ルクセンブルク

ルクセンブルク
フランスとドイツ、ベルギーに接するルクセンブルクは「フランスの質とドイツの量を兼ね備えた美食の国」と言われ、ワイン造りにおいても2000年の伝統を誇ります。政府自ら5haのブドウ畑を所有、”政府ドメーヌ”としてオリジナルワインを生産しており、外交シーンで活躍しているとのことです。
A ルクセンブルクのワイン
ワイン産地はドイツとの国境に流れるモーゼル川左岸、シェンゲン条約で知られるシェンゲン村から北に42キロ続きます。標高はそれほど高くない(150m〜250mはそんなに高くない)ものの最大傾斜60度と急斜面にブドウ畑が連なります。
気候は大陸性気候の影響のある海洋性気候。夏暑すぎず、冬寒すぎず非常に穏やかな気候。
生産されるワインの9割が白ワインで、スパークリングワインの歴史も長い。←クレマン・ド・ルクセンブルク。品質向上の為に収穫量を抑えるようになり、2009年をピークに生産量は減少を続けています。
毎年「一人当たりのワイン消費量」で世界トップ5に入る数字を残します。これはルクセンブルクの消費税が近隣諸国より低く設定されており、国境を越えてワインを買いに来るルクセンブルク人以外のワイン消費、さらに国外よりルクセンブルクに通勤する人々が人口58万人に対して17万5千人もいてワイン消費量を押し上げており、これらの数字が反映されているためと言われています。
B 主要ブドウ品種とワイン法
・主なブドウ品種
①リヴァネール←過去4割のシェア。現在29%。
②ピノ・ブラン
③オーセロワ←他国では補助品種ですが、珍しく単一で仕込まれます。
その後、ピノ・グリ、リースリングと続きます。また、地球温暖化の影響もありピノ・ノワールが増えています。
ワイン法
・2014年まで、1932年に施行されたワイン法に基づき、ワインごとに科学検査と専門家による官能試験で4等級に格付けし毎年更新してきました。
・2015年より新AOPを導入し、これまでの官能試験にポイント評価制から、生産地と収穫高による格付けに移行しました。
「Cotes de」→「Coteaux de」→「Lieu-dit」(プルミエ・クリュ、グランドの併記可)の順に上級になります。
→”Cotes”も”Coteaux”ほぼ同じ意味で、”丘”を指しますが、ニュアンス的に”Coteaux”の方が小さなイメージで、小さな丘、小さな区画的なイメージなのだと思います。”Lieu-dit”はここ最近シャンパーニュ地方でよく聞く言葉で、土地の最小区画を表します。一般的にワインは小さな区画を指すほど上級です。
・クレマン・ド・ルクセンブルク
瓶内二次発酵・9ヶ月の瓶内熟成、ミレジメは24ヶ月以上→クレマンの為にシャルドネも栽培されるようになりました。
C ワイン産地
モーゼル川流域に南北に連なります。以下は北から順に。
●北部→土壌はムッシェルカルク(貝殻石灰質)ワインは酸とミネラル
・Wasserbilling(ヴァッセルビリグ)
・Grevenmacher(グレーヴェンマッハ)
・Ahn(アーン)
・Wormeldange(ヴォーメルダンジュ)
・Stadtbredimus(スタッドブレディムス)
●南部→土壌はコイパー(泥土岩)ワインはフルボディ
・Remich(レーミッヒ)
・Wellenstein(ヴェレンシュタイン)
・Schengen(シェンゲン)
ここもそんなに気合を入れる必要はないと思います。
ソムリエ試験 過去問
シニア呼称から。
【過去問】
ルクセンブルグのワイン産地を北から南へ並べた際、組み合わせとして正しいも のを1つ選び、解答欄にマークしてください。
1. Ahn – Grevenmacher – Remich – Schengen
2. Wasserbillig – Wormeldange – Wellenstein – Stadtbredimus
3. Grevenmacher – Wormeldange – Remich – Wellenstein
4. Ahn- Wasserbillig – Stadtbredimus – Schengen
【解説】
シニアでもまだこのレベルの出題です。頭文字Wの産地が三つ、Wa、Wo、Weの順ですね。