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主要”白”ブドウ品種の特徴

2020/03/11
 
この記事を書いている人 - WRITER -

※表紙はシャルドネ



主要”白”ブドウ品種の特徴

今回は主要白ブドウ品種の特徴をまとめます。
一般的なことはさまざまな書物に書かれていますので、私がここがポイントだと思うことに絞ってお伝えします。→あくまで私のイメージなので、二次試験のテイスティングコメントとは異なります。

始める前に一言。

細かいテイスティングコメントについては今は全く気にしなくても大丈夫です。二次試験の為のテイスティングコメントに関しては一次試験終了後にガッチリ対策を行います。これは任せてください。それまではコメント以上に主要ブドウ品種のイメージを自分なりに持てるように意識してテイスティングすることが最優先です。

そのためにも、何度も同じことを言って大変恐縮ですが、感じたことを自分の言葉で書いてください(詳細は第五回。今は無理に模範コメントに合わせる必要は全くありません。

正しいとか間違っているとか言う以前に感じたことを言葉する訓練が必要なんです。だって、ワインに限らず感じた香りや味わいを言葉にしたことなんてなかったでしょ?いきなり何かを感じて言葉になんてできないんですよ。だから、正解はどうでもいいので、長いストレッチ期間だと思って、どんどん言葉にすることを意識して欲しいんです。最初は全然うまくいきません。面倒な作業です。でも、今、このタイミングでこの言葉にすることを地道に続けるかどうか、秋の結果を左右します。独学でなんとか合格したい方、これだけは本当にお願いします。

さらに、言葉にして書き溜めたものをいつか集計することで自分の感覚・癖を統計的に知ることができます。実は主要ブドウ品種でこの感覚・癖を掴めば間違いなく合格ですから。←テイスティングして書いていない人、多いと思います。面倒ですよね…。さらに「間違っているかもしれないこと、正解がわからないことを書く」ことは苦痛を伴いますから。
でも、合格の為なんです。ここを乗り越えると見えるものがあります。

では始めます。

白ブドウ編

●シャルドネ
ここ10数年間一度も欠かさず毎年どこかの呼称で出題されております。シャルドネは万能型で、どこで栽培してもそれなりに結果の出るブドウで世界的に人気があります。
しかし、万能型であるが故にこれといった特徴のないブドウでもあり、より栽培地域の個性、生産者の意図を反映させるため、試験対策としては難しい部類に入ります。

・外観
なんともいえません。薄い黄緑色から照り照りの黄金色まで。シャルドネは色で判断できません。もちろん、アメリカとフランスのシャルドネを比べるとアメリカの方が色が濃い可能性が高いのですが。

・香り
これも一言では難しい。一つ言えることは、ブドウ由来の香りがあまりしないことです。

反対にさまざまな香りがバランスよく感じられるとも言えます。もちろん、シャブリなどの涼しい産地では柑橘系で爽やかなイメージが主体、より温暖なアメリカなどは黄色い果実のふくよかなニュアンスが主体になります。加えて、バニラやトーストの香りといわれる樽のニュアンスを感じることが多いですね。

※ブドウ由来の香りとは
たとえば、ゲヴュルツトラミネールなら”ライチ”というように直感的にそのブドウが思い浮かぶような香りです。第一アロマとも言います。主に果物の香りです。

・味わい
どちらかというと果実味の凝縮感に優れ、余韻に独特の苦味を感じることが多いと思います。そして、バランスに優れていることは特筆すべきかもしれません。確率的にマロラクティック発酵していることが多く、丸みを感じることが多いです。

・まとめ
シャルドネは本当に難しいんです。たとえば、ブルゴーニュでもシャブリなどはスッキリ系で酸も鋭角ですが、マコンなどは酸も穏やかで果実の凝縮感の方をより強く感じると思います。アメリカのシャルドネになるとさらに温暖である為、アプリコットなどの黄色い果実のニュアンスが増え、さらにアメリカンオークの影響もありとってもふくよかに仕上がります。

それでも、シャルドネのスタイルというものがありますので、今の段階では、ブルゴーニュ/コート・ドールのシャルドネカリフォルニアのシャルドネを比べて何かを感じてみましょう。

ブドウ由来の香りがしない、いまいち何のブドウかわからない、樽っぽい感じしかしない、となればシャルドネの可能性が高いと言えます。

●リースリング
独特の「石油香」を感じることが多く、酸は品がありキレイです。引き締まったミネラルも特徴と言えるでしょう。→ミネラルってなんだ?

今の時期、リースリングはドイツとアルザスに絞ってテイスティングしましょう。NZとオーストラリアがそれぞれ一度ずつ出題されていますが、まずはリースリングの基本を知る・感じることが大切です。

・外観
比較的しっかりとした黄色系。まずまず粘性があり、ディスクも厚い。ドイツよりアルザスの方が色が濃い。

・香り
なんと言っても石油香(ぺトロール香)が最大の特徴!→ワインによって差があり、感じないものもあります。

柑橘系の香りがないわけではないのですが、どちらかと言えばリンゴや白い花の香りが主体。ですから、華やか系ふくよか系に分類されます。樽のニュアンスもほぼありません。

※石油香(ぺトロール香)とはキューピーちゃん人形の首をとって中の匂いを嗅げといわれます。

QP

・味わい
口あたりは滑らかで厚みやボリューム感を感じることが多い。繊細ながらしっかりとした酸がワインを支えていますが、ミュスカデやシャブリ、ソーヴィニヨン・ブランのようなスッキリ・シュワシュワしたイメージの酸ではありません。余韻に甘味を感じることも。

・まとめ
ドイツとアルザスの違いを理解するために酸とアルコールの強弱をしっかり感じ取ってください。





●ソーヴィニヨン・ブラン
比較的わかり易いブドウです。緑っぽさが外観にも香りにも表れます。新世界でソーヴィニヨン・ブランといえばNZなのでフランスとNZを比べてみましょう。

・外観
他の白品種に比べ緑のニュアンスが強く感じられます。薄い色調、粘性は低い。

・香り
緑のフレッシュハーブの香り、軽く硫黄臭(マッチを擦った時の香り)、そしてレモンや酸っぱめの柑橘類の香りが特徴です。

ボルドーのものは樽のニュアンスが加わりますが、試験的には無視して進めましょう。NZのものは同じ系統の香りでもより華やかで太く、メリハリがあります。アメリカ産になるとさらに香りが太くなり、酸がぼやけます。

・味わい
スッキリさわやか系で心地よい酸味が特徴的。リンゴのシュワっとした酸味グレープフルーツの苦味→ボルドーは樽を使いセミヨンが加わる為ややトロっとした印象に。こちらもフランス→NZ→アメリカの順により華やかに、酸が穏やかになります。

・まとめ
緑のニュアンスを持ちフレッシュな酸が特徴。
フランス産は”キリリ”と、NZ産はより”華やか”で、アメリカ産はやや”もったり”しています。

●ゲヴュルツトラミネール
ライチの香りで御馴染みのという感じです。非常に特徴的でわかり易い。

・外観
どちらかというと濃い目で黄色が強い。粘性も強い。

・香り
とにかくライチ白い花の甘い香りお香的なニュアンスも。

・味わい
トロりとしたオイリーな質感に、どっしりとしたボリュームを感じる。酸は控えめ(に感じるはず)

・まとめ
本当にライチ!という感じです。独特の存在感があります。




●ミュスカデ
色が薄くて、サラサラ、香りがあまりしなかったら疑いありです。→甲州と間違えるタイプです。

・外観
薄い黄緑。他の白品種に比べ薄く、弱い。

・香り
こちらも他の白品種に比べて個性がなく、ボリュームに欠ける。レモン、ハーブ系。他の要素が控えめな分ミネラルのニュアンスが際立っている。

・味わい
スッキリ系。薄く固い印象。柑橘系の酸、塩っぽいミネラルの感じ。余韻は短い。→この固さのニュアンスがミネラルをよく表現していると思います。

・まとめ
これまでの他の品種に比べて明らかに何かが欠けた感じです。糖度がそれほど上がらないブドウのイメージです。

●甲州
そして、このミュスカデと比べてテイスティングしていただきたいのが甲州です。

教本の一番最初に”日本”の項目が来たことからもソムリエ協会の日本のワインに対する取り組み、力の入れようが汲み取れます。そして、今や日本を代表するブドウ品種として最初に名前があがるのがこの甲州種です。

甲州は日本を代表するヴィティス・ヴィニフェラ種です。現在、この甲州とマスカットベーリーAが国際ブドウ・ワイン機構(OIV)においてワイン用ブドウ品種として登録認定されています。
→近い将来マスカットベーリーAも二次試験に登場する日が来るでしょう。しかし、いまのところ出題されていませんので無視します。出されるなら先にシニア呼称であることを願います。

特筆すべき何かがあるブドウではないのですが、日本のブドウ品種らしく、わかりにくい酸意外としっかりとした渋みを感じることが特徴と言えなくもないといった感じです。

最近は樽を効かせたしっかりタイプも見受けられるのですが、これはちょっと置いておきましょう。

・外観
薄い色調粘性は低い。なんとなく茶色っぽいニュアンスを感じる事があります。ちなみに甲州のブドウの果皮は薄い赤紫色です。

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・香り
ミュスカデに通じるところがあるくらいですから、華やかな香りはありません。それでもグレープフルーツのような爽やかな香りから吟醸酒的なメロンの香りを感じることもあります。香の印象としてけっして複雑ではなく、”ほのかに”という言葉がぴったりです。
→ソムリエ協会のテイスティング部門を司る石田博さんは”丁子”と表現されています。難しいですね。

・味わい
穏やかな酸味、余韻の苦味、渋みが特徴。ただ、長年この”渋み”をなくす方向でワインが造られてきた歴史もあり、はっきりと感じないワインもあります。

そして、やや単調でふくらみに欠けます。また、甘さが残ったものも見受けられます。悪い言い方をすれば(酸が少ないこともあり)ややゆるいと感じてしまうことも。旨み的と言えなくもないかもしれません。→このように言い回しまでなんともはっきりしない感じが日本特有なのかもしれません。

・まとめ
リースリングやソーヴィニヨン・ブランなどのブドウ品種由来のしっかりとした香り、特徴があるタイプと二分されます。甲州はニュートラルで全てにおいて主張しないところが特徴と言えます。

ミュスカデと甲州。この二つの酸とミネラルの違いを感じ取れるようになれば素晴らしいですね。ただ、この二つはテイスティングコメント的にも似通っているので取り違えたとしてもそれほど痛手ではありません。

この甲州、まだ出題され始めて日が浅いですが、今後主要ブドウ品種に仲間入りすることは間違いないと思われます。



また、以前紹介させていただきましたが、下記の三冊を読まれていない方は必ず読んでみてください。いや、しっかりと読み込んで欲しいのです。テイスティングの基本についてよくわかります。

佐藤陽一著 「ワインテイスティング―ワインを感じとるために」

久保將著 「ワインテイスティングの基礎知識」

現在のソムリエ協会の技術部長(二次のテイスティングを担当しているそうです)の石田さんが”大切”というブドウ品種について解説しています。だから大切なんですよ。

石田博著 「10種のぶどうでわかるワイン」

各ブドウ品種の特徴についてはあくまで私の感覚ですから、人によって感じ方が違うこともあると思います。また、何とか言葉にしておりますが、言葉にできない感覚の方がより重要であることも承知しております。

いろいろ経験して、自分なりの感覚を育んでください。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩






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