二次のテイスティングを振り返る~2022年度ソムリエ呼称編 2
それでは、今回は2022年ソムリエ呼称のテイスティング報告パート2を見ていきましょう。
二次のテイスティングを振り返る~2022年度ソムリエ呼称編 2
それでは本題の振り返りに入ります。テイスティングアイテムを見返しておきましょう。
ソムリエ呼称 テイスティングアイテム
1 2020年 フランス シャルドネ
2 2019年 ドイツ リースリング
3 2020年 オーストラリア シラーズ
4 ピスコ
5 イエガーマイスター
いつもお世話になっております。
昨日ソムリエの2次試験を受けてまいりましたので、受けてみての報告をお伝えできればと思います。
・二次のテイスティング回顧
開場から試験スタートまで外観を眺める時間は想像以上にありました。
見た目で判断するのは失礼ですが、主婦の方や会社を経営していそうな雰囲気のある方など年齢の比較的高めに見える方が多かったです(私は20代でおそらくこの会場では最年少だったのではないでしょうか)。
以下、心の声でいきます。1番乗りで会場に座る。ゆっくり5つのワインの外観を眺める。白、白、赤、透明、琥珀。白が得意であり心の中でガッツポーズ。白はどちらも淡い。新世界の樽系はなさそう。
赤は淡い。ピノを中心に考える。見た感じオレンジ感はなく、ネッビオーロもないかも。でも可能性は捨てない。
オリエンテーションが始まり、透明な袋から説明用紙を取り出すと下にあるマークシートが丸見えでした。
表に白が2つ。果物系がどちらも3つマークで少なく、逆にミネラル系が3と4つと前もって捉えられたことは大きいです。更にマークシートも取り出して…ということで下の選択用紙もオリエンテーション中に白だけ見れました。コメントはほぼほぼ例年通りで安心。
オリエンテーションが思ったより長く感じられました。始め。合図でスタート。
白1
外観はやはり淡い。文字が透けて見える。マークシートではなく選択用紙にチェック。
香り。ニュートラル程ではない、エレガント系の第一印象。
柑橘系。SB感は皆無でリースリングが先ず浮かぶ。リースリングを元にコメント。
味わい。酸味が強く冷涼系。余韻長い。やはりリースリングか?
評価もリースリングに寄せる。このままマークシートへ転記。
10分経過のアナウンス。思ったより時間を使ってしまった(練習では1アイテム3分で完了していました)。
→欲を言えば、柑橘系を取っているのでニュートラルの路線も残して欲しかったです。ですが、品種の予測と共にしっかり強弱に意識を向けているのがわかります。いい感じです。白2
外観は1より淡い。両手に持ち比較。
香り。おやおやおや?これも柑橘系。しかもリースリングに感じる…。
味わい。酸味が強烈。ドイツのリースリングが強く浮かぶ。
慌てて、白1に一度戻る。
するとどうか!白1から樽のニュアンスを感じる!温度が上がってきたからだろうか?
白1にもう一度向き合い、やはり樽を確信。新世界ではない外観と香り、味わいから仏/シャルドネに急いでマークシートを変更!!
そして、白2にカムバック。
独/リースリングでマークシートを完成させる。
→時間によって開いたケースですね。原則最後に慌てて書き直すのははおすすめしておりませんが、じっくり訂正できるのでしたら良いと思います。赤3
外観は淡い。こちらも文字が透けてみえる。
香り。うお…!ユーカリの香りが飛び込んでくる。
果物は赤系ベリーのラズベリー、そしてブルーベリーを選択。外観に支配されていた部分もあるかも。
味わい。失礼ながら安い味を感じる。水っぽいと言うべきか。
余り好きではないこの味は新世界のピノだと思い、評価までピノで固める。
一貫してアルコール高のピノでコメント。
ユーカリを感じたことから豪/ピノ・ノワール。
→新世界、オーストラリアまではとれたかたも多かったように思います。ただ、淡くやさしかったのか、やはり品種で苦労されていますね。それでも得点は取れているはずです。その他1
その他は一切飲まずにスティルだけに集中してきました。
勉強したことと言えば車の中でYouTubeで名前、香り、味わいの説明を2倍速で聴き続けたことくらいでした。
飲んでアルコール45度くらいに感じ、マール・アルザス・ゲヴェルツトラミネールに。
試験とは関係なく過去に飲んだことがあり、まったく同じ味に感じました。その他2
香り。コーラ!とにかくコーラが先ず浮かぶ!コーラと言えば、ベネディグティン!YouTubeで言っていたことを信じ、即答。練習では時間余裕でしたが、やはり本番。時間はギリギリでした。選択用語数が正しいか、消しゴムで消したところを誤ってマークしたと思われないよう思いっきり消したり。本当はもっと見直ししたかったな〜レベルの見直しが完了したタイミングで、時間です。
以下、論述に続きます。・ソムリエ呼称の論述試験ついて
始め。の合図で初めて中の問題が見れました。
例年通りの3問。
1つ目。料理系で、1つ出た赤ワインに関して合う料理で200文字。
料理系は想定し、完璧に書けましたが、ピノ・ノワールで結論を出していたので、
軽い赤ワインでフラッシュコメント、合う料理、温度とグラスとしてしまいました。
夕方の赤はシラーズでした。から酷くやってしまった…と感じております。
→まったく得点できていないことはないはずです。
2つ目。ロゼワインについてそれぞれの醸造法と楽しみ方について300文字でした。ここが1番文字多い。
セニエ法、直接圧搾法。混醸法について説明と私がイメージする楽しみ方を書きました。自信ありです。
3つ目。ワインを熟成させる方法?について200文字。これが自由系だと思い、残り時間もないので知っている知識を脈絡なく書き続けました。
結果、3つとも最後まで書き切れましたが、鉛筆は潰れ、文字が汚く点数入るかが心配です。・会場の雰囲気、レイアウト(こちらは受験地・会場名もお書き添えいただけるとありがたいです)
ANAクラウンプラザホテル金沢 3Fの瑞雲の前という会場でした。先ず開場11:00の1時間前に会場、部屋の前のフロアに到着。2番乗りでした。スタッフさん(おそらくホテルの方ではなくソムリエ協会の支部の方のような雰囲気でした)がまだセッティング中のようで部屋とフロアを行き来しておりました。1番乗りで会場に入りたく、1番近いソファーをキープしました。
時間が近づくにつれ、受験者らしき方々がまばらにフロアに。予想以上に多く、フロアの椅子が足りず立って待たれている方も多数でした。30分前くらいに検温と消毒のアナウンス。受付は不要でした。
会場に入ると長テーブルが縦5、横6くらいだったと思います。一人1テーブルで気持ち的に安心。
試験中に思ったことですが、以外と皆さん、ワインを蕎麦のようにすすったり、私はぐちゅぐちゅしてタンニンレベルを判断していたのですが、どなたも音を立てておらず、練習ではやっていたのですが私も控えてしまいました…。と言いながら、残り10分でもう耐えきれなくなり(なるべく音を立てずを心がけ)…やりました(笑)・自身の試験対策を振り返って
1次は7月に通過でき、安堵。
8月は別の試験で丸々潰してしまい、テイスティングを本腰入れたのは9月からでした。
先ず必勝マニュアルを購入し、勉強の方針を立ててワインをまとめ買い。
しかし、あれ?これは試験に出る典型的なワインなのか?と自分で買ったワインに疑問を持ち、ワインスクールの解答付きワインを中心に、テイスティングマニュアルで理解を深める…。をひたすらやりました。
1次試験はひたすらに勉強時間をかけることで通過できたと感じておりますが、2次対策はそうはいかずに苦労しました。
挙げ句、仕事前、朝1番に起きてすぐテイスティング。念の為車通勤から自転車通勤にし(自転車まで購入しました)、そしてどんなに仕事が遅くても帰って比較してテイスティング。→本気を感じるエピソードです。
これに落ち着いたのは10月に入ってからでした。正直、1次も2次もできることは全部やったと思います。
それでも試験当日の夕方、協会の品種発表で、
白は2つとも国も正解。コメントも大差ないと思います。
赤はピノと解答し、シラーズ。淡かったのに…。と淡い系と濃い系を大きく間違えたことで大きく落胆しております。その他は2つ中1つ正解でした。3次対策も是非先生にご教授いただきたいと強く願っております。
2次結果発表まで祈り続けます!
→全体の報告の内容からも、少し淡い、やさしめのシラーだったことがうかがえます。問題なく得点は取れていますので、間違いなく合格でしょう。報告はいただいておりませんが、3次試験に進まれていることを確信しております。
ソムリエ二次試験回顧 「疲労感と脱力感でいっぱい」
ソムリエ呼称・新高輪プリンス・最前列右端の席
会場の雰囲気
試験会場は大変混雑していて賑わっていました。特に個室トイレの混み具合がすごく皆さんの緊張度合を伺い知れました。ギリギリまで開場はなく、みなさん宴会場入り口脇でノートを見返されてました。(実は僕はここで最後に小瓶にうつしておいたカリフォルニア樽ドネとアルザスリースリングとNZソーヴィニョンブランをテイスティング、もしくは香りの判別だけでもしようと準備していました。いちおう空気ってやつを読んで大人しくやめておきました。でもこの直前の悪あがきはしてもいいんじゃないかとも思います。)
→直前の小瓶確認、されている方も結構いらっしゃいますね。私はしません。ただ、個人差があると思います。それで感覚が整う方はやった方が良いでしょう。この3品種を選んだ理由は、
あの一次試験を思い返すと基本ばかりだったから、テイスティングも基本形だろう。
きっとテイスティングも過去の出題履歴から基本形は押さえてくるだろう。
じゃあ過去10年でどんな組み合わせで出た?を前日に確認した上で判断しました。あと、石田さんの世界最優秀ソムリエ再挑戦の動画を見ました。
いま教本のテイスティングは石田さんが担当なので、たまにこの動画を見直すんですが「やっぱり基本なんだよなー」と常々思っていたので。会場に入って意識したのは
・室温 問題ないレベル 少し寒い? 東京はこの日17℃くらいで秋のような寒さ
・照明 これが一番厄介!今までこの色調のもとでテイスティングしたことなく、しかも端で暗い!
・セットされたグラス 自分の席に着くまで各テーブルのグラスの色を確認。なんか①のグラスが曇ってるし。。。いざ着席、シャーペン2本と消しゴム2コを並べる。近くに資料を持った協会スタッフが立ってるんです。
↑これ解答もあるみたいで、協会スタッフが「ふむふむ」みたいにチェックするんですが、
ページをめくるたびに微かに見えるんですよ。「いやいや、こんなんでカンニング容疑も嫌だし目の前のワインの集中!!」→詳しい情報は知りませんが、試験中に会場内のスタッフが実施している試験の解答をもっているとは考えにくいのですが・・。ワイン① ほんのりだけど樽がかってるような…
ワイン② 淡いんだけど①と色調そっくりだし…
ワイン③ 濃い系きた!すぐに縁の色を凝視して「紫がかった」を確認 (この時点でマズいバイアスがかかってたんです。「はは、ここで超ど真ん中、フランスシラーかなー。でも難易度高めでくるならマルベックかなー。」なんて見立て。前日の最終確認ではオレンジ系(ネッビオーロ、サンジョベーゼ、テンプラ、グルナッシュを比較テイスティングしてたので…))その他① 無色透明 (「マズい。黒糖焼酎とホワイトラムってどんな違いだっけ」脳内再生)
その他② コーラ色 (うーん。やっぱり協会はシェリーも推してるからトゥニーできたか)なんて戦略を練っていました。この待機時間をいかにイメトレできるか重要ですね。
いざ開始して始めたことはマークシートの選択個数を、コメントシートに書き写すこと。
(これ、エキスパートの方は①と②で選択肢の個数が違ったんですよね?
終了後にSNS観て知りました。協会こわーーー)
→昔からすべてワインの選択項目が同じとは限りませんので注意が必要です。特に最近は今までいじられてこなかった項目の選択数に手が入り始めました。さあ、いつも通り外観から判断。
①澄んだ、輝きのある、うん?レモンイエロー、イエロー? 照明が暗いと色調が違くて分からん!
じゃあ中間点狙いでレモンイエローとイエローにしとこ。香りはうっすらだけど樽&MLF感あるんだよなー。アメリカ色じゃないからフランスかね。
味わいはニュートラル系なんだよ。でもここで至極個人的な注意ポイント。
このドライ系冷えた(グラスが曇るくらい冷えてたんです)はSBとChの可能性もある。
でも味わいがやっぱりシャルドネっぽい。(アリゴテだったらごめんね)
もうここまでのロジックでシャルドネだな。→樽を感じたならシンプルにシャルドネでOKです。
ビンテージは2年前。Alc 13.5%②澄んだ、輝きのある、グリーンがかってるのこれ?照明でわかんないよー汗
いいや中間点狙いでレモンイエローとイエローにしとこ。でも冷涼産地なんだよなー。あとこの澄んだのは高山系トロンテス、今年の教本カラーの甲州きたか? よしよし、選択肢をひろげておいて香ってみよう。
香りは、、、、 あ。青リンゴ、ライムのような冷涼のリースリングじゃん!
いやいや、待てよ。そんな簡単じゃないはず。ゲヴェルツトラミネールの残糖、まだ薄い系ヴィオニエだって外せないよ。→試験的にはここまで「薄いヴィオニエ」外してください。シンプルに考えることが大切です。
(ここでも個人的な注意ポイント。最近のリースリングにペトロール香は感じづらい。これはオフの香り、と認識してて独特なさわやかな青リンゴ感があったらリースリングとしてます。
もっとテイスティングの数と質を上げればリースリングのペトロールも感じられるでしょうが、これが今の僕の能力と力量を踏まえてのリースリングの捉え方)
→ぺトロールの感じ方には個人差があります。ご自身ならではの判別方法をもっていることはとても大事です。テイスティング。残糖感もないしゲヴェルツトラミネールじゃない。ちょっとアルコール度数高いんだよなー。13-13.5%のアルザスリースリング。
③濃い!こーれはコメントも濃い系一直線。さあ、縁の紫も捉えたし、チリ臭、ユーカリ臭どんな香りがするかなー。うーん?まだ開いてない。でも黒系果実を押さえておいて、樽系も押さえておこう。
澄んだ、輝きのある、紫がかったダークチェリーレッド、濃淡濃い、粘性やや強い、成熟度が高く、濃縮感が強い。香りは開いている、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー、スミレ、牡丹、シナモン、ナツメグ、甘草、第一アロマが強く、木だるからのニュアンス。
味わい、Alc13.5-14% アタックやや強い、まろやか、酸味なめらかな、タンニン力強い、バランス力強い、アルコールやや強め(間違えて中程度)、余韻やや長い。
評価 成熟度が高く豊か、17-20度、グラス大ぶり、デカ必要なし、2019(樽熟だから3年くらい前)
→ここは危なげなしですね。味わいはタンニンがまああるなー。うん、でも確かにいるオーストラリア系のユーカリ臭。シラーズ。
その他① 焼酎苦手だからなー。。。。あれ?これテキーラじゃん!キルシュじゃないはず。(この時点でピスコが眼中になかった。ピスコ イコール 田崎さんの昔の発言、で忘却の彼方に弔われてました)
その他② コーラ色だから事前に復習してたトゥニーあたりかなーなんて思ってたらコーラっぽい味!きた!
チナールと悩む。。。以前飲んだ時カンパリっぽい味わいという認識だったのでイエガー決まり。(ワインはおかわりできないけど、水は挙手すれば注いでくれます。もうこの時点で③が空っぽなんですよ。
「おい、これは試験だぞ。試飲会じゃないんだぞ。お前、なんでそんな顔真っ赤にしながら飲んでんだ」と聞こえんばかりの刺さるような視線を感じながら水をおかわり。)終了後も最後まで空になったグラスの香りを嗅いでました。やっぱりするユーカリ臭。
ここから夜の営業に入るまで記憶がありません。
それは、会場出たあと周囲の方が全然違う葡萄品種で答え合わせしてるんです。もう頭が真っ白になりました。ホントに悲しくて悲しくて涙が出てきてホテルを出て職場に向かいました。
17:00の発表で少し持ち直しましたが、それでもマークシートに正しく記入できているか不安が拭えません。なんか今だから偉そうにこんなこと書いてますが、落ちてそうな気してるのでまた来年も頑張ります!
(2日経ちましたがそれでもまだ不安で心配で涙出てきます。)
→試験直後は皆さん不安になるものです。報告を見て、十分合格ラインに届いていると感じていました。もちろん後日、合格の報告をいただきました。ではここから論述について。
二次試験が終わってマークシートを回収し終えてから論述問題に入ります。ここで初めて設問が見れます。
今年の設問は
・③(濃い系赤)のワインに合わせる料理を提案しなさい
・ロゼワインの醸造方法と楽しみ方を説明しなさい
・「熟成保管」について説明しなさいきた!!
僕が以前から抱いていた憶測が確信に変わった瞬間でした。別に得点につなげた!という話しではなく、「このソムリエ試験は教本からしか出題されない」と確信したんです。当たり前の話しですが、世の受験生がどれだけ今年あの藤色の教本を読破してるでしょうか。
だいたい皆さん参考書とかワインスクールがまとめたテキストを使用してるはずです。僕は基本、教本でした。問題集を解いて、間違えた個所を教本にマーカー。
各章の先頭の国の白地図に、河川、山脈、風、主だった特徴、ワイン法とその制定年など記入。一次試験を終了後、受験生の皆さん各々感想を仰ってるときに、ある疑念が生まれたんです。
難しかったと答えてる方は参考書・スクールのテキストベースの方。
簡単だったと答えてる方は教本ベースだった方。僕は後者寄りでした。教本通りの出題なんです。
(「どなたが執筆されてるのかなー。石田さんのワインリスト観にリゴレットや、遠藤利三郎商店にヒントはないかなー」なんて妄想してたくらい。)なぜなら
そもそもこれ民間資格だし。教本に載ってないことが出題されたら不公平。
特に地域格差があっても困る。東京は本当に有利。スクールもあるし、ワインがとっても身近。
教本に登場する名だたるワインや料理を目にする事が出来ます。
でもこれから日本ワインを盛り上げて行かなきゃならないのに、地方の受験者が不利になっては困る、それなら予算を割いてちゃんと作成した教本をちゃんと勉強した方に合格してほしい、と望むのが協会なはず。それなら教本からしか出題されない。教本を読み込んでいたら余裕で解ける設問にするはず。
(あと機関誌Sommelier)
なら論述は、CBTで問えなかったパートを聞いてくるはず。
そう。
教本の「ワインの購入・保管・熟成・販売」と「ソムリエの職責」の部分。
この部分、そんなに読み込んでる方はいないはず。CBTでもマイナー部分。
記憶に新しい「小売価格1万円のワインでクレームをもらった時の対応について」
しっかり教本 P.814に明記されています。
→補足しておくと、教本の内容だけでは得点できない「実務経験」を問われるような記述も求められています。経験が受験の条件にもなっていますし。ただし、知識を問う問題については教本からの出題と考えて差し支えないでしょう。
教本のこの前後には「酒石酸」「有機」「酸化防止剤について」などなど論述試験のネタになりそうなテーマが満載。「サステイナブルな取り組み」は教本P.109 南アフリカ章では今年の設問を振り返ってみましょう。
二問目 「ロゼについて」は教本P.26
三門目「熟成保管について」は教本P.792だいたい載ってるんですよね。濃い系赤とのペアリングはアルゼンチン、オーストラリアの「食事」にそれとなく触れてます。とはいうものの今年、全問で文字数が増加されてました。各300文字くらい?
それでも教本以外の出題を検討して、個人的に色々調べました。Brexitしたイギリスの影響、各章のコロナ渦明けの各国の動向、自然派ワイン、SO2添加の是非、中国ワインとその市場について、などこれ意外にもA4ノート2冊。→素晴らしい努力です。
ペアリングに関しては機関誌Sommelier でしっかり特集されています。
広告ページもなく充実した内容なので今後も購読を続けようかと思っています。来年受験する自分と受験を検討されてる方へのアドバイス
・いつもとちがう照明にも慣れておく。
・マークシートに慣れておく。いつものコメントシートにチェックしてから転記だと最後に気が変わる人がある一定数いるということ。
・基準になる安定的なニュートラルなワインを設けておく。
白ならミュスカデやセミヨンのような。赤なら、、、グルナッシュとかローヌブレンドのような。
いつでも味がある程度、安定していて廉価で入手しやすい。色調もど真ん中。
その基準ワインと比較対照しながら酸味・タンニン・甘みなど捉えるトレーニング。
(この廉価なワインがポイントなんです。購入側は経済的で助かる。ワインメーカー側はそんなにレシピをイジってくるはずないんです。そのワインの「イメージ」が決まっているし、培養酵母で安定的。高価なワインは培養した野生酵母で)
・そしてこれは最近ずっと意識してるんですがアルコール度数も捉えること。世界中の表示ルールを見渡してアルコール度数って絶対表示しなきゃならない。そう、絶対値なんです。
テイスティングコメントシートにはこのアルコール度数と関連する箇所が複数あります。
なら、このアルコール度数を捉えられれば何問かクリアできるんですよね。0.5%幅で取れるようにする。
これができるとトロンテスがほぼ100%、13.5%であの酸味。甲州ならいつでも12%以下。と判断できるわけです。あといちばん大事なのは自分から情報収集して、その情報の裏どりもして、自身を高みに持っていく学びの姿勢じゃないでしょうか。教えてもらうんじゃなくて、自発的に学んで吸収しようという姿勢。
以上です。
また心が落ち着いたら追記します。
お付き合いいただきありがとうございました。→詳細な報告、ありがとうございました。合格、おめでとうございます。
はじめまして。
勉強期間中はサイトの情報でお世話になりました。
感想を送らせていただきますので、よろしければお役立てください。
1のワインはおそらく樽なしシャブリです。アルコール度数は13.5くらいと推測しました。ニュートラルなニュアンスなのに、香辛料のところで4つ選ばされるのが苦しかったです。ミネラル総振りの回答を期待されたのかも。
→その可能性は十分あります。ただ、ここは樽あり、樽なしで意見が割れています。
2のワインはドライリースリングです。ドイツですが残糖は感じませんでした。大阪梅田の受験会場は、ソムリエ1部屋、エキスパートは2部屋くらいに分かれていたかと思います。
長机を等間隔に並べて白クロスを掛け、両端に受験生が座るスタイルです。照明はじゅうぶんに明るく、色を確認するのも容易でした。肌寒い部屋なのも想定通りでした。
吐器カップと水グラスもありました。係員さんがこまめに水を注ぎに来てくださるので、グラスが空になることはありませんでした。
→報告の印象からしっかりとした自信がかんじられますが、合否の報告はいただいていません。合格を信じております。
いつも拝読しております。都内飲食店に勤めているものです。
過去のテイスティング、論述などの情報共有ありがとうございました。
先日、二次試験を終え、テイスティング、会場の雰囲気など感じた事を報告させていただきます。白1
外観は白2と比べてやや濃くイエローに選択。
ニューワールドのシャルドネだったらいいなぁと思いつつ香りを嗅ぐと、ハーブのような香りで樽香は感じられず
ソーヴィニョンブランかな?と思いますが、とりあえず全部のグラスを一通り嗅いでから戻り、改めて嗅いで一口。
果実味があるけど、パッションフルーツが無く、フランスにしては色が濃すぎると思い、酸の感じがソーヴィニョンブランの気がせず、2020 オーストラリアのリースリングを選択。
→展開に脈絡が足りない気がします。なぜソーヴィニヨンブランでないとリースリングなのでしょうか。また、色の濃さだけでニューワールドに確定してしまうのも危険です。白2
白1と比べて淡くグリーンがかったレモンイエローを選択。
第一印象は吟醸香がしたので甲州で進めて行くことに。
ただ、飲んでいくと果実味が強く感じ、甲州の選択は消し、色調でミュスカデを疑いますが酵母からくるニュアンスもなく、シャブリも疑いましたが、ミネラル感もなく色にしては果実味が強すぎると思い、
ソーヴィニョンブランも浮かびましたがハーブを感じられず、2019 フランス シュナンブランを選択。
→白1でもそうでしたが、品種のみで右往左往しすぎています。シュナンブランの選択も試験的にはおすすめしません。品種はできるだけシンプルに考えるのが大切です。赤1
ルビー、ラズベリーレッドではないと思い、ガーネット、ダークチェリーを選択
最初、何の香りもせず全く見当がつきませんでしたが嗅いでいくと、ミントのような香りが。
カベルネかな?と思いますが、にしてはタンニンが少なく、黒系果実だけどジャムっぽくないのでニューワールドは外しメルローとシラーで、迷いメルローにしては果実味が強く複雑かなと思いシラーを選択。
しかし、最後に飲んだ時にイチゴミルクのようなニュアンスがあり残り時間も少なかったので品種と産地だけ変え 2020 スペイン テンプラニーリョで書き直し。
→最後に慌てて書き直すのはお勧めしません。過去の受験者の報告から見ても失敗するケースが多いですから。食後酒1
外観は無色透明
ジンだったらいいなぁと思い選択肢を見るもほとんど飲んだ事もない酒ばかりで、唯一飲んだ事のあったオー・ド・ヴィー・ド・キルシュ。
香りも似ていて、飲み終わりにサクランボの香りがしたのでオー・ド・ヴィー・ド・キルシュを選択。食後酒2
外観は茶色でした。トウニーポートを期待しましたが、これも選択肢になく。
唯一飲んでいたチナールに似ていたのでチナールを選択。以上のように生産国、品種、食後酒は全滅。
直近のテイスティングでも品種は全く当たっていなかったので品種全外しで通ろうと思っていましたが、コメントも果たして本当に合っているのか疑問です。不安になってもしょうがないので大丈夫と思い三次対策をしています。<論述>
とりあえず、最初に全問題を把握しました。
・3番のワインに合う料理を200字以内で説明しなさい。唯一ここがとまどいました。
2種あったので絶対白が出ると思っていたので(テイスティング中も何と合わせようかなとか考えてしまいました、、、)スペインのテンプラニーリョ、いわゆるフルボディと呼ばれる赤ワインと言い、牛肉のローストと合わせると書きました。豚や鶏ではなく旨味の強い赤身と合わせる事によりタンニンをそこまで感じず(そもそもタンニンがあまりないワインだったのですが、、、)ワインも料理もまた違った表情を見せますと解答。・ロゼは様々な醸造方法があります、それぞれの楽しみ方を300字以内で説明しなさい。
ロゼの醸造方法を書き出し。
直接圧搾はマセラシオンの期間を長く取ることにより様々なスタイルのワインを造れるため、色々な料理に合わせやすいです。セニエ法はフレッシュなタイプのワインが多くランチタイムのちょっとした一杯にピッタリです。→セニエは赤ワインに近いしっかりとしたロゼのできやすい手法です。
混醸法はヨーロッパではシャンパーニュ地方のみ認められていてスパークリングのみですが(ロゼデリセってどっちだっけと思いましたが無視しました)グランメゾンの乾杯にもふさわしいエレガントなワインを造りますと解答。→混醸法はドイツのロートリングなどに使われている手法ですね。シャンパーニュは赤ワインと白ワインのアッサンブラージュ(調合)によるブレンドが認められています。・ワインを熟成させるための保存方法(文字制限はなかったと思います)
一番重要なのは湿度があることと書き、→一番は温度だと思います。
コルク栓のワインは特に湿度によりコルクが膨張しワインを酸化から防いでくれますと(今思うとワインとコルクが接触する事で湿度じゃないなと思いました、、、)
あとは、振動と日光を避ける事を書き、セラーで保管することが一番と書き、
最近聞く、海底熟成についてネット記事でシャンパーニュのボトル気圧と海底の気圧が同じだから熟成に向くというのを見て本当かどうかはわからないのですがマスを埋める為に書きました。論述も終わった当初はこれなら大丈夫!と思いましたが思い返すと、怪しいところがちらほら、、、
といっても、まずは二次を通ってからなのであまり気にせずにいます!会場はグランドプリンスホテル新高輪でした。
会場の雰囲気に慣れる為に早く来られる方もいますが、私は逆に落ち着かないので開場15分前くらいに到着しました。既に会場前には人で溢れかえっており、人混みで酔いそうだったので別のフロアに避難し論述やテイスティングコメントを軽く目に通していました。
開場してからも外観で色々考えてしまうので5分前に開場入りしました。外観では、「この品種だったらいいな~」程度であまり考えないようにし、説明があり試験開始。
(この説明の際に論述にテイスティングワインに関係する問題が出ると言われ2つあるから白の合わせる料理かと思いました。思った以上に会場が寒くなかったと感じました。過去受けられた方にもカイロを持って行かれた方もいたので自分も持って行ったのですが温めることもなく、半袖で受けられてた方もいたので前と変わったのかなと。テーブルは二人一組で間にアクリルじゃないパーティションで分けられただけですが隣の方は全く気にならず)試験対策としては
ひたすら、主要品種を飲み特徴を捉えていたつもりだったのですが、ブラインドだと全く分からず、スクールに通ってなければ、セミナー等に一度でも行くべきだったと思いました。(タイミングが合わずセミナーも参加出来なかったのですが)
ネットで調べたテイスティングコメントだと実際のワインの状態もわからず、あくまで模範解答なので自分のコメントの基準が作れていなかったので感じたままに書いてしまいました。論述対策は
こーざで出ていたリストは200字程度の内容で書けるようにしておき
試験前は今年のトピックスがこれと言って無かったので、チーズや日本酒に関する問題を想定しました。
(ブリアサヴァランやフルムダンベール、五百万石や山田錦、並行発酵について)
自分はワードで打ち込んでから見ずに同じ内容を紙に書くということをしていました。
(ワードで打てば文字数を数えなくて済むので)長々と失礼致しました。
残念ながら不合格のご連絡をいただきました。テイスティングで品種探しにとらわれてしまっているように感じます。品種探しに終始すると必ず失敗します。品種よりも強弱によるパターン分けが重要です。
しかし、この方からも、「来年以降今以上の力をつけて合格する」との力強いメッセージをいただいています。
応援しています!
9月のテイスティングセミナーでお世話になりました。テイスティングマニュアルにはとても驚かされましたし、本当に助けになりました。感謝しております。
さて、長くなりますが、テイスティング試験の報告を失礼致します。
昨年受験して2次で落ちてしまい、今年再挑戦でした。
金沢ANAクラウンホテルにて、ソムリエ呼称を受験しました。会場は中宴会場(会議室くらいの広さ)、ソムリエ呼称受験者は20人ほどでした。隣の会場はエキスパートでした。ホワイエがそれなりに広く、ソファがたくさんあったので時間まで受験生は待機していました。
開場して1人1テーブルで着席しました。寒いかと思っていましたが、カーディガンを着ていてちょうどよいくらいでした。テイスティングの内容です。
①は、わりと黄色みの強い印象で、これはグリーンがかったを選んでいいのか迷いました。なので、レモンイエローとイエローを選択しました。濃淡はやや濃い、粘性はやや強いので、成熟度が高そう。
香りの第1印象は控えめ、香りが取りにくいなと思いました。②のワインが色がとても淡かったのでパッと見甲州だと思いそっちからテイスティングしていたので、①のほうが香り弱くてびっくりしました。
香りの内容は、柑橘類、りんご、スイカズラ、石灰、トースト、ヴァニラを選択。
若々しいが、ニュートラルで、木樽からのニュアンス。
味わいは、アタックはやや弱く、甘みはソフト、酸味はなめらか、苦味は穏やか。
香りに熟した果実の印象があり、粘性を感じたので、2018年アメリカのシャルドネと回答しましたが、残り1分のとき、香りが控えめだったことと味わいがそこまで強くなかったことを思いフランスに変更したのが幸いでした。はたして2年連続で仏シャルドネなのか…と過りましたが。→皆さん戸惑っていますね。
評価に[バランスがよく、滑らか]の項目があり、選ぶか悩み、シンプルでフレッシュを選びました。→樽をとっているならシンプル・フレッシュは選択しない方が良いと思います。樽熟成は複雑さをワインにあたえるものですから。
濃淡や粘性はやや強い選択をしましたが、味わいのバランスは弱めを選んでおり、そこが不安です。
→実際、色調に反して味わいが弱いとの報告がおおいですね。②はとにかく色合いが淡かったので、甲州かミュスカデを想定して臨みましたが、想定外に甘やかな香りでした。
澄んだ、輝きのある、グリーンがかったレモンイエロー、濃淡は淡く、粘性はやや軽い、軽快な印象でした。
香りの選択は、柑橘類、リンゴ、アカシア、石灰、花の蜜、(後にペトロール)
若々しく、成熟度が高い、第1アロマが強い印象。アタックはやや軽い、甘みはソフトな、酸味は爽やかな、苦味はコクを与える。中程度のアルコールとやや長い余韻。
りんごやアカシアの香りがあり、甘みが少しあったこと、色はとても淡かったので、2020年ドイツのリースリングに決めたら、ペトロール香もする気がしてきました。
評価はシンプル、フレッシュ、8-10℃
グラスは香りがわりとあったので中庸にしました。→香りの強さにかかわらず、この流れでは小ぶりです。
ペトロール(ケロセン)と書いてあったんですが、ケロセンとはなんだろうと思いました。
→ほぼ完璧なテイスティングでした。素晴らしい。③は、澄んだ、輝きのある、紫がかったダークチェリーレッド、濃淡は濃い、粘性やや強い、若々しく成熟度が高いを選択。濃淡が濃かったので、艶のある輝きだったのかもしれませんが、紫がとても強く若そうだったので輝きのあるにしました。→このワインではそれでよいと思います。
香りは開いて、濃縮感がありました。
ブルーベリー、カシス、ブラックベリー、メンソール、シナモン、ナツメグ、甘草、ヴァニラ
若々しく、第1アロマが強く感じました。
アタックはやや強い、甘みはまろやか、爽やかな酸味、収斂性があり、力強いバランスでした。
アルコールはやや強め、余韻やや長い。
外観がしっかり濃かったのに、味わいが中程度寄りのバランスで選択しているところが少し心配です。
→報告を見ても、すこし優しいワインだったようですから、まったく問題ないでしょう。
評価は成熟度が高く豊か(濃縮し力強いだったかな…)、17-20°C、大ぶりのグラス、デキャンタージュなし。
味わいに甘み酸味タンニンの三角形のイメージがよく理解できて、シラーに。香りに黒オリーブの感じがわからなかったので、フランスではなくオーストラリアにしました。
→ここも素晴らしい。④のピスコは、全くのノーマークでした。甘い果実の香りはしましたが、マールと答えてしまいました。ワインスクールの講師や有資格者に聞くと、ピスコは難しいよと皆言っていました。
⑤は、茶色の時点でチナールかイェーガーマイスターに絞っていて、アルコール度数が高そうで色んなスパイス香がしたのでイェーガーマイスターに。
ひとつひとつワインに向き合うにはやはり時間がギリギリでした…!
しかし、去年は生産国も品種も当てずっぽうでコメントも自己流の感覚でやってたのが、今年はワインをじっくり見てマニュアルをもとに考えることができ、少し成長を実感できました。”こーざ”には本当に感謝しています!
→こちらこそ、貴重な報告ありがとうございます。続いて論述は、
まず、③のワインに合わせる料理の提案で、間違えていようがぶどう品種はシラー(シラーズでしたが)と書こうと思って臨めたので、スパイシーな香りに酸やタンニンがしっかりしたワインには、牛サーロインステーキがオススメですなど、それなりに書けたと思います。ロゼワインの醸造法と楽しみ方は、3つの醸造法(セニエ法、直接圧搾法、混醸法)によるワインの違いとざっくり合う料理を上げてみましたが、料理がざっくりしすぎて(肉料理、魚料理、鶏豚野菜)わけ分からなくなってしまったなぁと反省しました。
ワインを熟成させる保管の条件については、一定の温度と湿度に保つことを触れましたが、指定数400字と多くあと100文字程で時間切れでした。終了後、振動が少なく匂いも強くないところなど、いろいろ浮かびましたが、これまた反省です。
去年は考える時間に取られて、3問目はほぼ書けずだったので、反省はあるけど、シラーに決めてできたことと去年よりは文字数を書けたことはよかったです。
長くなりましたが、報告は以上です。
去年、ソムリエ協会HPの合格者発表に名前がなくてすごく心苦しい思いをしたのをまた味わいたくないです。今年嬉しい報告ができるといいなと祈っています。
急に寒くなってきましたので、どうぞお身体ご自愛ください。
コメントから一年の研鑽を感じる素晴らしいテイスティングでした。報告をいただいてすぐ合格を確信しました。やはり一度悔しさを味わった方の強さは並々ならぬものを感じますね。論述も問題ありませんので自信をもって3次に進んで下さい。合格は目の前です。
みなさん、貴重なご報告ありがとうございました。ソムリエ呼称の振り返りは次回が最後です。
何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希