チリ

※表紙は灌漑設備のあるMaipo Valleyのブドウ畑
チリ
チリは意外と出題率の高い国で、昔から比較的毎年コンスタントに一、二問出題され続けていました。そして近年、日本的に重要度がましたのでしょう。おおよそ四問程度の出題が見られます。2017年度はソムリエ呼称で三問、エキスパート呼称で四問でした。→2016年度は二問でしたが、2015年度、2014年度、2013年度はそれぞれ四問出題がありました。おかげで、過去問がたまり勉強しやすくなりましたとも考えられます。
ソムリエ協会的にもしっかりと見ておくべきと考えているのでしょう。 チリはちょっと気合が必要かもしれません。
それでも本当に時間の無い方の為に。キーワードだけでやり過ごす、ワンポイント講座!→ここはしっかりと勉強した方がいいです。
→単純にCasablanca ValleyとCurico Valley以外の主要ブドウ品種は全てカベルネ・ソーヴィニヨンと答えます。
A チリのワインについて
日本におけるチリワインの輸入量が増加の一途を辿っています。そして、2015年、フランスワインを超えて国別輸入量第一位となりました。→ソムリエ協会が力を入れる気持ちもわかります。
このチリワインの輸入増加は 2007年に始ったわけですが、そのきっかけは日本とチリの二国間で締結された経済連携協定に基づく関税率の逓減でした。→現在、チリワインにかかる関税とその他の国のワインにかかる関税は、ボトル1本につき60円ほど違うそうです。特にチリワインは低価格帯が主流ですから。
ブドウ栽培地域は細長い国土の南緯27~39度付近、アンデス山脈の麓、南北1400kmに広がっています。
冬に雨が降り、春から秋にかけて乾燥します。さらに夏、昼はかなり暑くなりますが、夜気温が下がるというブドウ栽培にとって最も好ましい典型的な地中海性気候です。一方で冬にしか雨が降らないため、灌漑が必要になります。
地理的に、気候的にがボトリティスやベト病などのカビや病気が少なく、農薬類の必要性が圧倒的に低いことも特徴です。また、未だフィロキセラの被害もありません。
1818年 スペインから独立
1979年 スペインのトーレス社がクリコ・ヴァレーに進出し、最新の醸造技術、醸造機器を導入。一時期停滞していたワイン業界に活気が戻り、技術革新のきっかけになりました。
・アルコール添加、補糖不可、アルコール分は11.5%以上
→EU圏に輸出する場合は85%。ラベルに補助品種を記入する際にはその補助品種を15%以上使用、比率の多い順に左から右に3種類まで表示できます。
→このカルメネールは長年、メルロと混同されていました。
→現在、カベルネ・ソーヴィニヨンが全体の30%、ボルドー系品種で六割強を占めています。
B チリのワイン産地
2.北からの順を問うもの
1.アタカマ
ピスコと呼ばれる蒸留酒
Limari Valley
同じく山脈西側でやや冷涼。ソーヴィニヨン・ブランを中心に頭角を表しています。
チリ最大の産地
●Malleco Valley
6.アウストラル
C 新しい原産地呼称表示の採用
軽く触れておきます。
この図をしっかり見ておいてください。
・コスタ(Costa:海岸に面した畑、コースタル)
・エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras:海岸山脈とアンデス山脈の間、つまり中央部の平地)
・アンデス(Andes:アンデス山脈側の斜面、ヒルサイド)
ここはちょっと頑張らなくてはなりません。
ソムリエ試験 過去問
【過去問 2017】
2015年、日本におけるチリワインの国別輸入数量は何位であったか、次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 1 位
2. 2 位
3. 3 位
4. 4 位
【過去問 2017】
チリのワイン産地に影響を与える南氷洋から北に向かって流れる冷たい海流名を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. フンボルト海流
2. 北大西洋海流
3. ベンゲラ海流
4. ガルフ海流
【解説】
高校時代、地理で習ったような気がしましたが、ちょっと難しいかも。
【過去問 2017】
コピアポ・ヴァレーやウアスコ・ヴァレーでモスカテル種を使用して造られるチリの蒸留酒を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. ピスコ
2. ピンガ
3. カシャーサ
4. アクアビット
【解説】
チリの蒸留酒といえば。
【過去問 2017】
2011年からの、チリの新しい3つの産地区分で太平洋の海岸線に面した産地区分 の名称を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. Entre Cordilleras
2. Costa
3. Andes
【過去問 2016】
チリ中央部のワイン産地の主な気候条件を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 高山性気候
2. 大陸性気候
3. 地中海性気候
4. 海洋性気候
【過去問 2016】
スペインの開拓者が初めてチリにブドウ畑を拓いたエリアを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. コスタ
2. エントレ・コルディリェラス
3. アンデス海岸山脈
【解説】
上の図を理解していればあとは常識的に…。初めて開拓するならと考えると耕作がしやすくて(平地で)土地が肥沃で(川があって)…。
【過去問 2016】
チリワインで収穫年をラベルに表示をする際の最低使用比率を1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 最低75%
2. 最低85%
3. 最低95%
4. 最低100%
【過去問 2016】
チリの白ブドウ品種で最も栽培面積の広い品種名を選び、解答欄にマークしてください。
1. Sauvignon Blanc
2. Torrontes Riojano
3. Chardonnay
4. Pais
チリにおいて 1851 年に本格的にワイン造りを始め、チリのブドウ栽培の父と呼ばれる人物名を 1 人選んでください。
1. シルヴェストーレ・オチャガビア
2. アレサンドロ・ヴァレニャーニ
3. セルジュ・ルノー
4. ジャン・ルイ・ヴィーニ
【過去問】
チリのワイン用ブドウ品種の中から最も栽培面積が大きいものを 1 つ選んでください。
1. Sauvignon Blanc
2. Merlot
3. Cabernet Sauvignon
4. Chardonnay
【過去問】
チリの気候に関する記述で正しいものを 1 つ選んでください。
1. 冬季に雨が降り、春の終わりから秋口まで長い乾期が続く典型的な地中海性気候
2. 年間降水量は日本の 1/10
3. 日較差は海岸沿いで 25 ~ 28℃、アンデス山脈の麓で 30℃以上にもなる
4. 夏の相対湿度は 25 ~ 30%
【解説】 細かいことを考えると難しいかも。素直に、1.が正しいなと思えれば。困った時は素直に行きましょう。特にこのあたりの国々は。
【過去問】
チリ D.O. ワインのラベルに原産地を表示する場合、その地域の該当品種の最低使用率を 1 つ選んでください。
1. 75%
2. 85%
3. 95%
4. 100%
【過去問】
長い間 Merlot と混同され、元来ボルドーで広く栽培されていたチリを代表するワイン用黒ブドウ品種を 1 つ選んでください。
1. Cabernet Sauvignon
2. Carmenere
3. Petit Verdot
4. Malbec
【過去問】
チリのワイン用ブドウ品種 Pais の別名を 1 つ選んでください。
1. Mission
2. Torontel
3. Tintoreras
4. Pedro Jimenez
【解説】
近年見なくなった問題です。正解は1.なんです。
【過去問】
チリのワイン法「原産地呼称ワイン」の略称を 1 つ選んでください。
1. A.V.A.
2. D.O.C.
3. G.I.
4. D.O.
チリの気候風土に関して正しい文章を 1 つ選んでください。
4. 北はアタカマ砂漠、南は南氷洋、東はヴォージュ山脈、西は太平洋
正解は1.です。フンボルト海流ってたしか、昔”社会”の時間に習ったやつです。
チリの原産地呼称ワインD.O.において、ラベルに原産地を表示するにはその地域の該当品種を何%使用しなければいけないか 1 つ選んでください。
4. 95% 以上
チリのワイン産地 Atacama Region にある Subregion を 1 つ選んでください。
4. Huasco Valley
正解は
4.なんですが、この産地を覚えなくてもいいカテゴリーかなと思います。1.と2.は外して、3.はまだわからなくもないんですが。1.~3.ではないので4.ですということを求めているのかもしれません。
チリのワイン産地において、北から南に正しく位置している場合は 1 を、誤っている場合は 2 を選んでください。
「(北)Elqui Valley → Aconcagua Valley → Maipo Valley → Maule Valley(南)」
2. 誤
チリはちょっと突っ込んで勉強しないといけないかもしれません。
チリにおいて長年メルロ種と混同されていたワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。
3. Carmenere
チリで長い間メルロと混同されたワイン用黒ぶどう品種を1つ選んでください。
4. カルメネーレ
チリのワイン法「原産地呼称ワイン」の略称を1つ選んでく ださい。
4. D.O.
チリの代表的なワイン産地が集まるサブリージョンMaipo ValleyやRapel Valleyなどが属するリージョンを1つ選んでください。
4. Central Valley
チリのMaipo Valleyで全体の栽培面積の50%以上を占めているワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。
4. シャルドネ
チリのワイン産地では品質の向上を裏付けるように産地表示はより小さな限定産地(Zone)へ進む方向にある。次の1~4の中から限定産地にあたるものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Cachapoal Valley
次の1~4のワイン産地の中からチリに属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Waimauku Valley
次の1~4のぶどう品種の中から、最近までチリでCarmenereと混同されていたものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Malbec
チリの中央盆地は、北のアコンカグア川から南のマウレ川まで南北350kmにわたるエリアで、それぞれ川の流域で良質なワインがつくられているが、次の 1-4 の中から北から南の順序で正しく並べた SUBREGIONの組合せを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. ラペル・ヴァレー→クリコ・ヴァレー→ビオビオ・ヴァレー
次の 1-4 のチリワインに関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. カサブランカ・ヴァレーは中央渓谷地方のサブリージョンである。
クリオージャはアルゼンチンの安価で色の濃い白ワイン用ブドウだそうです。教本には記載がないような。
次のチリの D.O. ワイン産地の中から地理的に最も北に位置するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Rapel Valley
次の中からチリで長い間 Merlot 種と混同されてきたが、最近Merlot 種ではない品種と認定され、ヴァラエタル・ワインの生産が進んでいるぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Petit Verdot
次の中から南北に約 1,400 km 広がるチリで、主に良質なワインが造られている中央部のワイン産地の気候条件に該当するものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. 高山性気候
チリで気候を問われた時はこれ以外に答える必要はありません。
次のチリワインに関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. チリの原産地呼称ワインで原産地を表示する場合は、表示原産地の該当品種を85%以上使用しなければならない。
次のチリのワイン産地に関する記述に該当する産地を下記の中から1つ選んでください。 「東にアンデス山脈、中央平地、西側が海岸山脈で構成され、これらが並行して南北に延びる。やや湿潤な地中海性気候で、太平洋高気圧の影響を受ける。ソーヴィニヨン・ブランの栽培面積は国内最大。」
4. Casablanca Valley
次のチリワインに関する記述中、a~dに該当する語句の組み合わせを1つ選んでください。 「チリワインの輸出量の51%は a 向けで、22%が b 。日本は c の輸出先となっている。ワインに関する法的規制は農業保護庁農牧局 d が、法令により管理している。」
4. a アメリカ、カナダ市場 b ラテンアメリカ市場 c 第12位 d SGS
この問題が出題された当時はアメリカ、カナダ市場が22%、日本は第8位の輸出先でした。現在はかなり上位にきております。
次の中からチリのSubregionに認定されているMaipo ValleyがあるRegionを1つ選んでください。
4. Coquimbo
「本格的にぶどう栽培が行われたのは1851年にチリのぶどう栽培の父と呼ばれる(A)がフランスから高級ぶどう品種を導入し、始められた。」
4. サムエル・マースデン
次のチリの原産地呼称ワインに関する記述の中から、誤っているものを1つ選んでください。
4. 収穫年表示をする場合、表示年のワインを75%以上使用しなければならない。
次のチリのワイン生産地の中から、Central Valleyに属するSubregionを1つ選んでください。
4. Limari Valley
次のチリのワイン生産地の中からカベルネ・ソーヴィニヨンが中心で、全体の栽培面積60%以上を占めるサブリージョンに該当するものを1つ選んでください。
4. Curico Valley
次の中からチリの地理的な特徴として最も重要な山脈に該当するものを1つ選んでください。
4. ヴァカ山脈
次のチリのワイン生産地の中からソーヴィニヨン・ブランの栽培面積が国内最大であるサブリージョンに該当するものを1つ選んでください。
4. Maule Valley