オーストラリアのワインについて

※表紙はオーストラリア”ナチュラル・ワイン・ムーヴメント”の旗手の一人、ルーシー・マルゴーのワイン
オーストラリアのワインについて
オーストラリアは新世界のワインとしてソムリエ試験的に非常に重要な位置を占めています。ただ、これまではそれほどつっこんだ出題は見られず、広くポイントを押さえて理解しておけば得点源になりました。
中でも産地に関する問題が多く、主要産地の簡単な特徴と位置関係を地図と照らし合わせて確認する必要があります。
ここはあせらず、ちょっと気合を入れていきましょう。
A オーストラリアのワインについて
ブドウ栽培地域は、国の南半分にあたる南緯31度から43度の間に帯状に分布し、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで3,000km超に渡ってワイン産地が点在しています。広大な土地ゆえに気候・土壌も多種多様です。
ワイン造りの歴史は220年ほどですが、90年代半ばから生産量が急速に伸び、さらに輸出(全販売量の6割)にも力を入れています。また、ワイナリー数は約2400、この20年で三倍になりました。
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B オーストラリアワインの歴史
1880年代 酒精強化ワインへの移行
1993年 GI制度導入(地理呼称制度)
2000年 スクリュー栓拡大の「引き金」:クレアヴァレーの生産者13社がスクリュー栓の採用を決めたことで、豪・NZなどに急速に広まるきっかけとなる。
90年代に入り、世界の潮流と市場拡大に合わせて、より果実の充実・成熟を目指すようになります。また94年にEUとの取り決めで、「ジェネリック名表示」を禁止したことで、「ブドウ品種表示」のワインが主流になっていきます。そして、90年代末には「シラーズ」が質・量ともに同国を代表するブドウ品種として世界に認識されるようになりました。
2000年から2005年にかけてワイナリーの再編成が行われます。そして、近年”力強く、濃厚で熟した果実味”の伝統的なオーストラリアスタイルから脱したナチュラル・ワイン”を手がける若い生産者も出てきています。
C 主なブドウ品種と州別生産量
③シャルドネ→ソーヴィニヨン・ブラン→セミヨン
①シラーズ → ②カベルネ・ソーヴィニヨン → メルロ
→栽培面積順に。黒ブドウの方が白ブドウよりも多く栽培されています。
→生産量最大の南オーストラリア以外は白ブドウの方が生産量が多い。
D ワイン法とエチケット表示
ジェネリック、ヴァラエタル、ヴァラエタル・ブレンド
・酒精強化ワインの国内名称変更(バロッサ・ヴァレー、ラザグレン)←2010年
シェリー → Apera(ドライ、ミィディアムドライ、スィート、クリーム)
ポート → Fortified(ヴィンテージ、トゥニー)
リキュール・トカイ → Topaque(ラザグレン、クラシック、グランド、レア)
→2017年に出題されましたからねぇ…。
さて、ひとまず過去問で。
ソムリエ試験 過去問
【過去問】
オーストラリアのGI制度においてヴィンテージ表示するためには、特定のヴィンテージのワインが何パーセント以上含まれている必要があるか。次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 75%
2. 80%
3. 85%
4. 90%
【過去問】
Aperaのカテゴリーとして正しいものを次の中から1つ選び、解答欄にマークし てください。
1. クリーム
2. ヴィンテージ
3. クラシック
4. レア
【過去問】
1890 年にスコットランド人ジョン・リドックが最初のブドウを植えた、オーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの産地を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. クナワラ
2. ヘンティー
3. アデレード・ヒルズ
3. クレア・ヴァレー
【解説】
スコットランド人ジョン・リドックを知らなくても、この選択肢の中から”オーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの産地”と問われれば、ここしかありません。
【過去問】
クレア・ヴァレーのワイン生産者 13 社が、白ワインにスクリュー栓(ステルヴァン)を採用すると一致して決めた年を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。
1. 2000 年
2. 2005 年
3. 2010 年
4. 2015 年
【過去問】
ハンター・ヴァレーに本格的なブドウ園を開設し、「オーストラリアのワイン用ブドウ栽培の父」と形容される人物を 1 人選んでください。
1. アーサー・フィリップ
2. ヤン・ファン・リーベック
3. ジェームズ・バズビー
4. クラウス・ユング
【過去問】
オーストラリアに最初にワイン用ブドウ樹が持ち込まれた年号を 1 つ選んでください。
1. 1788 年
2. 1768 年
3. 1748 年
4. 1728 年
【過去問】
オーストラリアで栽培面積が最も大きいワイン用白ブドウ品種を 1 つ選んでください。
1. Sauvignon Blanc
2. Riesling
3. Chardonnay
4. Semillon
【過去問】
オーストラリアで栽培面積が最も大きいワイン用ブドウ品種を 1 つ選んでください。
1. Cabernet Sauvignon
2. Grenache
3. Merlot
4. Shiraz
オーストラリアの地理的呼称(G.I.)制度が導入された年を 1 つ選んでください。
4. 1997 年
オーストラリアに最初にワイン用ぶどう樹が持ち込まれた年を1つ選んでください。
4. 1834年
「オーストラリアのワイン用ぶどう栽培の父」と形容され、重要な遺産を残した人物を1人選んでください。
4. ジョン・リドック
1788年オーストラリアに初めてぶどうがもたらされ、その後Hunter Valleyに本格的な畑が開かれた年として、正しいものを次の1~4の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. 1845 年
次の 1-4 のオーストラリアワインに関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. オーストラリアは 7つの州から成るが、近年ノーザン・テリトリーやタスマニア州から多くのワインがつくられている。
よく読んで答えてくださいね。3.はメルボルンではなくシドニーです。
次のオーストラリアにおけるぶどう造りに関する記述の( )に該当するものを下記の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
「オーストラリアのぶどう園は南緯31度から43度にあり、ぶどう造りの歴史は ( )と比較的浅いものの限りない可能性を秘めた国として知られている」
4. 約250 年
次の中から2006 年度に最も生産量が多かったオーストラリアのワイン用ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. Cabernet Sauvignon
次の中からオーストラリアで複数のぶどうを原料にして使用比率の多い順に品種名をラベル表記するワインの名称に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. ヴァラエタル・ワイン
問題文はヴァラエタル・ブレンド・ワインについて説明しています。
次のオーストラリアのワイン用ぶどう、歴史、気候、ワイン法に関する記述の中から誤っているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. オーストラリアのヴァラエタル・ワインで収穫年を表示する場合は、表示されている収穫年のものを 85 % 以上使用しなければならない。
次のオーストラリアワインのラベル表示に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. 複数のぶどう品種が使用されている場合でも、特定のぶどう品種が75%以上含まれる場合は、その品種だけを表示することが可能である。
次のオーストラリアワインに関する記述(2007年度)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. 全体のぶどう生産量は黒ぶどうが白ぶどうよりもわずかに多い。
次のオーストラリアのワイン用ぶどう、歴史、気候、ワイン法に関する記述の中から誤っているものを1つ選んでください。
4. オーストラリアのヴァラエタル・ワインで収穫年を表示する場合は、表示されている収穫年のものを85%以上使用しなければならない。
次の中から、オーストラリア連邦政府管轄下に設立された、オーストラリアワインに関する種々の規定を定めている機関の略称として適当なものを1つ選んでください。
4. WAVB
以前はAWBCと呼ばれていましたが、現在はWACに変更されました。
次のオーストラリアワインに関する記述の中から誤っているものを1つ選んでください。
4. 南オーストラリアのテラロッサ土壌は、ぶどう栽培に理想的であることが知られている。
2. 99%です。
次のオーストラリアの「ヴァラエタル・ブレンド・ワイン」に関する記述の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。
4. オーストラリア国内のシラー種だけをブレンドしたワインである。
次の中からオーストラリアのワイン用白ぶどう栽培面積が、多いものから少ないものの順序で正しく並んでいるものを1つ選んでください。
4. Semillon → Chardonnay → Riesling
当時の模範解答では2.が正解となっていますが、近年Sauvignon Blanc の生産量が増え、Semillon と順位が入れ変わっています。
オーストラリアで最も栽培面積の広いワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。
4. Semillon
次回はオーストラリアのワイン産地に進みます。
koza★majime2.com 松岡 正浩