ワインのヴィンテージについて

ワインのヴィンテージについて
二次試験対策としてのヴィンテージ、繰り返しますが、あきらめた方が無難です。偶然当たればラッキーくらいの気持ちで行きましょう。
でも、ちょっとだけやります。
●熟成が外観に与える影響
ワインは月日が経つにつれて赤味を帯びていくのと並行して、輝き光沢のある色合いから落ち着いた色調に変っていきます。
白ワインはキラキラと輝きのあるやや緑色を帯びた色調から、数年(2年~5年)で緑のニュアンスが消え、落ち着いた黄色または黄金色に向かって行きます。さらに熟成が進むと褐色に近くなっていくのですが、試験には予算的な関係もあり出題されませんから今のところ無視してかまいません。
反対に、ここ数年(2年~5年)のワインが黄色を越えて褐色のニュアンスを帯びている場合は、酸化などの劣化を疑うべきです。
→もちろん劣化したワインなど試験に出るわけがありません。全国で開催される試験に同じように劣化したワインが準備できるとは考えられません。 ただ、本来であればヴィンテージやブドウ品種を当てるより、劣化を正しく認識し、適切に処理できることのほがワインを扱う上では100倍大切です。でも、試験には出ません。
赤ワインは特にグラスを傾けた時の外側の部分を見なさいと言われます。造られて2、3年くらいまでは紫または、そのワインの中央部と同じ色であることが多く、それ以上経ったものはその外側から徐々に赤味を帯び、光沢を失い始めます。
このようにして外観から”大まか”にワインが造られてからどのくらいたったかがわかります。
なんて簡単に言ってますが、どのくらい赤味を帯びると何年経ってます、なんてマニュアル的に答えられません。ブドウ品種によっても、生産国・地域、輸送・保管状況によっても全く異なります。はっきり言って試験に出題される任意のワインからその一年二年の微妙な違いを見分けることはほとんど不可能だと考えてよいと思います。
ですから、なんとかものすごくフレッシュなワインなのか数年たったワインなのかを見分けられるようになることを目標にしましょう。
●熟成が香りや味わいに与える影響
さまざまな国・環境で産まれ育つ人間はそれぞれの幼少期、思い悩む思春期を経て成人し、働き盛りの時期をピークとしてその後、老年期に入りやがて寿命を迎えます。
ワインも同様に熟成と共に若々しい印象からすんなりと穏やかに味わい深く、美味しくなっていくわけではありません。若々しく溌剌としていたワインが、急に香りも味わいも固く引き締まり全く愛想を見せない時期を迎えることがよくあります。
そしてその後、こちらを向いて愛想を振りまいてくれるようになるワインもあれば、そのまま長年引きこもるタイプもあります。また、若いうちから美味しさ全開のワインもあれば、ほんの一瞬しかピークを示さないワインもあります。
人間との違いは、人間の寿命はおおよそ80年ほどと決まっていますがワインの寿命は数年と短いものから、百年近く経ってもまだまだ元気というものまでかなり幅広く存在することです。ですから、一概にシャルドネは5年経ったものが飲み頃だなんてことは言えたものではありません。
さて、試験対策としてヴィンテージをどうとらえるかについてお伝えしたいのですが、ワインの初心者が試験に出題されるような若いワインの一年、二年の微妙な差を感じることはほぼ不可能です。確かに、ワインの香りや味わいも、時間とともに溌剌とした・フレッシュな・パワフルな印象から徐々に丸く・華やかに・穏やかに・落ち着いていくものです。ただ、その数年の差を感じられるようになるにはかなりの経験が必要だからです。 →そして、どれだけ研鑽を積んでも、ソムリエチャンピオンでも100%わかるということは絶対にありません。
とはいえ、闇雲に当てずっぽうでというわけではありません。
過去のデータを見ると
1年前 11回
2年前 32回
3年前 42回
4年前 29回
5年前 8回
6年前 7回
7年前 1回
8年前 1回
となっていますから、今年の試験には2016年~2014年のワインが中心に出題され、2013年以前のワインは出る可能性がかなり低いと予想されます。
ですから、ここ2年以内に造られたワインか、4年からそれ以上経ったワインかというこの二つの違いをなんとか感じるように意識してみましょう。その間の微妙なワインが出題されたときはその時です。例えばガッチリ樽熟成されたシャルドネやカベルネが一年後に認定試験に使用される可能性が少ないなど、ちょっとしたことがないわけではありませんが、今は気にしないでよいでしょう。
数回にわたって言葉だけでなんとかテイスティングについてお伝えしてみましたが、ご理解いただけたでしょうか?今回お伝えしたことによって皆さんのテイスティング対策が少しでも前進することを願っております。