけではない。そして、今回は比べることが出来ましたので、しっかり見たところ他に比べてやや縁が赤い。熟成とかそんな感じではなく、ほんの些細なことですが、若いのか、ちょっと時間が経ったのかわかるだけでも全然違います。まぁ、ヴィンテージは当たらないので、当てなくていいのですが。
さて、粘性も強い。「シラーorカベルネ・ソーヴィニヨン」パターン、外観と考えて問題なさそうです。そして、シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンどちらも強いワインになるため、濃いけどMAXではないレベルであればフランスか新世界かは香り以降で判断です。
※「輝き」のコメントですが、昨年度の模範解答を見る限り濃い系(濃淡で5以上にマークする場合)の場合は”艶のある”の方が選ばれているようです。

香り
果実は赤か黒かといえば、間違いなくフレッシュな黒果実。良く熟した感はあるものの、ジャムほどの強さは…微妙ですが、ないかな。

さて、濃い系でフレッシュな黒果実を感じましたからカベルネかシラーのどちらかであろうと。三角形より鋭角なシラーズなのか、八角形複雑なカベルネ・ソーヴィニヨンか。このワインから針葉樹っぽい緑にニュアンスに、ドライハーブ。これらの要素と果実味が相まってより複雑な印象。

味わい
アタックはやや強いから強いを超えることなく少し手前のイメージ。甘みは豊かなのちょっと手前、アルコールはけっこう強い。やや穏やかなアタックでしたが、甘みから続くアルコールのボリュームまでグーンと盛り上がる感じで余韻まで続きました。果実味、酸、渋みそれぞれがしっかり主張し、それなりにまとまっていることからもカベルネ・ソーヴィニョン。この独特の強さと豊かな酸を感じると私ならチリと答えるかなと思ったワインでした。

まとめ
カベルネかシラー、どちらなのか。難しいところでしたが、何かが突出している「三角形で鋭角なシラー」というよりはより多くの要素が主張しつつ複雑な「八角形で複雑なカベルネ・ソーヴィニヨン」の方かなと。

また、ワインの強弱としても、強烈に強いというわけではなく、新世界としてはやや線が細いイメージ。ちょっと冷涼なのか標高が高いのかなと。だから私はチリかと。

新世界の濃い系は、カベルネ・ソーヴィニヨンかシラーを取り違えてもコメントはほとんど変わりませんから問題ありません。

4-2 シラー/仏/2020 Alc13.5%

外観
引き続き「濃い系」、向こうの文字が透けて見えることはありませんが、最強MAXに濃いわけではありません。そして、紫の若々しい印象。迷わずシラーかカベルネ・ソーヴィニヨンを想定する外観。粘性もしっかりと感じます。この二品種、冷涼産地(フランス)であっても比較的暖かい地方(ローヌ、ボルドー)で造られること、また、ブドウ品種の特徴としてしっかりとしたワインができることから全体的に強くなりがちです。ですから、この濃い系の場合は外観で冷涼か温暖かの判断は難しいことが多いと思います。

香り
「濃い系」で、シラーかカベルネ・ソーヴィニヨンを想定しておりますから、香りも黒系果実主体であってほしいわけです。さて、非常にわかりやすく黒系果実が。そして、その黒果実に強さですが、やや強めで良く熟した感があるもののジャムまではいかず、フレッシュな果実が主体。ここでどちらかといえば冷涼産地(フランス)かなと思うくらい。
また、シラーとして特徴的なオリーヴの香りを明確に感じました。このオリーブはフランス・シラーに特に顕著に感じます。また、どこか酸味を思わせる香りがあります。

味わい
どちらかと言えば冷涼(フランス)の印象で味わいまで進みました。が、アタック、甘み、アルコール全てまずまず強め。温暖産地!というほどの強さではありませんが、フランスにしてはちょっとねぇ、強いよねって感じ。ただ、比較的鋭角な酸はっきりとした渋み。新世界の強さにマスキングされていない酸と渋みをちゃんと感じました。

まとめ
外観、アタックからアルコールまで確かにフランスとしてはやや強めでしたが、特徴的なオリーブの香りも含めてまずまず教科書的なフランス・シラーでした。→2020年もフランス全体がまずまず強い年(良い年)なんです。ですから、(微妙に迷いつつ)温暖地域と判断しても失敗とまではいかないと思います。

4-3 シラーズ/オーストラリア/2019 Alc14.5%

外観
これまた「濃い系」、同様に最強MAXに濃いわけではありません。粘性も強く、こちらもカベルネ・ソーヴィニヨンかシラーのイメージでテイスティングを進めます。

香り
第一印象は甘やかフレッシュな黒果実、その後強い樽の風味。ジャムと言ってもよいくらいの強い果実感。さらに、メントール的な清涼感もあり、温暖産地確定。非常にわかりやすく、ユーカリを感じました。→ユーカリはオーストラリアで最も感じる香りですが、南半球の特徴でもあります。近くにたくさん群生しているユーカリが直接香りをまき散らしており、それらがワインに含まれています。

味わい
味わいも強くて濃い。味わいからも新世界にもって行けたと思います。

さて、新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーの見分けは非常に難しいです。先ほどお伝えしように八角系のカベルネ・ソーヴィニヨンと鋭角な(三角形)シラー(ズ)なのですが、温暖な地域特有の強さ、濃さ、果実味がその八角形、三角形の辺を押し出し膨らませ丸みを帯びるため形が似るためです。ですから、この二つを取り違えてもそれほどマイナスにはなりません。

このワイン、わかりやすくユーカリを感じました。ソムリエ試験的にわかりやすいユーカリ香はオーストラリアと考えてよく、オーストラリアであれば確率的にシラーズでしょうと言うことで、ユーカリを感じれば自動的にシラーズでもいいくらいです。

新世界の濃い系赤はそれほどブドウ品種を意識する必要はありません。

ーーーー

セミナーにご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com
松岡 正浩






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