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主要”黒”ブドウ品種の特徴

2020/03/13
 
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主要”黒”ブドウ品種の特徴

今回は主要黒ブドウ品種の特徴についてお伝えします。

昨年度、エキスパート呼称でマルベックが出題されました。ちょっとびっくりしましたが、ほとんどの方が答えられなかったでしょうから合否には関係なかったはずです。この講座では、これまでに出題されたことのないブドウ品種に関しては一切考える必要がなく、無理に幅を広げず主要ブドウ品種のみに絞ってテイスティング対策を進めた方が合格に近いと考えております。

今後もこの講座において主要ブドウ品種としていないアイテムが出題される可能性はあります。ただ、昨年度であればマルベックをカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロと想定してテイスティングを進めてもコメントはそんなに大外ししませんので問題なかったはずです。さらに言えば、例えば、ガメイとピノ・ノワール/仏を、カベルネ・ソーヴィニヨン/米とシラー/豪を取り違えても些細な減点で、全く致命傷ではありません。しかし、ピノ・ノワール/仏とカベルネ・ソーヴィニヨン/仏を取り違えると、また、近年は差が少なくなりつつあるとはいえ、フランス産と新世界産を取り違えると大きなマイナスになります。色調、酸、アルコールのボリューム感等の違いからテイスティングコメントが大幅に異なってしまうからです。

毎年、ブドウ品種正解「0」で合格される方がいらっしゃいます。ブドウ品種を当てることだけが重要ではないということです。合格するためにはブドウ品種にこだわる以上にタイプわけを間違えないことが大切なんです。ブドウ品種正解「0」で合格した方は、そのタイプわけのところで大きく外しておらず、テイスティングコメントがそれなりに適切であったと考えられるからです。

それでも、ブドウ品種を当てることがそれほど重要ではないとはいえ、各ブドウ品種の特徴を知らずして先に進むことはできません。今日はその所のお話です。

黒ブドウ編

●カベルネ・ソーヴィニヨン
二次試験に出題される品種の中で最も黒く濃い色調です。ピーマンやハーブ、黒い果実をはじめとする複雑な香り。最も収斂性があり渋味が強い。

・外観
濃い。のニュアンスが最も強い。粘性も比較的しっかりとしていますが、他の要素の突出具合から比べると平凡に感じるかも。

・香り
カシス・ブラックベリーなどの黒い果実ピーマン、森の中、鉛筆の芯(ボルドー)、コーヒー、インクなど。アメリカやオーストラリアのものになると緑っぽさが少なくなり、より熟した甘いニュアンスが強くなります。黒い果実もコンポートやジャムのニュアンスに。基本的に黒っぽいものの香りがします。樽のニュアンスを感じることが多くとても複雑です。
→特に新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンは樽の影響も含めて、チョコレート、ヴァニラ、ゴムそして粉っぽさを感じたりします。

・味わい
渋味が最大の特徴です。これほど渋味を感じるブドウはありません。黒系果実の凝縮感、酸、アルコール全てがしっかりしている為、ガッチリした印象です。ただ、新世界のものは凝縮感に勝るため、渋みだけをそれほど突出して感じないこともあります。

・まとめ
カベルネ・ソーヴィニヨンは過去に四カ国のものが出題されています。特に新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンは圧倒的な凝縮感にアルコールのボリューム感を感じることが定番でした。ただ、近年、濃くて果実味重視のスタイルから軽めのスタイルに移り変わりつつあることも事実です。しかし、フランス以外のものの生産国を判別するのは非常に難しいです。

新世界産のカベルネ・ソーヴィニヨンをそれとなくわけてみると、アメリカ産は果実の凝縮感・アルコールのボリューム感で群を抜き、ただ、やや単調で余韻に甘味が残ります。オーストラリア産もアメリカ産に近い印象ですが、なんとなく清涼感と緑っぽさを感じ(フランス産とは違うユーカリの緑)、チリ産は独特の香りがあり、酸味が強い気がします。しかし、時間もありませんから、細かいことはあきらめて、フランス産か新世界産の二者択一を意識するのが賢明でしょう。
→カベルネ・ソーヴィニヨンに限った話ではないのですが、オーストラリアの赤ワインからは独特のユーカリっぽさを感じることが多いんです。不思議ですよね。

●シラー/シラーズ
こちらも色が濃いのですが、何となく明るさを感じます。私はこのブドウ独特の酸を感じるのでほぼ間違えません。マリネされたオリーブの酸味ってイメージなんですがわかりますか?

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・外観
濃い。濃く黒いけどほんのり明るく華やかな感じ。粘性も強い。

・香り
よく黒コショウの香りスパイシーと表現されますが、私は上記のオリーブのちょっと緑っぽい酸味が一番わかり易いです。加えて、赤黒い熟した果実と複雑なスパイスの風味。動物的なニュアンスを感じるものもあります。

・味わい
酸味をしっかり感じます。渋味やその他の要素もしっかりしているため、強いワインのカテゴリーに入ります。

・まとめ
フランス産とオーストラリア産の違いはまずまずわかりやすいです。オーストラリアのシラーズは酸がやや控えめで、アルコールのボリュームを感じます(この感じはシラー/シラーズに限ったことではありませんが)。果実味はより熟した感じ、ジャムっぽくなります。シラーとシラーズの酸の違いを感じてほしいです。→そして、カベルネ・ソーヴィニヨンところでもふれましたが、どこかにユーカリのニュアンスを感じることが多いんです。





●ピノ・ノワール
この十数年間に出題された赤ワインの中で薄い色調といえばピノ・ノワールです。この段階で疑ってよいかもしれません。ただ、ガメイも微妙なラインですし、新世界のピノは濃い色調のものもあります。

・外観
他のブドウに比べて圧倒的に明るく輝いています。赤く薄い色調で、透けてグラスの向こう側が見える(色素量が少ない)ことも多いです。

・香り
赤い果実のニュアンス。スミレやバラのような華やかな香りも見られます。赤ワインなのにスッキリした印象があり、特にフランスのピノ・ノワールはミネラルによる清涼感を感じるものもあります。渋味は控え目ですが、しっかりと感じます。

新世界産ではNZ→オーストラリア→アメリカの順に熟したニュアンス、樽の香りが強くなります。

・味わい
香りの印象通り赤い果実が主体で、特に奇麗な酸が特徴です。とってもエレガント。香りと同様に新世界のものは酸が低くなり、凝縮感・樽のニュアンスが強くなります。

・まとめ
全てにおいて”赤い果実”のニュアンスです。

●サンジョヴェーゼ
私はイタリアワイン全体的に独特のニュアンスを感じるのでいつも不思議に思います。

それを言葉にするのは難しいのですが、あえてここに書くなら、土っぽい甘さと言ったところでしょうか。→習慣的にワインを酸化熟成させる傾向(バローロの規定にもあるように)があることも影響しているように思います。

私のサンジョヴェーゼのイメージはちょっと酸味の強い田舎っぽいボルドーです。とはいえ、かなり幅広くさまざまなタイプが造られています。→これだからフランスワインに傾倒している人はと言われかねない言い回しですが、ごめんなさい。私の基準がどうしてもフランスなので。

・外観
赤黒いニュアンス、どちらかと言えば濃い目でちょっとくすんだイメージです。

・香り
赤い果実と黒い果実が混ざったニュアンス。土っぽく、鉄っぽい。そして、シソの香り。さらに独特の薬っぽい香りを感じることが多いです。
酸味とイタリア的甘さを感じさせる香りも。樽のニュアンスが前面に出ているワインもあります。

・味わい
酸味と乾いた渋味。酸味と甘さが主体の軽めのワインからボルドーに近いしっかりとしたワインまで幅広く造られています。

・まとめ
私はどうしてもイタリアっぽさを感じるところから入ります。土っぽいのです。後述のネッビオーロよりもこの土っぽさをより感じ、渋味は控えめです。

●メルロ
私のイメージは黒くて緻密な香り、丸くて滑らかな味わいです。とにかく丸い。

・外観
色のイメージはカベルネ・ソーヴィニヨンとシラー/シラーズの中間くらいです。→便宜上このように書きましたが、そんなイメージということです。かなり黒みが強く濃いタイプです。粘性も強い

・香り
黒系果実の香りが主体。凝縮感があります。カベルネ・ソーヴィニヨンの緑のニュアンスを穏やかにして丸くした感じ。柔らかくて緻密。少し”しっとり”しています。概ね樽のニュアンスをしっかり感じます。

・味わい
こちらも黒い果実が主体ですが、丸いんです。酸も渋味も豊富なのですが、果実の凝縮感、粘性の陰に隠れており、穏やかで収斂性をそれほど感じません。悪く言えばあまり特徴がないとも言えます。

・まとめ
パワフルだけど、柔らかい感じ。その柔らかさ故、樽のお化粧が際立ちます。
このメルロ、熟成すると化けるのですが、ピノにもカベルネにも思えて手がつけられない(ほど素晴らしい)ことがよくあります。←ただ、こんな素晴らしいワインは試験に出ません。

●ネッビオーロ
私のイメージは黒くて渋くて強いピノ・ノワールです。イタリアの比較的冷涼な地域で栽培される為か、私の思うイタリアらしさをサンジョヴェーゼほど感じません。

・外観
どちらかというと黒く濃い部類に入ります。赤黒い感じ。バローロ、バルバレスコに数年間の熟成義務があるように、ある程度こなれた状態で市場に出てきます。ですから、少し酸化熟成した赤いニュアンスを目にすることが多いように思います。

・香り
赤から黒系果実にやや寄り気味。熟成義務がある地域である為、複雑なニュアンスを持つものも多い。フレッシュなフルーツの感じが少ないと考えてもいい血っぽさ、紅茶、キノコ。スパイスや樽のニュアンスも比較的しっかり感じます。

・味わい
ややこなれた味わい。酸味、渋味ともにしっかり目。バローロやバルバレスコの熟成期間はネッビオーロの渋味を和らげるためと言われており、もともと収斂性が高い品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると、カベルネが黒果実のニュアンスが主体であるのに対して、こちらはかなり赤い感じが混じります。また、カベルネはここまではっきりと酸を感じません。

・まとめ
私は受験時代にピノとの違いに悩んだ経験があり、ピノとの関連性を意識してしまいますが渋味の強いシラーと言う人もます。独特の存在感があります。




●ガメイ
二次試験のタイミング的にボージョレ・ヌーヴォーが試験に出ることはなく、AOC Beaujolaisでは特徴をとらえるにしても価格的にも試験向きだとは思えません。フランス以外のものは出題されないでしょうからCrus du Beaujolaisクラスを想定しています。ピノ・ノワールに近い感じがしますが、よりシンプルでやや甘く、緩い感じ。ピノ・ノワールとは違いほとんど渋みを感じません

・外観
比較的淡い色調とはいえ、ピノ・ノワールよりは濃い。意外に紫が強い輝きが少ない

・香り
赤い果実とスミレの香りが主体。そして、余韻といいますか残り香に丁子のような漢方的なニュアンスを感じることも。全てではありませんが、地域的にマセラシオン・カルボニックによる独特のバナナ香が見られます。シンプルな香り。ピノ・ノワールのように複雑さ、奥行きを感じない。シソ、イチゴキャンディー。→反対にバナナ香、甘いニュアンスを感じたらガメイを疑ってください。
※シンプル=(悪い言い方をすれば)単調。

・味わい
ワインによってはしっかり目のワインもありますが、こちらも基本的に複雑さはなく赤系果実主体のシンプルな味わい渋味をほとんど感じないことが特徴。

・まとめ
受験当時、私はガメイとピノの違いに大いに悩みました。今となっては良き思い出です。ガメイはピノ・ノワールとは異なりシンプルで収斂性がほとんどなく、イチゴキャンディーっぽさをより感じます。

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このイチゴキャンティーは低価格のピノ・ノワールやガメイの特徴的な香りです。

マスカット・ベーリーA
さて、主要ブドウ品種としては新入りのマスカット・ベーリーAです。べーリー種とマスカット・ハンブルグ種の交配品種。→詳しくは日本の項目で勉強します。

何と言っても特有の甘い香りが一番の特徴です。意外と濃いめの色調、そして色調のわりにタンニンを感じず渋みが少ない。一般的に軽めでフレッシュな赤ワインとなります。ソムリエ試験的にはガメイと迷うところまで行けばOKです。

・外観
意外に濃いとはいえ、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー的な強さはもちろんありません。ガメイと同じくらいのイメージでしょうか。粘性もそれほど高くはありません。

・香り
特有の甘い香り。基本はイチゴ系の赤い果実が主体。加えて、イチゴキャンディー、綿菓子(綿あめ)、蒸した芋など。ガメイよりも甘みが強く、よりしっとりしたニュアンスを感じます。

・味わい
みずみずしい果実味に、優しい酸味、渋みをそれほど感じないことから軽めでフレッシュな印象です。香りの”甘さ”に通じる果実味を味わいにも感じます。ガメイと同様に複雑さはなく、シンプルで余韻の短いワインが多い。

・まとめ
ガメイとマスカット・ベーリーAが共に複雑さのないシンプルなタイプであることをまず理解しましょう。その後、余裕のある方はガメイとの違いを意識してみると良いと思います。マスカット・ベーリーAはガメイに比べてやや黒みが勝り、酸は穏やか、全体的に甘くてちょっとぼんやりしているイメージです。

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お疲れ様でした。白ブドウに引き続き黒ブドウも難しいですね。受験当時私もかなり苦労しました。←そして、結局あまりわかんないまま試験会場に向かいました…。

今回の内容が皆さんになんとか伝わればよいのですが。本来言葉でワインを表現するものではないのかもしれません。

お役に立てれば幸いです。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩






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