ポルトガルワイン
気候はスペイン同様、夏高温で昼夜の温度差が激しくスペインと違い比較的雨が多いことが特徴です。また、国民一人当たりの魚介消費量が日本に次ぐ世界6位、一人当たりの米の消費量はヨーロッパ最多で、比較的日本に近い食文化を持つ国と考えることができます。
→と教本に書いてありますが、実感として確かに魚介類をよく食べますが、近い食文化とは思えないですね。私は。
さて、過去の試験問題を見てみます。出題されない年もあり、年に一問出るか出ないかという程度でしたが、2013年度以降毎年三問以上の出題があります。
ここ10年の出題は
Vinho Verde 6
Dao 5
Bairrada 6
Douro・Porto 13
Madeira 9
Colares 3
Palmela 1
Setubal 1
Alentejo 1
ブドウ品種について 3
くらいですから対策は立てやすいですね。
→特に時間の無い人は上記の赤字DOPのみを確認して、ポートとマディラをサラッとやり過ごして次に進みましょう。
やはりここも地図を見ることから始めましょう。下記のDOPについては地図で場所を確認してくださいね。
A 覚えるべきDOP
文字通り緑のワインという意味ですが、赤ワインも造られています。雨量が多く、夏涼しく冬暖かい温暖な気候です。
白ワインはアルバリーニョから造られる熟成タイプとロウレイロなどから造られる酸の豊かな軽め系にわかれます。
・Douro/Porto→二つは同じ地域です。
下流から上流にバイショ・コルゴ、シマ・コルゴ、ドウロ・スーペリオールの三地区に区分されています。
Douroは赤・白・ロゼが認められています。←ブドウ品種もそんなに重要じゃありません。ポルトと同じと考えて良いでしょう。
Portoは別項目でまとめます。
※ドウロ川とスペインのドゥエロ川は同じ川です。
・Bairrada
バガというタンニンの強い品種から力強い赤ワインが造られます。赤ワインが生産量の85%を占めています。また、隣のダォンより涼しい気候を利用して、瓶内二次発酵のスパークリングワインが造られています。
内陸部にある標高の高い盆地であるため、夏暑く乾燥、秋冬に気温が下がる好条件です。こちらも生産量の8割以上が赤ワインで、主要品種はトウリガ・ナショナルです。白ブドウはエンクルザード。
→ポルトの下に二つ並んでいるBairradaとDao。どちらが海に近いかちゃんと見ておいてください。
・Alentejo
赤ワイン、コルクの産地、初めてサブリージョンが認められる。黒ブドウ:アラゴネス=ティンタ・ロリス。←これはスペインではなんと?
・Colares(フィロキセラ害から守られた)、Bucelas(アリント種の白)、Calcavelos(酒精強化ワイン)は南部の伝統あるDOC
・Setubal
モスカテルなんとかを67%以上使用すること。18ヶ月以上オークで熟成させる酒精強化ワイン。
B Portoについて
・1756年に世界で初の原産地管理法の指定を受けました。当時の首相がマルケス・デ・ボンバルです。←今年の教本には記載がないですねぇ。おぼえなくてもいいでしょう。
→このアルコール添加のタイミングと量によって甘口/辛口が決まります。
・現在はヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアだけでなく、ワインの原産地ドウロでも熟成が認められています。
・アルコール度数は19~22度と決められています。→ライト・ドライ・ホワイト・ポートを除く。
・主要ブドウ品種
ものすごくたくさんのブドウが認められています。ただ、ポートに関してはブドウ品種がそれほど問われないので下記をなんとなく眺めておいてください。
黒ブドウ
トゥリガ・ナショナル、ティンタ・バロッカ、ティント・カン、ティンタ・ロリス(テンプラニーリョ=アラゴネス)など
白ブドウ
マルヴァジア・フィーナ、ヴィオジーニョなど
さらにレッド・ポートがルビータイプとトウニータイプにわかれます。
●ルビータイプ
・ルビー・ポート
樽熟成平均3年の若いポート。ルビー色で甘口。
作柄の優れた年のみ造られます。瓶熟成によって澱が発生するので、飲む前にデカンタージュが必要です。”収穫から2年目の7月始めから…”ということを覚えられるといいのですが、私はなんとなく2年としか覚えませんでした。

・レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
ヴィンテージに次ぐ作柄のブドウから造られます。ろ過してから瓶詰めされるので、デカンタージュは必要ありません。そして、なんとなく4年です。
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●トウニータイプ
・トウニー・ポート/熟成年数表記トウニー・ポート
安価な5、6年のブレンドものと熟成年数表記タイプ(こちらもブレンド)があります。後者は熟成の過程で色が琥珀色になっていきます。10年、20年、30年、40年ものがあり、ろ過してから瓶詰めされます。
・コリェイタ
単一収穫年のワインを木樽で7年熟成させます。こちらはなんとなく3年(申請)、7年です。→収穫年と瓶詰めの年の表示が必要です。
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ホワイトタイプ→白ブドウから造られます。
・ライト・ドライ・ホワイト・ポート
低温で(香りがフルーティーに)長め発酵(どんどん糖分がアルコールに変るので、その分辛口になります)なので、比較的辛口です。
このタイプのみ最低アルコール度数が16.5度です。
C Madeira
首都リスボンから南西に1000kmはなれたマデイラ島で生産される酒精強化ワインです。加熱熟成させる工程がマディラ独特の風味を作り出しています。
→ブドウ品種によってマデイラのタイプがわかれます。
収穫量の80%を占めるマデイラの一般的なブドウです。この品種のみが黒ブドウです。
以下は白ブドウ
・セルシアル 冷涼な気候を好む。酸味のある辛口タイプに。
・ヴェルデーリョ 同じく冷涼を好む。中辛口タイプ。
・ボアル 暖かい南部地域で栽培される。バランスのよい中甘口。
・マルヴァジア 海岸線の暑い地域で栽培される。濃縮感のあるリッチな甘口。
・テランテス しばしば幻のと言われる。性格はヴェルデーリョとボアルの間で非常に繊細。
→テランテス以外は冷涼=辛口~温暖=甘口の順に並んでいます。ここはなんとなく甘口、辛口がわかる程度でよいと思います。
ブドウ品種によって性格が違う為、酒精強化されるタイミングもそれぞれです。甘口は発酵が始まってすぐのまだ糖分が残っている時にアルコールが添加されます。そして、辛口になるにつれて添加のタイミングが遅くなるというわけです。
・添加されるアルコールは96度です。
・アルコール度数は17~22度に決められています。
・カンテイロとエストゥファの違いを確認しておいてください。
・交配品種、ラブルスカ種の使用禁止、品種名表示は85%以上使用。
・ヴィンテージマデイラは最低20年の樽熟成、品種名表示は100%が必要です。
さて、【過去問】です。
ソムリエ試験 過去問
【過去問 2016】
16 世紀半ばから 17 世紀初期の南蛮貿易で、織田信長公に献上されたポルトガルの赤ワインの名称を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 珍紅酒
2. 珍葡酒
3. 珍蛇酒
4. 葡萄牙
【解説】
教本に書いてありますけどね。このレベルまでは覚えてなくいいと思います。
【過去問 2016】
Vinho Verde を産する地域を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. Minho
2. Tejo
3. Lisboa
4. Transmontano
【解説】
私はMinho地方に行ったことがあるのでわかるのですが。この地域わけ、これまでに出題がありませんでした。
【過去問 2016】
次のポートワインに関する記述に該当するものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
「収穫年表示のポートで、瓶詰めは 7 年後から行い、収穫年とともに瓶詰めの年も表示する。」
1. 熟成年数表記トウニー・ポート
2. コリェイタ
3. ヴィンテージ・ポート
4. レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
【解説】
7年といえば。
【過去問 2016】
マデイラで品種表示をする場合、最低何%当該品種の使用が義務付けられている か 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 最低 75%
2. 最低 100%
3. 最低 95%
4. 最低 85%
【過去問】
次のポートワインに関する記述に該当するものを 1 つ選んでください。
「収穫年表示のポートで、瓶詰めは 7 年後から行い、収穫年とともに瓶詰めの年も表示する。」
1. 熟成年数表記トウニー・ポート
2. コリェイタ
3. ヴィンテージ・ポート
4. レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
【解説】
なんとなく3年、7年です!
【過去問】
ポルトガル中央部よりやや北寄りの内陸部ヴィゼウが中心で、生産量の 8 割以上が赤ワインであるワイン産地名を 1 つ選んでください。
1. Daao
2. Bairrada
3. Douro
4. Colares
【解説】
ちょっと難しいですね。”生産量の 8 割以上が赤ワイン”というところで、二択に絞ることができればまずは良しとしましょう。Bairradaであればコインブラという地名が出てきます。
【過去問】
リスボンの南に位置し、モスカテル種から造られる酒精強化ワインが主役の産地を 1 つ選んでください。
1. Palmela
2. Setubal
3. Alentejo
4. Colares
【解説】
ポルトガルの酒精強化は要チェックです。
【過去問】
マデイラワインに使用され、海岸線沿いの暑い地域で栽培されることが多いワイ ン用白ブドウ品種を 1 つ選んでください。
1. Sercial
2. Verdelho
3. Viosinho
4. Malvasia
【過去問】
ポルトガルの北部を流れるミーニョ川一帯に広がる、Alvarinho などから造ら れる白ワインが有名なワイン産地を北部を一つ選んでください。
1. Douro
2. Vinho Verde
3. Bairrada
4. Dão
【過去問】
ポート・ワインを造る過程で、発酵を止める際に添加するグレープ・スピリッツのアルコール度数は何%か 1 つ選んでください。
1. 96%
2. 86%
3. 77%
4. 65%
【過去問】
マデイラワインに品種名を表示する場合は、表示品種が何 % 以上使用されている必要があるか 1 つ選んでください。
1. 95%以上
2. 90%以上
3. 85%以上
4. 80%以上
ポルトガルのワイン用黒ぶどう品種でスペインの「Tempranillo」の別名を 1 つ選んでください。
4. Baga
【解説】
ソムリエ試験らしい問題です。必ず確認しておいてください。
収穫年と瓶詰めの年も表示するポートを 1 つ選んでください。
2. ヴィンテージ・ポート
3. レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
4. コリェイタ
マデイラワインに使用され、海岸線沿いの暑い地域で栽培されることが多いワイン用白ぶどう品種を 1 つ選んでください。
4. Malvasia
ポルトガルのD.O.P. Portoが世界で初めて原産地管理法を導入した年を1つ選んでください。
4. 1956年
次のポートワインに関する記述に該当するものを1つ選んで ください。
「長い年月樽熟成させた結果色素が沈着したもので、10 年、20年、30年、40年ものがある」
4. レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
次のマデイラワインに関する記述に該当する白ぶどう品種を1つ選んでください。
「比較的冷涼な気候の地域で栽培され、酸味を生かして辛口タイプで芳香のあるワインに造られる」
4. セルシアル
【過去問】
次のA、B のポルトガルワインに関する次の文章は、1~5 のどの地方の説明に該当しているかをそれぞれ1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
A. ポルト市の南方、コインブラ市の北から海岸に広がるワイン産地、粘土質を主体に石灰質が混在。約84%が赤で力強い。白は若く軽くフルーティ。瓶内二次発酵のスパークリングワインも造られている。
B. ポルトガルの最北部大西洋寄りの広い地域。赤が34%、白が66%。花崗岩質が主体。アリント、ロウレイロ、トラジャドゥラ、アザルなど酸の豊かな軽口のワイン、またアルバリーニョからはこくのある辛口白ワインを生産している。
1. Vinho Verde
2. Dao
3. Douro
4. Bairrada
5. Porto
次の1~4のポルトに関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
1. ポルトの基礎を築いた人はマルケス・デ・ポンバル侯爵であるといわれている。
2. ポルトの製法の中で行われるブランデー添加作業はカダストロと呼ばれる。
3. ポルトのアルコール度数は16.5 度から24 度まである。
4. ポルトの出荷はレグアのみで他の港からの積み出しは許可されていない。
【解説】
2.カダストロとは土地台帳を指し、ポルトのぶどう畑はクラス分けされています。ブランデー添加作業はベネフィシオと言います。
【過去問】
次の1~4のダンとバイラーダに関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
1. バイラーダでは白ワイン、赤ワインの生産量の比率がほぼ同じである。
2. バイラーダではタンク内発酵形式のスパークリングワインも造られている。
3. ダンの産地は、ドウロ川の南の大西洋とスペイン国境との中間にあたる丘陵地にある。
4. ダンのワインの80%は赤ワインでドライで力強く色が濃いといわれる。
【過去問】
次の 1-4 の中から Vintage Madeira の樽熟成年数として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
1. 10 年
2. 15 年
3. 20 年
4. 25 年
【過去問】
次の記述について正しい場合は1.を、誤っている場合は2.を選んでください。
「ポルトガルのワイン産地 Bairradaは、ポルト市の南方に位置しており、生産量の約8割が赤ワインである」
1. 正 2. 誤
【過去問】
次の1-4の「コリェイタ」に関する文章の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
2. 収穫から 3年目の7月から年末までに I.V.P.に申請し承認を得て、瓶詰めは7年後から行い、収穫年と共に瓶詰めの年も表示する。
3. 収穫から4年目の3月から9月の間に I.V.P.の許可を得て、瓶詰めは4年目の7月から6年目の年末までに濾過してから行う。収穫年も表示する。
4. 収穫から2年目の7月初めから3年目の6月までに濾過せずに瓶詰めされ、長い瓶熟の後飲まれる。 I.V.P.の許可は収穫から2年目の1月から9月まで。
【解説】
なんとなく3と7です。”収穫年と共に瓶詰めの年も表示”というところもポイントです。
【過去問】
次のワイン用ぶどう品種の中から、ポルトガルでAragonezと呼ばれる品種に該当するものを1つ選んでください。
1. Grenache
2. Pinot Noir
3. Monastrel
4. Tempranillo
【過去問】
次のポルトガルワインに関する記述に該当する生産地を1つ選んでください。
「グリーンのワインという意味を持ち、酸が高めでわずかに炭酸を含み、若々しいフレッシュな軽い風味が特徴」
1. Douro
2. Vinho Verde
3. Bairrada
4. Colares
【過去問】
次のマデイラの熟成に関する記述について正しい場合は1を、誤っている場合は2を選んでください。
「太陽熱を利用した天然の加熱熟成法はエストゥファと呼ばれ、タンク内部または外周に通した管のなかに湯を循環させてタンク内のワインを人工的に加熱熟成させる方法はカンテイロと呼ばれる」
1. 正 2. 誤
【過去問】
ポルトガルの北部を流れるミーニョ川一帯に広がる、Albarinoなどから造られる白ワインが有名なワイン産地を1つ選んでください。
1. Douro
2. Vinho Verde
3. Bairrada
4. Dao
【過去問】
次のポートワインに関する記述に該当するものを1つ選んでください。
「収穫年表示のポートで、収穫から3年目の7月から年末までにI.V.D.P.に申請し承認を得、瓶詰めは7年後から行い、収穫年とともに瓶詰めの年も表示する」
1. コリェイタ
2. 熟成年数表記トウニー・ポート
3. ヴィンテージ・ポート
4. レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
ポルトガルまで終わりましたー。そして第69回まで進みましたね。一次対策は第100回くらいまで続きますから、2/3くらい過ぎたことになります。
お疲れ様でした。明日も頑張りましょう。